JunchanのHealth attitude blogにご訪問ありがとうございます。医療スタッフのメンタルパートナー かたよし純子です♪今週は、乳幼児の発達がテーマです。初回は乳児のアタッチメント前回は、アタッチメントのテスト方法と種類、乳児期のアタッチメントがその後の人格にも影響することなど。今回は、身体機能の発達とコミュニケーション機能の発達を中心にまとめていきます。子どもの豊かな感性を健康に育むために知っておくとプラスになると私は思っています。子どもの成長と親の成長、育児をもっと楽しんで欲しい、心からそう願うからです。自分の経験から感じることも含めてそんなメッセージとともにまとめていきます。

 

1.乳児のコミュニケーションの発達を理解するキーワード3つ

1-1 新生児の身体の動き、原始反射とジェネラルムーブメント

1-2 人間は二足歩行をする、乳児の身体機能の発達

1-3 乳児のコミュニケーションの発達、身体感覚、知覚

今日のプラスα

2.胎児・新生児・乳児との積極的なコミュニケーションを♡

3.自分という存在感、自己感の発達 

生理検査アティテュード®からのメッセージ

 ・人の誕生とは?子どもは分身?!

 

1.乳児のコミュニケーションの発達を理解するキーワード3つ

子どもの身体機能や五感がどのように発達していくのかを知ることで日常の子どもとの関わり方のヒントになることや、心の発達にプラスになることがあるのではないでしょうか。

1-1 新生児の身体の動き、原始反射とジェネラルムーブメント

生まれたばかりの乳児は、どのようにしてコミュニケーションをとっているのでしょうか。言葉もわからない、自力で歩くこともできません。胎生期からつながる原始反射とジェネラルムーブメントを見ていきましょう。

❍生きていくために必要な原始反射

原始反射と最近分かってきたジェネラルムーブメントがあり、ともに乳児期特有の身体の動きとされ、中枢神経系の発達機能が関与しているといわれています。

●原始反射とは?

原始反射とは、胎児が出生後、生きていくため、成長に必要な機能です。乳児の無意識の反応や反射、姿勢のことをいいます。基本的に、すべての新生児に見られます。中枢神経系の発達、発達の評価にも用いられることがあります。生後初期の一定期間、神経系の発達段階で、脳幹によってコントロールされています。豊かな感性を発達させる上で大切な時期、出生後の未熟な時期に乳児が生き残るために大切な役割を果たしています。

原始反射の働きは、生き残るための機能として、そして、適切に安全に発達するための助けとしてみられる反応です。

●4~5ヶ月頃まで続く原始反射

原始反射は、乳児が周囲の刺激や働きかけに対しての反応です。

原始反射は、生後間もなくから4、5ヶ月頃まで続きます。その後大脳が発達し、自分の意志で手足を動かすことができる、随意的な身体の動きが可能となり、しだいに消失していくとされています。逆に、消失しないと中枢神経系の障害を疑うこともありますが、原始反射には、個人差があるとされています。

❍よくみられる原始反射

よく見られる原始反射をまとめておきましょう。

●バビンスキー反射 生後~2歳前まで ※一番長く見られる反射

バビンスキー反射は、原始反射の中でも長く見られる原始反射です。足の裏のかかと側から、つま先にかけてさすると親指が反り、他の指が扇状に開く現象です。大人は、通常指を脚底のほうにすぼめる動きを示します。

バビンスキー反射が、2歳以降にも見られる場合、随意運動を司る神経系の障害が疑われます。

●モロー反射(驚愕反射)生後3~4か月頃まで

モロー反射は、抱きかかえたのち、水平のまま突然降ろすとき、手足を大きく拡げ、だきつくような姿勢をとる反応、また、仰向けの時に突然四肢を跳ねあげ抱きつくような姿勢をとる。

このモロー反射が4か月を過ぎても持続する場合、運動発達を疑うことがあります。

●吸啜反射 生後4~6か月頃まで

吸啜反射は、口に物が触れると吸い始める反応です。哺乳に必要な反応です。基本的には空腹時に強く反応がみられるとされていますが、空腹時以外でも、吸啜反射が強くみられることもあります。

●歩行反射(自動歩行) 生後~2ヶ月頃まで

自立歩行反射とは、乳児の両脇を支えた状態で、足が床につくようにした状態で身体を前傾させると、足を交互に歩くように動かす。

●把握反射 出生時~3~4か月

把握反射とは、目の間に指を差し出すと、指を握り離さないという反射です。半年過ぎころになり、随意的に物をつかむようになると消失します。この把握反射が見られない場合、脳の障害、上部脊椎の異常の可能性があります。

さまざまな原始反射がありますが、個人差がありますので参考程度にしてください

❍ジェネラルムーブメント

ジェネラルムーブメントとは、生後3ヶ月間だけ、仰向けの時、自発的に手足などをバタバタ動かす全身運動で、数秒~数分みられるとされています。原始反射でも随意運動でもない動きとされています。無秩序的で、特定のカテゴリーに分類出来ない奇妙な運動とされています。

  • ライジング(writhing:新生児期によく見られる):手足を含む全身の粗大運動
  • フィジェティー(fidgety:生後2ヶ月ころ)       :全身の各部分の屈伸を繰り返す

3ヶ月頃になると徐々にジェネラルムーブメント様の動きが減少していきます。ジェネラルムーブメントは、原始反射よりも先行して生後2ヶ月前後で障害を予見できる可能性があるとされています。ライジングやフィジティーの時期がずれると、中枢神経系の異常が示唆されます。

仰向けに寝る時期にある動きで、胎内の中から行っている動きだとされています。乳児の反応には、まだまだわからないことが多く、どうしてこのような動きをするのかは、はっきりとは解明されていません

新生児~乳児の反射

<新生児~乳児の反射>

 

1-2 人間は二足歩行をする、乳児の身体機能の発達

乳児は、ことばが分からず、自力で動き回ることも出来ません。でも、上記に示したように、さまざまな生き抜くための反応を行い、養育者とのコミュニケーションを取ろうとしています。身体機能の発達、をみていきましょう。

❍身体の機能の発達

新生児期の乳児は、まだ寝返りができません。身体をねじったり、手足を動かすのみです。以下に「歩行」に至るまでの月齢での発達をまとめておきましょう。

●生理的早産で生まれてきた人間

人間は、二足歩行を行う哺乳類です。初回のブログでに「生理的早産」ということをお伝えしています。自分ひとりでは食欲を満たすことが出来ないということ、最低限移動できる状態、すなわち歩ける用になるまで発達するためには、養育者の保護が必要だということです。離巣性の哺乳類は、本来二足歩行が出来る状態での誕生となるべきところを1年未熟な状態で生まれてきてしまうという特性があるのです。つまり、ちょっと大げさな言い方をすれば、養育者の存在がなければ「人間」という種は、途絶えてしまうのです。

●二足歩行への発達「姿勢を保つ・身体を自由に動かす・歩行する」

乳児期の発達の1年間は、目覚ましいものがあると私は思います。仰向けに寝ていることしか出来ない乳児が、うつ伏せから顔をあげ、やがて頸がすわり、7ヶ月頃には、ひとりで座ることができるようになります。座ると視野が大きく変わります。見ることが出来なかった、多くの景色を見ることができます。その後、つかまり立ちができるようになり自分でも「移動」するということに近づきます。そして、12~15ヶ月ころまでには自力で立って歩けるようになります。この発達には個人差がありますので目安としてください。

《姿勢・運動・歩行の発達》
  • 新生児:生後1ヶ月まで、手足を動かす、身体をねじることくらいのみ、寝返りができない
  • 1ヶ月:うつ伏せで顎をあげる
  • 3ヶ月:自力で頭を持ち上げる、首がすわる
  • 4ヶ月:支えられて座っていられる
  • 5ヶ月:膝の上に座る、物を握る
  • 6ヶ月:高い椅子に座れる、リーチング(触りたいものに手をのばす)
  • 7ヶ月:ひとりで座る、物をつかむ
  • 8ヶ月:助けられて立つことができる
  • 9ヶ月:家具などにつかまりながら立っていられる
  • 10ヶ月:ハイハイができる
  • 12ヶ月:つかまり立ち
  • 13ヶ月:階段を登る(這う状態)
  • 14ヶ月:ひとりで立つ
  • 15ヶ月:個人差がありますが、自力で立って歩く
乳児の発達

<乳児の発達>

●手や指の発達「物を触る握る、つかむ」

6ヶ月頃の乳児の行動として、触りたいと思うものに対して手を伸ばして触れるという行動、リーチングがみられるようになり、7ヶ月頃までには、掌で握ることげできるようになります。原始反射のひとつである把握反射が消失して、自分の意志で、随意的な把握に移行する時期とされています。その後指先の機能も発達して、1歳過ぎには、指で物をつまめるようになります。(原始反射は事項でまとめていきます)

手や指が使えるようになると、絵を書くことや、幼児期にはハサミも使えるようになります。

《描画の発達》 幼児期
  • 1歳半~2歳半頃:殴り書き、言葉の発達の前、象徴概念が未発達
  • 2歳半~4歳頃 :象徴期
  • 5歳~8歳頃  :図式期、多視点から平面的、位置関係(上下)
《ハサミの使用》 
  • 直線、三角形、円:ほぼ4歳以降 ※3歳と4歳に差があります

 

1-3 乳児のコミュニケーションの発達、身体感覚、知覚

乳児期ではまだ、言葉を獲得していません。さらに身体の動きや手足の動作にもまだまだ不十分な動作のみです。

❍目で情報を得る、感情を伝える乳児たち

赤ちゃんに声をかけた時、どのように答えてくれていますか?

目は口に代わってものを言う

乳児は、比較的早期から「眼の機能」の発達があげられます。外界の変化に敏感に対応しているとされています。この眼の発達からみていきましょう。

●サッケードと追跡眼球運動

人の眼には、サッケードという機能があります。サッケードとは、見たい対象に対して、すぐに眼を動かす瞬間的な眼球運動のことを言います。動く目標物を眼で追いかける時にみられる眼球運動を追跡眼球運動といいます。乳児の場合は、このサッケードは未熟ながらも、自分の興味を表現しています。サッケードが始まるまでには、成人よりもゆっくりとした動きですが(潜時が長い)この機能も2ヶ月頃から6ヶ月の間に追跡可能速度が大きく変化します。

●サッケードは、子どもの注意関心を示している

サッケードは、乳児が注意したい対象への眼の動きです。その対象を知ることで子どもの関心、認知能力を知ることができます。この方法でさまざまなテストが心理学者の中で行われています。その結果、子どもは、単純な図形よりも、より複雑な図形に興味を持ち、さらに記憶していると思われる図形よりは、新奇な図形を好んで長く見ていることが知られています。

子どもの豊かな感性を育成するためには、より多くのものをママといっしょに経験させてあげることも必要なのではないでしょうか。

❍見る力 視力の発達

サッケードを行うには、物が見えなければ追跡することが出来ません。乳児はどれくらい見えているのでしょうか。生後2、3ヶ月の乳児の視力は、0.01~0.02程度だといわれています。単純な図形よりも複雑な図形を好んで見るという乳児の性質を利用しておおよその乳児の視力を把握したようです。

ことばの発達とともに、成人検査に用いるランドルト環を用いて視力を測定ができるようになります。およそ4、5歳頃までに視力1.0程度に発達し続けると言われています。

●乳幼児の視力は発達途上

乳幼児期は、視力の発達途上ということです。小学校低学年頃まで発達し続けるとされています。この時期には、しっかりと物を見る経験が必要となる時期となります。長期間の眼帯の使用などは、視力の発達にも影響を及ぼします。そして、気をつけたいのが、子どものテレビゲームやスマートフォンの使用です。幼少期からスマートフォンをもたせているママたちも多いのではないでしょうか。若い人にスマホ老眼ということばもあるくらいです。視力の未発達な子どもたちにも当然影響が考えられるのではないでしょうか。さらに、私は、依存症の問題も気になります。

●幼児期のスマホ利用

手元の近くにあるものを長時間見続けることで、眼の筋肉に負担がかかります。そのために近視になりやすいということがあげられます。実際私がそうでした…私の子どもの頃は当然、スマホはありませんが、私の幼少期は、TVがお友達でした。TVもリモコンが無く、チャンネルの時代のもの(年がバレそうですが、笑)チャンネルの前、つまりTVの前でジッと見ていた。結果、小学校入学時には、「近眼」となっていたのです。今の時代、TVで近眼になることは少ないのでしょう、でも、スマホにも気をつけてあげてください。眼は、一生の問題となります。

余談ですが、眼の発達過程でなんらかの問題が生じると、その後の視力機能にも影響を及ぼすことがあります。今現在、私はかなりの乱視で、左右の視力がバラバラの状態、20歳過ぎから現在に至っています。幼少期のTVが影響しているかどうかは定かではありませんが、私の経験談から…コンタクトレンズを長期間使用すると、眼瞼下垂(まぶたが垂れ下がった状態、老け顔になります)となります。肩こりや頭痛の原因にもなります。

●色の見え方 色覚

詳細は省きますが、新生児でも一定の色の判断が可能だといわれています。成人に近い色の識別は、生後2~3ヶ月頃だといわれています。

❍身体感覚の発達

乳児期は、発達段階みて、「感覚運動期」ともいわれています。乳児は自分の物の感じ方、認識の枠組みに合わせて、さまざまな情報を取り入れ、自分の持つ情報と同化させています。そして新しい情報が自分の持つ情報と合わないと、斬進的に均衡化させていっているといわれています。

●思考の発達

2歳頃までの時期の特徴として、原始反射を繰り返し、自分の行動が周囲に及ぼす反応や、外界の変化に興味を持つようになります。8ヶ月頃から意図的な行動が見られるようになります。目標を決めて、それを達成するために何らかの手段を講じるというような行動がみられます。1歳頃からは、目標達成のためにさまざまな手段を試す行動が見られます。手で触って見たいと思うものに手を伸ばすような行動です。1歳半頃になると、自分が形成してきた情報に基づく手段を用いることから、新しい手段を行うような洞察的な行動が可能となってきます。自分で考えて行動するということです。

❍知覚の恒常性と対象の永続性

人は、物を見ること「視覚」により認識しています。例えば、サッカーボールを見た時に、近くでみても、遠くにあるものを見てもきちんとサッカーボールだと認識できる能力を持っています。サッカーボールの大きさや、デザイン性に対しても恐らく認識は変わらずに、サッカーボールだと安定的な見え方で認識できると思います。この見え方を「知覚の恒常性」といいます。

また、見えていたものが見えなくなる、触れられない、視界から見えなくなったものもそこに存在しているという概念を、「対象の永続性」といいます。「いないいないばあ」に対して、4ヶ月の乳児は、反応しなくても、8ヶ月になると、眼の前でタオルなどにより隠されたものがその場所にあり続けると認識できます。

❍乳児のコミュニケーションの発達

乳児は、まだ話をすることが出来ません。ではどのようにおこなっているのでしょうか。

ここまでまとめてきたさまざまな方法で周囲の人々とコミュニケーションをとっています。子どもに働きかけるとその働きかけに対して、乳児は月齢にあった反応をします。母親が子どもを見つめて話しかけると、子どもの見つめ返し、微笑むこともあるのではないでしょうか。子どもに見つめられてニコッとされると思わず、こちらもにっこりと微笑んでしまします。そんな親の反応に対して、子どもはちゃんと学習しています。再び微笑み返してくれるのではないでしょうか。このような他愛もないことですが、反応の掛け合いを行うこともあります。月齢に合わせた、コミュニケーション行動が新生児期からすでに見られるのです。

●共鳴動作 新生児期

表情を模倣するような行動のやり取りもあります。反射的に表情を模倣するような行動が新生児期に見られます。

●情動伝染 生後10週頃より

他の子どもが泣くと、泣き出す。母親の示す表情を区別して、その表情に合わせて子どもが反応するということも言われています。人は生まれつき周囲の人に合わせようとする社会的思考を持っている

●共同注視 6ヶ月頃より

他の人が指差すものを見たり、見ているのものをいっしょに見たりする。10ヶ月では、指差しが無くても、視線のみでも見るようになる。

●三項関係

この共同注視の能力は、「自分・他者・対象」この三項関係が成立していると考えられます。それまで、「自分・他者」との二項関係だったものが、自分と他者以外にその他の対象が加わっていることになります。この関係性は、他者とその他という対象との関係性を考えることが出来る状態となったことを意味します。

「心の理解」「共感性」「社会性」の発達を促す基礎となります。

●参照的注視

対象を見た後で、相手を見ること。「これは、何?」というような質問をしたい時など。

●言葉の出現-クーイング 喃語

クーイングとは、クックッと喉の奥から鳴らすような音のことです。乳児期初期は、喉頭部分が下降していないため、言葉を発することが出来ません。6~7ヶ月ごろ、基準喃語 喃語にあわせた手足の動きが活発化、声を挙げて笑う

●聴覚 音の聞き分け

話す前から言語を聞き分ける聞く力を持っている。抑揚をつけて、ゆっくりと、高めの声で話しかられるマザリーズを好むとされています。韻律的な特徴、単一音同士の違いを認識しているといわれています。

また、8ヶ月では、繰り返した単語を記憶していると言われ、12ヶ月 で、12語の理解語、15ヶ月で、50の理解語を持つと言われています。

  

2.胎児・新生児・乳児との積極的なコミュニケーションを♡

❍子宮の中にいる時から光を感じる

子宮の中、胎児に対する研究で、光をしっかりと感じているとい報告があります。明暗をしっかりと認識している。新生児の目の焦点距離は、16~24cmの距離といわれています。色の認識は、明暗の判断、白・黒・グレーの判断のみとされ、その後、視力を発達させていきます。この新生児の明暗の感覚は、すでに胎内でみられるといわれています。新生児は、この明暗の境界を目線で追うと考えられています。

●色の見え方

色は、網膜に分布している「錐体:すいたい」と「杆体:かんたい」という視細胞で認識しています。

  • 錐体:赤色光、緑色光、青色光の3色を見分けます
  • 杆体:暗いところでのかすかな光にも反応し、明暗を感じるのみ、色は鑑別できない

この2種類の視細胞で人は、物をみています。暗闇でも。物の輪郭がしだいに認識できるのは、この杆体の機能によります。胎児がこの機能を持っていると考えられ、新生児も胎内で、既にこの機能を持っているということです。その後、生後数週間で色を認識していきます。

●乳児の視力学習と発達

生後数週間から、数ヶ月の間に、目の使い方を学習しています。生後1週間くらいで母親の顔をジッと見るようになっていませんか。母親の特権、授乳しながらも見ているのではないでしょうか。母親の顔を認識し、母親の顔ににっこりと微笑むようになります。

1歳くらいまでの乳児は、脳と視細胞から得たイメージを調整し、見た情報を記憶し始める時期です。視覚的な興味や関心を引きそうなものに触れさせることも、必要な時期です。好奇心を引き出し、集中力を養います。記憶力を高め、神経系の発達も促されます。

ベビーベッドのモビールなども効果的で、上記でまとめた「追跡眼球運動」で認識し、色覚を発達させていきます。2~3ヶ月頃から奥行きに対する知覚を認識し始め、成人ほどの発達ではありませんが、手を伸ばしつかもうとするような行動も見られるようになります。積み木遊びや、ブロック、組み立て式のおもちゃを使った遊び、手を使い、物を見るという手と眼の協調を必要とする動作は、物を見ること、触ることなどのさまざまな動作を記憶したことの積み重ねの能力となります。そのためにも眼の発達も大変重要なこととなります。

その後、視力と身体能力のつながりが記憶力の発達を促します。生まれてからの1年間は、日々成長が見られる時期です。毎日、ちょっとずつですが、「出来る」が積み重ねられていく時期です。大人からみたら、人の行動としては、あたりまえのことのようなことでも、乳児にとっては、大きな成長です。

 

3.自分という存在感、自己感の発達  

乳児は生まれながらに自己の感覚を持ち、

能力の成熟ととともに新しい自己感が生まれてくる

by スターン(Stern,D.N.)

子どもの持つ自己感を受けとめながら、伸ばしてあげるこことそのことが、親になったものの役目だと私は思います。乳児・幼児の発達を少しでも知って欲しくて今週はまとめてみました。

❍乳幼児の自己感の発達をみる

最後に乳幼児精神医学の第1人者 スターンの考え方です。生まれてすぐの乳児の持つ認知機能の有能性です。新生児であっても自分の意思で外界とのコミュニケーションを選択的に行っているとされ、行動しようとする姿勢がみられます。

●スターンの自己感発達の過程
①新生自己感

乳児は、生まれながらにして、周囲の出来事に対して選択的に自己をオーガナイズしているとして、新生自己感といいます。

②中核自己感 2~6ヶ月

自分自身の意思を持って行動する発動性、情動、時間的連続性の感覚、他の人との境界をもって独立している身体を持っているという感覚を持っている。この感覚を中核的自己感

③主観的自己感 7~15ヶ月

自分が意思をもって行う行動体験が、周囲の人と共通することが出来るという情動調律を学び、周囲の人との間で、自分の世界を作って行くことに力を注ぐようになる。この感覚を主観的自己感といいます。

④言語自己感 15ヶ月過ぎ

抽象的な遊びや言語の使用が可能となります。自分自身を客観的な存在としても見れるようになり、言語という新しい手段を得ることで、周囲の人たちと相互に意味を共有出来るようになります。この行動に伴い得られる感覚を言語自己感といいます。

❍段階に応じて身につける能力、個性自己感の発達 by D.N.スターン

人は、発達段階に応じて新しい能力を積み重ねていきます。その身につけていく新たな力は、前段階の能力も生涯、機能し続ける、そして共存し続けるとスターンは考えています。

人は、胎内にいる時から、すでにさまざまな機能を持っています。そして、その持てる機能を駆使しその発達の仕方にも個人差があります。

今週、乳幼児の発達を月齢とともにお伝えしてきました。用いた月齢は、私自身が学んだものを基本用いています。他の資料をみると少しのズレがあります。初めての子育て、何も分からずさまざまな情報が反乱し、手探りというお母さんもいるのでしょうか。発達も個性だと私は思っています。ひとりひとり違ってあたりまえだということです。発達の程度も、発達の速度も個性です。愛着タイプも個性です。

●学び続け、生涯発達し続ける個性

初回のブログでお伝えしました、エリクソンの心理社会的発達理論では、乳幼児のみならず、生涯にわたる発達の段流動性知能と結晶性知能階を示しています。現在では、老年期の知能の発達が実証され、発達の可塑性や獲得的側面が明らかにされていす。

知能には、流動性知能と結晶性知能とがあります。流動性知能とは、文字や図形などの関係の操作や推理などの情報処理能力、すばやくやることが出来る能力のことです。この流動性知能は、青年期にピークを迎えると言われています。一方の、結晶性知能とは、経験を通して獲得した一般的な知識や問題解決能力、言語能力のことを言いますこの結晶性知能は70歳まで伸び続けるとされています。

 

生理検査アティテュード®からのメッセージ

・人の誕生とは?子どもは分身?!

 

子どもは、両親の細胞にある遺伝子から発生した個体です。半分自分の遺伝子を持つと考えると、何か不思議な気もします。半分分身?でも、まったく別の「個」だと思う。生まれたばかりでも、きちんと意思をもつ。人の誕生、不完全な状態、未熟な誕生は、親が守らなければならない存在です。どんな状況でも、母親は、新生児期~乳児期は、子どものことを最優先することが必要なのでは無いのだろうか。

❍わけがわからない状態ではない乳児たち

そんなことを今回は感じています。産後8週で2人ともに復職している。2ヶ月の子どもはわけがわからない状態で保育園へ、と思っていました。決してわけがわからない状態では無かったのでしょう。そのときの私がどのような対応をしていたのか。思い出されることは、毎日が必死で、私は決して良い子育てをして来なかった。育児に関しては、すべて「◯◯するべき」で行って来たように思い出す。

❍すべてが自分目線の行動中心、忙しい、時間が無いが、口癖だった

子どもの世話もすべて、子ども目線ではなく、自分中心で行っていたように思い出します。自分のタイムスケジュールが優先で、子どもの都合よりも自分の都合で行っていたのではと思い出す。子どもが中心の生活をしていると言いながら、気持ちの上では決して子ども優先では無かったのです。

保育園、学校行事の年間予定表で休暇を入れて、必ず子どもの保育園、学校の行事を最優先して、私はこれだけやっているのよ、だから誰か認めて、褒めて、そんな感情もどこかにあったのだと思う。

❍分身を置き去りにしてきたような感覚?!

1人目の子どもを保育園に連れて行き、涙がでてきたこと、今でもしっかりとその時のことを覚えている。出産後2ヶ月片時も離れなかった子どもがいない。自由になれた気分では無かった。大切なものを失ったような感覚でしょうか。産後お腹の中で動くものが無くなり、物足りなさを感じた、そんな何かを失ったようなそんな物寂しい感覚かも知れません。

❍産後うつの増加、母親の自殺増加に思う

産後うつが多いと、先日のニュースで言っていました。出産後1ヶ月で自殺をしてしまう人も増えているとか…

孤独ですよね。たった1人の子育て、私もそう思いました。でも、赤ちゃんがいます。1人ではありません。赤ちゃんは、お母さんと会話をしたがっています。いっぱい話しかけてあげて欲しいと思います。ちゃんと声を聞いています。そして、答えてくれます。

私は、仕事に復帰するといういわば子育てからの逃げ場が有ったから、産後うつを発症しないで済んだのかもしれません。アパートで子どもといっしょにいても、ひとりだという感覚で過ごす毎日、買い物に行くにも子どもといっしょ、子どもと2人では入浴もままならない。トイレも心配だからドアを開けたままで、子どもの声が聞こえる状態で、そんな感じの毎日を過ごしていたなぁと。

いつまでこの生活が続くのか、暗闇の中、まったく光も見えない

ニュースの中でのインタビューでした。

子どもはちゃんと成長します。家族を頼ることも必要です。親子

お願いします。お父さん、お父さんの分身でもあるのです。子育てにしっかりと参加してください。お母さんを助けてあげてください。産後ヘルパーというお仕事をされている方もいます。疲れたら休むことが必要です。お母さんが元気でいること、お母さんの母乳で、栄養で育ててあげてください。やはり、子どもは、母親の分身です。

Pure Medical attitude

生理検査アティテュード®

Junko Katayoshi

 

 

今日のまとめ

  • 原始反射は、生まれてから生きていくために必要なコミュニケーション能力、胎生期から持つ
  • ジェネラルムーブメントとは、生後3ヶ月まで、原始反射でもなく、随意運動でもない、奇妙な運動
  • 人は誕生したときから自らの意思で周囲とコミュニケーションをとる能力を持っている

 

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引用情報

  • 発達心理学概論’17 放送大学教材
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今日も最後までありがとうございました。

☆アンコモンセラピー読書会☆

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