JunchanのHealth attitude blogにご訪問ありがとうございます。医療スタッフのメンタルパートナー かたよし純子です♪ 今週は、鼻の健康、その中でも「嗅覚」にフォーカスしてまとめています。初回は、鼻の構造とにおいのメカニズムでした。調べてみて驚く機能もたくさんありました。2回目の今日は、嗅覚障害、鼻の健康やにおいの特性をまとめていきたいと思います。においの個人差の理由、先天的な要因が嗅覚の個性を作っています。プラスαでは、鼻の疾患を中心に、鼻出血の種類と対象方法までまとめていきます。ぜひ、知っておいて欲しい内容が今回も、盛り沢山です。
1.嗅覚障害、嗅覚の特性、鼻の疾患知っておきたい3つのこと
1-1 嗅覚の高齢化への影響
1-2 においの異常『嗅覚障害』
1-3 嗅覚、その好みには生まれつきの個性
今日のプラスα
2.嗅覚にも関わる鼻のおもな疾患
3.鼻出血、たかが鼻血?! 止血方法ご存知ですか?
生理検査アティテュード®からのメッセージ
・人の五感の加齢に思う
1.嗅覚障害、嗅覚の特性、鼻の疾患知っておきたい3つのこと
1-1 嗅覚の高齢化への影響
嗅覚障害とは、においがわからなくなることや、本来のにおいと違うにおいとして感じてしまうことを嗅覚障害と言います。
❍嗅覚にも加齢による変化がある
におい、嗅覚に関しては、あまりその機能の低下を感じない方が多いのかも知れません。超高齢化社会を迎える中で、この嗅覚異常もその重要性が取り上げられる様になってきたとのことです。
65歳以上で約半数、80歳以上では約4人に3人が嗅覚に異常を生じているという報告があるそうです。実に驚きの数字でした。直接的にさほど意識されないからでしょうか、本人も気づいていない「隠れ嗅覚障害」もきっとあるのでしょう。この嗅覚障害を意識レベルにピックアップしてみたいと思います。
<嗅覚の衰えによる影響>
❍嗅覚障害とは?
嗅覚に影響する要因としては、鼻に生じた変化、および鼻から脳につながる神経系の変化、脳に生じた変化この3つの影響を受けると考えらます。そしてとくに高齢者の嗅覚障害の原因としてあげられるのは、鼻にある嗅覚センサーとなる嗅細胞の減少があげられます。高齢者が嗅覚障害に自覚しにくい理由としてあげられるのは、記憶が嗅覚の機能低下を補っていると考えられます。
《嗅覚障害の原因》
- 鼻の変化
- 鼻から脳への神経系の変化
- 脳機能の変化
●鼻の変化:一過性の嗅覚障害
嗅覚障害は、カゼで鼻腔が詰まったときや、鼻炎で鼻粘膜の炎症により鼻詰まり、多いのは花粉症の時期での鼻詰まりなど多くの方が経験していることと思います。鼻づまりを起こすと、嗅覚受容体へ嗅覚情報が伝えられなくなり嗅覚が低下することがあります。いわば一過性の嗅覚障害となります。そして、鼻が詰まってしまうとにおいを感じることができずに、食餌をしても味を感じることができずに美味しく感じなくなってしまい食欲をなくしてしまうこともあるのではないでしょうか。前回もお伝えしたように、嗅覚と味覚は関連しています。味からも嗅覚情報を得ているからです。このように、カゼを引いていると食物の味が正しく判断できないこともよくあることです。
●呼吸性嗅覚障害
嗅細胞ににおい物質が届こないことにより起こる嗅覚障害を呼吸性嗅覚障害といいます。急性鼻炎、慢性鼻炎、アレルギー性鼻炎、鼻中隔湾曲症などの鼻の疾患が原因となっておこるとされます。
●鼻から脳への神経系の変化
脳の嗅覚中枢、もしくは、中枢までの経路において、脳腫瘍や頭部の外傷にとる障害などを受けることでも高度の嗅覚障害が起こります。
●脳機能の変化
精神障害や心因性でも、嗅覚障害(錯嗅・嗅盲)起きることがあるいます。
●嗅粘膜性嗅覚障害
インフルエンザウイルスによる嗅覚受容体への一時的な障害もあるようです。インフルエンザに罹患後、数日から数週間にわたり、においや味がわからなくなるということがあるようです。高度嗅覚障害もしくは、嗅覚脱失となることがあるとされています。高齢者に起こりやすく、慢性副鼻腔炎、鼻茸、かぜ、刺激性ガス吸入による職業性嗅覚障害などでみられることが多いといわれてます。今年はすでにインフルエンザに罹っている人がみられるとのこと、秋本番から年末にも気を付けたいと思います。、まれに嗅覚や味覚の消失が、永続的なものになることもあるとされています。異常を感じたら、耳鼻咽喉科に受診しましょう。
❍認知症の記憶障害
認知機能低下と嗅覚の関係性が顕著であるという報告があります。嗅覚の情報は、海馬に伝えられます。
●高齢者の嗅覚障害がサインに~海馬の萎縮~
記憶をつかさどる海馬の萎縮が影響していると思われます。認知症の中でも多いアルツハイマー病では、嗅神経と海馬の経路の障害が起きるといわれています。そのため、認知機能低下の症状よりも先に、嗅覚の低下異常が出現するといわれています。
ご高齢のご家族の嗅覚障害が見られるようなことがある時は、認知機能にも注意をしてみてください。
●味も感じなくなる嗅覚障害
嗅覚を感じにくくなると、味覚にも影響を及ぼします。食べ物の味を感じなくなるために、自然に食事量が減少してしまうことが考えられます。嗅覚と味覚は加齢とともに低下していきます。そのためとくに高齢者では、食事量が減って栄養障害を招くことが懸念されます。
嗅覚障害者は、味覚障害者の3倍の数に及ぶといわれています。嗅覚障害は、食欲や・栄養摂取に影響を与えています。
●嗅覚障害が及ぼすその他の影響
嗅覚障害がおよぼす危険にはさまざまなリスクを生じます。嗅覚障害は、香りを感じることのみではなく、身体に危険なにおいの判断も出来なくなります。食物の腐敗や、ガスや火事などの異臭も嗅ぎ分けることが出来なくなります。においを感じないということは身を守るためにも非常に必要で重要な機能になります。嗅覚は感情と、過去の記憶の想起と直接つながります。
《嗅覚の加齢による影響》
- 嗅覚低下、味覚低下に伴う、食欲低下からくる体力低下、虚弱体質
- 食事量の低下や運動不足による筋肉量の低下
- 覇気がない
- 閉じこもりがちになる
- 1日の時間感覚にメリハリが感じられなくなる
<加齢による嗅覚障害の影響>
1-2 においの異常『嗅覚障害』
高齢化での嗅覚異常以外の疾患を中心にまとめていきたいと思います。
嗅覚障害の定義
嗅覚(olfaction、sense of smell)とは「におい」を感じる感覚のことであり、化学感覚のひとつとされます。嗅覚障害とは、この嗅覚になんらかの異常が生じている状態のことである
参考サイト 「嗅覚障害診療ガイドライン」
大分類として、量的嗅覚障害と質的嗅覚障害とに分けられ、それ以外をその他とガイドライン上は分類されています。
❍嗅覚障害の分類
嗅覚障害の分類を下記に示します。(「嗅覚障害診療ガイドライン」より)
《量的嗅覚障害》
- 嗅覚脱失:嗅覚の完全消失
- 嗅覚低下:嗅覚の部分的消失
大半の嗅覚脱失は、味覚障害(塩味、甘味、酸味、苦味など)は正常とされますが、嗅覚に依存する風味の識別が欠如されます。そのため、味覚脱失を訴え、食事を楽しめなくなります。片側性の場合では、嗅覚脱失が見られないことが多いようです。
●量的嗅覚障害の原因
もっとも多いのは、慢性副鼻腔炎で、他に感冒、頭部外傷、嗅覚障害の3大原因とも呼ばれています。その他には、アレルギー性鼻炎、脳疾患、薬物、先天異常、加齢、心因的要因などがあげられますが、原因診断がつかない嗅覚障害もある。
嗅覚障害の原因分類
- 慢性副鼻腔炎
- 感冒
- 頭部外傷
- アレルギー性鼻炎
- 脳疾患
- 薬物
- 手術(脳、頭蓋底、鼻副鼻腔)
- 先天異常
- 加齢
《質的嗅覚障害》
- 異嗅症 :本来のにおいと異なるにおいを感じることや、異なるにおいを嗅いでも同じにおいとして感じる、においが無いのに、においを感じるという状態
- 嗅盲 :ある特定のにおいのみわからない状態
- 嗅覚過敏:嗅覚の感じ方に対する不快な症状が強くでる。においに敏感になる
《その他》
- 悪臭症 :炎症性疾患(副鼻腔炎や扁桃炎など)、腫瘍性疾患により病巣からの悪臭により、常に臭いにおいを感じる
- 自己臭症:自己の口臭や鼻臭、体臭などがあると思いこむ、心因性や精神疾患が背景にあることが多い
- 幻臭 :統合失調症の一症状として出現する
- 鉤回発作:嗅覚中枢における自発的発火による症状とされ、てんかん発作の前兆とされていますが、原因不明であることが多い
❍心に関係する嗅覚過敏
嗅覚過敏は、においに過敏になる状態です。妊娠中や月経周期などでは、女性ホルモンの影響で、においに過敏になることは、前回のブログでお伝えしましたが、ホルモンによる影響は、生理的なものです。嗅覚過敏は、通常の嗅覚の消失よりはるかに稀だとされています。
嗅覚過敏は、原因が心因性(メンタル)であることが多く、あきらかな身体的疾患がみられません。パーソナリティ障害などを発症している場合にみられることがあるといわれています。また、無害なにおいが不快に感じられることがあります(嗅覚異常)。そのような病気には以下のものがあります。
- 副鼻腔の感染症
- 嗅神経の部分的損傷
- 歯の衛生状態の不良
- 口内の感染症
- うつ病
- ウイルス性肝炎(嗅覚異常が生じることがあり、本来は無害なはずの匂いで吐き気を催すことがある
1-3 嗅覚、その好みには生まれつきの個性
においの感じ方には個人差があることが知られています。その理由を知ることからコミュニケーションが変わることも...
❍においの感じ方も個性?!
においには、よい香りと感じるにおいと、悪臭と感じるにおいがありますが、そのにおいが「よい・わるい」という感じ方には個人差があります。
●においに対する個人差の要因
においの感じ方は、生育環境や経験など学習したことが影響しています。においは、海馬や扁桃体に直接、ダイレクトに伝えられます。記憶と直結する感情です。においの経験が積み重ねられ、事実と直結しています。その直結された記憶は人それぞれ異なります。
例えば、ある有名店の独特なカレーライスの香り、そのカレーライスを食べたときの記憶がすこく楽しく思い出として思い出される人もいれば、辛く悲しい思い出と直結している人もいます。その独特な香りとともにその時の感情が想起されることになります。
記憶は個人の、個別の感情=におい
●人の嗅覚の発達、生まれた時にもつ機能
嗅覚機能を担う鼻は、妊娠8週目くらいで形ができあがり、20週くらいで嗅覚を感じる能力を持つとされ、生まれた時には、大人とほぼ同じ嗅覚を持っているといわれています。生まれてすぐに、母親の母乳のにおいを嗅ぎ分け好んで吸うことができます。言い換えると生まれつき、先天的な好み、遺伝子がにおいの好みを決めているといえます。嗅覚は、先週お伝えした聴力とともに、生まれながらに持つ、生きていくために必要な生きる力となります。
人は、約400種類の嗅覚受容体を持ち、その遺伝子配列は、個人差が大きくあるといわれています。その配列によりにおいの感受性や好みが影響しているということが近年分かってきたといわれています。におい物質の多くは、複数の受容体を活性化させにおいを感じることができます。一部の受容体が機能しない場合、他のにおいを感じることが出来ます。より多くの受容体が機能している人のほうがにおいの識別能力が高いということになります。
●身体の状態で変化する嗅覚
においの感じ方が女性ホルモンの影響を受けることは、前回のブログでお伝えしていますが、体調によってもにおいの感じ方は影響します。
❍嗅覚の性差
においの感じ方に性差がります。においは、海馬や扁桃体:大脳辺縁系の領域の神経回路の性差の影響を受けます。嗅覚を感じるための脳の領域には、性差があります。
●女性の嗅覚は感性豊か
男女で同じにおいを嗅いでも脳で活性化される場所が異なります。そのため、男性が嫌なにおいだと感じても、女性には良いにおいだと感じることがあります。ほとんどの場合、女性の方が男性よりもにおいに対する感度がよいといわれています。女性は、嗅球での反応が男性よりも速く、1つのにおい物質でより多くの反応が見られることも分かっています。より少ないにおい物質で多くのにおい信号が発せられるために、女性の方がにおいに対する感受性が豊かだといわれる理由です。
●安定した嗅覚をもつ男性
女性はにおいに対して、女性ホルモンの影響を受けます。そのためにおいの感じ方が性周期により変化します。男性はその影響がありませんので、女性よりも安定した嗅覚を持つということになります。言い換えると、女性は、ホルモンの影響を受けやすいがゆえに、感受性豊かな繊細さを持つともいえるのではないでしょうか。
❍嗅覚にも順応性がある
同じにおいをずっと嗅いでいることで、そのにおいに慣れると感じなくなる。飲食店に入った時は、そのにおいに引き寄せられるようにして入るが、しばらくすると感じなくなる。家のにおいとして感じることがよくあるのではないでしょうか。人は同じにおいを嗅ぎ続けていると、においの感度が低下する、いわゆる嗅覚疲労が起こります。
●嗅覚疲労とは?
嗅覚疲労は、同じにおいに対して起こる反応です。他のにおいは、きちんと嗅ぎ分けることが出来ます。同じにおい物質による電気信号が常に送られるために、そのにおいの信号を送らなくなるために、においを感じなくなります。同じにおい情報に対して、脱感作という反応が起きるためです。脱感作とは、同じ刺激物を与え続ける事により反応しなくなることをいいます。新たなにおいに対しては、気づきやすくなり変化に対応できるようになります。
❍嗅覚の特徴のまとめ
人は、においを瞬時に嗅ぎ分ける能力があるということです。
●嗅覚にも順応性がある
同じにおいをずっと嗅いでいることで、そのにおいに慣れると感じなくなる。
●においの好き嫌い
においの好みには、個人差があります。自分が良い匂いだと感じても、そのにおいに嫌悪感を持つ人もいます。においの個人差がかなりあり、香水やコロンは場をわきまえることが必要だと私は思っています。
●ウェーバー・フェヒナーの法則
においの強さの感じ方は、におい濃度の対数に比例するという法則があるそうです。感覚に関する精神物理学の基本法則で、中等度の刺激について五感のすべてにあてはまるとのことです。
●嗅覚は直接、感性にひびく
嗅覚は、他の五感、視覚、聴覚、触覚、味覚と異なり、直接、扁桃体や海馬へ、本能に嗅覚情報が伝わり、感情や記憶をつかさどる部分となります。有無を言わさず、感情につながります。そのため、においを嗅ぐと、瞬時に過去の記憶に直結するために、そのときの感情、イメージが想起されることになります。
2.嗅覚にも関わる鼻のおもな疾患
よく聞く鼻の疾患をまとめておきたい思います。
❍鼻炎
鼻炎は鼻粘膜に炎症を起こした状態です。その結果、鼻閉、鼻漏、など異なる様々な関連症状となる、そう痒、くしゃみ、水溶性鼻漏、膿性鼻漏、嗅覚脱失などをもたらします。ウイルスや刺激物などが原因となります。
●急性鼻炎
急性鼻炎は、通常はカゼに伴う鼻粘膜の浮腫や血管拡張、鼻漏、鼻閉を伴って発症します。その他、細菌感染も原因となります。症状は、咳嗽、微熱、そう痒、鼻閉、鼻漏、くしゃみなど。
●慢性鼻炎
慢性鼻炎は、通常、亜急性炎症性、ウイルス感染性鼻炎が原因となり慢性化して起こります。合併症状として、鼻閉、膿性鼻漏や頻回の鼻出血を伴うことがあります。症状は、急性鼻炎と類似します。長期化、重症化すると、悪臭を伴う濃厚な粘膿性の排膿や粘膜の痂皮形成など出血もみられることがあるようです。
●萎縮性鼻炎
萎縮性鼻炎は鼻粘膜の萎縮および硬化を示します。原因は、高齢、多発血管炎性肉芽腫症など正確な原因は不明とされ、細菌感染も原因が関与しているとされています。高齢者の鼻粘膜萎縮にしばしば起こるようです。症状として、鼻腔の異常な開存性、痂皮形成、嗅覚脱失、鼻出血などがあげられます。
●血管運動性鼻炎
血管連動性鼻炎は、鼻粘膜の間欠的な血管膨張が原因とされ、水様鼻漏、くしゃみなど症状とする慢性疾患です。不明とされ、アレルギー疾患ではないとされ、乾燥によりさらに悪化するとされています。
その他、アレルギー物質が原因となるアレルギー鼻炎があげられます。
※関連ブログ「アレルギーの原因と素因」
❍鼻茸
鼻茸は、鼻粘膜の肉質の増殖です。鼻腔または副鼻腔の良性または、悪性腫瘍として鼻茸が生じます。鼻茸の原因としては、アレルギー性鼻炎、急性感性症、慢性感染症、嚢胞性線維症などがあげられます。異物への反応として発生することもあるとされています。
●鼻茸の症状
鼻閉、後鼻漏、うっ血、くしゃみ、鼻漏、嗅覚脱失、嗅覚低下、顔面痛、目のかゆみ など
❍副鼻腔炎
副鼻腔炎は、ウイルス、細菌、真菌性感染症、アレルギー反応による副鼻腔の炎症です。症状として、鼻閉および鼻うっ血、膿性鼻汁、顔面痛や顔面の圧迫感などがあり、倦怠感、頭痛、発熱が見られることもあります。
●急性副鼻腔炎
通常、免疫力が正常な場合の急性副鼻腔炎では、ウイルス性(ライノウイルス、インフルエンザ、パラインフルエンザ)が原因とされます。割合的にはすくないとされますが、レンサ球菌、肺炎球菌、インフルエンザ菌、ブドウ球菌などでの二次的細菌感染が発症するといわれています。
●慢性副鼻腔炎
さまざまな要因が重なり慢性炎症となることがあります。慢性的なアレルギー、鼻茸などの構造的異常、大気汚染やタバコの煙などの環境内の刺激物、粘膜線毛の機能不全など他の因子が感染性微生物と相互的に関連し、慢性副鼻腔炎を引き起こすとされています。
❍鼻中隔湾曲症
左右の鼻孔のほぼ真ん中にある鼻中隔は、まっすぐに見えますが、たいていの場合(日本人では約9割)、わずかに湾曲があるといわれています。わずかな湾曲であれば、何の症状もなく、問題はありません。この鼻中隔の湾曲が、先天性異常やケガなどで大きく曲がることで、片側の鼻孔がもう一方よりはるかに狭くなり、塞がれてしまうことがあります。その結果、鼻の中に障害が生じてしまうことが鼻中隔湾曲症です。
鼻中隔湾曲症は、副鼻腔炎の原因となります。鼻粘膜が乾燥しやすく、鼻出血を起こりやすくなります。その他の症状として、顔面の痛み、頭痛、就寝中の大きな呼吸音などがあります。
3.鼻出血、たかが鼻血?! 止血方法ご存知ですか?
鼻腔からの出血を「鼻血」といいます。子どもの頃、よく鼻血を出していた記憶がありますが...
❍鼻出血とは?
鼻出血は、鼻腔前庭の部分、2つの鼻孔を隔てている軟骨である、鼻中隔の細い血管からの出血です。鼻中隔は、多くの血管が分布しています。鼻腔前庭での出血は深刻なものではありません。ここよりも奥の部分、鼻腔後部にある血管からの出血は、滅多におこることは無いとされていますが、鼻腔前庭部の出血よりも遥かに太い血管からの出血となり、医師の適切な対応が必要となります。
動脈硬化、出血性疾患、薬剤(血液凝固予防薬)の服用、鼻や副鼻腔の手術の既往などがある場合に、鼻出血のリスクとなります。
❍鼻出血の原因
鼻出血は、鼻前庭部分の粘膜の刺激、鼻の血管が破壊された時に起こります。
《一般的な原因》
- 外傷 :鼻をかむまたはほじる、鼻への打撃、鼻のケガ
- 鼻粘膜の乾燥:冬の寒い時期などに起こる
《一般的ではない原因》
- かぜや副鼻腔炎などの鼻の感染症
- 全身性疾患
- 異物
- ランデュ・オスラー・ウェーバー症候群( 遺伝性出血性毛細血管拡張症)
- 鼻や副鼻腔の腫瘍性疾患
- 出血性疾患:血液凝固障害
❍鼻出血への対応
多くの鼻血は、鼻前庭からの出血です。
『背筋を伸ばして座り、10分間両方の鼻孔をつまんで圧迫する』
通常この方法で出血は、止まります。出血は、鼻中隔で起こっています。そのため、鼻孔をつまむことは、出血した血管を圧迫することになります。10分間、一度も手を離さないことが重要です。
注意!
氷のうで鼻を冷やす、ティッシュペーパーを丸めて鼻に詰める、頭を様々な位置に向ける
※このような対応は、効果的ではありません
座位は、必須です。よく横になってしまうことがありますが、出血部位となる鼻・頭部を心臓よりも高い位置に置くことは必須です。10分間、鼻をつまんでも出血が止まらない場合は、再度10分間、同じ方法を試みてください。それでも止まらない場合は、医師の診察を受ける必要があります。
●既往歴にも注意して欲しい
ご自身の既往症に、出血性疾患、血液凝固障害を招く可能性がある疾患(肝疾患や特定のがん疾患など)、また血液が固まりにくくする薬剤を使用中の場合は、受診することをお勧めします。
❍鼻腔後部での鼻出血は危険かも
鼻腔後部からの出血は、生命を脅かすこともあるとされ、非常に難しい状態となります。鼻腔後部の出血では、鼻をつまんでも出血が止まることは当然無く、出血は喉を流れていきます。速やかに医療機関への受診が必要です。
身近でこの経験があります。思っている以上の出血となることもあります。夜間でしたが自分の勤務していた病院に耳鼻科医が在席中で見てもらうことが出来ました。鼻にガーゼを詰め込み1週間そのままの状態をキーブです。非常に不快で、呼吸しにくい状態となることは言うまでもありません。
生理検査アティテュード®からのメッセージ
人の五感の加齢に思う
私自身が高齢化を意識し始めるお年頃(笑)、何だかあっちも、こっちも加齢による...がつきまといますが、いかに年を取るか、そんなことを先日、最後を迎えられた女優の樹木希林さんの生き方から、ことばでは上手く説明できない何かを、学ばせてもらったように感じています。
先週の耳の機能・聴覚や、先々週の発達から、人の五感の発達が生後どのように関係してくるのか?そのようなことを考えさせられます。人の身体や心、五感かそれぞれ生まれる前から、胎内ですでに完成されている機能が多くあること。そして、その機能が胎内からすでに、体外からの影響を受けて成長しているということがある。
胎内で、すでに個性ある人格として、生まれながらに個々に異なることが理解できます。
同じ人は、いない唯一の自分
そして、胎内にいる時から個性を持っているということが理解されると、信念も価値観も、みんなが違っているのがあたりまえのことであること、たとえ一卵性双生児でも異なる個性だということがスッキリと理解できます。
❍異なる中での共通性に共感できる感性
日常生活の中で、多くの人との関わり合いを持つ中で、共通することを見つけることができると思わず笑顔になれます。この共通性が楽しく、新しい発見として受け入れることで、新たな認知の経験が積まれます。新たな発見は、新たな学習となり、成長へと続きます。成長は生きる糧となると私は思っています。
❍同じ個性がないということを受け入れる
価値観や信念が、個性であることを理解できた時に、唯一に自分を受け入れることができる、私はそう感じます。自分は自分でしかないということ、このことが意外に理解できていないために、さまざまな心の闇がおそいかかるのではないでしょうか。
加齢も個性であり、個々に異なります。加齢という状況を受け入れることができた時、人生の意味が見えてくるのかもしれません。
Pure Medical attitude
Junko Katayoshi
今日のまとめ
- 嗅覚も、嗅細胞の減少により、加齢による変化・嗅覚減退がある
- 嗅覚障害は、味覚障害につながり、食欲減退、筋肉量低下、フレイル(虚弱)への加速につながる
- においの感じ方の違いは、先天的な遺伝子の関係と、後天的な経験への感情と記憶の結びつき
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参考サイト・引用情報
- 嗅覚障害診療ガイドライン
- 予防医学協会 冊子164号「嗅覚」
<Pure Medical attitude のblog>
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生理検査アティテュード®
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臨床検査技師/超音波検査士/健康管理士一般指導員/健康管理能力検定1級/介護予防運動指導員/米国NLP協会認定NLPトレーナー
THINK YOUR LIFE -ミドルエイジとともに-side by side-
共同代表 Junko Katayoshi
今日も最後までありがとうございました。
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