元気&HealthのJunchanのblogにご訪問ありがとうございます。医療スタッフのメンタルパートナー かたよし純子です♪ 今週は、単発で本日月曜日のみの投稿とさせていただきます。先週、神奈川県の未病サポーターの関連シンポジウムに参加させていただくことができました。フレイルということばをご存知無い方も多いのではないでしょうか。機能の衰えのことをいいます。これまでもHealth blogのなかで嚥下障害などを取り扱ったこともありますが、今日は、プレフレイルとも言われる、口の機能低下「オーラルフレイル」を中心にまとめていきたいと思います。この機会にぜひ「オーラルフレイル」をいっしょに学びましょう。

 

1. 知って欲しい!オーラルフレイル理解のためのポイント3つ

1-1 「フレイル」とは?サルコペニアとは?

1-2 老化は口から、「オーラルフレイル」とは?

1-3 健康寿命の延伸へ、オーラルフレイルは介護予防には必須!

今日のプラスα

2.歯科医師は言っていました。3~4ヶ月にチェックする!

3. 人生100歳時代到来と言われていますが

 

1.知って欲しい!オーラルフレイル理解のためのポイント3つ 

1-1 「フレイル」とは?サルコペニアとは? 

フレイルということばは、「虚弱」という英語の「frailty」を語源として作られたことばとのことです。

フレイルとは?

フレイルとは、健康な状態と要介護状態との間の状態

健康状態からプレフレイル(前虚弱)、フレイル(虚弱)状態を経過して、要介護(身体機能障害)への以降状態を示すことばです。日本は世界トップクラスの平均寿命を有する長寿国とされています。し人生100歳と言われるようになった背景には、平均寿命と健康寿命との差をなくすことが課題とされています。誰しも介護されたくない、健康で100歳を迎えることが長寿国日本の課題だといわれています。

【まだまだ知られていないフレイル】

日常生活には何の支障もない健康とされる状態から、介護が必要とされる状態への移行期を虚弱=フレイルといいます。日常生活で出来なくなることが多くなった虚弱な状態、いわゆる少し支援が欲しいと思う状態を経て要介護になっているかと思います。いわゆる、要支援状態からそのまま要介護へと移行してしまうのではなく、老化を遅らせる、進行を緩やかにするそのためには何が必要かを考えて欲しいという注意喚起です。

【それなぁに?興味関心、知ることからはじめてください!】

昨年秋に、フレイルの講座を受講しましたが、日本語で「虚弱」というと抵抗があるから、英語で虚弱の意味の「Frailty」フレイルとしたと説明されていました。

人生100歳と言われる時代だからこそ、増大する医療費に対する懸念もあります。フレイルという新たなことばで注意喚起を促す意味もあるようです。でも人ごとではないのです。加齢現象は、平等に現れます。老いの兆候を自分自身でつかみ、認知することからアンチエイジングは始まります。コラーゲンを取っていれば老化が防げると思っているのなら無駄な経費と行動です。

フレイル 

<フレイル Frailty >

【フレイルのポイント!】

最近ご自身や、ご両親、ご高齢者の様子にこんなこと多くないでしょうか?

こんな症状ないですか?
  • 最近転びやすくなった
  • 外出が少なくなった
  • 美味しいものが食べられなくなった
  • 活動量が減った、めんどうくさい、動きたくない
〔フレイルの状態とは〕
  1. 中間の時期:健康と要介護の中間の時期
  2. 可逆性  :本人の努力により機能を維持し、戻せる可能性がある時期
  3. 多面的  :さまざまな側面、全身症状に効果がみられる

【サルコペニア:筋肉減少症】

サルコペニアということばは、1989年にRosenbergによって「加齢による筋肉量減少」を意味する用語として提唱されたとあり、加齢による骨格筋量の低下と定義され、筋力や有酸素能力が低下する状態をいいます。

サルコペニアとは?

サルコペニア(Sarcopenia) 筋肉減少症のことをいいます。

サルコペニアとは、ギリシア語の造語で、

ギリシア語のSarco=Muscle(肉・筋肉)+ Penia=lack of(減少・消失)

Sarcopenia

サルコペニア(筋肉減少症)

加齢による骨格筋の低下とされ、筋力や有酸素能力の低下を生じます。

ウィキペディアより引用

診断基準は、筋肉量の低下を必須項目とし、筋力の低下、または身体能力の低下のいずれかが当てはまればサルコペニアと診断されようです。食事の量を制限する食餌療法は、サルコペニアのリスクを高めるとされています。

〔サルコペニア診断基準〕
  1. 低筋肉量 :四肢の筋肉量
  2. 低筋力  :握力
  3. 低身体能力:通常の歩行速度

当初は骨格筋肉量の減少を定義としていましたが、徐々に筋力低下、機能低下も含まれるようになったとされます。身体機能障害やQOL(クオリティ・オブ・ライフ)低下、死のリスクを伴う内容も含まれます。広義の意味として、筋力低下や身体機能低下が含まれるようです。

先日の基調講演の中で、東京大学 高齢社会総合研究所 教授 飯島勝矢先生のお話の中で、廃用(生活不活発、使わなくなること、寝たきり)は、想像以上に筋力を弱らせる、「2週間の寝たきりは、7年分の筋肉を失う」と言われていました。

【サルコペニアは、要介護の入り口です!】

筋力の低下は、運動量の低下につながります。使わない筋肉はどんどん衰えます。年をとることだけで減少します。これは、逆らえない事実です。

先日のオーラルフレイルシンポジウムのお話の中にも、要介護の入り口としての「サルコペニア」の状態が取り扱われていました。筋力の低下は、口腔機能、摂食嚥下機能にも影響します。このことは、昨年のブログでも取り上げた課題です。

〔サルコペニアとしてのオーラルフレイルの位置付け〕

オーラルフレイルとは、サルコペニアの一環として、フレイルの前段階、プレフレイルとして位置付けられています。フレイル予防とは、サルコペニア予防とされています。口腔の状態をチェックすることで、プレフレイルの状態をキャッチできるとされています。言い換えると、フレイルの早期発見のために、オーラルフレイルをキャッチすること、些細な口腔機能の低下を見過ごさないことの大切さをシンポジウムのお話で理解することができました。

口腔の筋力低下は、口腔サルコペニアを基盤とする、オーラルフレイルへと進行してしまいます。

関連ブログ

 

1-2 老化は口から「オーラルフレイル」とは?

フレイルの前段階であるプレフレイルを口腔の虚弱「オーラルフレイル」といいます。

オーラルフレイルとは?

『加齢に伴うさまざまな口腔環境(歯数など)および口腔機能の変化,さらに社会的,精神的,身体的な予備能力低下も重なり,口腔機能障害に対する脆弱性が増加した状態』

ウィキペディアより引用)

食事のときの食べこぼし、ものがうまく飲み込めない、滑舌が悪いなどわずかな口腔機能の衰えを見過ごした場合、全身的な機能低下が進行することを示しオーラルフレイルと名付けたとされています。フレイルの前段階、すなわちプレフレイルであると位置付けられ、口腔の健康リテラシー向上を目的としてその概念を提唱しています。

【口腔機能の負の連鎖】

『噛む機能の低下』が『物を噛めない』、『柔らかいものばかり食べる』、この3ステップがさらに噛む機能の低下に繫がり、この負のサイクルで口腔機能の低下が進行していきます。

 オーラルフレイル 負のサイクル

<オーラルフレイル 負のサイクル>

 

1-3 健康寿命の延伸へ、オーラルフレイルは、介護予防には必須!

介護予防ということば聞いたことありますよね。

【しっかり認識して欲しい介護予防】

介護が必要となる状態をできるだけ遅らせること、または、介護が必要となってしまった場合は、介護状態を悪化させないように維持し、改善させることへの取り組みをいいます。介護保険制度の基本理念であり、予防を目的とする介護予防サービスや介護予防事業などへの取り組みをいいます。

【長寿国日本だからこそ】

なぜ介護予防は必要?

現在、日本は世界でもトップクラスの長寿国です。介護の前段階フレイル状態をキャッチすることが大切となります。オーラルフレイルは、さらにその前段階となります。

〔オーラルフレイル調査の結果〕

オーラルフレイルの該当者として、下記の基準で行った結果が示されていました。

<オーラルフレイル該当基準>
  1. 現在歯数20歯未満
  2. 咀嚼力判定ガムスコア3以下
  3. オーラルディアドコキネシス6回/秒未満
  4. 半年前に比べて固いものが食べにくくなった
  5. お茶や汁物でむせることがある

※上記の5項目のうち3項目以上ある場合該当者とする

※オーラルディアドコキネシスとは舌、口唇、軟口蓋などの運動速度や巧緻性をパ・タ・カの発音状況によって評価する検査法です。

〔この結果をどう捉えるか?〕

この基準で、自覚症状のない歯科診療所の受診者への調査結果で、オーラルフレイル該当者が24.1%という数字が得られたことです。約4人に1人が、プレフレイルの状態という結果です。この現状を私たちはどのように受けとめる必要があるのでしょうか。プレフレイルの状況は、改善~現状維持をする努力を行わなければ、そのまま介護へ移行し、近い将来ベッド上生活を余儀なくされることになります。

〔ファーストステップは、口腔のささいなトラブル〕

何となく噛みにくい、柔らかいものを好み噛めない食品が増えた、食べこぼしが多い、ムセが多い、滑舌低下などの気になる症状を意識することからです。

  • 咀嚼:半年前に比べて固いものが噛めなくなった
  • 嚥下:お茶や汁物でむせる
  • 口渇:口の乾きが気になる

このようなことに日常で注意をしてみてください。

高齢のご家族がいる方は注意深く日常を観察することからです。気になることがあったら早めにオーラルフレイルチェックをしてみてください。

口腔機能の低下は、要介護リスクを上げ、死亡率を上昇させます。オーラルフレイルは、フレイル、要介護リスク、総死亡リスクを2倍に高めるという報告もありました。家族の健康は、家族全員の健康にも繫がります。介護しない生活を続けるためにも定期的なチェックと、毎日の気になることを意識するところから始まります。

【オーラルフレイル改善プログラム】

  • 準備体操 深呼吸、グー パー ぐるぐる ごっくん ベー
  • 開口訓練
  • 舌圧訓練
  • 無意味音音節連鎖訓練
  • 咀嚼訓練

このような内容が示されていました。

 

2.歯科医師は言っていました。3~4ヶ月にチェックする!

シンポジウムの基調講演の飯島先生は、3~4ヶ月に1度は、定期健診にといわれていました。

【予防医学は口腔ケアから】

予防医学が医療費削減につながります。人は口から栄養を摂取しています。食べているもので身体は作られています。口からどのような状況で身体に取り込むかがとても大切なことです。口腔ケアは全身の身体の健康に繫がります。口腔のトラブルは、表情にすぐに現れます。歯が痛いだけで、何となく憂鬱な気分にもなり、冴えない表情になります。当然メンタルにも影響します。歯並びにコンプレックスを持つ人もいるのではないでしょうか。

笑顔から見える歯がきれいな方が印象もよくなります。口臭も気になるものです。口のトラブルは、当然外見力にも影響します。いつまでも健康な歯を維持することが、健康寿命延伸につながります。

【健康寿命の3つの柱】

サルコペニア予防、フレイル予防には、「栄養」「身体活動」「社会参加」この3つが大切だといわれています。

〔栄養〕
  • 食   :タンパク質の摂取、栄養バランスを考えた食事、孤食の改善(家族の中での孤食)
  • 口腔機能:歯科口腔の定期的な管理と機能維持への努力
〔身体活動〕
  • 運動  :ウォーキング、筋力トレーニング(レジスタンストレーニング)
  • 社会活動:社会との関わりを持ちながら身体とメンタルケア
〔社会参加〕就労、余暇活動
  • 孤食の改善  :友人、知人との会食 会話の機会を持つ、メンタルケア
  • 就労、余暇活動:積極的に地域、社会との関わりを持つ

 

3.人生100歳時代到来と言われていますが

今までも健康寿命のことについてブログでも何度か取り扱ってきました。

【100歳まで生きたいですか?】

私たちひとり、ひとりが認知して、自覚しなければならない問題です。日本は死ねない国とも言われます。病気になっても、日本の医療は優秀なのでなかなか死ねないだと、フレイルの説明の冒頭で毎回聞きます。

『100歳まで生きたいですか?』

この質問に何と答えますか?健康で自活出来る状態で、自分の好きなことをしながら社会との関わりを楽しみながら生きられればそれが何よりです。日本の平均寿命と健康寿命との差が約13年と言われています。13年間介護を受けながらのそれが生きていると言えるのでしょうか。それを望まないのならば、自分自身で行動を始めなければなりません。

フレイルや嚥下障害の問題は以前のブログでもお伝えしました。今回基調講演のお話で、フレイルの症状への移行に、口腔機能の問題が大きく関与している結果が提示されていました。その詳細は、いかに口腔ケアが重要かを示していました。

【笑活しながら終活する】

健康寿命延伸のためのファースとステップとして、オーラルフレイルをチェックしてみてください。

100歳まで生きたいと思う人も、思わない人もぴんぴんころりで生涯を終えたければ、終活のために笑活を考えてみませんか?毎日笑っていますか?笑いながら生き活です。自分の一生は楽しかったなぁ~そう思えるために今日、今何を選択して、何をするかです。私はそう考えています。

オーラルフレイル シンポジウム

<オーラルフレイルシンポジウム>

今週のブログは、水、金とお休みを戴きます。次回のブログ配信は、来週月曜日といたします。テーマは、「花粉症」(予定)です。

 

今日のまとめ 

  • フレイルとは虚弱、サルコペニアとは筋肉減弱症、ことばを知って予防への関心
  • オーラルフレイルとは、フレイルの前段階、自覚が無くても老化は口から始まります
  • 口のチェックは、フレイル予防
  • 健康寿命は、「栄養」「身体活動」、そしてもっとも大切な「社会参加」

関連サイト

参考資料/オーラルフレイルシンポジウム(2018.1.18横浜)

〔基調講演資料〕
  • 講師)東京大学高齢社会総合研究機構 教授 飯島勝矢氏
〔パネルディスカッション資料〕
  • 神奈川県歯科医師会 理事 佐藤哲朗氏
  • (独法)東京都健康長寿医療センター 歯科口腔外科部長 平野浩彦氏

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