JunchanのHealth attitude blogにご訪問ありがとうございます。医療スタッフのメンタルパートナー かたよし純子です♪ 今週は、音を聞くという、耳に関するさまざまなことをまとめています。初回は音の特性、理解、2回目は耳の聞こえに関する構造やしくみを中心に、そして最終回の今日は、聞こえにくい状況となる「難聴」に関することをまとめていきます。難聴に伴う耳鳴りにも、危険な耳鳴りもあります。さらに耳は、平衡感覚機能もあり、この機能が失調するとめまいを引き起こします。めまいの多くは、耳が原因とすることが多くまた循環器疾患との関連性も示唆されています。耳のトラブルは、思っている以上にさまざまなものがあります。

 

1.聞こえることと、聞こえにくいこと深めたい理解3つ+1

1-1 聞こえの範囲の個人差を知る、聞こえる人と聞こえない人

1-2 聞こえにくい状態の「難聴」とは?

1-3 加齢とともに減少する聴覚細胞、耳の加齢の問題

1-4 難聴に伴う、耳の中の雑音「耳鳴り」

今日のプラスα

2.子どもの聴力「ムンプス難聴」を知っていて欲しい

3.空間に活かしたい、マスキング効果

生理検査アティテュード®からのメッセージ

・『あたりまえのこと』に感謝をしたい

 

1. 聞こえることと聞こえにくいこと深めたい理解3つ

1-1 聞こえの範囲の個人差を知る、聞こえる人と聞こえない人

人が聞くことができる範囲、つまり音の振動を捉えることができる範囲が可聴範囲と初回のブログでお伝えしましたが、この可聴範囲には、とうぜん個人差があります。

❍モスキート音が聞こえますか?可聴範囲の個人差

モスキート音が聞こえる子どもや若者と、高齢者では聞こえる音域が異なるということは、よく知られていることかと思います。ではどうして、加齢により聞く力が異なってしまうのでしょうか。

人が持って生まれた聴力の、聞き取れる音の周波数は、20Hz~20000Hzと言われています。17000Hzくらいの超高周波となりますが、モスキート音は、20歳代前半まで聞こえる音とされています。かなりの高音でキーンと言う音に近いようです。実際にサイト検索で聞いて見ましたが、そこまでは聞こえませんでした(笑)試されたい方は、「モスキート音視聴」でネット検索するといろいろなサイトで聞くことができます。

モスキート音は、深夜の若者を公園などから追い払うために用いられたことで知られるようになったかと思います。かなりの高音を聞くことになりますので、気持ちのようものではありません。ちょっと気分が悪くなるかも知れませんのでご注意ください。

●モスキート音が聞こえる理由有毛細胞の周波数の担当

初回のブログで有毛細胞のことをお伝えしたかと思います。蝸牛にある有毛細胞は、担当する周波数(音の高さ)がそれぞれ異なります。蝸牛の入り口付近は、高音を認識し、奥に行くほど低周波(低音)を感知する細胞が並んでいます。

入り口付近の細胞は、刺激を受けやすく負荷がかかりやすい状態となります。有毛細胞は、一度損傷すると、もとに戻ることは出来ません。そのため、入口付近の有毛細胞の数が減少すると高音領域の音の聞こえが悪くなります。

●有毛細胞に優しい生活をお勧めします。

有毛細胞が、大音量の音を聞き続けることや、常に雑音の中で過ごすような環境にいることなどで、有毛細胞に負担がかかりすぎると、若い人でもモスキート音が聞こえなくなることがあります。移動中ヘッドホンから漏れ聞こえるような大きな音量で聞き続けるような生活を行うことで、確実に難聴になることになります。

❍聞こえの検査

前回のブログでお伝えした、「音を伝えるメカニズム」のどこかの場所に障害が起きることで、聴覚障害が出現します。実際行われている聞こえの検査にはさまざまものがあります。

●聞こえの検査の種類:聴力検査
  1. 純音聴力検査  :聴力検査の中でも基本的な検査、聞こえの程度、障害部位のおおまかな判断
  2. 語音聴力検査  :ことばの聞き取り
  3. ティンパノメトリー:鼓膜や耳小骨の動き
  4. 耳小骨筋反射検査:顔面神経の障害は
  5. 聴性脳幹反応検査:聴覚神経系を刺激し、客観的に(被検者がボタンを押さない)脳幹部での電位を波形にする。
●純音聴力検査(純音オージオメトリー)

純音聴力検査は、基本となる聴力検査です。目的として聞こえの程度を知ることと、聞こえが悪い場合、どの部位での異常によるものの予測することです。

《オージオメーター》

純音聴力検査では、通常遮音された防音室で行われます。JIS 規格に沿った、オージオメーター(聴力計)で、被検者に純音を聴かせて、気導聴力および骨導聴力の音圧レベル(閾値)を測定します。純音聴力検査には、気導聴力検査と骨導聴力検査がある。

・気導聴力検査

気導聴力では、125 Hz、250 Hz、500 Hz、1000 Hz、2000 Hz、4000 Hz、8000 Hzの7種類それぞれの周波数の純音をレシーバー(受話器)を装着してそれぞれの音を聞き、聞こえる最小音圧レベル(閾値)を測定します。

・骨導聴力検査

骨導検査では、250 Hz、500 Hz、1000 Hz、2000 Hz、4000 Hzに5種類それぞれの周波数を聞いてもらいます。骨導は、耳の後ろの骨の部分に骨導レシーバーを当てそれぞれの周波数について、聞こえる最小の音圧レベルを測定します。

《聴力検査の実際》

レシーバーの耳への装着は、正しい位置に装着することが大切なため、必ず、検者が行います。被検者は、気導から片耳ずつ左右行い、骨導も同様に片耳ずつ左右行われます。検査音を聞き、聞こえたらボタンを押して検者に知らせます。結果は、オージオグラムという聴力図に記録され、評価されます。なお、気導検査も骨導検査も、最大出力音圧でも聞こえない場合には、聴力図にはスケールアウト(測定不能)と記録する。

この検査の結果で、伝音性難聴、感音性難聴、混合性難聴に分類されます。

 

1-2 聞こえにくい状態「難聴」とは?

この聴力検査で分類された難聴をみていきましょう。

❍難聴の種類

  • 伝音性難聴:伝音器 外耳、中耳に原因のある伝音難聴
  • 感音性難聴:感音器 内耳、聴神経に原因がある感音難聴
  • 混合性難聴:伝音器、感音器の両方に機能障害がある混合性難聴、高音と低音ともに聞こえにくくなります

《伝音性難聴》

伝音性難聴は機能的な障害で、

『外耳・中耳・蝸牛窓・前庭窓のいずれか、またはそのすべてがおかされ、伝送特性が変化するために起こる聴覚障害を言う』

《感音性難聴》

内耳または、内耳から聴覚中枢に至る部分に器質性の病変があると考えられる聴覚障害」

「日本聴覚医学会2012」

●伝音性難聴の原因

原因として、大きな耳垢栓塞(耳あか)で塞がれている、鼓膜や中耳骨などの不具合などが多く、多くが回復します。ただし、先天性疾患となる小耳症や無耳症などの外耳道の欠損や、耳小骨の癒着など手術が必要なこともあります。

●感音性難聴とは

内耳から聴神経にかけての神経性の難聴となります。内耳での音処理、電気信号を脳へ伝える神経が上手く機能していないために音の様相がはっきりしないという状態です。「聞こえない」と「聞き取れない」の2つの問題に分けられます。

《突発性難聴》

よく聞かる突発性難聴は、感音性難聴に分類されます。原因がわからないとされるものが多いようですが、ストレス性の血行障害や、ウイルス感染などが疑われている状態です。ただ、聞こえないと思ったら早急(48時間以内に治療開始)に適切な処置をすることで治る見込みが高いといわれています。放置することで聴力は失われてしまいます。

※関連ブログ「健診結果を読む① 身体の数値

難聴の種類

<難聴の種類>

❍その他の難聴

中枢性難聴

脳幹神経伝導路の障害による脳幹性難聴と皮質性難聴を含めて中枢神経性難聴とします。

  • 聴皮質の障害:聴覚失認、語聾(ごろう)、感覚性失音楽
内耳性難聴

障害の部位が蝸牛に限局している場合の感音性難聴

機能性難聴

器質的障害が無くにも関わらず、難聴が生じている。

  • 原因と考えられるような精神的ストレスがあきらかな場合(ヒステリー性難聴など)心因性難聴となる
  • 意図的に難聴を装っていると考えられる場合の詐聴(さちょう)も含まれます。

この診断には、被検者の意識や心理に左右されることのない、他覚的聴力検査として、聴性脳幹反応検査(ABR:Auditory brainstem response)が用いられます。

❍難聴レベル

難聴の基準は、デシベルで表されます。日本聴覚医学会難聴対策委員会がUPしているものを下記に示します。

《難聴(聴覚障害)の程度分類》

正常な聴こえ
  • 20 dB くらいのささやき声程度の小さな音も聞こえる
軽度難聴: mild hearing loss (impairment)
  • 平均聴力レベル 25 dB 以上~40 dB 未満
  • 小さな声や騒音下での会話の聞き間違い、聞き取り困難を自覚
  • 会議などでの聞き取り改善目的では、補聴器の適応も検討
中等度難聴:moderate hearing loss (impairment)
  • 平均聴力レベル 40 dB 以上~70 dB 未満
  • 普通の大きさの声での会話の聞き間違い、聞き取り困難を自覚
  • 補聴器の良い適応
高度難聴:severe hearing loss (impairment)
  • 平均聴力レベル 70 dB 以上~90 dB 未満
  • 非常に大きい声か補聴器を用いないと会話が聞こえない
  • 聞こえても聞き取りには限界がある
重度難聴: profound hearing loss (impairment)
  • 平均聴力レベル 90 dB 以上
  • 補聴器でも、聞き取れないことが多い
  • 人工内耳の装用が考慮されるレベル

難聴(聴覚障害)の程度分類

<難聴(聴覚障害)の程度分類>

 

1-3 加齢とともに減少する聴覚細胞、耳の加齢の問題

難聴の原因のひとつに、加齢による難聴もあります。

❍聴覚機能の老化

難聴、いわゆる聞き取りにくいということを自覚する時に老化を意識する人もいるのではないでしょうか。難聴は、すでに聴覚の老化が始まっているともいわれます。

冒頭のところでもお伝えしましたが、聴覚細胞の減少や老化により聴力が低下していきます。通常50歳を超える頃から聴力が低下し、60歳以上になると会話にも支障きたすこともあるようです。しかしながら、聞こえには個人差があります。80歳を超えてもほとんど聴力の低下が見られない方も実際にいらっしゃいます。

●高音から聞こえにくくなる

加齢とともに低下する聴力は、高温領域からみられ、低温領域ではあまり低下が見られません。高温領域の聴力の低下が顕著とされ、子音を含むことばの聞き分け、特に「あ」行、「さ」行などが、聞き取りにくくなるといわれています。この聞き取りの検査が、先に上げた「聴力検査」の2番目の「語音聴力検査」検査です。

●高齢者の聴覚障害は、よくやる聴力検査ではわからない?!

実際この、語音の検査を行っていたことがある立場から、サイト検索をしてみました。要約して下記に紹介いたします。

人のらせん神経節細胞は、有毛細胞やその他の蝸牛内細胞に障害がなくても1年に100個ずつ減少していくといわれています。10歳未満では、34,000個あった細胞が、30歳代で 29,000個、60歳代で27,000個、90歳代では、22,000 個にまで減少するそうです。そして、有毛細胞の障害を伴う場合は、さらにこの消失は加速され、加齢とともに語音聴力が低下していくといわれています。その原因が、らせん状神経節細胞の減少だとされ、このらせん状神経節細胞の減少は、通常行われる、標準純音聴力検査での評価ができません。

健診では聴力正常とされていても、日常生活での聞こえにくさの訴えがある場合には、神経節細胞のような聴覚路の障害がある場合もあるということをぜひ知っていて欲しいと思います。

老人性難聴での蝸牛の障害部位と聴覚障害の特徴(病理組織分類と聴覚障害の特徴)
  • 有毛細胞の消失    :純音聴力の低下(高音域ほど低下が大きい)
  • らせん神経節細胞の消失:語音聴力の聴力低下、純音聴力は比較的保たれる
  • 外側壁の萎縮       :純音聴力の低下、語音聴力は非常によく保たれている
  • らせん神経節細胞の樹状突起の減少:純音聴力の低下、語音聴力は、ほぼ正常

※引用サイト 高齢者の難聴「日本老年医学会雑誌 51巻1号 2014:1」

❍自分の「聞こえ」をチェック

何気に聞いていることにちょっと意識を向けてみてください。

  1. 大きな声なのに、早口での会話についていけない
  2. 呼びかけの声に気づかないことが多くある
  3. 静かな場所では問題ないが、騒がしい場所では何度も聞き返すことがある
  4. 会話の最中に聞き取れずに、あいまいな返事をしてしまうこのがある
  5. 知っている内容ならば聞き取れても、聞いたことがない言葉が聞き取れない

❍使わない機能は低下する

筋肉を使わないと筋肉量が低下してしまうことは、よく知られているのではないかと思いますが、使わない機能はドンドン衰えていきます。人との会話が減り、音を聞かなくなることにより、音を認識する機能が低下してしまうことになります。高齢者の閉じこもりによる他者とのコミュニケーションの低下がますます聴力の低下につながることになります。

●難聴を放置すると
日常生活の会話の中で、よく聞き取れない会話に不自由さを感じることや、不安に感じてもそのまま放置してしまうことでさまざまな影響が生じることがあります。難聴を放置することで、聞こえにくいということは、コミュニケーション力を欠くことになり、孤立感につながります。聞こえないことがストレスになりうつ病や認知機能低下にもつながります。

自分の好きな曲を意識的に聴くことで、音を認識する神経細胞も活性化されます。五感を活性化さることで認知症予防にもつながります。

難聴を加速させる要因として、騒音暴露や、動脈硬化、喫煙、糖尿病なども聴力低下のリスクにつながるといわれています。このような生活習慣や環境要因が、高齢者の聴力障害の個人差を生じる要因とされています。

1-4 難聴に伴う、耳の中の雑音「耳鳴り」と「めまい」

今週、耳を扱う中で「耳鳴:じめい」耳鳴りにも触れておきたいと思います。耳鳴は、多くの難聴に伴い見られる症状です。

❍耳の症状に伴うことが多い「耳鳴(じめい)」

耳鳴りとは、耳の中で発生している雑音のことをいいます。よくある耳の症状のひとつとされます。静かな場所にいるときに、「キーン」というような高い音が聞こえることを経験したことがあるのではないでしょうか。これが耳鳴りといわれている症状です。自分だけに聞こえる自覚的耳鳴と、他の人にも音を認識できる他覚的耳鳴とがあります。
●自覚的耳鳴
耳鳴のほとんどの場合が、自覚的耳鳴とされ、病的な耳鳴りと生理的な耳鳴りに分けられます。
《病的な耳鳴り》

病的な耳鳴りの多くは、めまいや難聴などの耳の症状に伴うことが特徴とされています。

《生理的な耳鳴り》 非振動性耳鳴
生理的な耳鳴は、防音室のような静かな空間にいるときに感じる耳鳴りです。早朝や深夜など、物静かな空間でも起こりやすく、「キーン」という音を聞いたことがあるのではないでしょうか。夜就寝時に聞こえることもよくある耳鳴りです。
《自覚的耳鳴の原因》
  • 音響外傷 大きな騒音や爆発にさらされる
  • 加齢
  • 耳に損傷を与える特定の薬(聴器毒性のある薬剤)
  • メニエル病

その他、中耳炎、外耳炎、耳垢栓塞(耳あか)、アレルギーなど閉塞の原因による耳管の疾患、耳硬化症などがあげられます。

●他覚的耳鳴  振動性耳鳴
他覚的耳鳴は、振動性耳鳴ともいわれ、非常にまれだとされています。耳の近くの構造から出る雑音とされ、耳鳴りがしている耳に聴診器をあてると聞き取れるといわれています。
《他覚的耳鳴の原因》
通常、他覚的耳鳴は耳の近くの血管からの雑音といわれ、拍動毎に音がでます。

❍高音の耳鳴りと低音の耳鳴り

一般的に低音の耳鳴りの、低音性耳鳴は、中耳疾患によるものが多く、高音の高音性耳鳴は、内耳性、中枢性のものが多いとされています。
《高音性耳鳴》
高音性耳鳴は、キーンという金属製音のような音が聞こえるといわれています。片側のみの場合と、両側の場合とがあり、騒音性難聴や、一過性に騒音にさらされた時の音響性難聴などのときに起こるといわれています。
《低音性耳鳴》
低音性耳鳴は、耳に何かが挟まったような耳閉感を伴う場合が多いとされています。低音性耳鳴を伴うことが多い疾患として、メニエル病があげられます。その他、耳管狭窄、低音型難聴などがあげられます。30~50歳代の女性に多く、ストレスが大きく関与していると考えられています。

❍気をつけたい耳鳴

耳鳴にもいろいろあることが理解できたかと思いますが、片耳だけに起きる耳鳴りや、難聴以外の神経症状が見られるものは緊急を要する場合がありますので注意してください。

神経症状とは、回転性のめまい、バランスがとれない、維持できない、歩行困難、発語しにくい、飲み込みにくい、話しにくいなどの症状です。

❍耳鳴に似た、頭鳴(ずめい)

耳鳴に似た症状で、区別しにくい症状に頭鳴(ずめい)があります。頭鳴は、頭の中で音がする場合です。カーンという高い金属音として自覚することが多いとされ、後頭部、頭頂部、額、こめかみなど多様にみられます。脳の疾患や、耳の器官の異常が疑われ、脳神経外科か耳鼻咽喉科の受診が望ましいとされます。
脳と耳の異常原因とされていますが、完全には原因不明です。脳血管障害による血流低下や、雑音が原因だともされ、耳管炎などにも起因することもあるようです。

❍めまいの多くの原因は、耳から

めまいの起こるメカニズムは、複雑だとされています。耳、眼、首、脳などさまざまな要因の異常が関係している場合があるとされています。めまいのタイプには、2種類あります。回転性のめまいと非回転性のめまいです。そして、めまいを起こす原因にはさまざまなものがあるされていますが、多くは耳が関係しています。

●回転性めまい(グルグル)と非回転性めまい(グラグラ)

回転性めまいとは、グルグルと水平方向に自分自身が回っているように感じるめまいで、非回転性めまいが、グラグラと揺れているように感じるめまいです。どちらも吐き気や嘔吐を伴うことが少なくありません。回転性めまいは、一過性に見られることが多く、非回転性めまいは、とつぜん起こり、その後消失する場合とそのまま持続ずる場合とがあります。

《めまいのメカニズム》

内耳との三半規管にあるリンパ液の動きが乱れることにより発症します。三半規管の機能として、平衡感覚を司る機能を持ちます。頭の回転に対して、三半規管のリンパ液が動き、神経を刺激し回転運動の変化常に完治しています。この三半規管の動きに何らかの影響で正常に機能しなくなることでめまいが生じます。

頭を左右に振ることや、前後に動かすことに対して、リンパ液はその反対方向に動き、このリンパ液の動きを感知し情報を常に脳に送っています。目を閉じていてもどの方向に身体が向いたかを脳はキャッチすることができることになります。

●めまいと循環器疾患との関連性

耳性めまいと循環器疾患との関連があるということが分かっています。

耳性めまいの多くの人の病歴に、高血圧症、糖尿病、高脂血症、心臓病などの生活習慣病や、脳梗塞や脳出血などの既往を持つ人が多いという報告があります。さらに、耳性めまいの症状を持つ人が、その後、脳卒中を発症することが多いという事も言われています。

●めまいは脳卒中のサイン?!

内耳へ栄養を送る血管の動脈硬化性の病変が有った場合、とうぜん内耳にも影響が起こります。耳性めまいが、脳血管の病変のサインとして起こったとしても不思議ではありません。

耳のトラブル
 <耳のトラブル>
 
 

2.子どもの聴力「ムンプス難聴」を知っていて欲しい

朝の連ドラ「半分青い」のヒロイン鈴愛(すずめ)は、流行性耳下腺炎の後遺症として、片耳の聴力を失っているという設定です。いわゆる「ムンプス難聴」といわれる状態です。このムンプス難聴をまとめておきましょう。

❍ムンプス:流行性耳下腺炎とは?

ムンプス難聴は、通称「おたふくかぜ・ムンプス」といわれる、医師の国への届け出が必要とされる疾患です。

●ムンプス:流行性耳下腺炎とは?

ムンプスは、通常、唾液腺(多くは耳下腺)の有痛性腫脹をを引き起こすウイルス感染です。感染性の強い全身性の急性ウイルス性疾患とされています。ムンプスの合併症としてよく知られているのが、精巣炎や髄膜脳炎、膵炎などでしょうか。

ムンプスは、悪寒、頭痛、食欲減退、発熱、けん怠感などの症状で発症、その後に、唾液腺の痛みと腫脹を症状とする感染力の強いムンプスウイルスの感染症です。副作用として、精巣や脳、膵臓を侵すこともあり、特に成人男性の不妊の原因となるため、流行期に注意が呼びかけられますが、乳幼児への罹患では、髄膜炎や脳炎を起こしやすく、ムンプス難聴にも、気を配る必要性があります。

流行性耳下腺炎の好発年齢が、2~15歳、発熱と両側の耳下腺が腫れる疾患です。ムンプス難聴は、この流行性耳下腺炎の0.1~0.25%程度の割合で発症するとされています。

※情報リンク「国立感染症研究所

❍どうして起きるの?ムンプス難聴

流行性耳下腺炎の罹患により、まれに内耳にもウイルス感染を起こし急性発症する難聴と言われています。ほとんどの場合、一側性に発症しますが、高度の難治性の難聴とされています。

ムンプスウイルスにより、内耳の有毛細胞が障害されることにより、ムンプス難聴は発症します。難聴の発生は、耳下腺の腫れの強さとは無関係とされ、耳下腺の腫れを認めない不顕性感染でも難聴が発生することがあるとされています。

●ムンプス難聴の症状とは?

ムンプスウイルスは、唾液腺、膵臓、睾丸などの腺組織、髄膜、内耳などの中枢神経系に感染しやすいウイルスとされています。ムンプスウイルスの感染により、発熱と両側耳下腺腫脹(ときに一側性)、その後18日以内に一側の耳の高度の難聴とされています。難聴とさらに、耳鳴りやめまいを伴うこともあるとされています。幼児などでは、上手く症状を訴えることが困難な場合があり、聞こえにくくなっている状態に気づかないこともあり、いつの間にか聴力を失っているということもある疾患とされています。

ムンプス難聴は、聴力の改善は、ほとんどの場合が期待できないとされ、有効な治療法はが無いとのこと、補聴器や人工内耳などは、ムンプス難聴では適応にはならないとのことです。

❍ムンプスウイルスによる両側性高度感音難聴

子どもの難聴は、その後人生に大きく影響を及ぼします。特に両側高度感音難聴の発症が起こった場合、音声や環境音などすべての外界音がはいってこなくなります。ことばの習得前の子どもに発症した場合には、言語習得に大きな影響をおよぼすことは言うまでもありません。

●聴力失調は、発語を失う

聞こえないということは、話せないということにつながります。聴覚失調は、発語としてのことばを失うことにもつながります。人は自分の声を聞きながら会話をしています。耳から音声による言語の入力が無いことにより、低年齢の子どもでは、それまでに獲得していた言語、言葉をも失ってしまうといわれます。子どものことばを守るのは、お母さんです。

余談ですが。。。

美しいことばを使いたいと思いませんか?

周囲に対して、怒りを爆発させ、罵声や暴言を浴びせているつもりでも、いちばんに、聴いているのは、他の誰でもありません、自分自身です。

 

3.快適な空間創りに活かしたい、マスキング効果

マスキングとは、覆い隠すこと、包み込むことをいいますが、このマスキングの効果はさまざまなところで使われています。

❍骨導検査でのマスキング

一番始めに、今日は、聴力検査のお話もでましたので、聞こえの検査にこのマスキングが使われているということからお伝えしたいと思います。

●骨導聴力検査でのマスキングの必要性

骨導検査では、頭蓋骨と軟骨とからの情報を拾っています。骨導聴力の検査音は、5デシベルの差で反対耳に届きます。左右差が5デシベル以上の時には、検査耳と反対側からの耳の気導からも音情報が入ってきます。そのため反対耳への音の侵入をノイズを与えて妨害をすることが必要になします。そのため検査耳ではない方の耳には、レシーバーからマスキング音を流して検査が行われます。

このため、純音聴力検査は、6歳以下の未就学児にはあまり向かない検査であり、検査担当者には、それなりのスキルが問われます。(小児用には、遊戯感覚でおこなえる聴力検査があります)

❍BGMによるマスキング効果とは?

普通なら聞こえている音が、別の音によりかき消されてしまい、聞こえないことがあります。ある一定の同じ周波数で音を発生させることにより、同じ周波数の音が聞こえなくなります。

このマスクング効果を飲食店などでは、マスクング音としてBGMを流すことで、周囲の話し声をマスクしていることが多くあります。

●効果的なマスキングとは

マスキング効果を活かすためには、施設内に多くの音源となるスピーカーを設置します。さらにマスキング効果を有効化させるために、音量を考えることが必要です。スピーカーがひとつの場合あまり音量を上げすぎてしまうと逆効果となります。複数のスピーカーを用いるほうが小さな音で効果的なマスキングを行うことが出来ます。

マスキングを効果的に用いることで施設内の雑音を軽減させ、不快感を削減、ストレスフリーの空間に近づけることで居心地のよさをUPさせることが出来ます。

街なかにはさまざまな、不快な音声が満ち溢れていることがあります。その場にいるだけストレスを感じることも少くありません。ほんの少しの時間でも静寂な空間に身を置くことで、心もりせっとさせることができます。しかしなかなか、静寂を求めること困難なことも少くありません。

自分の好きな曲、リラックスできる空間を家の中に工夫して創ることも必要なのではないでしょうか。自分の居場所を考えてみることもいかがでしょうか?

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耳に優しい生活は、五感を意識する生活の中にある

 

生理検査アティテュード®からのメッセージ

『あたりまえのこと』に感謝をしたい

私の幼少期、たぶん幼稚園の頃の記憶に、やけにリアルに残っているワンシーンがあります。

おたふくかぜに罹った記憶

今回、聞こえを扱いムンプス難聴をまとめながら、いかに「聞こえが大切なのか」聞こえるということに心から感謝をしたい、そのことを痛感しています。

私のおたふくかぜの記憶、片側だったか、両側ともに腫れたかまでは記憶は定かではありませんが、おそらく4、5歳のときの記憶です。細長い水袋で耳の下を冷やしながら寝ていた自分自身の姿が、記憶のワンシーンに残っています。どうしてなのか、理由はわからないのですが、そのワンシーンは時折私の意識化に上がってきます。

聴覚障害のない私は、音をふつうに聞こえるということに対してほとんど意識していません。最近年令とともにやや怪しくなってきてはいますが、比較的小さな物音にも反応しますので、自分は耳が良いほうだと思っています。ムンプスウイルスへの感染で耳が聞こえなくなることがあるという事など、幼少時の私はもちろんのこと、私の母も知らなったことだと思います。私は幸いなことに、ムンプス難聴にはなることはありませんでしたが、そう考えると知らないほうが幸せなこともあるのかと思います。情報過多の時代どう生きるかということにもつながりそうですが...

❍意識されてはじめて思う最近のさまざまなこと

聞こえるということが、ふつうであたりまえだと思っていると、感謝をすることもありません。病気なって人は初めて健康であることを意識し、早く良くなりたいと願い、自分自身の身体を思いやることに対して意識することができるのではないでしょうか。

今回の震災も、あまり報道されていない大雨による多くの災害、「まさか自分が」この声を多く聞きます。停電のことを知り、2011年の関東でも大規模の帯電を経験してた時のことを否が応でも思い出しました。

人間は、「喉元過ぎれば熱さ忘れる」とも言われます。忘れていた自分を思い出させてくれました。札幌の友人の「停電だから情報が...」この言葉に、2011のときの宮城の姉のことばを思い出しました。「情報が無いからどうなっているのかまったく分からない、津波の被害も、そんなに大きな地震だったんだ...」

その反面、PTSDなどのストレス症候群に悩む方々も、これから多くなることが予想されます。多くの人の命を奪うことがある災害が、どこで起きるのかということも忘れてはいけないことなのだけれども、人は、そこから前をむける力を必ず持っています。恐れを受け入れながら、受け入れることでさらにその倍の生きる力を得ることができます。心の振れ幅を受けとめることでしなやかな感性を育むことができるのだと私は思っています。

悲しみを、痛みをさまざまな辛さを知ることができるから、だから多くのことに共感することができるのだと思う。頑張らないで受け入れること、今の自分の在り方を自分の中で昇華させることができるということ、自分自身を他の誰でもない、自分が信じることなのだと私は思います。

おたふくかぜからの連想が、さまざまな自然災害への憂慮につながってしまいましたが、今、なぜだかあまり動けない私自身のコアな部分の表出のように感じます。人の心を学びながら感じたことを明文化したかった私自身の在り方Attitudeだと感じています。お読み戴きましたみなさまに心から感謝いたします。DSC_0924

Pure Medical attitude

生理検査アティテュード® Junko Katayoshi

今日のまとめ

  • 聴力は、標準純音検査で、伝音性難聴、感音性難聴とにふるい分けられる
  • 伝音性難聴は、外耳・中耳に原因があり、感音性難聴は、内耳の機能障害となる
  • 加齢とともに高温領域から聞こえにくくなるが、個人差も大きい

 

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夏こそ気をつけたい脳卒中 2018.7.9~2018.7.13
アレルギーを知る 2018.7.2~2018.7.6
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Pure Medical attitude 

生理検査アティテュード®

代表 かたよし純子 Junchan♪  ※自己紹介はこちらから

臨床検査技師/超音波検査士/健康管理士一般指導員/健康管理能力検定1級/介護予防運動指導員/米国NLP協会認定NLPトレーナー

THINK YOUR LIFE -ミドルエイジとともに-side by side-
共同代表 Junko Katayoshi

今日も最後までありがとうございました。

☆アンコモンセラピー読書会☆

毎月、大崎ゲートシティ スターバックスコーヒーで開催しています。ミルトン・エリクソンの戦略的手法を紹介されている名書「アンコモンセラピー」この読書会を毎月開催しています。次回は、10月となります。準備出来ましたらこちらのサイトでもご案内いたします。