元気&HealthのJunchanのblogにご訪問ありがとうございます。医療スタッフのメンタルパートナー かたよし純子です♪ 今週のテーマは「脳卒中」です。初回は、脳血管の出血によって起きる疾患、2回目は、血管が詰まる疾患、脳梗塞でした。これらの原因には、高血圧や糖尿病、脂質異常症などが関係していまが、今日は、この脳卒中の原因予防のための運動や気をつけたい食生活のためのポイント、さらに脳卒中克服のためのメンタルヘルスをまとめていきたいと思います。脳卒中発症後さまざまな、後遺症と向きあうことが、本人も家族も向き合わなければなりません。そこには、しなやかなメンタル力が必要となります。実体験を交えて考えていきたいと思います。
1. 脳卒中予防のための方法のポイント3つ
1-1 始める前のメディカルチェックと脳卒中予防の運動の実際
1-2 脳卒中の原因となる生活習慣病を予防する食生活の改善とは
1-3 本人と支える人たち、家族のメンタルケアが大切です
今日のプラスα
2.脳卒中、危険因子のまとめ
3.脳卒中の予防法、そして自分のリスクを知る
生理検査アティテュード®からのメッセージ
・人間の可能性、自分の回復力を信じる
1. 脳卒中予防のための方法のポイント3つ
1-1 始める前のメディカルチェックと脳卒中予防の運動の実際
介護予防のための運動もさまざま学んできました。65歳以上の要介護となる原因の中でもっとも多いのが、脳血管疾患、脳卒中です。脳卒中の原因としてあげられる「高血圧」「糖尿病」「脂質異常症」予防のための運動をまとめていきたいと思います。
❍ここ重要です!自分の状態を知っていますか?
運動を行う前のセルフチェックはとても大切です。体調が思わしくないのに、「やらねばならない」無理をして予防のための運動で取り返しのつかないことにもなりかねません。自分の日常の状態をきちんと把握し、チェックしてから安全かつ効果的に行うことが大切となります。
●自分自身の「運動前」の体調を確認
- 血圧、心拍数の確認
- 足腰の痛み
- 熱がある
- 身体がだるい
- 気分が悪い、吐き気がある
- 頭痛やめまい、耳鳴りがある
- 過労や寝不足、二日酔いなどで体調があまりよくない
- 食欲がない
- 下痢や便秘など腹部症状がある
- 息切れや動悸がある
- 咳や痰、風邪気味
- 胸痛がある
日常から「自分の数値」平熱や、血圧、体重、血液データなどを知る習慣を持ちましょう。
《運動禁忌事項》
血圧、心拍数の確認 禁止基準
安静時血圧 160/100mm/Hg 以上
心拍数 100/分 以上
運動前の血圧測定や体温などを意識的にチェックすることも大切です。運動中は当然、血圧が上昇します。血圧は、日常的に測定状態により上下します。他の症状が無く、血圧のみ高い場合は、再測定し、2回測定して、連続して下がっていれば運動OKですが、他の症状がある場合や、どちらかが超えていてもその日の運動は中止し、安全を優先することが大切です。
●運動禁忌となる、注意したい基礎疾患
-
急性炎症疾患
急性肝炎、急性腎不全、急性心筋炎、急性心膜炎 など
-
管理されていない慢性疾患
糖尿病、高血圧 など
-
重篤な疾患
急性心筋梗塞、不安定狭心症、重症心不全、重症不整脈、解離性大動脈瘤 など
-
運動が重篤な負荷となる疾患
拡張型心筋症、重症肥大型心筋症、肺高血圧、心不全を伴う先天性心疾患 ほか
上記のような診断を受けている方は、運動禁忌となります。主治医に相談してから行うようにしてください。
<メディカルチェック>
❍高血圧予防のための運動
高血圧に対して効果的な運動としてあげられているのが、有酸素運動です。
●高血圧のための有酸素運動
- 強度:ややきついとされる中等度の運動 Borgの主観的運動強度(RPE):12~13
- 頻度:5~7回/週 ※ほぼ毎日
- 時間:30分/日 以上
運動療法として効果がえられる運動とは、運動の頻度はできれば毎日定期的に実施、運動量は30分以上、強度は中等度(ややきつい)の有酸素運動が一般的に勧められます。
運動療法により、高血圧は適正血圧に改善されるという報告があります。血圧が高い人は、低下し、低血圧の人は、上昇し、適正化されます。また、適正血圧の人は、その状態が維持されるという結果が得られています。
●ボルグの主観的運動強度(RPE:Rating of Perceved Exertion Borg’sRPE)
- 6~12までの15段階での表示
- 安静時心拍数 60/分 最大心拍数 200/分として表示
※この点数の10倍の値は、運動時の心拍数とほぼ一致 - 最大心拍数の60%、15(きつい)が85%に相当するとされている
<ボルグの主観的運動強度>
※関連ブログ
- 循環器疾患のリスクを知る 血圧の機序・適正血圧
- 健診結果を読む① 身体の数値 自分の数値 血圧の機序・適正血圧
- 高齢者の多くに潜む慢性心不全 運動強度
❍糖尿病予防のための運動
糖尿病の合併症がなく、インスリン治療していない、治療薬必要なしの場合人の運動療法の内容となります。
糖尿病は、おもに自己免疫疾患とされる1型糖尿病と生活習慣病として考えられている2型糖尿病がありますが、ここでは2型糖尿病を対象とした効果的な運動療法とします。
●インスリンの効果を高めるための運動療法
合併症の予防のために重要なことは、少量のインスリンで十分となるために、インスリンの効きをよくすることを目的とします。そのためには、細胞内に蓄えられて過剰となっているエネルギーを減少させることによって、細胞が血糖を取り込むという能力を回復させることにあります。そのために骨格筋内の糖質を消費させることが必要となります。筋肉の糖質は、運動しないと減らすことはできません。そのために運動が必要となります。
●糖尿病の合併症、インスリン治療、治療薬必要なしの場合の有酸素運動
- 頻度:3~7日/週
- 強度:中等強度 RPE11~12 から高強度 RPE 14~17
- 時間:2型の場合は、週に150分の中等強度~高強度
- 種類:持続的で、リズミカル、大筋群を使用する運動 ウォーキング、サイクリング、水泳など
上記の場合の減量や減量状態の維持のためには、カロリー消費を目的とする、250~300分/週の中等度以上の強度の身体運動が必要とされます。
●痩せ型の糖尿病
骨格筋量が少ないために基礎代謝が低く、そのために糖質代謝能力も低い状態となります。2型糖尿病となりやすく、骨格筋量を増やすためのレジスタンス運動が必要となります。
- 頻度:最低2回/週、理想は3回/週 ただし、2日連続しないこと
- 強度:10~15RMの反復回数で、1~3セットで開始する、その後徐々に8~10RMの反復回数で1~3セット
- 種目:少なくとも8~10種目
- 種類:マシンとフリーウエイト
※関連ブログ 「知って欲しい糖尿病の基礎」
❍脂質異常症予防のための運動
異質異常症とは、以前、高脂血症呼ばれていたもののことをいいます。
脂質異常症
- 高コレステロール血症
- 高LDLコレステロール血症
- 低HDLコレステロール血症
- 高トリグリセリド血症
●運動のみによるLDLコレステロールの改善
- 高強度の有酸素運動を多量に行う
- 通常LDLの減量に必要な量の運動を行うことは非常に困難なため、普通歩行以上の強度の運動をできるだけ行うこととされています。
- 減量を目的とするならば、普通以上の強度での歩行を週合計250~300分の身体活動が必要とされます。
動脈硬化の原因となる、LDLコレステロールを減少させるためには、食生活を改善させることが重要となります。次の項目をご参照ください
※関連ブログ 脂質異常症 「コレステロールを知る」
1-2 脳卒中の原因となる生活習慣病を予防する食生活の改善とは
脳卒中のいちばんの原因は、高血圧です。
❍高血圧予防のための食事
脳卒中の原因としてトップにあげられる高血圧予防の食事のポイントからまとめましょう。
1. 減 塩 6g未満/日
高血圧と診断されている場合は、6g/日 未満とすることが推奨されています。
日本の食塩摂取量の基準は、以外に高く、成人の1日の食塩摂取量は、男性8g未満、女性7g未満とされています。減ってきてはいるものの、平均摂取量は、以外にもまだ高く、何れも平均2g程度上回っているとされているとのことです。
・調理、味付けの工夫、そして見えていない塩分がある
味付けを工夫することで塩分を減らすことができます。酸味や香辛料や香味野菜を上手に取り入れることや、醤油の使い方を工夫することでと美味しく減塩することができます。加工食品に含まれる塩分も意識することが大切です。めん類のスープやだしに含まれる塩分や、めんそのものに含まれている塩分もあります。味を確認してから、食卓で使用している塩分を控えるだけでも減塩することができます。
※関連ブログ「食事療法と運動のポイント」
2. 野菜や果物の摂取
近年、野菜や果物類の不足が懸念されています。野菜や果物に豊富に含まれるカリウムは、血圧を下げる働きがあるとされています。野菜は、加熱することで生よりも多く摂取することができます。食べ方を工夫することで適切な量を摂取することができます。
3.摂取量を押さえて適正体重の維持コントロール
肥満の原因となる過食を避けるために、よく言われる「腹八分」を意識する。肥満により血圧の上昇がみられます。毎日同じタイミングで体重をチェックし、意識することも必要です。 ※関連ブログ 「健診結果を読む① 身体の数値」
4. アルコールは、適量飲酒
アルコールの過剰摂取も、高血圧の原因となります。飲酒は、適量、週1日以上の休肝日は設けるようにしましょう。
※関連ブログ「アルコールが原因の脂肪肝」
❍脳卒中のリスクを上げる食物
過剰摂取に気をつけたい食物をあげておきましょう
●動物性脂肪:飽和脂肪酸
動物性脂肪とされる脂身、ラードなどLDLコレステロールや中性脂肪を増加させる食材、特に注意が必要なものとして、マーガリンやショートニングなどに含まれるトランス脂肪酸です。これらもLDLコレステロールを増やすことが知られています。菓子パン、菓子類、加工食品など多くの食品に含まれています。購入時に食品表示を確認することをおすすめいたします。
●糖質の過剰摂取:甘味類
糖類の過剰摂取は、肥満につながり、血中濃度が上昇すると血管が傷つけられます。高血糖状態が続くと全身の血管に影響し、動脈硬化が進行し、血栓を生じやすくするために、適量を守りましょう。
❍脳血管疾患の予防になる食物
予防効果が期待できるとされている食材もまとめていきましょう
●青魚 イワシ類・サバ類・サンマなど
青魚といわれる、いわゆる背の青い魚には、DHAやEPAなど、血栓をできにくし、LDLコレステロールを下げる働きがあるとされています。
●海藻類
海藻類は、水溶性食物繊維やカリウムを多く含みます。水溶性食物繊維には、コレステロールや中性脂肪を吸着し、便と一緒に排泄する機能があります。また、カリウムは、血液中の余分なナトリウムの排泄することで、血圧を下げる働きもあります。カロリーが低く、ダイエットにも用いることができます。 ※関連ブログ「消化されない食物繊維」
●緑黄色野菜
脳卒中を引き起こす動脈硬化の原因として活性酸素があげられますが、この活性酸素に対抗する抗酸化作用のある、β-カロテンやビタミンCを含む緑黄色野菜の摂取することで予防効果が期待できます。
●果物
果物には、緑黄色野菜同様にカリウムが多く含まれ、ナトリウムを排泄する働きがあります。また、ブルーベリーやイチゴなどに含まれるポリフェノールには、抗酸化作用があるとされます。
ただし、果物には糖質も多いため、食べ過ぎには気をつけたい食材です。血糖値に関係するために糖尿病の方は特に注意が必要となります。
●オリーブオイル、菜種油
オレイン酸を含む、オリーブオイルなどは、LDLコレステロールを下げる働きがあり、動脈硬化を予防効果が期待できます。
●大豆
大豆には、マグネシウム、カリウムを多く含みます。マグネシウムは、血管拡張させ血圧降圧作用、体温調節、神経の興奮抑制、筋肉の収縮、ホルモン分泌など、重要な働きに関与しています。 ※関連ブログ「身体の5%でもすごいミネラル」
❍食習慣ではないけれど、やはり「禁煙」は必須
喫煙の害は、これまでリスクを持つものとして、さまざまなところであげさせて戴いています。タバコの煙に含有される成分には、有害物質が非常に多く含まれ、血管を収縮させる大きな原因です。喫煙は、ニコチン依存症です。喫煙者のみならず、周囲の人へも有害となります。脳卒中予防以外、がんや認知症へのリスク軽減のためには必須となります。
<脳卒中の原因 高血圧予防のポイント>
1-3 本人と支える人たち、家族のメンタルケアが大切です
要介護になりたい人はいないと思いますが、脳卒中は要介護となる最大の原因とされています。では、どうしたらよいのでしょうか。
❍脳卒中、発症後の生活
脳卒中を発症に対しては、その症状も治療方法も、そして、後遺症もさまざまです。脳細胞が受ける範囲や程度により機能障害の場所も重症度も個々に異なります。ほぼ元に戻ることがある人も中にはいますし、重度の障害が残る人もそれぞれです。そして機能回復のためにはリハビリテーションが必要となります。リハビリの効果も人それぞれとなります。
●出来ていたことが、ある日突然出来なくなるということ
脳卒中を発症した時、一瞬で、生活が変わってしまうという状況に人は、どう対応してよいのか、人の心はその時、どうなるのでしょうか。
単純にリハビリをがんばりましょう、頑張ればもとに戻ることもと言うのは簡単ですが、そこに向かう心とは?私は幸い脳卒中を起こしたことはないため、想像することもままなりません。今まで普通に出来ていたことが出来なくなるということを想像出来るでしょうか。きっと当事者にしか理解することは出来ないのではないでしょうか。本来の性格もありますが、障害部位や範囲などの程度も大きく影響することは言うまでもありません。
●家族の立場では
高齢の夫婦では、支え合って成り立っていた生活が破綻するということも起こります。ある日突然、パートナーが倒れ、パートナーの世話と日常生活の維持の重圧、寄りかかっていた支えをいきなり失うというパニック状態に、落ちいるということもあります。明日からどうしたらよいのかわからない、生活への不安、死んでしまったら、一人になったらどうしよう、高齢になればなるほど、その支えの存在は、大きなものなのではないでしょうか。不安に押しつぶされ心の均衡を失うこともあるのではないでしょうか。そんな状態から起こる、うつ症状もあるのではないでしょうか。
全身麻痺が起こってしまった場合は、食事から排泄、入浴など生命活動を維持するためのあらゆることをサポートしなくてはならなくなります。周囲の人たちの支えや、理解も必要となります。本人の心の負担は、当然ですが、支える家族の心もとても大切です。
●お互いの意思の確認
発症した本人の、状態を適切に理解し、しっかりと把握すること、どのようなサポートを必要としているのか、どうして欲しいのかという本人の意思を確認することが大切なのではないでしょうか。家族や支援する人は、後遺症に対しての正しい知識を持ち、理解することが必要です。受ける側の視点に立ってとよくいいますが、本当によいのかどうかもきちんと意思の疎通をはかることが長続きするのではないでしょうか。そして、長続きさせるためには、出来ることと、出来ないこと、やって欲しいことと、必要の無いことを本人も意思表示することが大切だと私は思います。
●じっと我慢で、見守りもサポート
自分で出来ることを増やして行くこともリハビリとなります。必要以上のサポートをしないことも必要なのです。たとえその作業に時間がかかってもそれが機能回復につながるのならば見守ることも大切です。待ちながら見守るということもサポートだと私は考えています。使われない機能は、どんどん失われてしまいます。使うこと、必要なのだということを脳に意識させることもリハビリテーションです。
自分で何かできることがある場合は、身体機能がうまく働かないとしても、身の回りのことをすべて行う必要はないでしょう。身体機能は自分で使おうとすることで働くので、何から何までサポートすると、機能がさらに衰えてしまいます。
❍家族での協力がいちばん大切
ここで気をつけたいのは、介護の負担はきちんと分担することです。
家族の中で誰かが倒れる状態になること、介護が必要になる状態は、誰にでも起こりうることです。特定の人にばかり負担がかかることということは、極力避けることです。いつ終わるか分からないという状況になることも考えなければならないからです。
●犠牲的な考え方は捨てること
自分の中でここまでは、出来るけれども、これ以上は無理だということを、きちんと自分の中で線引きすることも大切だということを私は学びました。介護は、健康な心でいることがもっとも大切だということです。親だからやるのが当然だから頑張る、頑張る、頑張るその心を失ってしまうと、受ける側にその気持ちが伝わるからです。出来ることをそれぞれが負担すること、無理をしないということもとても大切です。自分を犠牲にしないことも大切です。
そして、これから介護をされる方、されている方、自分の生活の基盤をしっかり持つこと、そして大変なときは、周囲に援助を求めること、家族はもとより、公的な場でも相談はできます。周囲の人のサポートを利用することです。大変なときは、大変だ!疲れた!助けてください!と声を上げることです。
特定の人にだけ負担がかかってしまうと、疲労や精神的な負担によって適切な介護ができなくなってしまいます。特に後遺症が重症の場合は、介護保険のサービスなどを利用して負担を分散することも大切です。
もちろん家族で介護を続けるという心構えは重要ですが、常にベストな状態で介護をしていくためにも、負担を抱えすぎないようにしましょう。
要介護になるか否か、心のありようは確かにある
強い気持ちが人を支える。そして、その強い気持ちを支えるのは、周囲の人のサポートも大切です。強い気持ちは、強い免疫力を生み出します。心と身体ともに前を向くこと、そこに人の可能性が生み出されます。
回復しなければならない、今の自分は本来の自分では無い、自分がしっかりしないと伴侶が困る。
このような気持ちが、脳梗塞を克服した父の中にきっとあったのではないか。これは、私が父から感じ取ったメッセージです。今日の生理検査アティテュードをぜひお読みください。
2.脳卒中、危険因子のまとめ
最終日、脳卒中の予防の実際は、上記にまとめました。危険因子と注意点を下記にまとめておきたいと思います。
❍脳卒中の5代リスク
●高血圧:血圧 140/90mmHg以上
脳卒中にとって、高血圧は最大のリスクです。初回にお伝えしたように、脳血管への最大の負担となります。動脈硬化をもたらし、脳血管の閉塞や、破綻を引き起こす最大のリスクです。減塩に気をつけてください。
●糖尿病
糖尿病はさまざまな疾患の原因となり、動脈硬化の原因にもなります。摂取カロリーを基準値内とし、3回の食事をバランス良く摂取、間食や脂質を減らし、体重のコントロールを行うことが求められます。
●脂質異常症
LDLコレステロールが高値となっている場合、脂肪の摂取制限が必要となります。
●不整脈:心房細動など
心房細動などによる血栓が、心原性脳塞栓症の原因となることを前回お伝えしました。血栓抑制のため、適切な投薬を用いることにより心原性脳塞栓症の予防ができます。
●喫煙
ニコチンは血圧の上昇や、動脈硬化を促進すると言われています。百害あって一利なし、禁煙を実行しましょう。
●その他の危険因子
性差 男性>女性、高齢者、肥満、多量の飲酒、運動不足、ストレス、急激な温度変化なども脳卒中の危険因子としてあげられます。
治療の基本は規則正しい生活を送り適度な運動を行う生活習慣の改善と、食事療法です。食事療法によっても十分な改善が見られないときには、降圧薬、血糖降下薬、脂質低下薬などの薬物療法を併用する必要があります。
※情報サイト 国立循環器病研究センター
❍脳卒中は再発率が高い
脳卒中は、再発率が高いとされます。その理由をまとめていきたいと思います。
●脳卒中の予防が重要な理由
- 脳卒中は2015年の統計では、日本人の死因の第3位とされています
- 脳血管疾患は、要介護の原因として、男性では第1位となっています
- その原因は、しばしば、重篤な後遺症として症状が残る
- その結果、寝たきりなどの要介護者の原因の3割以上を占めている
- 高齢化とともに、脳卒中の増加が予測され、国民医療費の1割を占めている現状がある
●このような症状があったら
・脳出血後の痙攣
大脳の表層部分や、比較的広範囲の脳出血後、後遺症としてしばらく後にけいれん発作を起こすことがあるようです。初めての発作や、数分間持続する場合医療機関への受診し適切な指示を受けましょう。
・手足のしびれが強い
いつもよりもあきらかに異なる症状、強い症状が突然見られたときは、再発の可能性もあります。すぐに医療機関に受診をすることが必要です。
・血圧の上昇 自宅で血圧が高かったら…
血圧は、変動します。定期的な測定を心がけて、日常の血圧の変化を知っておくことで慌てずに対応するように心がけることが大切です。日常の数値を記録し、受診日に主治医に相談してください。
※関連ブログ「循環器疾患のリスクを知る」「健診結果を読む① 身体の数値」
・何もする気が起きない
脳卒中後の長期の入院や、不自由な生活のために気分が落ち込む「うつ状態」となることもあります。周囲の支援や場合により、適切な対応が必要となります。必要に応じて公的な支援や主治医への相談もすることが大切となります。
3.脳卒中の予防法、そして自分のリスクを知る
①血圧を正常に保つ
高血圧は、脳卒中の最大の原因となり、日常的に血圧を正常に保つようにする
②糖尿病の管理
高血糖状態が継続されると、動脈硬化が促進されます。脳内の細い血管までも動脈硬化が進行し、ラクナ梗塞のリスクも上がります。
③コレステロール値を正常に保つ
自分のLDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪の数値を知っていますか。
血中LDLコレステロールの上昇は、動脈硬化を促進し、脳卒中のリスクが上昇します。定期的な運動とともに、コレステロールの多い食品摂取を控えることが大切です。
④肥満予防
肥満はさまざまな疾患の原因となります。糖尿病、高血圧、脂質異常症、虚血性心疾患などの生活習慣病の原因となります。食生活の改善や、運動習慣により適正体重を保つ努力が必要となります
⑤バランスのよい食生活
塩分の過剰摂取は、脳卒中の最大危険因子となる高血圧の原因となります。さらに脂質のとりすぎは、糖尿病、脂質異常症、肥満の原因となり、やはり脳卒中のリスク上昇原因です。バランスのよい食生活を心がけることが大切です。
⑥適度な運動をする
運動は、血糖値を下げ、LDLコレステロールを減少させます。さらにHDLコレステロールを増やす効果もあり、脳卒中のみならず、生活習慣病となる、高血圧、糖尿病、脂質異常症、肥満の予防にもつながります。有酸素運動を中心に習慣化するようにすることが求められます。
⑦アルコールは適量を守る
適量を過ぎると、肥満、動脈硬化、高血圧、糖尿病などの原因となり、脳卒中のリスクがあがります。
⑧禁煙
タバコは、脳卒中の危険度を増加させます。動脈硬化を促進し、血圧の上昇、LDLコレステロールの増加させます
⑨ストレスをためない
過度のストレスは、血圧の上昇、動脈硬化の原因となります。自分に合ったストレス解消法を持つ
⑩急激な温度変化を避ける
急激な温度変化は、血圧に大きく影響し、脳卒中の発作を引き起こすリスクとなります。冬場は、お風呂場や、各部屋の温度差を少なくするなどのを工夫をするようにしましょう
❍脳梗塞の原因、頸動脈のプラーク
前回のブログで、心原性脳塞栓症をまとめましたが、脳に血液を送る、頸動脈のプラークが脳に塞栓症をはっしょうすることもあります。左右の総頚動脈は、耳のあたりで内頚動脈と外頸動脈に分岐します。その分岐部は、プラークの好発部位となります。
<頸動脈 プラーク>
※関連ブログ「よく聞きませんか!? 心不全とは?」 頸動脈エコー
生理検査アティテュード®からのメッセージ
・人間の可能性、回復力を信じる
初回のブログ、生理検査アティテュードでご紹介した私の父は、ラクナ梗塞です。運動麻痺などの症状はまったく無く、何となくぼんやり、でも、確認すると単語のみの発語や、年齢がわからなくなっている、文字が書けない、などの症状がありました。MRI検査を受けなければ、そのまま放置され、もっと大きな症状となっていたでしょう。高次機能障害と言われましたが、幸い父は、その後完全に持っていた機能を取り戻せています。梗塞範囲など、詳細まではわかりませんが軽度の認知障害もあると言われたことを記憶しています。
❍笑っていた父
自宅から歩いて行くことが出来たので、出来る限り病院に面会に行きました。新聞を読むことや図書館で借りてきた本を読むことが日課でした。脳梗塞の発症で、おそらく文字を正しく読むこと、漢字がわからなくなっていたようでしたが、読む努力はしていたようです。そして、私が印象的だったのは、小冊子にある大黒様の挿絵を見て、
「あはは。。。」と声を上げて笑っていたこと
が印象に残っています。その笑う様子を見た私は、あぁ、父は大丈夫だと思ったのです。退院後は、家族の心配するほどのこともなく、思いの外元の能力をしっかりと取り戻していきました。
❍自分の伴侶を守ることが使命
父が守りたかったのは母だった
父の回復と引き換えのように、母の様子が。。。
父の脳梗塞に母の心はパニック状態になっていたようです。「わからない、わからなくなっちゃった...」この言葉を繰り返すばかり。後から思い返すとすでに認知症を発症していたのでしょう。父が退院しても、母のうつ状態は、日毎に増すばかり、あっという間に症状が進行していきました。父よりも母の要介護度が増す状態でした。
自分の目標を見出した時
人は生命力、最高の能力を発揮する
その母を支えることが父の心の支えだったのだと私は推測します。母のために姉が契約した携帯電話は、父がしっかりと使い方を覚え使ったのは、父でした。自分がしっかりとしなければならない、その気持ちが父を支えていたようです。母の病院にも私か兄がついているにもかかわらず、必ずいっしょに付き添っていました。その後父は、自分が肺膿瘍で入院、手術をしたときも残された母を気づかい、携帯で電話をしながら母を励ましていました。すぐ良くなるからと母を諭し、早く良くなって、母のもとに帰ることそのことだけを考えていたようです。すごい生命力です。
もともと気丈な性格の父は、脳梗塞を患っていたことなどなかったかのように元の状態に戻ったのです。その後数年間、父が母を支えながら、母を見送り、自分は90歳まで生きるんだと言っていたことば通りに生き抜きました。
父の強さの根源も私の推測です。でも治るんだという強い気持ちは、脳梗塞を克服することには有効的です。今回、この脳卒中をまとめながら、脳科学者 ジル・ボルト・テイラーの書いた「奇跡の脳」を思い出していました。自分の可能性を決めるのは自分自身です。
<ジル・ボルト・テイラー 奇跡の脳>
Pure Medical attitude 生理検査アティテュード®
Junko Katayoshi
今日のまとめ
- 予防のための運動は安全であること、前の血圧、心拍チェックは必須
- 脳卒中の原因となる高血圧の改善には、中等強度の有酸素運動、5~7回/週、30分/日
- 減塩、野菜・果物摂取、適正体重のコントロール、過度の飲酒を避ける
- 本人と家族の心のサポートが、人の可能性を引き出す
《THINK YOUR LIFEのセミナー情報》
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『気軽に健康トーク』の場がスタートいたしました!
HEALTH TALKING in Pure Medical attitude
当社Office での開催も決定いたしました!
〔横浜・鶴見当社開催〕8月25日(土) サイト準備中
情報サイト
参考資料
- 「介護予防のための運動」 川崎市立看護短期大学 西端 泉教授
<Pure Medical attitude のblog>
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- §1「心の病」労働災害認定とは 2018.5.14
- §2 がんとどう向き合うか? 2018.5.16
- §3 人生100年での向き合うべき課題 2018.5.18
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Pure Medical attitude
生理検査アティテュード®
代表 かたよし純子 Junchan♪ ※自己紹介はこちらから
臨床検査技師/超音波検査士/健康管理士一般指導員/健康管理能力検定1級
THINK YOUR LIFE -ミドルエイジとともに-side by side-
共同代表 Junko Katayoshi
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