JunchanのHealth attitude blogにご訪問ありがとうございます。医療スタッフのメンタルパートナー かたよし純子です♪ 先週、今週と「のど」をテーマに関連することをさまざまお伝えしています。のどの機能やメカニズム、口腔や咽頭の疾患、喉頭の疾患や腫瘍性疾患などをまとめてきました。のどを語るには、やはり「舌」を切り離して考えることはできません。右脳側からのアプローチとして、味覚があります。今日は、のどに関連して、舌のもつ機能五感のひとつ「味覚」を中心に、味覚と歯の関係性や、のどのもつ「のどごし」までまとめていきたいと思います。食に対し意識が変わるかもしれませんよ。

 

1.舌の持つ機能「味覚」へのアプローチ3つ

1-1 舌の機能・役割は、「嚥下」「構音」「味覚」の3つ

1-2 舌の構造と味覚のメカニズム、味蕾と味細胞

1-3 味覚と歯の関係性、歯の感覚機能

今日のプラスα

2.のどの味覚、のどごしとは?

3.味覚障害 味覚が変化している 食育を考える 

生理検査アティテュード®からのメッセージ

・毎日のほんの少しの意識を変えてみませんか?3つの意識改革

 

1.舌の持つ機能「味覚」へのアプローチ3つ

1-1 舌の機能・役割は、「嚥下」「構音」「味覚」の3つ

食べることに関して、切り離して考えることが出来ない「舌」、その「舌の役割」を考えてみたことありますか?舌は、口の中でさまざまな役割を持っています。

❍舌の役割を理解する

舌は、筋肉でできた突起物であり、口腔内にある器官

ちょっと、口の中で舌を動かして見てください。いろいろな形にすることができるのではないでしょうか。この筋肉をさまざまに動かし、位置や形を変化させることができる機能を持つことで「食べる」「話す」という、人にとって大切な「生命維持」と「コミュニケーション」機能を担う器官となります。舌は、「消化器」「運動器」として、双方の働きを持ち、人はその機能を無意識にバランスよくコントロールしていることになります。

舌のおもな働きは

  • 嚥下機能:食物をのどに送り込む
  • 味覚  :あじわう
  • 構音機能:言葉を作る

❍舌の役割:嚥下機能 「食べる・咀嚼と消化」

舌の動きが悪くなると咀嚼しにくくなり、食物を飲み込みにくくなるために、誤嚥しやすくなることもあります。舌は、「食べる」という機能を行う中で、味わうという機能とともに、唾液と混ぜ合わせて消化という機能をもちます。

●口腔機能の「摂食嚥下機能の5期」
  1. 先行期:認知期、食物を見つけ口腔に入れる、唾液の分泌を促し準備する
  2. 準備期:咀嚼期、食物を咀嚼し食塊を形成する
  3. 口腔期:奥舌へ移送し咽頭へ送る、食塊をまとめ、飲み込む準備をする
  4. 咽頭期:咽頭の通過、食塊を咽頭に送り込み嚥下する
  5. 食道期:食道の筋肉運動、食塊の食道への通過、嚥下した食物を送る

この口腔機能の中で、舌の役割は、準備期での役割を担っています。食塊と食塊形成とは?

食塊と食塊形成

口に入れた食物を咀嚼し、唾液と混ぜ合わされたもの、飲み込む前の塊の状態を食塊といい、この食塊を作るための口腔内の動作を食塊形成といいます。

●舌の動き、摂食嚥下の「準備期」での「押さえる・押しつぶす機能」

口腔内に取り込まれた食物を食塊を形成するために、咀嚼する時期となり、舌はこの準備期で、咀嚼に関わり大切な役割を持ちます。小さな物を細かくする時に押さえないと上手く切断することは出来ませんよね。

舌は、この準備期で、口に入れた食物を口蓋に押し付けるようにして、口に入れた食物の硬さや温度、性状などを瞬時に判断しています。判断することで、咀嚼する回数や、場所などをほとんど意識すること無く決め、噛み砕くという動作を実行しています。

大きな食物は、前歯で噛み砕き、やわらかい食物は、舌と口蓋で押しつぶしているのではないでしょうか。そして、固い場合は、舌背(ぜつはい:舌の上面)へ送られ臼歯で咀嚼しています。食物は、舌の上下に位置する歯で噛み砕かれますが、この時に上下の歯との舌と頬によって食物が捉えられる状態で行われています。そして、この一連の食塊が作られる作業を、食塊形成と言っています。作られた食塊は、舌背にのせられ奥舌へ移送され咽頭へと送られ、咽頭期となります。

●舌の動きを意識すると

人は無意識に舌を使っているのではないでしょうか。思わず舌を噛んでしまったり、口内炎が出来て痛みを感じたり、そのような時や、歳を重ね、その機能の衰えを自覚するまでは、ほとんど意識されることがない舌の機能なのではないでしょうか。舌は、実に巧みに動かすことができます。舌の柔軟性を維持と口輪筋を刺激するためにも、舌を意識的に動かすことをお勧めいたします。

さらに、『摂食嚥下機能向上』のためのワンポイント!

無意識に行っている咀嚼という動作を意識して、ゆっくりしっかり、食感を吟味しながら、1.2倍の回数噛むようにしてみてください。脳は、意識することで活性化され、噛むという動作の必要性を認識することができます。昔の人は、ながら食いはよくないと言っていました。脳は、ひとつの事しか考えることが出来ません。

食べる時は、「食」を意識することが大切だともいえます。

※関連ブログ「最近、むせることがある!? 誤嚥のサイン

❍舌の役割:味覚「味わう」

人は口に物が入ると、味を感じます。味の成分が唾液に溶け出すことで、口の中にある味細胞が「味覚」として感じることができる「味わう」という機能です。

舌の表面に味覚を感じる味蕾という味センサーで感じています。味蕾は舌だけでなく、上顎、頬の内側、咽頭にも存在するとされていますが、味蕾は多くの味蕾があり、人は、味覚をおもに舌で感じています。舌を失うということは、味覚障害として深刻な状態となります。

食に対して、興味や満足感などの五感としての機能「味わう・味覚」も大切な舌の持つ役割となります。食にとっても、「美味しさを堪能する」という感覚とともに、「安全」というセンサーが機能しています。飲み込んで体内に入れてしまっても有害な物質ではないかどうかも味覚で判断しています。

●味覚の基本味と食感、五感の機能

以前、嗅覚のブログでも「基本味」をまとめていますが、味覚には、甘味、うま味、塩味、酸味、苦味、の5つの基本味があげられます。人は、甘味をエネルギー源となる炭水化物の味、うま味をタンパク質であるアミノ酸の味、塩味をミネラルとして身体の成長に必要な味覚として感じ、さらに酸味を腐敗している危険な味、苦味は毒として認知するように生まれた時にこの、基本味を持ち合わせています。

《5つの基本味》本能の味覚:母乳の味と危険察知
  • 甘味 :炭水化物 エネルギー源の味
  • うま味:タンパク質:アミノ酸の味
  • 塩味 :塩分 ミネラルの味
  • 酸味 :腐敗したものの味
  • 苦味 :毒の味

この中で、酸味と苦味は、危険な味として本能が察知できる能力として、生まれた時にはすでに、危険な物と身体が認識するために酸味と苦味を感じることができます。

さらに渋味や辛味などの刺激的な味覚を感じる能力もあり、味覚以外にも、温かさ、冷たさなどの温度やなめらかさ、とろみなどの舌触りなどの食感も認知しています。

●子どもの味覚は、大人よりも敏感

以前もお伝えしていますが、乳児の味覚は、苦味や酸味を嫌うのは、本能的に避けようとするからです。乳児の味覚は、非常に敏感です。小さな離乳食が薄味なのは、その程度の味で子どもはちゃんと認識できるからです。あまり濃い味を与え続けると、十分な味覚の発達が成されなくなってしまうことになります。

子どもの方が大人よりも味覚には、敏感だとされています。人の味覚は、おおよそ3歳までに決まるとされています。そして、8歳頃までに確定された後、次第に退化していき、30~40歳代頃には、1/3まで減少するとされています。大人になって酸味や苦味を好むようになるのは、ある意味味覚に対する感覚が麻痺してきていることにもなります。

❍舌の役割:構音機能 「話す」

声帯で形成された喉頭原音が、構音の基本となり咽頭と口腔内で共鳴するということを、1回目のブログでもお伝えしましたが、この共鳴腔という形をおもに作っているのが舌となります。舌の動きが低下すると、モゴモゴとした話口調となり、ろれつが回らない、聞き取りにくい話し方となってしまいます。

●英語の発音と日本語の発音の違い

英語の発音の仕方、RとLの発音が日本人は下手だとよく言われるのではないでしょうか。この理由が舌の使い方だとされています。英語のRとLの発音に必要な舌の使い方をする日本語がないからとされています。このことからも、幼少期に、英語に慣れさせることが必要となり、この機能にはもちろん聴力も関係しています。

●構音に必要な舌の機能

言葉を作る構音機能には、舌は欠かすことが出来ません。舌の位置、形状、そして、口の開け方と口唇のよって構音機能が保たれています。口が回らないということを、滑舌悪いと言います。舌が上手く滑るように動かすことで構音機能が保たれています。

❍舌のホームポジションを意識する舌のホームポジション

舌には、正しい位置・ホームポジションがあります。口を閉じた状態で、舌が上の歯の裏側が「スポット」と言われている舌の定位置となります。舌の先が、上の歯のすぐ後ろの歯ぐきの位置、奥舌が上顎についている状態となります。前歯についている場合は、誤った習位置が習慣化していることになります。

●舌の位置が適正でないと...

調べてみると舌の位置が適正位置に無い場合、いびきや口呼吸、睡眠時無呼吸症候群の原因となることもあり、女性には気になる歯並びや、顎のたるみ、フェイスラインにも影響するようです。

 

1-2 舌の構造と味覚のメカニズム、味蕾と味細胞

舌の構造は、大きく舌体(ぜったい)と舌根(ぜっこん)とに分けられます。

舌の構造<舌の構造>

❍味を感じる味蕾の構造

舌の表面を舌背といいますが、この部分には、舌乳頭といわれる突起状のものが無数に並んでいます。この舌乳頭に中に味センサーの機能をもつ味蕾(みらい)があり、味蕾の中に味を認知する味細胞があります。そのため、舌の疾患や障害が起きると、味細胞に影響し、味覚障害となります。舌には、4種類の舌乳頭がありますが、このうち糸状乳頭には、味蕾がないために味覚には関与せず、舌の感覚機能として大きな役割を果たしています。

●4種類の舌乳頭
  • 有郭乳頭(ゆうかくにゅうとう)
  • 葉状乳頭(ようじょうにゅうとう)
  • 茸状乳頭(じじょうにゅうとう)
  • 糸状乳頭(しじょうにゅうとう):味蕾を持たないため味覚への関与はない
《有郭乳頭》

舌根(舌の付け根)付近にのみ、10個前後存在する舌乳頭です。城郭のような形状、円台状の舌乳頭です。有郭乳頭の突起の側面には、1個の突起に対して、200個以上の多数の味蕾が存在しています。中央が盛り上がり、円柱状となりその周囲には溝があります。この溝の周囲もドーナツ状の丘状で囲まれているため、「郭」のように見えます。この「郭状」の構造がみられるために、有郭乳頭という名称があるとされています。乳頭の中には、血管と多数の神経があり、神経の大部分は味蕾につながっています。

溝の部分には唾液や食事成分などの液体成分が貯留し、溶け込んだ味物質を感知することで味を感じています。またこの溝の中にある分泌腺から流れ出る分泌液により、溝の中は洗い出され味物質がとどまらないように機能しています。

《葉状乳頭》

ひだ状の形態を持つ舌乳頭で、舌のふちの部分(舌縁)に存在する舌乳頭で、舌根近くにのみ存在します。葉状乳頭は突起の側面に味蕾があり、1つのひだ側面に、十数個の味蕾が集まった構造をしています。隣り合う葉状乳頭の間の溝から味物質を洗い出し、新たな味をすばやく感知できる仕組みを持ちます

《茸状乳頭》

きのこのような形状をしています。舌上面の全体にわたって存在しますが、舌先部分の表面に多く存在しています。1つの茸状乳頭には、3~4個の味蕾が上面にあります。味蕾が上面にあるために、すばやく味物質をキャッチすることができるとされています。肉眼では血管が透けて、先端が赤く見えます

《糸状乳頭》

糸状乳頭は、細くて角質化した先端を持つ舌乳頭で、舌全体に白くポツポツとして突起状に見えます。糸状乳頭は、舌のザラザラとした部分となり、食物を口に入れ、舐めた時の、こそぎ取るような役割を持ちとされます。

舌の感覚装置の役割を担い、この糸状乳頭のわずかな動作が、舌の感覚神経に関与しているとされています。糸状乳頭には味蕾は存在していないために、基本的な味の感知には関係していません。

舌乳頭

<舌乳頭>

❍味蕾を構成する味細胞

味蕾の中には、50~150個のくらいの細胞が存在しています。味蕾の表面側にある、味孔(みこう)から味物質入り込むことでその奥の味細胞と接触することになります。

この味細胞は、電子顕微鏡によりⅠ型、Ⅱ型、Ⅲ型に分類され、味蕾の基底部には幹細胞と考えられるⅣ型細胞が存在しています。味蕾細胞の寿命は約10日とされています。

《味蕾を構成する味細胞》

  • Ⅰ型細胞:暗細胞
  • Ⅱ型細胞:明細胞
  • Ⅲ型細胞:中間細胞
  • Ⅳ型細胞:基底細胞
●Ⅰ型細胞:暗細胞

味孔側には長い微絨毛が存在し、湾入した核を持とされ、電子顕微鏡像で観察した時に、細胞質の部分が暗く見えることから暗調細胞とも呼ばれるとされています。味蕾の中の約50~60%の割合をしめ、他の味細胞を保護するような役割を持つサポート役である支持細胞の機能を持つと言われ、形態的には、他のⅡ型細胞、Ⅲ型細胞を包むような状態で存在するとされています。

●Ⅱ型細胞:明細胞

味孔側には短い微絨毛が存在し、大きな丸い核を持つとされています。電子顕微鏡像で細胞質の部分が明るく見えることから明調細胞。味蕾の中の約20~30%の割合となります。Ⅱ型細胞は甘味、苦味、うま味を刺激に対し最も強く感知するとされています。Ⅱ型細胞には明確なシナプス構造が見られないとされていますが、神経線維と非常に近接した部位にある構造物で、神経線維への情報伝達が行われると考えられいます。

●Ⅲ型細胞:中間細胞

味孔側には1本の厚い突起が見られ、湾入した核を持つとされています。電子顕微鏡像で中間調を示すために中間調細胞とも呼ばれます。味蕾の中の10~20%の割合とされます。Ⅲ型は、酸味を感知すると考えられています。味神経線維への情報伝達はシナプスを介すると考えられ、多種の味物質に対し応答を示すⅢ型細胞も存在するとされているようですがまだ解明されていないとのことです。

●Ⅳ型細胞

味蕾の基底部に存在し、Ⅳ型細胞は、Ⅰ~Ⅲ型の前駆細胞と考えられています。

味蕾の構造

<味蕾の構造>

❍味覚の脳への伝達

味細胞の入り口先端にある微絨毛には、唾液中に溶け出した特定の味物質を受け取る受容体があります。

  • Gタンパク質共役型受容体:「甘み」「苦味」「うま味」
  • イオンチャンネル型受容体:「塩味」「酸味」

これらの受容体と味物質とが結合し、味細胞が活性化され、信号が出されます。この信号は、神経に伝わり脳経に伝えられ味覚を感じることができます。

舌先前面の味細胞からの信号は、顔面神経から脳へ、舌の奥側1/3にある葉状乳頭と有郭乳頭の味細胞からの信号は、舌咽神経を経て脳へ伝えられます。

顔面神経 ⇨ 茸状乳頭味覚の神経

舌咽神経 ⇨ 葉状乳頭、有郭乳頭

 

❍舌の神経支配

味覚は、このように、顔面神経と舌咽神経を通って脳に伝えられるますが、舌には、味覚を伝える以外にも、舌神経、舌下神経などの神経がつながり、その機能をコントロールしています。

《舌神経》

舌神経は、複数の神経線維が関係しています。舌の触覚、痛覚などの感覚神経と、舌からの味覚情報が舌神経に伝えられます。そのうち、触覚、痛覚などの感覚は、三叉神経と舌咽神経を介して脳に伝えられます。

《舌下神経》

舌下神経は、舌の筋を動かす運動性の脳神経である。

❍舌は、筋肉質

舌の内部は、粘膜の直下まで筋肉となり、舌筋と呼ばれています。舌筋は、七つあり、すべて横紋筋となり、舌の内部だけを走る内舌筋と舌の外と内部とをつなぐ外舌筋とがあり、上下、左右、前後それぞれの方向に走る筋線維が入り交じることで、形状を変化させ、口腔内を自由に動かすことが出来ています。外舌筋は、舌を外側から支え、位置の変化に関与し、舌を出し入れする機能があります。

 

1-3 味覚と歯の関係性、歯の感覚機能

歯ごたえという感覚は、歯が感じている感覚です。味覚とこの歯ごたえとの関係性をみていきたいと思います。

❍美味しさを味わうこと、歯ごたえとの関係性

食の美味しさを感じる中で、味を感じる味覚とともに、歯ごたえも大切な役割を担っているのではないでしょうか。歯ごたえは、歯で噛んだ時の食感です。

●歯ざわり、歯ごたえを感じる歯根膜

カブっと噛んだ瞬間、柔らかく噛む必要のないまったく歯ごたえのない食べ物では、食べた気がしないこともあります。この歯ざわりも、美味しく味わうという感覚の中に含まれます。歯ざわりや歯ごたえという感覚は、歯の感覚とともに、噛むための筋肉となる咀嚼筋から成り立つとされています。

歯で食物を噛む時、食物の硬さや、歯触り、厚さなどの圧力をセンサー感じ取っています。このセンサーは、歯の根の周りにある歯根膜にあります。

●繊細な筋肉の感覚が、感じる歯ごたえ

顎を動かす筋肉の中にあるセンサーが感じる感覚が、咀嚼筋の感覚となり、筋肉のはすごく敏感な感覚となります。座り慣れた椅子に座った瞬間、高さが微妙に違うことも人はキャッチできるのではないでしょうか。この微妙な違いを人の足腰の筋肉が感じとることができる能力を持っています。歯の感覚は、歯の根の周りをおおっている歯根膜にある、圧力を感じるセンサーで感じとっています。

❍歯根膜の機能

歯根膜とは、歯の根元と歯を支えている歯槽骨の間にある、薄いコラーゲンで出来た繊維となります。

●歯根膜の役割

歯根膜の役割は、歯を歯槽骨に固定すること、歯にかかる圧力を吸収する機能を持ちます。

食物が歯にあたると、歯根膜のセンサーが知覚します。そして、そのときの咀嚼筋にかかる力を、筋肉のセンサーが感知し、この情報は、大脳に送られ総合的に判断されて歯ごたえとして感じることができます。

さらに、歯で物を噛んだときに、硬さや軟らかさ、ドロドロとした食感や、ネバつきなどさまざまな性状を認識することができます。この歯根膜が受け取ることができる情報は、三叉神経を介して、中脳の三叉神経中脳路核へ伝えら感覚として捉えることができます。

●歯根膜の繊細さ

歯根膜には、三叉神経に属する感覚神経が豊富にあり、食感や歯触りを非常に敏感に捉えることができます。上下の歯間に挟まった物を、0.008~0.01mmの厚みのものまで感知することが出来るとされています。この厚みは、髪の毛の約1/15とされます。

●総入れ歯場合の歯の感覚

全部歯がなくなった状態、総入れ歯のとなると、歯肉のセンサーにあるセンサーが歯根膜の代わりとなるようです。しかし、この場合の歯の感覚は、かなり低下した状態だっとされています。

歯は、美味しく食事をするためには、非常に大きな役割を担っていることになります。歯が健康が大切であり、オーラルフレイルを意識することが大切なのではないでしょうか。

※関連ブログ 「口腔ケア、オーラルフレイルが健康寿命を変える!?

❍味は、味覚と嗅覚共同作業

以前の嗅覚のブログの再掲となりますが、鼻が詰まってしまうと、味を感じにくくなります。食物が口腔内で咀嚼されることで、脳は嗅覚受容体と味覚受容体から両方の情報とを組合せ、他の感覚情報と併せて解釈することで、個別の風味を生じさせることで味覚を感じることができます。

多くの味覚を感じる時に、脳は嗅覚と味覚の両方の情報を必要とし、両方の情報が鼻や口腔内の受容体から脳のさまざまな領域に伝えられます。さらに食感や温度などの身体感覚も関わりをもっています。かぜをひいたときなど、鼻が詰まっている状態での食事は、においが嗅上皮まで届き難くなるために、食べ物の味があまりしないために、無機質な味の食事となってしまいます。

人の喉の構造は、鼻から肺への気導と、口から食道への通路が喉で交差しています。人は、会話、言語の獲得とともに、他の霊長類よりも声帯の位置が下がっていることが特徴です。この構造により、食物を飲み込むことと、息を吸うことを同時に行うことは出来ません。

※関連ブログ「 鼻の構造と嗅覚の不思議を知る 」

 

2.のど の味覚、のどごしとは?

「のどごし」ということばがあるように、喉から鼻に抜ける香りで感じる食べ物の美味しさを人は感じることができるのです。

❍味を感じる味蕾は舌だけではない

舌に味センサーとなる味蕾が多くあることは、ここまでで理解できたかと思います。人の味蕾があるのは、舌だけではありません。味蕾の約2/3は、舌に存在しますが、残りの約1/3は、舌以外の場所に存在しています。

味蕾の中には、味を感じることができる味細胞が数十個~数百個、集まっています。味蕾の数は、成人の舌に約5,000個、舌以外にも約2,500個は存在しています。舌以外、口の奥からのどにかけて場所として、喉頭蓋や軟口蓋、咽頭、喉頭などにも味蕾はあり、喉の軟口蓋にある味蕾は、水を飲むだけで反応するとされています。

これらの場所も、食物を嚥下し、飲み込む部位となるためにとうぜん、この部分の味蕾でも味覚を感じることが出来るということになります。よくいわれる夏のCMでよく聞く「のどごし」となります。味蕾の中の味細胞が、このコクやキレの感覚にも関与していることが想定されるといわれているようです。

❍温度と味覚の関係性

食物の温度で味の濃さ変わって感じること、日常の中でもよくあるのではないでしょうか。

溶けたアイスクリームを舐めると、すごく甘く感じたことや、冷めたスープがすごく濃い味に感じることが有ったり、温まったビールの苦味を強く感じたり...どうしてこのようなことが起きるのでしょうか。

●温度の影響をうける酵素

味の情報を伝える酵素は、タンパク質です。そのため体温くらいの温度のときに、もっとも機能的に酵素が働くことになります。体温よりも、高い温度や、逆に低い温度のときに、感度が低下してしまいます。調理するときに高温で味付けされたものや、低温で味付けされたものが、食べるときに、室温の状態で食べると、味細胞の酵素機能が上昇し、味を濃く感じることになります。

人の味覚は、通常体温±25~35℃といわれています。温かいものは、60~70℃くらい、冷たいものは0~10℃前後でより美味しさを感じているといわれています。

●温度により変化しやすい味

甘味、うま味、苦味の3種類は、温度変化しやすいとされています。変化し難いのは、塩味と酸味の2種類となります。

 

3.舌の障害、味覚障害

味覚機能が低下した状態を味覚障害といいます。

❍味覚が変化している味覚異常

食物の味が分からなくなることや、感度が低下した状態を味覚障害といいます。基本味となる、甘味、うま味、塩味、酸味、苦味などの味覚の低下や、何を食べても味をまったく感じることができなくなることや、何も食べていないのに、塩味や苦味を感じることや、まずく感じてしまうことなどの症状が見られることもあるようです。

このように、本来の味とは異なる味を感じてしまうことを味覚障害といいます。

❍味覚障害の分類

味覚障害は、症状や原因により分類されます

味覚障害の分類

<味覚障害の分類>

❍味覚障害の原因

味覚障害は、40~50歳以上、やや女性に多く見られるようです。味覚障害の原因はさまざまあります。

●亜鉛の欠乏

多く場合この亜鉛欠乏症が原因として関わっているとされます。体内で必要な亜鉛の量は、約2g程度とされていますが、亜鉛は、体内の酵素の成分とされています。味覚を感じる味蕾の生成に亜鉛は欠かすことができません。

●ドライマウス

唾液の分泌量が減少することや、口呼吸などで、口腔粘膜の水分の喪失による疾患です。唾液の減少は、食物の味物質が溶け出しにくくなることや、味蕾の機能に影響し、味覚障害の原因となります。

ドライマウスの原因は、加齢や、噛む回数が減少する早食い、生活習慣病、ストレス、薬の副作用などがあげられます。

※関連ブログ「口腔・咽頭の疾患

●貧血

鉄分の不足が原因となり、ヘモグロビンが減少することによって、栄養素と酸素の運搬能力が低下します。倦怠感、だるさ、めまいなどの症状よりも前に、舌の表面のザラザラが消失し、味覚障害が招くことがあります。

●過度の刺激物

激辛や、熱い食べ物は、味ではなく、痛みとして感じることがあります。辛いものや熱いものを摂取しすぎることで、味蕾が過度に刺激され、年齢に関わらず、味蕾が破壊されてしまうことがあり減少してしまいます。その結果、味を感じにくくなってしまうことになります。

❍舌に生じる主な異常・疾患

鏡で舌の状態を歯磨きのときにチェックしてみることもお勧めです。

※情報サイト 「舌の異常」 Wikipediaに写真掲載あり
  • 溝状舌 :舌背の表面に多数の溝がみられる状態
  • 地図状舌:舌背の一部に発生、灰白色の辺縁で縁どられた赤斑が不規則に広がる
  • 毛舌  :舌の糸状乳頭が強く角化し、角化層の表面や内部に多くの細菌塊が見られる、着色を伴う
  • 正中菱形舌炎:非炎症性の病変となり、舌背部に菱形、楕円形の乳頭のない赤い平滑な部分生じる
  • 口内炎 :口の中や舌の粘膜に起きる炎症の総称 ※2回目のブログ参照
  • 舌苔  :舌に付着する白い苔状のもの
  • 苺舌  :猩紅熱時に見られる、舌乳頭が炎症で赤く腫大している状態。
  • 舌癌  :口腔癌の中で最も多くみられ、舌前方2/3と舌下面に発生する腫瘍。
  • 舌小帯短縮症:舌小帯の付着異常。授乳障害、構音障害の要因になる事がある。

 

生理検査アティテュード®からのメッセージ

・毎日のほんの少しの意識を変えてみませんか?3つの意識改革

 

舌もこうして再認識してみると、ものすこく大切な役割を担っていることを再認識させられます。

❍意識するだけでも違います

何気に食事をしていることを、ほんの少し、舌の使い方を意識してみることや、しっかりと噛むこと、さらには、食事も前に唾液の分泌を促すマッサージもよい方法です。しっかりと咀嚼することで、筋力も保たれます。そしてお勧めなのがやはり以前お伝えしている仰向けの状態で頸のみをぐっと挙げる運動です。喉の筋肉嚥下機能の効果があります。

❍食の大切さの再認識

食は、直接身体に関わり部分です。食事をする時は、食べることに集中するともいわれます。ながら食いは消化にも悪影響があるとされます。栄養バランスも当然大切ですが、どう食べるのかも大切なことだと私自身が再認識しました。考え事をしながら食べていると、もともと早食いが習慣化しているために、10分しないで食事を終えていることもよくあります。

❍ブクブクうがいを長めにしっかりと

歯磨き後、口をすすぎますが、最近、時計をにらみながら、20秒以上しっかりと行うように意識しています。

何気に疲れます。頬をしっかりと動かすことで、頬の筋肉、口輪筋も鍛えられます。出先で、歯磨きができない時にもお勧めです。時計を眺めながらのブクブクうがいですよ。どうせやるならしっかりと、筋トレ込です(^^)

Pure Medical attitude

生理検査アティテュード® Junko Katayoshi

 

 

今日のまとめ

  • 舌の機能、役割は、飲み込む、話す、味わうこの3つ
  • 味覚は、舌にある、舌乳頭にある味蕾の中の味細胞で機能する
  • 歯ごたえ、噛みごたえは、歯にある歯根膜の機能です
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  • 」Wikipedia
  • 味蕾」脳科学辞典
  • 歯・口の機能」e-ヘルスネット情報提供
  • 「五感のしくみ・味覚」日本予防医学協会 情報誌

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Pure Medical attitude 

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代表 かたよし純子 Junchan♪  ※自己紹介はこちらから

臨床検査技師/超音波検査士/健康管理士一般指導員/健康管理能力検定1級/介護予防運動指導員/米国NLP協会認定NLPトレーナー/臨床心理学 基礎エキスパート取得

THINK YOUR LIFE -ミドルエイジとともに-side by side-
共同代表 Junko Katayoshi

今日も最後までありがとうございました。

☆アンコモンセラピー読書会☆

いよいよ、

セカンドバージョンスタートです!

ヒプノセラピーにご興味ある方、ご参加お待ちしております!

毎月、大崎ゲートシティ スターバックスコーヒーで開催しています。

8月に、5年3ヶ月かけて、1冊の本名書、ミルトン・エリクソンの「アンコモンセラピー」を完読いたしました。催眠療法の大家「ミルトン・エリクソンの戦略的手法」を紹介されているこの本の読書会を10月22日(月)より新たに再スタートいたします。

詳細はこちら「HPサイト」or 「Facebookのイベント」ページからお申込みください。