JunchanのHealth attitude blogにご訪問ありがとうございます。医療スタッフのメンタルパートナー かたよし純子です♪ 今週は、単発で私の無意識から上がってきたトピックをお伝えしています。前回月曜日には、1,000人を超えたウイルス疾患風疹を取り上げてみました。今回は、先週の口腔疾患の流れを受け、口腔ケアを深掘りしていきたいと思います。口腔ケアの大切さはもう既に気にされている方も多いことと思います。接触嚥下と関連する問題です。今回は、口腔ケアという面から、歯のトラブルとなる「歯周病」と「むし歯」を中心にまとめていきたいと思います。

 

1.口腔ケアを再認識

1-1 口腔ケアの大切さを再認識しよう

1-2 歯周予防のために口腔ケアの大切さとは

1-3 むし歯 う蝕はどうして出来るのか?

今日のプラスα

2. オーラルフレイルを考えてみませんか   

3.  摂食嚥下機能維持の筋力UP    

生理検査アティテュード®からのメッセージ

・口の中のリセットになる、定期検診はやはり必要

 

1.「食べる・会話」に関わる口腔ケア再確認への3ステップ

先週のブログでもまとめたように、「味わい」にも舌とともに、人の五感「味覚」に、歯は深い関わりを持つ。

1-1 口腔ケアの大切さを再認識しよう

私も含めて、何気に使っている「口腔ケア」ということば、口腔ケアとは、

口腔ケアとは

狭義の意味として...
  • 口腔清掃や口腔保健指導を中心とするケアを行うこと
  • その目的は、口腔疾患や気道感染・肺炎に対する予防
広義の意味として...
  • 口腔疾患、機能障害に対する予防、治療、リハビリを目的とした歯科治療から機能訓練までのケア
広義の内容としては
  • 器質的口腔ケア:口腔清掃を中心とするケア
  • 機能的口腔ケア:口腔機能訓練を中心とするケア
  • 専門的口腔ケア:専門職とされる歯科医師、歯科衛生士、看護師などが行う広義の口腔ケア

このように定義されているようで、狭義での内容は「口腔清掃」、広義ではそれに「口腔機能訓練」を加える一般的とされているようです。

❍口腔ケアの大切さ 歯の機能を知る

歯の機能には、食べる機能とコミュニケーション機能などがあげられます。

《食べる機能》
1.咀嚼
  • 歯で食物を噛み砕き、嚥下しやすく、消化しやすくする
  • 成長期では、咀嚼することで、顎の骨、顎の周囲の筋肉の発育を刺激する
  • 吸い込む力も持つ
2.味覚
  • 舌にある味蕾で基本味(甘味、酸味、塩味、苦味、うま味)を感じ、脳に伝える
  • 基本味を拡張させ、味わい・風味(flavour)を感じる(臭い、歯触り、舌触り、温度、色、体調など)
3. 唾液唾液の機能
  1. 咀嚼・嚥下の補助作用
  2. 溶媒作用
  3. 洗浄作用
  4. 化学的消化作用
  5. 歯や粘膜の保護作用
  6. 緩衝作用
  7. 抗菌作用
  8. 歯の再石灰化作用
  9. 発がん性・変異原生抑制作用
《発音と発語》

人は、言語を持ち、会話をすることで、コミュニケーションをとることも行います。舌の機能のところでもお伝えしていますが、舌の持つ構音機能は、言葉を発すること、発語によって、声と口元や顔の表情とともに、相手に伝えられます。声は、声帯の振動することによって、原音が発せられ、さらに歯、顎、骨、口唇、舌の形態や機能により「ことば」が作られます。これらの形態や機能に異常があると発音障害・構音障害となることがあります。

  • 母音:声帯の振動によって、呼気の通過が遮られることなく発音できる
  • 子音:呼気の通過が口唇、舌、歯などで遮られ、通路が狭められて発声することができる

その他、歌う、楽器を演奏することや、感情表現として叫ぶ、笑う、嘆くなどさまざまな感性を表現することもできます。

❍外見力に関わる、口もとの見た目や印象の大切さ

きれいに化粧された「顔」の見た目から、口元の美しさ、清掃の行き届いたきれいな歯や歯肉、整った歯並びは、審美性・外見力に関わります。人のが第一印象に大きく影響し、コミュニケーションの過程で重要な役割を果たします。他の人と会話している時に、相手の口元をみることもあるのではないでしょうか。口は、発音に関わるとともに、表情として、その人の感情を表出しています。

さらに五感の嗅覚も関係しています。口臭も外見力にとって外せない人のコミュニケーション感覚です。

※関連ブログ 味蕾「摂食嚥下と味覚に関与、舌を知る」、唾液「口腔・咽頭の疾患

❍口腔ケアの大切さ

口・口腔には、これらの「食べる」と「会話」をするという大切な機能があります。「食べる」ということは、人の生命を維持するための必要な栄養素を取り込む作用とともに、食欲という豊かな五感を育てるためにも「食べる」ということは必要とされる機能です。「会話」は、周囲の人とのコミュニケーション機能として、話すということと、外見力にも関係しています。

全身の健康を守るためにとても大切です。口腔ケアが、むし歯や歯周病予防のためだけではないこと、身体機能の低下に加え、多くの摂食嚥下障害などにかかわること、口腔機能の低下は、器質面のみならず、機能面でのケアも欠かすことができません。

●口腔ケアの分類
  • 器質的口腔ケア:口腔内の歯や粘膜、舌などの汚れを取り除く
  • 機能的口腔ケア:口腔機能の維持・回復を目的

この2つが、うまく組み合わされることのより口腔ケアの効果がさらに高まるとされています。さらに定期的な口腔ケアのチェックしてもらうこととして

  • 専門的口腔ケア:歯科医師、歯科衛生士、看護師などの専門職のケアも大切です
●口腔ケアの目的
  • 口腔感染症の予防:むし歯、歯周病の予防
  • 口臭の予防
  • 味覚の改善:低栄養の改善や食を楽しむなどのメンタルケア
  • 機能維持・回復:唾液分泌の促進
  • 誤嚥性肺炎の予防
  • 感染症予防:発熱の予防、インフルエンザ、全身疾患、糖尿病の予防、心疾患のリスクの低下
  • 会話などのコミュニケーションの改善、認知症の予防
  • 意識レベルの改善:生活のリズムを整える
  • 口腔機能の維持・回復につながる

口腔ケア

<口腔ケア>

❍8020運動推進特別事業

「8020運動」とは、今から30年前にスタートした運動です。厚生労働省や日本歯科医師会により推進されている歯科に関する運動とされ、満80歳で20本以上の歯を残すことを主目的とした運動です。(※関連サイト「厚生労働省」)

国民の歯の健康の保持を推進させることを目的として行われ、日本歯科医師会では、高齢となっても自分の歯で、自分の口から食事を摂ることが大切だと考え地域における口の健康の保持と推進を行う活動です。

●どうして20本なのか?

人の歯は、親知らずを除いて、上下左右対象に全部で28本です。3種類の形状に分けられて、前歯が上下左右2本ずつ、犬歯が上下左右で1本ずつ、奥歯が上下左右で4本ずつ、それぞれ役割が異なります。

  • 前歯:噛み砕く 草食動物の歯 野菜
  • 犬歯:切り裂く 肉食動物の歯 肉
  • 奥歯:すりつぶす 臼状 穀物

唾液を飲みこむ時に、奥歯が噛み合うのではないでしょうか?顎がぶれてしまわないように噛み合っています。この顎が不安定になると、気道を塞ぐ喉頭蓋が上手く閉まらなくなり誤嚥しやすくなります。この奥歯は、誤嚥防止装置の役割を持ちます。

そして、歯が20本あると、硬いものふつうぬ噛めることができる本数とされています。そのため80歳で20本の自分の歯を持っていようとい

●高齢者にとっての口腔ケアの重要性

体力低下、免疫力の低下している高齢者にとって、口腔内の細菌は大敵とされます。歯周病やむし歯、口臭、誤嚥性肺炎は、口腔内の細菌が原因となります。高齢者にとって、誤嚥性肺炎は、食物が誤って気道に入り込むことや、唾液を飲み込む際に、口腔内の細菌もいっしょに肺に入り込むことにより肺炎を招きます。

唾液のところでもお伝えしていますが、唾液の分泌は、1日に1~1.5L、睡眠中でも唾液が分泌され、気がつかないうちに唾液を誤嚥していることも少なくありません。高齢者のこの誤嚥による肺炎の予防には、口腔ケアが重要なこととなります。

人生100年と言われ、健康寿命の延伸の必要性が問われる中で、この口腔ケアは、「オーラルフレイル」として非常に大切なこととされています。疾患や障害など支援が必要となっている場合や、高齢となり自分で確実な口腔ケアを行うことが難しい状態とされるような介護の場などでも、この口腔ケアの必要性が高まっています。

※関連サイト「8020啓発運動」 日本歯科医師会

 

1-2 歯周予防のために口腔ケアの大切さとは

最近よく聞く「歯周病」、以前は歯槽膿漏といわれていました。この歯周病をまとめていきましょう。

❍歯周病とは?

歯周病は、細菌感染によって引き起こされる炎症性疾患とされます。歯槽膿漏とは、歯ぐきから膿がでる病気という意味であり、これ以外にもさまざまな歯ぐきの疾患があることから、現在では、歯周病といわれています。人は、高齢になる歯を失い、入れ歯になってしまうことがありますが、加齢で歯を失うことはなく、歯を失うおもな原因は、歯周病とされます。

●歯周病の原因

歯と歯肉の境目を歯肉溝といいます。この部分の清掃が行き届かないことにより、プラーク(歯垢)に蓄積することにより、プラーク内の細菌が増殖し歯肉が炎症を起こし、赤く腫れたりします。この状態では、痛みはほとんどなく、さらに炎症が進行すると、腫れた歯肉の歯の境目(歯周ポケット)が深くなり、歯周病菌は、歯周組織に侵入し、歯を支える土台となる歯槽骨が破壊され始め、歯がぐらつくようになってしまいます。

《歯周ポケットの深さ》
  • 健康な状態 1~2mm:正常な状態、歯と歯ぐきの間にはこの程度のすき間がある
  • 歯肉炎   2~3mm:プラーク放置で隙間ができる、歯肉に炎症が起き赤く腫れる、ブラッシングで出血する
  • 歯周炎(軽度)3~5mm:炎症が重症化、歯周病菌がポケットに侵入、歯槽骨や歯根膜が破壊されはじめる
  • 歯周炎(中度)4~6mm:炎症がさらに拡大し、歯槽骨の破壊が進行し、歯がぐらついてしてくる
  • 歯周炎(重度)6~7mm:ポケットの中にプラークが張り付き、歯石を形成、歯槽骨が半分以上破壊され、歯がグラグラになる

❍症状が出にくい歯周病

この歯周ポケットが、6~7mmの状態になると、歯肉が痩せてしまうために、後遺症が残ることもあると言われています。3~5mmまでの状態での対応が望まれます。

歯周病は、症状が出にくく、歯がグラグラになる前での対応が必要とされます。そのためにも、早い段階での発見が必要とされ、口腔ケアや歯科検診が重要とされています。

❍プラーク(歯垢)は、細菌の塊、歯石を取ることの重要性

口腔内には、およそ300~500種類の細菌が住んでいます。

プラーク中には、多くの歯周病菌の住み家となり、1mgのプラーク中に、1~2億から10億個の(みるサイトによって数はさまざま、非常に多いということはご理解いただけるかと…)細菌が住みついていると言われています。むし歯や歯周病の原因とされ、その中でも歯周病の原因菌が特異的に存在していることが分かっています。

プラークは、歯の表面に付着していて、白色または黄白色をしているために目では確認しにくいのですが、舌で触るとザラザラとした印象で感じられるのがプラークです。プラークは、粘着性が高く、歯の表面にしっかりと付着しているためにうがい程度では落とすことは出来ません。

●歯周病の原因となるプラーク

歯周病は、この歯垢の中の細菌によって歯肉の炎症、やがて歯を支えている骨溶解していく疾患とされ、歯を失ってしまう原因とされます。

●歯石は、プラークから作られる

プラークをそのままにしておくと、唾液中のカルシウムが沈着し、歯石に変化し、歯の表面に強固に付着します。 歯石は、ブラッシングだけでは取り除くことができなくなります。この歯石の中や、周囲にはさらに、細菌が侵入し、歯周病を進行させることになります。

●歯周病の進行させるリスク
  • 歯ぎしり、くいしばり、噛み締め
  • 咬合性外傷
  • 不適合補綴物(ほてつぶつ):入れ歯など人工の歯で補う治療法
  • 不規則な食習慣
  • 喫煙
  • ストレス
  • 糖尿病、骨粗鬆症、ホルモン異常などの全身疾患
  • 肥満
  • 薬の長期服用
  • 遺伝
  • 家族間感染

❍歯肉の状態 

《健康な歯肉》
  • 薄いピンク色の歯肉
  • 歯肉に弾力性があり、歯と歯の間に歯肉が入り込んでいる
  • 引き締まった歯肉
  • ブラッシングしても出血しない
《歯肉炎》
  • 赤色の歯肉
  • 歯肉が腫れ、丸みを帯びている
  • ブラッシングすると出血する
  • 腫れた歯と歯肉の間に歯垢がたまっている
《歯周炎》
  • 赤紫色の歯肉
  • 歯と接している歯肉が腫れている
  • ブラッシングで出血や膿が出る
  • 歯間が広がり、食物がよく挟まる
  • 歯肉が退縮してしまい、歯が長く見える
  • 歯周ポケットが深く、歯槽骨が溶けてしまう

※情報サイト「歯周病とは」(歯周病の写真が見れます)日本臨床歯周病学会

歯周病:歯肉炎と歯周炎

<歯周病:歯肉炎と歯周炎>

❍歯周病予防

この15年で、歯周治療は急速な進歩を遂げ、現在、歯周病は予防することも、治療も可能となった疾患とのことです。歯周病の原因は歯垢だとされ、歯垢をためないこと、増やさないことが基本とされています。このために重要なことは、予防、診断、治療、そしてメンテナンスとされています。

●基本は、毎日の正しいブラッシング
  • ブラッシング:歯の表面を歯垢のない清潔な状態にしておく、正しいブラッシングが必要
  • 歯石の除去 :歯肉の中の歯石を完全除去し、歯根の表面を滑らかにし、原因菌の徹底的除去
  • 健康な歯肉 :傷んだ歯肉、歯骨を治療し、歯肉を健康にする
  • メンテナンス:定期的に歯科衛生士による専門的なクリーニングを受ける

❍歯周病と喫煙との関係

喫煙はさまざまな疾患の原因となりますが、歯周病のリスクも高めることが分かっています。

●歯周病と煙草の関係

タバコの煙には、約4,000種類以上の化学物質が含まれ、この中の200種類以上が有害物質、60種類以上は発がん物質、発がん促進物質とされています。

●喫煙者の口腔問題

喫煙者の口腔は、臭いやヤニの沈着のみではなく、歯周病にかかりやすい状態となっています。さらに、治療に対しても効果が得られ難いという問題があります。

喫煙により、歯周病にかかる危険は1日10本以上の喫煙で5.4倍、10年以上の喫煙歴で4.3倍に上昇、さらに重症化しやすくなるという結果もあるとのことです。

●喫煙の口腔内への影響とは

喫煙により、歯肉の腫れや出血が見た目では押さえられてしまっているということをご存知でしょうか。喫煙は、血管を収縮させるということが知られていますが、この喫煙の作用によるものです。そのために歯周病に罹っていても、深刻な状態になるまで気がつかないということが起こり、歯を失うことになります。

さらに問題なのは、治療効果が得られにくい、治り難いということも問題となります。その後の経過も芳しいものではなく、喫煙者の歯肉は、再び悪化していく傾向にあるとのことです。

●どうして喫煙が悪いのか、さらにそのメカニズムとは

タバコの煙に含まれる一酸化炭素は、組織への酸素供給を阻害し、さらにニコチンは、血管収縮させるために、喫煙者の身体は、低酸素、低栄養状態になります。ニコチンは、免疫機能も低下させ、アレルギーなども起こしやすく、組織の修復機能も抑えてしまうことになります。

歯の表面に付着するヤニの中は、歯周病菌のすみかとなっています。

《喫煙の影響》
・ニコチンの血管収縮作用

血流が悪くなり、酸素や栄養素の欠乏し、老廃物が除去されずに堆積する

・歯肉の線維化

歯肉血管が脆くなるために、炎症を起こしても出血しない、歯周病の発見が遅れる

・白血球機能の抑制

白血球の防御機能が低下、歯周病菌が増殖しやすい

・歯肉収縮機能の低下

歯周組織の修復機能低下するために、治療効果が得られ難い

❍禁煙により歯周病のリスクは軽減する

しかし、禁煙することで歯周病の危険性が低下するということも分かっているとのことです。

歯周病への罹りやすさが、禁煙により「4割減少」するとのことです。さらに、肺がんを始め、さまざまながんへのリスクも軽減されます。

※関連ブログ タバコの煙「がんとどう向き合うか?

喫煙と歯周病の関係性

<喫煙と歯周病の関係性>

 

1-3 むし歯 う蝕はどうして出来るのか?

むし歯は、むし歯原因菌が引き起こす感染症です。

❍むし歯とは?

むし歯は、口腔内の細菌が、飲食する中の含まれる糖質を餌にして作り出された酸によって歯が溶解した状態です。

歯に付着した細菌が多糖類の皮膜とされるバイオフィルムを合成し覆われるために唾液を遮断してしまうとされます。その中で細菌の代謝産物となる有機酸が蓄積され、歯のエナメル質を溶解してしまい、穴が空きむし歯となります。

《むし歯の形成過程》

・その1

ミュータンスレンサ球菌といわれる菌がおもなむし歯菌で、特殊タンパク質により、歯の表面に付着します。

その対策⇨生まれたときには口腔内には細菌は存在せず、細菌汚染は、産道を介してだといわれています。唾液から経口感染するといわれています。ミュータンス菌は、糖質をおもに栄養とするため、口腔にとどまる時間を短くする。

・その2

このミュータンスレンサ球菌は、糖質を栄養にして増殖する際に、水や唾液に溶けないネバネバ物質のグルカン(菌体外多糖)を合成するものです。歯垢(プラーク)は、細菌が合成するバイオフィルムといわれるもので、歯の表面に強固に張り付き蓄積されていきます。

その対策⇨歯垢(プラーク)は、食べかすではなく、細菌が作るものであり、正しいブラッシングで守る必要があることを理解こと、さらに歯垢の元になる砂糖(ショ糖・スクロース)の摂取を考えることも大切となります。

※関連ブログ スクロース「活力源となる炭水化物

・その3

ミュータンスレンサ球菌は、バイオフィルムの中で糖質をエサとしてその排泄物として、有機酸を排出しています。歯垢に対して、水や唾液を通すことが出来ないために有機酸は、歯垢(プラーク)の中で蓄積されることになります。この有機酸により、歯が溶解してしまいむし歯を形成してしまうことになります。つまり、バイオフィルムの中の閉鎖状態で虫歯菌のよる有機酸の蓄積がむし歯を作り出しています。

その対策⇨フッ素入の歯磨きペースト(950ppm:フッ素濃度)常時用いることが勧められています。エナメル質が通常pH5.5で溶け出すものが、pH4.5~4.0くらいまで低下しても溶け出さなくなるとのことです。さらに、砂糖使用の菓子類は、砂糖の代わりに、キシリトール入りが推奨されます。しかし、あまり甘いものに味覚を慣れさせないことも必要となります。

むし歯菌は、ほとんどの人の口腔内にいるような細菌で、その細菌を増やさないことが、予防につながります。有機酸を作りにくい生活習慣とすることで、十分に予防できる疾患です。

むし歯は、進行しないと痛みがでません。目視しても、自分ではなかなか見つけることが出来ず、気づいたときにはかなり深く、神経にまで達した状態となっていることも少なくありません。

通常は痛みなどの症状はありませんが、進行すると痛みが出るだけでなく、歯の内部の神経にまで影響が及ぶと、耐えがたい痛みの原因になることや、全身に細菌が回ってしまうこともあります。

歯を喪失することになる疾患

歯周病とむし歯

歯周病もむし歯もプラーク(歯垢)内の細菌が原因

 

2.歯周病は、全身疾患の原因となる歯周病菌

歯周病は、口腔のみの問題ではなく、全身疾患と密接な関係があることが分かってきています。

❍歯周病と全身疾患との関連性

近年分かってきたことですが、歯周病の原因菌が気道や血液を介して、肺や全身に拡がることで、誤嚥性肺炎は、よく知られるようになりましたが、心臓病や動脈硬化、血糖コントロールへの悪影響、早産、低体重児などの要因にもなっていることが分かってきています。これらの関連疾患をまとめていきたいと思います。

❍歯周病が全身に及ぼす影響

歯と歯肉の隙間から血液、血管中に歯周病菌やその毒をは侵入してしまうことのより、血管内にプラークを形成することで、動脈硬化の原因とも考えられています。プラークが血管壁から剥がれて血栓が作られ、その場で血管が詰まったり血流を流れていき、細い血管で詰まることがあります。

●心臓疾患:狭心症・心筋梗塞

歯周病は細菌感染症で引き起こされますが、この歯周病菌が血中に入り込むと、心臓の冠状動脈などに感染を招くことがあります。

●脳血管疾患:脳梗塞

脳梗塞は、頸動脈や心臓からのプラークが血中を流れてきて脳血管に詰まることで発症します。歯周病がある場合、2.8倍脳梗塞になりやすいといわれています。歯周病菌が原因となって作られたプラークも血中を流れてきて、脳血管で詰まることがあります。血圧、脂質異常症の方は、動脈疾患予防のためにも歯周病の予防や治療が、より重要となります。

※関連ブログ 脳梗塞「脳血管が詰まって発症 脳梗塞

●糖尿病

歯周病は糖尿病の合併症の一つといわれています。血糖値が高い状態が継続することで、タンパク質と糖が結合した物質が増加し、その影響で歯肉の炎症も悪化しやすくなるとされています。糖尿病を持つ人は、糖尿病がない人に比べ、歯肉炎や歯周炎にかかっている人が多いという報告があります。さらに最近では、歯周病になると、糖尿病が悪化するという報告もあります。歯周病と糖尿病が相互に影響を受けているというように考えられています。

さらに最近、歯周病になると糖尿病の症状が悪化するという逆の関係も明らかになってきました。つまり、歯周病と糖尿病は、相互に悪影響を及ぼしあっていると考えられるようになってきたのです。歯周病菌が血中で産生する、TNF-αという物質は、インスリンの働きを阻害するといわれています。

※関連ブログ 糖尿病「知って欲しい糖尿病の基礎 

●妊娠との関係性
《妊娠性歯肉炎》

一般に妊娠すると歯肉炎に罹りやすくなるといわれているそうです。女性ホルモン エストロゲンが大きく関係しているとされ、この女性ホルモンがある特定の歯周病菌の増殖を促すことが分かっています。また、ホルモンプロゲステロンは、歯周炎の元となる、プロスタグランジンを刺激するとされています。

妊娠終期には、このホルモンは、10~30倍になるとされていますが、この時期に妊娠性歯肉炎を発症しやすくしているといわれています。しかし、プラークが存在しない場合には、発症リスクは下がります。発症しても軽度ですむとされています。しかし、出産後、歯周病に移行することもあると言われていますので、妊娠中は特に、プラークコントロールが大切だとされています。

《低体重児早産》

妊娠中に歯周病に罹患している場合、低体重児および早産の危険度が高くなるということがいわれています。口腔内の歯周病菌が血中に侵入し、胎盤を介して胎児への直接感染が原因だとされています。その確率は、7倍ともいわれ、喫煙やアルコール、高齢出産などよりも高いリスクとなります。歯周病は、治療も予防もできる疾患です。確実に歯周病予防を行うことが大切です。

●誤嚥性肺炎

誤嚥性肺炎の原因菌の多くは、歯周病菌であると言われています。脳血管障害や、免疫力が低下した高齢者では誤嚥性肺炎を発症しやすくなります。誤嚥性肺炎の予防には歯周病コントロールが重要とされます。

●骨粗鬆症

骨粗鬆症と歯の喪失とは関連性があると報告されています。閉経後の女性は、歯周炎がなくても、エストロゲンが減少するために、歯周病を発症しやすく、広がりやすい状態にあるとされます。

閉経後、エストロゲンの減少によって発症しやすくなる骨粗鬆症はよく知られてくるようになりましたが、このエストロゲンの減少は、歯周病の進行にも関係しているとされています。エストロゲンの減少は、全身の骨がもろくなりますが、歯を支えている歯槽骨にも影響があり、もろくなります。歯周ポケット内では、炎症を引き起こす物質が作られるために、歯周炎の進行が加速されるとされています。

※関連ブログ 骨粗鬆症「骨粗鬆症の症状と原因を理解する

●関節炎・腎炎

口腔内に存在する歯周病菌の中には、関節炎や糸球体腎炎の原因となる黄色ブドウ球菌やレンサ球菌も含まれます。これらが、歯周病により口腔内から血液中に侵入することや、歯周炎により産生された炎症物質などにより関節炎や、糸球体腎炎を発症することがあるとされます。

❍定期検診で、口腔バイオフィルムの除去

この関連性を作らないようにするためには、歯周病を予防することが大切です。

古くなった歯垢を口腔バイオフィルムと言いますが、これを歯科クリニックなどで除去して貰うことで、口腔内に蓄積された細菌をリセットすることができ、非常に効果的な方法だとされています。3~4ヶ月に1回程度のクリーニングで歯周病の早期発見・早期治療を行うことができます。

歯石は、歯の根を覆い、末期になると疲れると歯肉が腫れ上がり、押すと膿が出て歯はグラグラになります。舌にも細菌が皮膜化し、張り付いた状態となり、腐敗臭の原因にもなります。

歯周病の全身疾患への影響

<歯周病の全身疾患への影響>

 

3. フレイルの前段階ともいわれるオーラルフレイル

オーラルフレイルは、以前のブログでもまとめていますが、再確認しておきましょう。

❍フレイルとは?

フレイルということばは、「虚弱」という英語の「frailty」を語源として作られた造語とのことです。フレイルの状態は、未病ともいわれています。何らかの援助を必要とする状態とされ、寝たきりの前段階ともいわれています。国内の健康寿命の延伸を目的としてフレイル対策が叫ばれています。

フレイル 

<フレイル>

《フレイルの定義》

1.筋力が弱る

2.倦怠感があり、日常生活が億劫になる

3.動量が低下する

4.歩行機能が低下

5.体重減少

「前虚弱」1~2項目あてはまる、「虚弱」3項目以上

❍オーラルフレイル対策とは

オーラルフレイルとは、現在「心身の機能の低下につながる口腔機能の虚弱な状態」とされています。口腔機能がフレイルの状態、言い換えると「ささいな機能低下」ということになります。

ささいな口腔機能の低下オーラルフレイル 負のサイクル
  • 滑舌の低下
  • 食べこぼし
  • わずかなむせ
  • 噛めない食品の増加

このような症状が気になるようになったら、オーラルフレイルの可能性があります。

❍オーラルフレイル改善プログラム

  • 準備体操 深呼吸、グー パー ぐるぐる ごっくん ベー
  • 開口訓練
  • 舌圧訓練
  • 無意味音音節連鎖訓練
  • 咀嚼訓練

オーラルフレイルは、フレイルのさらに前段階とされています。早めに対応していくことで、健康状態へともどることができます。

最後に、歯周病のセルフチェックもまとめておきましょう

❍歯周病のセルフチェック

日常の中で、見られる症状をチェックしてみてください

見られる症状
  • 朝、起床時に口の中がネバネバする
  • ブラッシングで出血する
  • 口臭が気になる
  • 歯肉に痛みや、むずがゆさがある
  • 歯肉が赤く腫れている ※健康な歯肉は、ピンク色で引き締まっている
  • 硬いものが噛みにくい
  • 歯が長くなったように見える
  • 歯の間に隙間ができること、前歯が出っ歯になった
  • 歯の間に食物が挟まる
上記の項目が
  • 3項目あてはまる:予備軍です、しっかりと予防することが必要です
  • 6項目あてはまる:歯周病が進行している可能性がある
  • すべての項目があてはまる:かなり進行した歯周病

 


ここからの「生理検査アティテュード®からのメッセージ」は、医療の在り方に関連した私のさまざまな思いを綴っています。医療側、検査技師の目線と在り方、受ける側目線と在り方、そして患者家族として私が感じたことなどを「医療の在り方」「臨床検査の在り方」を書かせてもらっています。あくまでも私個人の意見や、考え方を綴らせて戴いています。

お読み戴きましたみなさまのご意見を、お聞かせください。ぜひ忌憚のないメッセージをお願いいたします。

 Pure Medical attitude かたよし純子

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生理検査アティテュード®からのメッセージ

・口の中のリセットになる、定期検診はやはり必要

 

私にとってある意味、歯はコンプレックスでもあります。

先週、行きつけの歯科クリニックから定期健診のお知らせを戴きました。前回の受診から4ヶ月が経過したとの連絡です。それを受けて、今週月曜日に受診してきました。幸いむし歯などの所見は無く、歯石をクリーニングして戴き再び次回のお知らせを待つ身となりました。

❍病院選びも悩みます

同区内で、以前かかってきたところからは、お知らせを送りますと言われながら、一度も来ていません。うすうすその理由は分かっています。恐らくブラックリストにあげられているからだと想像します(笑)歯科衛生の言動にムカつくような嫌なことが有ったのですが、新たな開拓をするのも個人的には厄介なので、もし、「定期検診のお知らせ」が来たら行こうと思っていました。でも、来ません...笑

結局、健診には1年以上、何となく症状が出るまで歯科には、受診しませんでした。検診のお知らせは、人それぞれかと思いますが、私にとっては、「歯科検診に行く」という行動に移せる効果があると思っています。

総合病院勤務時代は、だいたいの身体の疾患関連は、自分の病院で見てもらっていました。それが、他院に受診と思うと、どの医療機関にしようかすごく悩みます。みなさんはどのようにして病院を決めていますか?病院を転々と変えると、今の時代はまだ、診療機関を多数持つと、情報がバラけてしまいます。以前も「健診は同じ施設」でということを、アティテュードで書いていますが、前回値と比較できる、変化がわかるということも大切なのです。総合病院ですべて受診できるとようのですが、厚労省の施策では、「かかりつけ医」となっているためにそうもなかなかいきません。

●「かかりつけ医」ありますか?

かかりつけ医を真剣に考えることが私にもどうやら必要かともう年になってきたのです。前職の病院は、やはり距離があって行きにくく、地元でと探します。先日の眼科も悩みました。HPとか、口コミとかも...病院は、名前よりも、私の場合は人です。医師も含めたスタッフの対応をいちばんに考えます。

今通っている歯科クリニックは、両親がお世話になっていたクリニックです。その経緯から選んだクリニックです。その理由は、また次回の機会にでも...今回は

❍定期健診の必要性を感じます

オーラルフレイルや摂食嚥下など、口腔ケアに関する、講習会をこれまでに何度も受講しています。そして今回、歯周病とむし歯をまとめていて改めて、定期検診の必要性を実感しています。口の中は、鏡を使ってもなかなかすべて見ることは困難です。

特にプラークは、見落としてしまいます。歯周ポケットの測定も自分では困難です。歯周病は、初期では症状が見られません。3~4ヶ月で歯科でのクリーニングも効果があります。対応すれば改善されます。

ピンときたかかりつけ医を見つけましょう。人は相性があります。この先生よいなぁ~と思えるクリニックへの受診がよいと私は思っています。良いと思うクリニックは、スタッフのさんとのマッチングも、きっとよいと私は思います。

Pure Medical attitude

生理検査アティテュード®

Junko Katayoshi

 

今日のまとめ

  • 口腔ケアは、器質的口腔ケアと機能的口腔ケアとがあり、双方ともに大切です
  • プラークは、細菌の塊、歯石は、プラークが石灰化したもの、歯周病もむし歯もプラークの中の細菌が原因
  • 歯周病からさまざまな全身疾患が引き起こされる

 

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代表 かたよし純子 Junchan♪  ※自己紹介はこちらから

臨床検査技師/超音波検査士/健康管理士一般指導員/健康管理能力検定1級/介護予防運動指導員/米国NLP協会認定NLPトレーナー/臨床心理学 基礎エキスパート取得

THINK YOUR LIFE -ミドルエイジとともに-side by side-
共同代表 Junko Katayoshi

今日も最後までありがとうございました。

 

☆アンコモンセラピー読書会☆

セカンドバージョンスタート致しました!

ヒプノセラピーにご興味ある方、ご参加お待ちしております!

毎月、大崎ゲートシティ スターバックスコーヒーで開催しています。

8月に、5年3ヶ月かけて、1冊の本、名書 ミルトン・エリクソンの「アンコモンセラピー」を完読いたし、「アンコモンセラピー読書会Part2」が、10月よりスタート致しました!

催眠療法の大家「ミルトン・エリクソンの戦略的手法」を紹介されているこの本の読書会、次回は、11月19日(月)を予定しています。イベントサイトができましたら、こちらからもご案内致します。