元気&HealthのJunchanのblogにご訪問ありがとうございます。医療スタッフのメンタルパートナー かたよし純子です♪ 今週は、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)をまとめています。前回は、骨の構造としくみ、骨代謝についてでした。今回は、本題「骨粗鬆症」の理解を深めて戴きたけるように、以前のブログの内容を加筆してまとめていきます。どうして「骨粗鬆症」が問題になるのか?心配なのは女性だけなのでしょうか?男性の骨粗鬆症とは?その問題には、ホルモンが関係しているからです。そのあたりのことも含めましてまとめていきたいと思います。プラスαでは、他人事ではない圧迫骨折をしっかりとまとめていきたいと思います。合わせてぜひお読みください。

1.骨粗鬆症は身近な疾患、理解へのキーワード3つ

1-1 骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の症状を理解する

1-2 骨粗鬆症の原因、どうして骨がスカスカになるのか?

1-3 骨粗鬆症どうして女性に多いの?ホルモンとの関係性

今日のプラスα

2.骨粗鬆症診断基準と検査 

3.背骨がスカスカの骨粗鬆症から起こる「圧迫骨折」   

生理検査アティテュード®からのメッセージ

・いつもの「姿勢」に注意、他人事ではない、骨粗鬆症

 

1.骨粗鬆症は身近な疾患、理解へのキーワード3つ  

骨粗しょう症は、骨粗鬆症と書きます。読めない方も多いのではとの配慮なのか、健康管理士の中では「骨粗しょう症」と仮名書きで記されますが、以前私が医療の中で学んだ時は、「骨粗鬆症」です。

1-1 骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の症状を理解する

骨粗鬆症の初期は、ほとんど症状がみられません。気づかないうちに骨量が減少していることもあるのです。

世界保健機関(WHO) 骨粗鬆症の定義

 

「低骨量と骨組織の微細構造の異常を特徴とし、

骨の脆弱性が増大し、骨折の危険性が増大する疾患である」

このように骨粗鬆症を定義しています。

【鬆:すという漢字の意味が示すものとは?】

骨粗鬆症(osteoporosis)の「鬆」とは、本来は均質であるべきものの中にできた空間をいう』とあります「鬆」は「ショウ」と読み、線状の松の葉の重なりの合間から向こうがすけて見える様子から来ているとされます。

つまり、骨粗鬆症とは、本来、均質で有るはずの骨の内腔の空間ができてしまい、スカスカ状態になっている様を表現しているのです。実によく漢字の意味を用いて表現されている疾患名なのではないでしょうか。そうです、自分身体を支えている大切な骨が「鬆(す)の入った大根のような状態」になってしまっているのです。

※引用サイト: ウィキペディア

骨粗鬆症のイメージ

<骨粗鬆症のイメージ>

【原発性骨粗鬆症と続発性骨粗鬆症】

骨粗鬆症には、老化に伴う原発性骨粗鬆症と疾患や栄養などによる2次的なものが原因となる続発性骨粗鬆症とに分けられます。ほとんどが老化に伴う原発性骨粗鬆症です。

  • 原発性骨粗鬆症:老化が原因
  • 続発性骨粗鬆症:疾患や、ステロイドなどの薬物、栄養障害

【骨粗鬆症とは、骨代謝の異常による疾患】

では、具体的に「骨粗鬆症」とは、どのような状況なのかをまとめていきたいと思います。

前回のブログでまとめたように、骨の内部は、海綿骨が複雑に入り込む構造をしています。そして、その比較的柔らかい海綿骨を取り囲むように硬い皮質骨が取り巻くような形状で1つの骨を形成しています。骨粗鬆症がどうして起きるのかと言うと、この骨代謝、破骨細胞と骨芽細胞の機能のバランス関係が崩れ、骨の内部構造、緻密骨の構造がスカスカになり脆くなった状態となります。転倒や打撲で骨折しやすくなっている状態です。つまずいて手をついた瞬間や、くしゃみなどわずかな衝撃に対しても、簡単に骨折してしまいます。さらにひどい状態になると、立位や座位など自分の体重を支えなければならない、抗重力姿勢をとるだけでも骨折することもあるといわれます。

〔骨の内部から起きている〕

骨代謝の異常は、内部の海綿骨から変化が生じ、次第に皮質骨へと変化が及びます。海綿骨は、盛んに骨代謝を行なう場所のため、骨粗鬆症の進行は、海綿骨の割合が多い場所の骨からみられるようになります。身体の中心部分とされる、脊椎から変化が始まることが多いとされています。その他、大腿骨近くの骨や上腕骨などに多くみられます。骨量の減少とともに背骨、足の付け根、腕の付け根などの痛みや骨折というような症状が現れます。

〔今は大丈夫?要介護への入り口〕

骨粗鬆症は痛みなどの自覚症状がないことが多いとされます。骨粗鬆症と診断された時点で、直接的機器的な状況をもたらすような疾患ではありませんが、骨折が寝たきりの状態を生み出し、要介護状態へとつながることが少なくありません。今すぐ危機的状況をもたらす疾患ではないものの、生活の質に関わる大きな意味を持つ疾患だということは否定できないと思います。

骨粗鬆症の診断は、骨の強さや密度を示す骨密度を用いて診断されます。定期的に骨密度を測定するなど検査を受け日常でのチェックが必要とされます。

【骨粗鬆症のよくある症状】

下記のような症状が現れたら要注意です。

〔背が低くなる〕

骨量の減少により、海綿骨の構造が粗く、スカスカになり骨がつぶれてしまうために、身長が低くなります。10~20cmも低くなる場合もあります。

〔背中が曲がる〕

骨量の減少により背中が曲がる場合もあります。骨粗鬆症の場合は、腰の上部の背骨が後方に丸く曲がるのが特徴となります。

〔背中や腰が痛む〕

背中から腰にかけての痛みや、重苦しさを感じる。安静時から身体を動かすときなど、行動への移行時に強くなることがある。また、座位や立位など、同じ姿勢を持続している場合にも痛みがみられます。

〔骨 折〕

転倒はもちろんのこと、重いものを持ち上げたり、尻もちをついたりしただけ、ほんのちょっとした動きでも骨折してしまう。

骨粗鬆症のおもな症状

<骨粗鬆症のおもな症状>

【骨粗鬆症により骨折しやすい部位】

骨粗鬆症により骨折しやすい部位をまとめておきましょう。

  • 上腕骨外科頸骨折   :上腕骨の肩に近い部分で骨折する
  • 撓骨遠位端骨折    :橈骨の手首に近い部分で骨折する
  • 大腿骨頚部・転子部骨折:股関節に近い太腿の付け根で骨折する
  • 脊椎椎体圧迫骨折・変形:背骨や腰骨などの脊椎椎体がつぶれる
骨粗鬆症 骨折しやすい部位

<骨粗鬆症 骨折しやすい部位>

〔骨格は、相互に関連している〕

人の身体は、1ヶ所骨折することでその周囲の骨にも、当然負担がかかります。そして、連鎖的な骨折につながりやすくそのために、早期発見し、早期治療が望まれます。特に、大腿骨近位部は、骨折により歩行できなくなるというリスクが伴います。治療後も早期にリハビリが必要とされ、片側の骨折が治癒しても、また反対側を骨折して病院に戻ってくるという方も少なくありません。その後、歩行困難となり要介護状態へと移行するリスクとなる骨折部位です。大腿骨近位部骨折の原因の多くが転倒となり、骨粗鬆症の治療と平行して転倒防止も重要となります。

 

1-2 骨粗鬆症の原因、どうして骨がスカスカになるのか?

骨代謝のメカニズムの説明を前回のブログの中でお伝えしていますが、骨は、古くなった骨が破骨細胞によって吸収され(骨吸収)、骨芽細胞によって新たに骨がつくられる(骨形成)、破壊と再形成の新陳代謝のサイクルによって保たれています。

【骨粗鬆症の原因とは?】

骨粗鬆症は、閉経後の女性に多くみられるといわれています。加齢によって男女ともに骨密度は減少しますが、女性で特に多いのは、骨を新しくつくる骨芽細胞を活発にするエストロゲン(女性ホルモン)が閉経後に激減することが原因として挙げられています。

骨はカルシウム、マグネシウム、リンなどのミネラルで構成されています。カルシウムやマグネシウムが身体で不足することや、カルシウムの吸収に必要なビタミンDの摂取が不足すると骨の成長が促されず骨粗鬆症の原因となります。運動不足で骨に負荷がかからない状態であることも、カルシウムの利用効率を下げて骨密度の低下につながります。

【骨粗鬆症のメカニズム】

新陳代謝のバランスが崩れて、骨の形成よりも骨の吸収が上回る状態が続くと骨がもろくなってしまいます。骨粗鬆症は、その原因から原発性骨粗鬆症と続発性骨粗鬆症とに分類されます。

〔原発性骨粗鬆症の原因〕

骨粗鬆症のほとんどは原発性であるとされています。加齢に伴う閉経や老化に伴い骨密度が低下することが原因とされています。エストロゲンの低下がおもな原因とされていますが、その他に腎機能の低下により生じるビタミンDの産生力低下も原因とされています。

原発性骨粗鬆症とは、おもにエストロゲンの欠乏や加齢が原因され、その他の疾患がないものをいいます。約90%がこの原発性骨粗鬆症だとされます。

更年期と閉経による女性ホルモンの欠乏

女性ホルモンのエストロゲンは、骨代謝に大きく関わっています。エストロゲンの分泌低下により身体の中での骨形成に追いつけなくなり骨吸収と骨形成のバランスが保てなくなり、骨量が減少してしまいます。さらに活性化ビタミンDや副甲状腺ホルモンお骨代謝に関与しています。

男女ともに加齢が関与

女性の閉経後の影響、女性ホルモンの激減による骨粗鬆症の発症は、大きく問題視されていますが、男性も例外では無いことを意識して欲しいと思います。

  • 女性の場合

女性は閉経後に多くの人に、骨粗鬆症がみられるとされます。更年期での女性ホルモン、エストロゲン分泌量の低下が原因とされ、さらに、加齢に伴うビタミンDや副甲状腺ホルモンの働きの変化により、ほとんどの女性に骨密度低下が認められるようになります。ホルモンとの関係性は、次の項目でしっかりとまとめていきます。

  • 男性の場合

高齢男性でも、性ホルモンの変化、栄養バランスの偏りや運動不足によるビタミンD、甲状腺ホルモン機能の変化が進行することで骨粗鬆症は増加します。男性は、テストステロン量が減少するためにエストロゲン量も減少していきます。そのため骨密度が低下するとされています。男性は、男性ホルモンのテストステロンから産生されます。女性の更年期に見られるほどの急激な骨量の減少ではありませんが、エストロゲンの産生量低下に伴い、骨粗鬆症に陥ることは無いとされていますが、高齢化は骨量の減少の要因となり、骨密度の低下と血中エストロゲンの量との相関は示されています。

栄養バランスの偏り

若い女性に見られるムリなダイエットや痩せすぎによる栄養不足、栄養バランスの偏りが問題となります。偏食によりカルシウム、タンパク質、ビタミンD、ビタミンKなどの不足がよく取り上げられます。また、高齢者では、加齢による腸の吸収機能低下により骨量の減少を招きます。

遺伝性の関与

骨粗鬆症のリスクとして遺伝もあげられています。近親者に骨折したことがあるとか、骨粗鬆症の診断をされている場合はそのリスクも視野に入れたほうがよいとされるようです。

〔続発性骨粗鬆症(二次性骨粗鬆症)〕

続発性骨粗鬆症とは、何らかの疾患や薬物などの2次的な原因により発症するとされています。下記の表のようなものがあげられます。

続発性骨粗鬆症

<続発性骨粗鬆症>

【生活習慣病からの骨粗鬆症】

この中で気になるものはやはり、生活習慣病があげられていることです。重複しますが、注意して欲しい項目を再掲しておきましょう。

● 糖尿病の合併症となる骨折

糖尿病での骨折リスクが高いこと、糖尿病は以前のブログでもあげたように、さまざまな合併症が懸念される疾患です。糖尿病疾患を持つ人は、同じ骨密度でも、骨折リスクが高いとされています。男性でも糖尿病疾患がある場合は、生活習慣病が原因とされることが多く、重篤な症状となるとされているようです。

● 偏食、カルシウム不足やビタミンD不足

腸でのカルシウム吸収にビタミンDが必要となります。また、食塩や糖分を摂りすぎは、カルシウム不足を招きます。

● 運動不足

運動は、骨や筋肉の維持に影響し、骨の強さを保つためにも必要とされます。

● アルコール多飲

アルコールの過剰摂取は、はカルシウムの吸収を減らし、排泄を増やします。カフェインも同様の作用をします。

● 喫煙

喫煙は胃腸の働きを悪くしてカルシウム吸収が悪くなります。

● 日光照射不足

ビタミンDの腸でのカルシウムの吸収には、皮膚の中で日光の紫外線が必要となります。日焼けを防ぐために過剰な紫外線対策をしている若い女性に注意喚起がなされています。

● 無理なダイエット

栄養バランスの偏り、偏食などにより必要な栄養素が欠乏します。カルシウム、タンパク質、ビタミンD、ビタミンKなどの不足。

※関連ブログ:糖尿病の合併症「症状を自覚する前に知って欲しい合併症

● ステロイド性の骨粗鬆症

薬剤性の骨粗鬆症があげられる中で、ステロイド薬の使用により骨折のリスクが上がるとされています。長期で内服は、骨吸収の亢進と骨形成の低下を生じます。ステロイド性骨粗鬆症は、子どもから高齢者、閉経前の女性や男性にも多くの人に起こりえる疾患として注意は必要とされているようです。

1-3 骨粗鬆症どうして女性に多いの?ホルモンとの関係性 

人は、生まれてから骨も成長します。当然骨の長さも長くなりますが骨量も当然増えます。そのピークは20歳前後。

【骨密度の年齢変化を知ってほしい】

人の骨、骨量は年齢とともに減少していくとされています。骨量とは、すなわち骨密度で表され、20歳前後で最大の骨密度に達するとされています。骨密度は、骨の中のミネラル成分の割合を示すもので、骨の強さを示す指標となります。

男性の骨密度は、年齢とともにゆっくりと減少しますが、女性の場合は、ホルモンが影響し閉経後急激に始まります。性差はありますが、加齢とともに骨密度は減少し、骨粗鬆症へと進行します。原因を知って、リスク回避の対策を少しでも行なうことで健康寿命を延伸させることができます。

女性の場合、エストロゲンは卵巣で産生されます。また閉経後女性にエストロゲンを補充すると骨量の減少が抑制されます。妊娠に伴う骨粗鬆症も原発性骨粗鬆症の1つとして数えられ、母体のカルシウムが胎児に移行してしまうことも原因とされています。

【骨形成と女性ホルモン】

女性の最大骨量は男性より低く、さらに閉経後の数年間は急激に骨量の減少がみられます。そのため、女性は男性より骨粗鬆症になるリスクが高く、男性よりも低い年齢から骨粗鬆症が見られることがあります。

骨をつくるためには、女性ホルモンが深く関係しています。女性ホルモンのエストロゲンは、女性ホルモンの働き以外にも、身体のさまざまな働きに関与していますが、その1つが骨です。骨の新陳代謝にはいくつかのホルモンが関与していますが、エストロゲンは、破骨細胞の働きを抑える、骨代謝のバランスを正常に保って骨量を維持する働きを持ちます。さらに骨の材料となるカルシウムを運ぶ重要な役割をもち、骨をつくるときには不可欠なホルモンです。

〔エストロゲン減少の影響〕

エストロゲンが欠乏すると、骨吸収が亢進し骨のカルシウムは血液中に溶け出します。血中カルシウムが増加し、副甲状腺ホルモン(血中カルシウム値を向上させる働きを持つホルモン)の分泌とビタミンDの生成が低下します。副甲状腺ホルモンが減少すると骨芽細胞の働きが悪くなります。さらにビタミンD生成の低下によって腸管からのカルシウム吸収も低下するために骨量は急激に低下してしまうことになります。

〔骨量の性差とは〕

女性の骨量は、エストロゲンの分泌量とともに一生の間でカーブを描き変化を示します。骨量は、初経前後から一般分泌が増えに20歳くらいでピークを迎える。妊娠や出産を経てその後は40歳くらいまでほとんど骨量に変化がみられませんが、その後徐々に減少しはじめ、エストロゲンの分泌がほとんどなくなる閉経を迎えると骨量は急激に減少します。

男性は、男性ホルモンのテストステロンなどがカルシトニンの分泌を促しています。カルシトニンは、カルシウムは溶け出すのを抑えるカルシウム調節ホルモンの分泌を促し、骨を強く保つ働きをしています。男性ホルモンは減少が緩やかなため骨に対する急激な作用が少ないとされます。男性では、女性ホルモンと同様、男性ホルモンが骨形成を進めています。しかし、男性ホルモンは女性ホルモンほど加齢によって減少しません。腎疾患、腸疾患、胃の手術などによっても骨量の減少はみられます。

女性に特化した疾患ではありません

女性ホルモン変化が、更年期に急激な変化をもたらすのみで、男性も加齢とともに骨量は減少するということ、その他の要因も有るということが理解できれば、ともに注意が必要な身体の変化であることが理解できるのかと思います。

 

2.骨粗鬆症の診断基準と検査 

骨粗鬆症の診断には、骨粗鬆症に特徴的な骨折の有無や骨密度の結果を参考に行われることになり、その後、原発性骨粗鬆症か続発性骨粗鬆症かの鑑別を行い結果から原因を模索し治療方針が検討されるようです。

【骨粗鬆症の診断基準】

骨密度、骨の脆さ、脆弱性骨折の有無の3つが診断の決め手になります。

1.骨密度の診断基準  成人の平均値を基準とする
  • 正常        基準の80%以上
  • 骨量減少(要注意) 基準の70~80%
  • 骨粗鬆症      基準の70%未満
2.X線検査の結果
  • 背骨(胸椎、腰椎)のX線で、骨粗鬆症化や脆弱性骨折がはっきりと認められれば骨粗鬆症と診断される。
  • 骨粗鬆症化の疑いの場合は、骨量減少と診断されます。
3.脆弱性骨折の有無

骨密度やX線写真が骨量減少レベルでも、脆弱性骨折が認められれば、骨粗鬆症と診断される。

【骨粗鬆症の鑑別診断】

骨粗鬆症と他の疾患との鑑別、腰背部痛としてみられる疾患、骨の変形きたす疾患、骨粗鬆症を招く疾患などに注意が必要です。

● 腰背部痛がみられる疾患
  • 変形性腰痛症
  • 腰部脊柱管狭窄症
  • 脊椎分離・すべり症
  • 腰椎椎間板ヘルニア
  • 内臓疾患(膵疾患、腎疾患など)など
● 骨変形がある疾患
  • 脊椎側弯症
  • 椎体奇形
  • 転移性腫瘍 など
● 続発性骨粗鬆症
  • 糖尿病や動脈硬化などの生活習慣病
  • 慢性閉塞性肺疾患
  • 内臓疾患
  • 内分泌疾患
  • 栄養不良
  • 薬剤性 など

【骨粗鬆症の検査】

診断のために、X線検査、骨量計測検査、血液・尿検査などが行われます。

〔X線検査〕

骨をX線撮影し、骨陰影濃度と骨梁をみる

〔骨量計測検査〕
骨密度を測定する
  • デキサ(DXA)法 全身どこの部位でも、微量のX線で測定できる
  • MD法         手の骨を測る X線撮影
  • QTC法      おもに脊椎の骨量をCT撮影にて計測
  • 超音波法     かかとの骨を超音波で計測、速度と減衰率より求める
〔血液・尿検査〕

骨代謝マーカーを測定し、骨の新陳代謝速度を測定、他疾患との鑑別

 

3.背骨がスカスカの骨粗鬆症から起こる「圧迫骨折」

骨粗鬆症が原因となる骨折の中に、圧迫骨折も含まれます。圧迫骨折は、骨粗鬆症で起こる4大骨折のひとつに上げられることを上記でもお伝えしました。背骨が身体の重みで押しつぶされて扁平になってしまうことを圧迫骨折といいます。

【骨粗鬆症による圧迫骨折とは?】

圧迫骨折ということばを聞いたことがあるのではないでしょうか。背中や腰が曲がるなどの原因となり、圧迫骨折が生じていても、単なる腰痛として見過ごしていることや、痛みを感じない場合もあります。

圧迫骨折とは、外傷や椎骨が崩壊することで起こります。その原因は、骨粗鬆症や骨形成不全、原発もしくは転移性骨腫瘍、感染などが原因とされ、高齢者の場合、ほとんどは骨粗鬆症が原因だといわれています。圧迫骨折は、胸椎と腰椎との移行部に生じやすく、くしゃみや腰をひねる、尻もちをつくなどごく軽微な力でも生じてしまいます。

〔高齢化による骨折形態の変化〕

以前見られた圧迫骨折は、高所からの転落により、臀部に強い衝撃を受けた時に生じるものとされていましたが、最近では、骨粗鬆症により、弱くなった背骨に見られる骨折、高齢者によくみられるようになった骨折です。高齢者に多く見られる原因は、後ろへの転倒時に尻もちをついた時の衝撃で背骨が折れてしまうことが多いとされます。その他、畑作業や草むしりなどの作業を長時間行った時にも生じるとされます。

【圧迫骨折の症状】

圧迫骨折は、背骨、胸椎と腰椎との移行部とされる部位に骨折が生じやすく、痛みは骨盤付近の腰部に感じるとされます。

〔痛みの特徴〕

体動時腰痛といわれる特徴的な痛みが生じるとされます。体動時腰痛とは、動き始める時に鋭い痛みとして感じる、起き上がる瞬間に激しい痛みを感じるものの、動き始めるとあまり痛くなく歩けるという痛みです。骨粗鬆症があり、体動時腰痛がある場合には、骨折が疑わしいとされるようです。この体動時腰痛は、骨折が治るまで瞬間的に感じる痛みとして続くとされます。よくご高齢の方での検査時のベッド移動の際に、大声を上げるような激しい腰痛を訴える方がいらっしゃいます。この体動時腰痛と考えられるのでないかと思います。

この時期は、寝たり起きたりという動作を少なめにすることが望まれるとのことです。骨の変形を避けることが大切とされます。硬めのコルセットでの固定が勧められるとされます。体動時腰痛がある時は、早めに適切な対応が求められるために、X線にて骨折診断後、MRIでの診断が適切とされます。骨折が完全に治るまでは、変形をきたすことがあるために注意が必要です。完全に身体が回復するまでには、半年~1年くらいかかるとされます。

徐々に身体を慣らすように、背筋や腹筋を付ける必要もあります。日常生活の中で転倒しないように気をつけることももちろん大切となり、骨粗鬆症から他の部分の骨折にも気をつけたいものです。

骨粗鬆症 脊椎椎体圧迫骨折

<骨粗鬆症 脊椎椎体圧迫骨折>

生理検査アティテュード®からのメッセージ

・いつもの「姿勢」に注意、他人事ではない、骨粗鬆症

私が初めて骨粗鬆症という疾患に対して意識されたのは、おそらく20年以上も前のことだと思います。

○骨密度の測定装置「Achilles アキレス」デモ機の記憶

「Achilles」という超音波で骨密度を測定する機器をデモしたときです。骨粗鬆症が認知され始めて骨密度の測定は、手のX腺を撮影して外部委託検査で行なわれていました。その骨密度の測定が、足のかかと、踵骨を用いた測定で簡単に超音波で測定できるという検査機器は、非常に画期的だと感じられたことを今でも記憶しています。

残念ながら、設置場所のハードの面や、金額と減価償却と人件費などさまざまな条件が折り合うことなく、Achillesの導入には至りませんでした。このときが「骨粗鬆症」という疾患が私の中で浮上した時のようです。若い人でも骨の脆い人がいるということを含めて。

○総合病院勤務の晩年

私が横浜の総合病院を退職して5年が過ぎます。その頃から、入院する人の年齢が一気に高齢化していることが実感されました。70~80代からの年齢が、80~90代へと移行している。そして、大腿頚部骨折の多さ、高齢者はどんな基礎疾患のリスクを抱えているかの判断がなされます。そのためには、整形外科では、術前検査としてD-ダイマーの測定と、よく聞くヒラメ筋の血栓の確認:深部静脈血栓症(DVT)のスクリーニング検査を依頼されました。

大腿頚部骨折を招いてしまった方たちとの会話、「うっかりしたのよ、転んじゃてね」「先月退院したばかりなのに、今度は反対側」この会話を多く交わされることがありました。股関節の骨折での下肢の検査は、けっこう苦労が多く、ほんの少し足を動かすだけでも「痛い!」と言われます。出来る限り、動かさずに最低限として心配りをしながらの検査です。狭い病室で行なわれることも少なくありません。アクロバット的なポジションや姿勢での検査も与儀なくされます。

○自分の身体を守ることを最優先に姿勢にも、移動時にも配慮を

そんな検査を長年、自分の姿勢を意識すること無く、体力にも自身があったので結構酷使していました。その結果、左足にしびれが。。。ヘルニアと診断されています。その後は、エコー時の自分の姿勢を意識しています。左側のスキャンニングする時は、できうる限り、腰を曲げずにアプローチするようにしています。若い時はムリが聞くのかも知れません。でも、腰痛は多くの生理検査担当者から聞きます。検査時の被検者にベッド移動も含まれます。理学療法士の人に、安全な移動方法を学んでいますか?

○日常からこまめに運動と身体の姿勢を意識する

痛みとして感じて、初めて意識するのでは無く、医療者だからこそいちばん健康を意識してもらいたいのです。自分の身体を守るのは自分自身です。笑顔で笑って仕事をして欲しい。健康な医療スタッフを応援していきたい、これがPure Medical attitudeの在り方です。

次回 最終回は、骨粗鬆症の予防を中心にまとめていきたいと思います。どうぞ、またぜひご訪問ください。

 

今日のまとめ

  • 骨粗鬆症とは、骨の内部が「鬆(す)」になった状態。つまり、スカスカで簡単に折れる状態
  • 骨粗鬆症とは、加齢が大きな原因、女性ホルモンが大きく関与するが、男性も例外ではないそして生活習慣も影響している
  • 骨粗鬆症は女性だけではありません。男性も加齢とともに骨量は減少しています

 

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