JunchanのHealth attitude blogにご訪問ありがとうございます。医療スタッフのメンタルパートナー かたよし純子です♪ 先週からのどをテーマにいろいろまとめています。初回は咽頭・喉頭などのメカニズム、2回目は口腔、咽頭の疾患でした。今日は、その3回目となりますが、喉頭や声帯に関する疾患、悪性疾患を中心にまとめていきたいと思います。そして、そろそろインフルエンザのシーズンとなりますが、今年はすでに学級閉鎖も見られる状態とされています。今日のプラスαでは、インフルエンザに対する知識と、予防注射に関してまとめていきたいと思います。

1.耳鼻咽喉科であつかう疾患を3パターンでまとめると

1-1 声に症状がみられる喉頭の疾患

1-2 声帯の疾患 声帯ポリープと声帯結節

1-3 頭頸部にみられる腫瘍性疾患「耳鼻咽喉科・頭頸部外科」

今日のプラスα

2.睡眠時無呼吸症候群

3.そろそろ気にしたい「インフルエンザ」への対応

生理検査アティテュード®からのメッセージ

・予防接種、ワクチン接種の意味

 

1.耳鼻咽喉科であつかう疾患を3パターンでまとめると

1-1 声に症状がみられる喉頭の疾患

カゼを引くとよく声が出なくなりませんか?喉頭の炎症が原因となります。

◯喉頭の炎症性疾患「喉頭炎」は、声の変化に注意して喉頭・声帯

喉頭炎は、喉頭の炎症です。通常は、ウイルス感染によるものとされ、声がれ、声が出ないなど、発声に関する症状となります。喉頭の細菌感染は極めてまれだとされています。

●喉頭炎の症状

主な症状は、声の変化としてみられます。声がれ、声が出せないなどの症状として著明にみられます。喉のかゆみ、イガイガ、ヒリヒリ感、絶えず咳払いをしたくなるような症状となります。

《急性喉頭炎》

声がれ、咳、痛み、発熱などの症状、感染が重症化すると、発熱、倦怠感などの全身症状がみられます。咽頭痛や、嚥下が困難となり、飲食がしにくくなるような症状が出現します。

《慢性喉頭炎》

声がれ、咳などが主症状とされ、炎症によって喉頭の腫れが強くなると閉塞感が増し、呼吸が苦しくなることもあるようです。

《注意したい声がれ》

症状が数週間以上継続する場合、喉頭がんが原因で声がれを起こしていることもあり、耳鼻咽喉科への受診お勧めいたします。

●喉頭炎の原因

最も多い原因は、上気道のウイルス感染によるカゼに伴う喉頭炎です。カゼや、その他の気管支炎、上気道の炎症や感染症に伴うことがほとんどとされます。

声の出しすぎなどの喉頭への過剰な刺激、アレルギー反応、タバコの煙などの刺激物の吸入も、急性、慢性ともに喉頭炎の原因となることがあります。

慢性咽頭炎は、胃食道逆流症が原因となることや、過食症による頻繁な嘔吐でも、咽頭炎を発症することがあります。

●喉頭炎への対応

出来るだけ話をすることを避け、声を休めること、ささやき声も喉頭に負荷をかけます。そして刺激物を避けることも大切です。水分を多めにとり、蒸気などを吸入することも症状が緩和される方法です。喫煙は喉への刺激となりますのでやめるべきです。

注意して!急性喉頭蓋炎

呼吸が苦しくなる喉頭の炎症として、急性喉頭蓋炎(きゅうせいこうとうがいえん)があげられます。気づくことが遅くなると、呼吸が出来なくなり、命の危険性もありますので注意が必要です。発熱、喉の痛みの他に、呼吸がしにくい、物を飲み込みにくいなどの症状がある場合には、早急に耳鼻咽喉科へ受診することが必須です。

◯胃食道逆流症による喉頭炎

何らかの原因で胃の内容物が食道へ逆流する病態が胃食道逆流症(逆流性食道炎)と言います。

飲食時に食道から胃へ飲食物が通過する時に開きますが、通常は閉じた状態で、胃の内容物が食道へ逆流しない仕組みになっています。本来は、胃酸は、胃の中にある強い酸でが、食道やのどへの逆流により、粘膜が炎症を起こすことにより喉頭炎のような症状をもたらします。

●胃食道逆流症の症状

胸やけ、呑酸(どんさん)、心窩部、みぞおち、上腹部痛、胸の下部付近の痛み、咳、声がれ、喉の不快感など喉頭炎に似た症状がみられることもあります。呑酸とは、胃の内容物が逆流する感覚 のことをいいます。

食事中や食後、横になった時、前屈したときに喉や口に胃酸が逆流することがあります。胸部違和感、不快感、食道の炎症による喉の違和感、声のかすれ、腹部膨満感、嘔吐、過度のゲップをともなうことがあります。食物による食道痛、また就寝時に食道からの気導への逆流による誤嚥性呼吸器症状などもあります。

予防は、刺激のある食物を避ける、寝る直前は食べない、上半身を軽く挙げて眠るなどの日常での対応も必要となります。  ※関連ブログ 「胃潰瘍と胃の炎症性疾患

◯気管支異物・食道異物

異物とは、口から食物や食物以外の物が気管や肺に入ったりすることを気管支異物、食道に詰まったり、入り口に挟まってしまうことを食道異物といいます。

●気管支異物:幼児にピーナッツを食べさせていけない理由

私は、子どもを0歳時から公認保育園で保育していただいたいました。その時の保護者会で、園長先生がよくいわれていたこと、

3歳まではピーナッツを食べさせないで!

ということです。その理由は、「気管支異物」です。

喉頭では、異物が気管に入り込まないように、防御機能として咳がでることで守っています。幼児はこの機能が弱く、吐き出しことができずに気管支異物を起こしやすいとされています。気管支異物を招くのは、3歳未満の乳幼児に多く、ピーナッツなどの豆類が最も多いとされています。乳幼児が硬い豆類を含むお菓子を食べていて、突然せき込むことや、その後もせきが続くような時は、気管支異物を疑う必要があるとされます。

●大変なことになる、乳幼児の気管支異物

気管支異物を引き起こすと、全身麻酔をかけ、内視鏡を用いて異物摘出となります。内視鏡で取り除くことが出来ない場合は、開胸手術になることもあるそうです。3歳未満の小さい子どもの周囲には、ピーナッツなどのような硬い豆類を置かないということが必須です。

●食道異物:乳幼児と高齢者に注意して

食道異物は、乳幼児と高齢者に多くみられます。

乳幼児では、コイン、ボタン電池、おもちゃなど、高齢者では、入れ歯やPTP薬剤包装シートなどが多くみられます。魚や肉の骨、噛み切れない大きな肉の塊なども食道にひっかかることがあります。

食道異物も気管支異物同様に、内視鏡で取り除くことになりますが、場合によっては、摘出術や頸部切開となることもあるようです、このような大変な事にならないように日常から注意が促されます。

 

1-2 声帯の疾患 声帯ポリープと声帯結節

◯原音を作る場所となる声帯の病変「声帯ポリープ」

声帯ポリープは、喉仏の裏側、喉頭にある声帯の粘膜に発症するポリープ、粘膜の腫脹または、一部突出した状態となります。声帯

脹れは限局性にみられることがほとんどで、片側だけとなります。しかし、長期間に渡る場合や症状が強くなると、反対側にもあらわれることがあります。

40~50歳代、やや女性に多いとされています。声帯が振動することで作られる、声のもととなる「喉頭原音(初回ブログご参照ください)」が作られる場所となるために当然この場所が障害されると声に何らかの影響がでることになります。

血管の破綻によるものとされ、声帯の表面にポリープ・コブ状の腫瘤が生じた状態が声帯ポリープです。

●声帯ポリープの症状

嗄声(させい)といわれる、いわゆる「声がれ」が主症状ですが、喉の違和感として現れることもあります。歌えていた歌が歌いにくくなる、声が出しにくくなるといった症状となることもあり、話すと疲れを感じることもあるようです。

●声帯ポリープの原因

無理な発生がいちばんの原因とされます。声を多く使う職業、によくみられる疾患で、喫煙や喉頭の急性炎症もリスクとなるとされています。カゼなどの炎症時、喉頭に負荷がかかったあとにも発症しやすいようです。

声を酷使や炎症などにより、声帯粘膜が充血を起こします。さらに機械的な刺激が声帯に加わることにより声帯粘膜下の血管が破綻し、血腫が作られることにより粘膜表面が腫れた状態になります。この繰り返しが、ポリープを形成するとされています。

◯声帯結節

声帯に発生する、結節状の隆起です。声を出すときに、もっとも強く振動する部分、こすれあう声帯の中央部分が好発部位とされ、多くは両側性にみられます。声を過度に使う職業の人や、学童期の男児など声を乱用する場合にもみられるようです。表面の色調は、正常粘膜と変わらない状態で見られるために、声帯ポリープとは肉眼に区別されます。

●声帯結節の症状

嗄声、声域の幅の減少とのどの違和感などが主な症状です。

●声帯結節の原因

声の過度の使用や、乱暴な発声を長期間行うことにより生じます。

◯声の変化は喉頭の異常サイン

声の変化は、声帯や喉頭に何らかの変化がある場合です。何らかの異常が起きている可能性があります。声帯に過剰な負荷がかかった時、乱用、炎症、喫煙などの刺激物が原因となります。本来、直線的な声帯の辺縁が不整となった時に声の変化が現れるからです。

《悪性疾患でもみられる声の異常》

声帯への負荷が、喉頭がんやその他の悪性疾患である場合も当然、声がれとして、症状を見ることがあるということになります。そのリスクも踏まえて、声の異常や変化がみられる場合は、声帯、喉頭の疾患が疑われますので、耳鼻咽喉科の受診をお勧めいたします。

声帯ポリープと声帯結節

<声帯ポリープと声帯結節>

 

1-3 頭頸部にみられる腫瘍性疾患・耳鼻咽喉科・頭頸部外科

頭や頸部の腫瘍性疾患は、耳鼻咽喉科や頭頸部外科が扱う疾患となります。

◯はじめに、頭頸部外科とは?

耳鼻咽喉科では、耳、鼻、喉以外にも、脳よりも下の頭部、首よりも上部の頸部にある器官の疾患も担当領域となります。そしてこの範囲の外科手術をおこなう診療科を頭頸部外科といいます。頭頸部腫瘍で頻度の多いものには、喉頭がん、咽頭がん、口腔がんなどです。副鼻腔にできる上顎がん、唾液の分泌器官となる、耳下腺や顎下腺にできる腫瘍、身体の代謝に必要なホルモンを分泌する甲状腺や副甲状腺腫瘍なども頭頸部外科で取り扱います。

◯喉頭がん

喉頭がんは、頭頸部に発症するがんの中で最も多いがんとされ、喉頭、または喉頭周囲の声帯などの器官に発症します。喉頭は声を出す場所で、中に声帯があります。喉頭がんには、喉頭、声帯、およびその周囲の構造にできるがんが含まれます。

●喉頭がんの症状

声がれや頸部にしこりができ、呼吸困難、嚥下困難、喉のいがらっぽさ、異物感、違和感などの症状が見られますが、声がれの症状が出にくいために、声門がんに比べ、進行した状態で診断されることが多いようです。がんの進行程度により、予後は変わるとされます。声がれが2~3週間以上継続するような場合は、必ず耳鼻咽喉科へ早めに受診することをお勧めいたします。

喉頭から他の部位に転移すると、体重減少、喉の痛み、耳の痛み、会話し難くなることや、嚥下困難、呼吸困難などの症状や、頸部リンパ節転移が出現します。がんの進行に伴い、声がれに加え、息苦しさなどの症状が現れてきます。一ヶ月以上声がれが続く場合には、喉頭がんの疑いがあります。

●喉頭がんの原因

喉頭がんは、60歳以上の男性に多く発症する傾向があります。喫煙が最大の危険因子とされ、発症した人の95%以上が、喫煙者だとされ、ヘビースモーカーほど発生率は高いとされています。アルコール多飲もリスクとなります。

●声帯がん・声門がん

声帯がんは、初期から声がれの症状がみられるために、周囲にあまり転移することがなく、比較的早期発見されるために、他の部位に発症する喉頭がんより治癒率が高いがんだといわれています。声門がんの場合、初期症状は、喉の異物感や声がれなどで、痛みはほとんどありません。

●喉頭がん治療の副作用

喉頭がんの治療には、重篤な副作用が伴うとされています。放射線治療による、炎症、かゆみ、脱毛などの皮膚変化、瘢痕化、味覚の喪失、口腔内の感想化など正常な組織を破綻させてしまうこともあります。

嚥下と発話にも影響を及ぼすことがあり、リハビリが必要となることもあります。声帯を摘出した場合は、現在声帯を使わない発話があるとされています。切除した組織によって、再建手術が必要となることがあります。

頭頸部の名称

<頭頸部に名称>

◯咽頭がん

初回のブログで、咽頭は、上咽頭、中咽頭、下咽頭に分かれることをお伝えしました。上咽頭に発症する上咽頭がんは、鼻腔の奥、軟口蓋の上から喉の上部に発症するがんです。

●上咽頭がん

上咽頭は、鼻腔の突き当たり、鼻腔の奥にある領域で、鼻、鼻腔から続く口蓋よりも上部となり、(1回目のブログご参照ください)鼻の奥、のどの最上部に発生する咽頭がんを「上咽頭がん」といいます。上咽頭がんは、あらゆる年齢層にみられる一般的ながんのひとつとされます。

頸部リンパ節への転移によるしこりによって気づかれることもありますが、最近は、内視鏡による診察により、以前よりも早期に発見されるようになってきたといわれています。

《上咽頭がんの症状》

上咽頭がんは、鼻や耳管が、持続的に閉塞するために、中耳に液体がたまります。耳管(中耳と咽頭をつなぐ管)が耳管の位置圧迫されて起こる耳閉感(耳が塞がれたような感じ)、鼻づまり、鼻出血などの鼻症状や、難聴などの症状で発症することがあります。耳の痛み、顔の腫れ、リンパ節の腫れなど。顔の一部、片目の麻痺症状などもみられることがあります。多くにみられるのが、頸部リンパ節の転移が見られ、他の症状よりも先に頸部のしこりとして症状があらわれるとされます。

がんが進行し頭部側へ進展するとさまざまな脳神経の症状を引き起こすとされます。

●中咽頭がん

中咽頭は、上咽頭につながる部分で、口を開けたときに見える部分が「中咽頭」です。口蓋扁桃、軟口蓋(口蓋垂:中咽頭のどちんこ)、舌根、後壁などに発生するがんとなります。中咽頭がんは、飲酒や喫煙が影響するといわれています。

早期では、無症状のこともあり、喉の違和感、しみる感じなどで発症することが多いようです。頸部リンパ節転移して気づくことも少くないようです。

がんの進行に伴い、喉の痛み、話しにくい、飲み込みにくい、息苦しさなどの症状が徐々に強くなります。

●下咽頭がん

下咽頭は、のどのいちばん下部、食道につながる部分、中咽頭から下の部分を「下咽頭」となります。ここは、舌があるために直接に見ることが出来ない部位です。下咽頭がんは、この部分に発症し、のみこみ機能に影響を及ぼします。

下咽頭がんには、飲酒関係しているといわれ、高齢の男性に多くみられるがんです。また、女性に多くみられる鉄欠乏性貧血では、長期間の貧血症状がある人に下咽頭がんが発症することや、下咽頭がんから、食道がんの合併症も高いとされています。

早期症状では、喉の違和感や痛みなどの軽い症状のみが多く、頸部リンパ節の転移などにより気づくことも多いとされます。がんの進行するにより、声がれ、息苦しさ、耳への放散痛などの症状が現れることがあります。

《咽頭がんは早期発見が予後に関係する》

早期発見・治療が予後に大きく関わるとされますが、咽頭がんは、症状が出にくいがんとされ、発見が遅れがちだともいわれています。喉の異物感、出血などがみられた場合は、早期の受診がのぞまれます。扁桃の腫れや、頚部リンパ節の腫れなどを意識することが大切なようです。

咽頭がん

◯口腔がん

口腔がんは、口の中、口腔に発症するがんの総称となります。もっとも多いのは、舌がんとなります。そのほか、歯肉がん、口腔底がん、硬口蓋がん、頬粘膜がん、口唇がんなどがあげられます。

歯肉がんは、歯周病とまぎらわしく症状となることや、その他のがんは、粘膜のただれ、しこり、発赤、白色変化などの口内炎と同じような症状として発症することがあります。そのため、なかなか改善されない症状の場合は、早めに受診することが大切です。

◯舌がん

口腔内に発症するがんの内、最も多くみられるがんとされます。発生部位は、舌の両側の縁とされる側面が多く、むし歯や義歯の刺激、飲酒、喫煙などが影響していると考えられています。

●舌がんの症状

初期症状は、舌の小さな腫れやしこりして感じることが多く、舌表面の発赤や白色変化など目視で確認でき、早期から痛みがみられることもあります。がんが進行すると舌の痛み、潰瘍、腫れの腫大、しこりが見られるようになります。舌がんは頸部リンパ節に転移しやすい傾向があります。進行性舌がんの場合、嚥下障害、構音機能障害を残す可能性が高くなります。そのため、早期発見、早期治療が大切になります。

●要注意!口内炎と間違えやすい

口内炎と思い、放置されることが少くないとされます。そのため、舌のしこりや、へこんで見えるような潰瘍が見られる時は、早めに受診することが勧められます。目視できるにも関わらず、口内炎と思い、手遅れになりやすいともされるがんです。

◯頚部リンパ節腫脹に注意

その他、唾液腺、甲状腺、まれに中耳などからも悪性腫瘍が発生します。

頭部や顔面のリンパ液の流れは、頚部に集まります。そのため、頸部リンパ節の腫脹は、頸部から頭側での炎症や腫瘍性疾患がある可能性が多いとされます。炎症でも悪性でも、リンパ節は腫れます。

無痛性であまりグリグリと動かないしこりは、特に注意が必要です。頸部~頭部側の原発巣の存在が疑わしい症状となります。

 

2.睡眠時無呼吸症候群・Sleep Apnea Syndrome: SAS

睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に呼吸停止、もしくは低呼吸になる疾患をいいます。一般的に知られているのは、大きないびきでしょうか。

睡眠時無呼吸症候群の定義

7時間の睡眠中に30回以上の無呼吸(10秒以上の呼吸の停止)があり、そのいくつかはnon-REM期にも出現するものをSASと定義します。

1時間あたりでは、無呼吸回数が5回以上(AI≧5)でSASとみなされます。

※AI(Apnea Index)とは、無呼吸指数

◯睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群は、3つに分類されます。

  • 閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)
  • 中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSA)
  • 混合性睡眠時無呼吸症候群 上記2つの混合タイプ

診断には、睡眠検査が行われ、喉が塞がって起こる、閉塞性睡眠時無呼吸症候群:OSAが、最も一般的だとされます。

男性にやや多く見られ、男性2~3:1女性の割合とされ、男性では40歳~50歳代が半数以上を占め、女性では閉経後に増加するいわれています。女性ホルモン・プロゲステロンの減少により、上気道開大筋の筋活動が低下するためだといわれ、閉経によるホルモンバランス変化がOSA発症に関与していると考えられるそうです。閉経前後で、約3倍リスク上昇ともいわれるそうです。

◯睡眠時無呼吸症候群の症状

睡眠中に無呼吸を繰り返すために、脳の不眠となりさまざまな合併症がみられます。激しいいびき、就寝中の意識覚醒の短い反復、そのため夜間の頻尿、不十分な睡眠のために、昼間の傾眠傾向は、集中力の低下、作業効率の低下、居眠りを招き、労働災害の原因にもなることがあるために、疾患への対応が必要となります。

●ひとり暮らしは発見が遅れる

家族など同居する人がいない場合、この疾患の発見が遅れることになりますが、病識がない場合、単なるいびきとして認識され、対応が遅れることもあります。

睡眠時無呼吸症候群に特有のいびきは、通常の一定リズムではなく、しばらく無音のあと著しく大きく音を発するという傾向・特徴を持っている。
その状態が徐々に悪化して深刻な問題を起こしてしまう。よくある深刻な問題の例は、自動車の運転中に強い眠気が発生し運転操作を誤って人身事故になることである。そしてこういう事故をきっかけにこの症状を知るというケースが目立つ。この病気が一般社会に知られるようになったのも、患者が起こした事故の報道によるものであった。

◯睡眠時無呼吸の原因

上気道が狭くなり、空気が通りにくくなることが原因とされます。頸部の脂肪の沈着が多いと上気道が閉塞しやすくなります。そのため、肥満は、SASとの関連性が深いとされますが、顎の後退や、小さい顎もSASの原因となり、肥満でなくてもSASになります。

その他、扁桃肥大(アデノイド)、舌の大きい人、鼻炎や鼻中隔弯曲といった鼻の疾患も原因とされます。

●種類による原因
《閉塞性睡眠時無呼吸症候群 (OSA)》

舌根部や軟口蓋が、睡眠中の筋弛緩により下がることで、気道が閉塞される。
肥満がある場合、3倍以上のリスク上昇があるとされ、その他、家族の病歴、アレルギー、咽頭扁桃肥大(アデノイド)などがあげられます。
OSAのスクリーニングには、BMI、収縮期血圧、拡張期血圧、いびきによるスコアを用いるものがある

《中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSA)》

脳血管疾患、重症心不全などによる呼吸中枢の障害による呼吸運動の消失

《混合性睡眠時無呼吸症候群》

閉塞性と中枢性の混合

小児でも睡眠時無呼吸を起こすことがあります。夜間のいびきや、口呼吸、呼吸が苦しそうなときには、注意してみてください。昼間の注意散漫な様子や、居眠りなどはみられませんか?

睡眠時無呼吸に対しは、禁酒、減量、禁煙、睡眠姿勢などの生活習慣の改善が求められます。CPAP(シーパップ)という器械の装着、マウスピースの夜間装着などや、喉を広げる手術などが適応されます。

 

3.インフルエンザへの対応

ネットでインフルエンザを検索していると「米国の公衆衛生当」の発表、昨年インフルエンザシーズンでの死亡者数が8万人という、過去40年で最高だったことをあきらかにしたとのことです。

◯インフルエンザとは?

毎年冬が近づくとインフルエンザの予防接種が聞かれますが、そもそもインフルエンザとは?をまとめておきましょう。

●インフルエンザは、インフルエンザウイルス感染

昨年の12月のBlogからの抜粋となりますが、

インフルエンザとは?

インフルエンザウイルスの感染により、発症する急性感染症です。多くは上気道炎症状、呼吸器疾患を伴うことで流行性感冒、流感とも言われます。

全ての年齢層が感染対象とされ、世界中で流行します。日本では毎年冬季に流行し、通常11月下旬~12月上旬に発生、1~3月頃ピークを迎え4~5月には流行は終息するパターンでみられる。

一般にいわれるかぜとは異なり、急速に出現する38℃以上の高熱、悪寒、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛を特徴とし、咽頭痛、鼻汁、鼻閉、咳、痰などの気道炎症状を伴います。腹痛、嘔吐、下痢といった胃腸症状を伴う場合もみられます。  一部Wikipediaより引用

インフルエンザはインフルエンザウイルスに感染することで発病します。よくいわれる季節性のインフルエンザは、通常、冬の初め~春先にかけて流行しますが、今年は、8月から発症し、9月には学級閉鎖もあるという報道がありました。まさしく「え~~!」なのですが、9月24日~9月30日の感染者数、関東圏では、埼玉県44件、千葉県38件、東京都71件、神奈川県60件、その他愛知県64件、大阪府45件となっているようです。 厚生労働省データより

●インフルエンザに感染すると

インフルエンザウイルスに感染すると、1~3日後に38℃以上の発熱、頭痛、筋肉痛などの症状が突然みられます。その後に咳や鼻水などの上気道炎様の症状がみられるようになります。カゼと比べると、症状が強く出現する受け以降がありますが、通常1週間程度で収まります。

インフルエンザとかぜの違い

<インフルエンザとカゼの違い>

◯どうしてインフルエンザに注意が必要なのか

インフルエンザは世界的に流行が見られる疾患です。1年中どこかの国で流行がみられる疾患です。グローバルな時代いつどこからインフルエンザウイルスがやってくるかわからない時代です。

●米国での流行にみる実際例

どうして、米国でこのような事態になったのか、米国疾病予防管理センター (CDC)の説明では、インフルエンザワクチンの接種率が低下していたために、インフルエンザに感染しやすい状態の人が多かったことも事態を悪化させたとしています。小児も180人の死亡し、大多数が予防接種を受けていなかったとのことです。

●重症化数も増加した理由

インフルエンザでも重症化すると、入院となります。昨シーズンでは、入院に至る重症化件数も90万人というからびっくりなのです。重症度の割合が全ての年齢層で上昇したとされ、予防接種率が昨年低かったことが原因となると分析されています。

生後6カ月~4歳の乳幼児では、健康体であっても、いったん罹患すると重篤な合併症を発症しやすく、深刻な状態になるといわれています。高齢者や健康弱者などのハイリスク群が感染を招くと、周囲への感染も拡がりやすいとされています。妊婦も懸念される感染対象者とされます。妊娠中は、免疫力が低下しています。妊婦の感染による高熱の持続は、胎児の発達に影響し、先天性異常のリスクがあがるとされています。妊婦が予防接種をすることで、胎児にも抗体が移行するとされ守ることができるために、積極的なインフルエンザワクチン接種が勧められているとのことです。

◯インフルエンザワクチン接種をすすめる理由

インフルエンザワクチンは、抗体効果は持続されません。そのために毎年接種する必要があります。

免疫効果は、ワクチン接種後3週間以降、5ヶ月

とされています。10月中に接種すると11月~3月までのシーズン中の効果が期待できます。65歳以上の場合は、通常1回で効果があるとされています。体調も関係しますので、ご自身の身体の状態をみながら、11月始めには、ワクチン接種を行うことがよいと思われる期間となります。

●インフルエンザワクチンは、予防接種法に基づいた定期接種の対象

インフルエンザワクチンは、年齢やこれまで病歴の有無にかかわらず、生後6ヶ月以上のすべての人に勧められる予防接種の一つとされます。

とくに、

  • 65歳以上の高齢者
  • 60~64歳で、心臓、腎臓、呼吸器の機能障害がある人、ヒト免疫不全ウイルス (HIV) による免疫機能障害がある人は
  • 妊娠の全期間の妊婦も接種可能とされています。(産婦人科学会明記

小児については任意接種ですが、特に4歳までの小児には強く推奨されています

●インフルエンザワクチンの効果

インフルエンザワクチンは、インフルエンザの予防を目的として接種されます。
インフルエンザワクチンを接種することで、インフルエンザウイルスに対する抗体が体内に産生され、インフルエンザにかかりにくくなります。

しかし、

ワクチンを接種しても、インフルエンザにかかることもある

とされます。インフルエンザワクチン接種は、100%の抗体産生を約束されるものではありません。米国の昨年の例に示したように、インフルエンザ発症時の重症化や、肺炎などの合併症の併発、死亡率を低下させることが最大の効果となります。そのため、

罹患予防と考えずに、リスクを削減する

という考え方のワクチン接種と思って欲しいです。そして、何より、周囲への拡散防止になるからです。

◯ハイリスク者へのインフルエンザワクチン接種は必須

とくに、高齢者や慢性疾患を持つ方の重症化するリスクが高いとされています。子どもの場合では、中耳炎や気管支喘息などの合併があり、まれにインフルエンザ脳症を発症することもあります。

●インフルエンザのハイリスク者とは?

インフルエンザのハイリスク者とは、65歳以上の高齢者、小児、妊婦、免疫力の低下した状態の人とされます。肺炎や上気道への細菌感染症を併発し死亡する例もあります。とくに1歳未満の小児と高齢者は、健常者でも罹患率が高くなりますが、さらに心疾患、透析をされている慢性腎不全、抗がん剤治療されている方など、慢性疾患や免疫力の低下がみられるハイリスク者はさらに重症化するリスクが上がるとされます。

●ハイリスク者には、とくに重要となるワクチン接種

小児、元来何らかの疾患を持つ人や、高齢者、妊婦、高齢者施設などで生活しているような状況では、インフルエンザワクチンは重要な問題となります。高齢者が何からの疾患で寝込むと、フレイルの懸念や、認知機能にも影響することがあります。

◯インフルエンザに関するあれこれ

●インフルエンザワクチンでは、インフルエンザを発症しません

インフルエンザワクチンは、不活化ワクチンといわれ、ウイルスは不活性化されているために発症することはありません。

《不活性化とは?》

感染力を熱、紫外線、薬剤などで死滅させ感染力を失わせる状態とされています。インフルエンザウイルスの場合、加熱、アルコールなどの薬剤で不活化されます。 また、pH6 以下で不安定となり、pH3 以下にすることでも不活化されます。

●ワクチンの接種に注意が必要な場合
  • 基礎疾患がある場合(心臓、血管、腎臓、肝臓、血液の障害、発育の障害など)
  • 他のワクチン接種後、2日以内の発熱、全身性の発疹、アレルギーが疑われるなどの症状
  • 痙攣を起こしたことがある場合は、年齢、その時の状況、その後の経過などで判断を要する
  • 過去に免疫異常の診断がある、両親、兄弟に先天性免疫不全がいる場合
  • 呼吸器疾患(間質性肺炎、気管支喘息など)がある場合
  • インフルエンザワクチンの成分に対してアレルギーを起こす恐れがある場合
  • 鶏卵や鶏肉などの鶏由来のものにアレルギー反応をおこすおそれがある場合
  • 高齢者

上記の場合、接種に対して、医師の判断が必要となります。

●ワクチン接種前に医師に相談する必要のある人
  • 妊婦もしくは、妊娠の可能性のある場合
  • 他の投薬中、または、その予定がある場合、種類を確認
  • 他のワクチン接種後、4週間以内は接種できない

不活化ワクチン接種1週間後からは、インフルエンザワクチンを接種することができるとされます。

◯インフルエンザへのできる予防法

日常の中でもインフルエンザなどの冬の感染症に対して、できる予防法を意識していきましょう。インフルエンザウイルスの感染は、咳やくしゃみによる飛沫感染、接触感染によってウイルスが体内に侵入することで発症します。日常から意識的にからウイルスから身体を守りましょう。

●飛沫感染と接触感染飛沫感染と接触感染
  • 飛沫感染:感染している人の咳・くしゃみにより飛沫したウイルスを吸い込む
  • 接触感染:感染した人が触った物から手にウイルスが付着、目、鼻、口に触り感染する
●感染経路を知り、断つこと
  • 外出先から帰宅したら、手洗いうがいをする習慣を身につけましょう。アルコールを含んだ消毒液で手指の消毒も効果的ですが、皮膚の弱い人は注意が必要です。
  • 咳エチケット、マスクの使用
    インフルエンザの感染を予防とともに、咳やくしゃみの飛散防止にもなります。
  • 咳やくしゃみをするときにも注意して!マスクがない場合、ティッシュやハンカチで口と鼻を覆うようにしましょう。何もない時は、自分の袖で行います。

これからの季節は、感染予防のためには、外出時には積極的にマスクを着用することをお勧めいたします。詳しくは、以前のブログもご参考にしてください。 ※関連ブログ 「インフルエンザ流行期突入!

 

生理検査アティテュード®からのメッセージ

●の予防接種、ワクチン接種の意味

 

社会でともに生活するひとりの社会人として、考えてみませんか?

ワクチンを接種する目的には、自分自身へのリスク軽減とともに、周囲への感染リスク軽減にもつながります。医療者は、必ずシーズン当初にインフルエンザワクチン接種を行いますが、その目的は、拡散防止が目的です。

ハイリスクを持つ以外の健康な人たちにも意識を持って欲しい、拡散予防のためのワクチン接種の大切さを知っほしいと思います。周囲の人々にインフルエンザを感染させにくくするという効果があります。

◯予防接種のリスクって何?

インフルエンザに限らず、ワクチンには自分だけではなく、周囲にいるハイリスク者、身体の弱い、弱者を守るという社会的、経済的な意味が必ずあります。

最近報道されている風疹の流行、妊婦とその胎内を守るために、配偶者への予防接種が促され、診療機関などでの夜間対応があるということも聞かれます。

●風評に惑わされことなく判断を

小さいお子さんを持つお母さま方の懸念、こんなに小さいのに、たくさんの予防接種を受けること、身体に負担にならないの?ネットを検索していると、反ワクチン論とかも出てくる時代なのですね。

「予防接種は危険!」

そんなサイトも出てきます。

ワクチン接種による副反応が、クローズアップされしまい、ほんとうに必要かつ大切なことが隠されてしまうこともある、私にはそう感じました。私の子育て時代には、思いもよらないことです。

●副作用を知ると

医療の場では、必ずリスクも正しく伝えなければなりません。そして、そのことを正しく理解することが必要です。数パーセントでも起こる可能性があることを、知っておく必要があるということになります。

さまざまな副作用の話がネット上を賑わせていると、どうしてもそちらの声を聞いてしまうということ、そして、本来の大切な目的をマスキングしてしまっているということに対して私が危惧します。

◯自分の身は自分で守ること

インフルエンザワクチンを接種しても、予防を怠るとインフルエンザに罹ってしまうこともあります。手洗い、うがいは必須です。マスクも予防にはなりますが、予防+飛散防止の意味合いとして咳エチケットとしての利用もご検討ください。

最近良く見る、空間除菌グッズに関してはあまり効果がないということも聞きます。手洗いうがいで予防しましょう。DSC_1209

 

Pure Medical attitude

生理検査アティテュード® Junko Katayoshi

 

今日のまとめ

  • カゼを引いた時の喉頭炎、喉頭の疾患は、声の変化に現れる
  • 喉の酷使は、声帯ポリープに注意が必要
  • 口腔や喉の症状が、長期間改善が見られない場合、悪性疾患も意識して、早めの受診が勧められます。

 

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代表 かたよし純子 Junchan♪  ※自己紹介はこちらから

臨床検査技師/超音波検査士/健康管理士一般指導員/健康管理能力検定1級/介護予防運動指導員/米国NLP協会認定NLPトレーナー

THINK YOUR LIFE -ミドルエイジとともに-side by side-
共同代表 Junko Katayoshi

今日も最後までありがとうございました。

☆アンコモンセラピー読書会☆

いよいよ、

セカンドバージョンスタートです!

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8月に、5年3ヶ月かけて、1冊の本名書、ミルトン・エリクソンの「アンコモンセラピー」を完読いたしました。催眠療法の大家「ミルトン・エリクソンの戦略的手法」を紹介されているこの本の読書会を10月22日(月)より新たに再スタートいたします。

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