元気&HealthのJunchanのblogにご訪問ありがとうございます。医療スタッフのメンタルパートナー かたよし純子です♪ 今週は、テーマブログをお休みさせていただいています。先日報道された、TOKIOの山口達也さん関連「アルコール依存症」のブログを情報としてまとめていきたいと思います。先日のブログ「アルコール性脂肪肝」のところでもお伝えした内容を簡略化し、依存症についてまとめていきます。誰でも依存症になることがあるという事実、風評にとらわれずしっかりと自分自身の身近な問題として考えて欲しいのです。心と身体のバランスを整えることで回避できると私は思っています。山口達也さんがどうこうではなく、疾患としてみたアルコール依存症です。
1.アルコールの身体への影響と依存を知るアプローチ3つ
1-1 アルコールは解毒の対象=有害だということ
1-2 肝臓に影響するアルコール
1-3 身近な疾患「アディクション」アルコール依存症とは?
今日のプラスα
2.アルコール依存症の特徴とは?
3.いつものお酒から実際に摂取される「アルコール」量とは?
1.アルコールの身体への影響と依存を知るアプローチ3つ
私もお酒が大好きです。若いときからけっこう飲んでいます。そして隠しておきたいような失敗も数々、そう、人ごとではなく、自分ごととして考えてみてください。
1-1 アルコールは解毒の対象=有害だということ
アルコールは、肝臓で解毒、分解されて、無害化されたのち体外に排泄されます。有害だから分解され体外へ排泄される対象物質なのです。
【肝臓のアルコール解毒】
アルコールは、依存症を引き起こすことや、身体に有害な状況をもたらすことがあることを理解していますか?
❍アルコールは有害であることを理解する
アルコールは、肝臓が解毒対象とする薬物であり、身体には有害物質だということです。体内にアルコールが入ると、肝臓はアルコールがゼロになるまで代謝と分解を行います。
アルコールは、アルコール依存症や、肝硬変、肝がんなどの肝臓病の原因となるなどさまざまな健康障害を招くこともあります。
○アルコールの代謝 解毒と分解
アルコールは、胃、十二指腸、小腸などで吸収され、肝臓に送られます。その大部分が肝臓で処理されます。肝臓内では有害となるアセトアルデヒドになり、この物質が、悪酔いや頭痛、動悸の原因にもなります。アセトアルデヒドは、無害な酢酸へと分解され、酢酸は、血液中へ送られ最終的には尿や汗、呼気から体外に排泄されます。
❍アルコール多飲や継続の弊害とは?
・肝細胞の変化
アルコールの代謝、分解には、栄養素を代謝するときとは異なる変化が肝細胞などに起き、大量のアルコールを長時間飲むほど、その変化が続くことになります。
・持続的なアルコール代謝が続くことで起こる変化
アルコール代謝の必要が無くなることで変化した細胞は、もとに戻りますが、アルコールを飲み続けると細胞の変化が続くことになり、細胞の変化はやがて肝細胞の変性、壊死、細胞間質細胞の線維化を招き、肝機能は低下することになります。
・アルコール中毒
肝臓が一定時間に処理できるアルコール量は決まっています。急激な飲酒により、血中濃度が一気上昇しても対応できず、アルコール中毒を引き起こします。
❍アセトアルデヒド(ALDH)脱水素酵素の有無 飲める人と飲めない人
アセトアルデヒドを分解するアセトアルデヒド脱水素酵素の有無は、アルデヒド脱水素酵素2型遺伝子の有無で決まります。
2型ALDH2-1の遺伝子をN、2型ALDH2-2の遺伝子をD
- NN:ALDHを持つ人 飲める お酒に強いタイプ
- ND:ALDHを一部持つ人 多少飲めるがたくさんは飲めない
- DD:ALDHを持たない人 まったく飲めない
アルデヒド脱水素酵素2型を持たない欠損者(DDタイプ)は、通常アルコール性肝障害になることはありません。しかし、NDタイプの多少飲めるタイプの人が、常習的な飲酒習慣を持つようになると、より少ない量でアルコール性肝障害を発症することになります。
<アルコールの代謝>
1-2 肝臓に影響するアルコール
アルコール多飲により、さまざま臓器に影響がみられます。その中でも肝臓への影響がもっとも多く、かつ重篤な疾患へとつながります。
【アルコールの吸収と分解速度】
アルコールは、胃および小腸上部で吸収され消化管内のアルコールは、体内に摂取後1~2時間でほぼ吸収され、それとともに、分解も始まります
❍アルコールの分解速度を知る
アルコールの分解速度は、個人差がかなりありますが、平均、男性でおよそ1時間に9g、女性で6.5gくらいです。この処理能力を超えると、肝臓から全身にいきわたります。アルコールは、水にはよく溶けるために容易に臓器に拡散していきますが、脂溶性は低く、脂肪組織には極めてゆっくりと拡散していきます。 (※どれくらいのアルコール量になるかは、今日のプラスαでご確認ください)
❍アルコール吸収の影響要因
アルコールの吸収に影響する要因は、いろいろとあります。
-
胃切除後
アルコールが直接小腸に入り、そのため一気にアルコール血中の濃度は上昇します。
-
空腹時の飲酒
胃に食物が無いために、そのまま小腸に流れ込みます。胃切除後同様にアルコールの吸収速度が早く、空腹時ではアルコール吸収が加速、血中濃度の上昇が促進されます。
これらの状況は、悪酔いの原因となるために気をつけたい要因となります。
❍良い飲み方とは
胃での停滞時間を延長させる。食事やつまみ類とともにゆっくりと飲酒することで、吸収もゆっくりとなり、血中濃度も低値に抑えられることができます。飲酒時は、このような飲み方が推奨されます。
【アルコール性脂肪肝】
アルコール過飲により、はじめに脂肪肝となります。脂肪肝は、中性脂肪が肝細胞内に30%以上蓄積した状態だと、以前のブログ「脂肪肝を知るための肝機能」でお伝えしました。アルコール性肝臓病は飲酒量が多く、飲酒期間が長いほど起こりやすいとされます。脂肪肝となった肝臓では、血流障害のため起肝細胞は壊死して、肝機能の低下が生じます。そして、重篤な状態、肝炎、肝硬変などへと進行していく状態となります。
❍アルコール性脂肪肝の症状とは
アルコール性脂肪肝の自覚症状はほとんど無く、腹部超音波検査で初めて指摘され、血液検査で高脂血症や、γ‐GTPやAST(GOT)、ALT(GPT)上昇なども多く指摘されることとなります。肝機能の上昇が指摘された状態でアルコール性肝炎です。
❍確定診断は針生検、ひと目で分かる超音波検査がお勧めです
確定診断は、肝臓に針を穿刺し、肝細胞を採取し生検します。脂肪沈着の確認です。通常は、腹部超音波検査やCTなどの画像診断で確認することで診断されます。
❍脂肪肝の原因となりやすいアルコール、その理由
肝臓では、有害物質のアルコールの処理が最優先されます。そのため、脂肪の代謝は後回しです。結果、代謝されない脂肪は、肝細胞に蓄積されます。アルコールとともに摂取されるつまみ類のカロリーが問題となると考えられます。高カロリーのものを長時間飲食することで、後回しにされた代謝されない他の栄養素は貯蔵へ回されます。
さらに、夜遅くまでの飲食は、時間遺伝子が関係し脂肪を蓄えやすくしています。
アルコールは、善玉といわれるHDLコレステロールが増加するとされていますが、アルコールが関係する高脂血症の場合、脂質代謝異常も関係し、さらに重篤な状態となっていくことが懸念されます。
アルコールが原因の脂肪肝は、禁酒で短期間で改善するとされています
【アルコール性肝障害】
アルコール依存症における肝障害は約80%とかなり高頻度です。アルコール性肝疾患の場合は、ウイルス性とは異なり、自らの意思で重症疾患への過程の予防と改善ができるということです。
❍アルコール性肝炎
アルコール性脂肪肝を指摘された状態で、さらに大量飲酒の継続でアルコール性肝炎を発症します。腹痛、発熱、黄疸などのシビアな症状を伴うこともあり、重篤な状態に進行、死にいたる場合もありえます。
アルコール依存症の場合によくみられます。アルコール性肝炎の診断に際しては、断酒が絶対です。治療後、飲酒を再開するとやがて肝硬変へと進行します。
肝機能が上昇しているのに、まだ飲みますか?
❍肝硬変
長年アルコールの多量飲酒を継続した場合のアルコール性肝障害の最終段階とされるのが肝硬変です。よく言われる、重篤な症状として、腹水、黄疸、吐血などがみられます。肝硬変とされても、アルコール性肝硬変の場合は、断酒を継続することで改善することもあるとされています。諦めずに断酒を断行することのようです。
『人生やめますか?アルコールやめますか?』この質問。。。
きつい問いかけですが、
肝臓は「沈黙の臓器」と言われるくらい、我慢強く、根をあげずに頑張ってくれています。症状が出る前に気づいてあげてください。症状がなくても定期的に血液検査を受けるようにしてください。
肝機能としての検査項目はおもに、AST(GOT)、ALT(GPT)、γ‐GTPがありますが、その中でもγ-GTPが、アルコールに相関しています。このγ-GTPが上昇している場合には、アルコールの量を控えるようにすることが大切です。すべての数値が上昇している場合には、肝機能の低下が疑われますので、アルコールは控えるようにすることが懸命かと思われます。健康指導や主治医とよく相談することをお勧めいたします。
アルコールの身体への影響
アルコールによる健康障害として、
- 急性アルコール中毒
- 肝臓病
- 膵臓病
- 循環器疾患
- メタボリックシンドローム
- うつ
- 自殺
- 認知症
- がん
- 歯科疾患
- 消化管への影響
- アルコール性肝炎と非アルコール脂肪性肝炎
- 痛風
- 糖尿病
- 高脂血症
- 胎児性アルコール症候群
ネット検索で「e-ヘルスネット」のサイトでこれだけの数の健康障害が検出されました。その数の多さに再認識です。内容の大まかな説明は、過去ブログ:「アルコールが原因の脂肪肝」でまとめています。
<アルコール性肝障害の経過>
1-3 身近な疾患「アディクション」アルコール依存症とは?
さまざまな場面で、「依存症(アディクション:嗜癖)」をケアや対象方法を含めて学びました。もともと私が学んだNLPは、なりたい自分になるための方法としてという考え方は基本になっています。さらに臨床心理学からも、科学的な背景に裏付けされた方法として学んできました。アディクション成立のメカニズムを知ると、誰にでもあり得ることなのだと理解されます。それほどに身近な疾患なのです。
【嗜癖:アディクションとは?】
医学用語を使わないと、「嗜癖:アディクション」となります。嗜癖(しへき)とは、「あるものを特に好き。好む癖」という意味です。ある対象に対してのめり込む行為や行動、はまり込むことを言います。そして、コントロール不全の状態となり、常識とされる範囲を逸脱した状態をいいます。
「ある対象」とは、「物質」「もの」「人」「行為」などとなります。さまざまな状況が考えられるのではないでしょうか。ちょっと前の薬物依存症として、元プロ野球選手の清原和博さんも話題にあがりました。そして今回のTOKIOの山口達也さんのアルコールですが、インターネット依存や、ゲーム依存なども最近多いとされます。
嗜癖は、自分にとって何らかのメリットが有るということです。その行為や行動が習慣化され、逸脱した状況を作りだし、メリットがデメリットになっているということが問題となっているのです。ストレス解消でお酒を飲むことも日常的によくあるのではないかと思います。私もはっきり言って酒好きの1人です。
依存症との差は、コントロール出来るか否かです。
【脳を乗っ取られている】
では、どうしてコントロール不全となってしまうのでしょうか?
ひと言でいうと「脳に与えられる報酬「ドーパミン」が欲しくて行動、行為を行ってしまう」ということです。脳内報酬系が作用しています。
ドーパミンは、食行動、性行動などの本能的行動の快感をもたらし、行動を持続し、種の保存を図ろうとする回路とされています。いわば本能的な「快」を求める行動につながってしまっている「脳疾患」が依存症なのです。言い換えると、誰にでも発症する可能性があるということになります。
【依存にはまるか?はまらないか?その違いは?】
報酬系への刺激がその人に対して「快」と感じられ、その快が得られないと渇望をもたらすことになります。その渇望の強さは、食行動、性行動などの本能的行動の時と、薬物を乱用した時の快は格段に異なり、薬物の場合は、本能的行動の数十倍も強くかつ、その渇望も大きいとされます。さらに個人差が加わるために、快の体験を得やすい人は、は確実に薬物依存にはまるということになります。
❍ドーパミン受容体の感度
人によりドーパミン受容体の感度「生理的機序」の違いがあきらかにされています。
依存性物質として、精神刺激薬メチルフェニデートに対する反応、感情体験がその違いをあきらかにしているとされています。ドーパミン受容体感度の低い人が「快」と感じる量では、感度の高い人は「不快」と感じるとされ感度のより低い人は、「快」も「不快」も感じないということです。
❍薬物や物質は、ドーパミン系とセロトニン系のパスウエイに関与している
依存症対象となる物質や薬物のほとんどが、ドーパミン系とセロトニン系のパスウエイに影響することが分かっているとされます。脳の中脳腹側被蓋野から側坐核を経て前頭前野に投射している中脳辺縁系ドーパミン回路は、脳内報酬系の中心であるとされています。
・やる気を出す「ドーパミン」
報酬系に刺激が加わると、ドーパミンが放出され、不安やイライラが解消され、この回路をドーパミン系とされます。ドーパミンは、「やる気を出す」脳内物質とされ、血圧上昇、血糖値上昇、戦闘準備をします。
・興奮抑制する「セロトニン」
一方、興奮を抑制する回路がセロトニン系とされ関与する物質がGABA神経系となります。セロトニンは、ドーパミンの過剰を抑え、冷静な判断を委ねます。
・コントロール出来る状態とは、この2つのバランス関係と
バランスが崩壊し、依存症の状態となると、不安やイライラなどのストレスを感じ、興奮を引き起こす回路が強まると、依存対象(アルコールや薬物など)と直結して思い出されることになります。
・脳は学習される、そして依存症へ
脳は、学習します。ストレス状態に耐えられなくなり、その苦痛状態から逃れるために、アルコールやニコチン(タバコ)、甘いものを食べるなどという行為で報酬が得られる、心地よい「快の状態」になれるのだと学習します。その一方では、抑制回路は弱まりセロトニン系は、ドーパミン系の暴走を阻止できなくなります。不安状態が継続されることで、キレることや暴力的な行動を引き起こすことになります。
報酬系の刺激は、アルコールやニコチン以外にも多くの状況でもたらされます。ギャンブル依存、ゲーム依存、インターネット依存、買い物依存など多くの状況で脳は同じ様な作用を招き、依存症が発症します。
❍依存薬物、物質として
アルコール、モルフィン、ニコチン、ヘロインなど多くの依存物質がこの部位のドーパミンレベルを上昇させることや、ドーパミン受容体拮抗薬が薬物の報酬効果の発現に影響を及ぼすことなどで説明される。
アルコール、ニコチン(タバコ)は、依存物質とされています
【乱用から依存へのステップ】
『やめられないのは、意志が弱いから、だから自分は大丈夫』
乱用とは。。。?
本来の目的とは、異なる目的や方法で使用し始める
依存症とは。。。? 「無いといられない」そして。。。量が増える
- 禁断症状が現れ、コントロールできない
- 有害だと分かっていても使う
- 他のことを犠牲にする
この3つで依存症とされます。(ICD-10 WHO,1990 より)
※乱用と依存症を科学的には区別できないために「物質使用障害」に統一されている(DSM-5 米国精神医学会2011 より)
※関連ブログ:「私は大丈夫だから...という過信は、通用しない?!」(喫煙を例にあげています)
2.アルコール依存症の特徴とは?
米国では、1950年代にはすでに「アルコール依存症は疾患である」と認識されています。
アルコール依存症の特徴をまとめておきたいと思います。身近な問題として受けとめていただければと思います。
【アルコール依存とは】
身体的、精神的にアルコールに対し依存し、飲酒が人生や生活の中で最も大切なことになってしまっている疾患、「喪失の病気」「否認の病気」「家族の病気」とも言われています。
❍喪失の病気
アルコールへの異常な執着からさまざまな物を失っていきます。
- 健康の喪失 :アルコールにより、心身が蝕まれる状態
- 仕事の喪失 :飲酒により職場への遅刻、欠勤、放棄、職を失う
- 関係性の喪失:問題飲酒から友人や同僚などを失う
- 命を失う
❍否認の病気 3つの否認
- アルコール依存の否認 :「社会からの脱落者」「だらしのない人」「脱落者」などのイメージへの否認
- 他ほどひどくは無いという否認:アルコール依存症でも「他人と比べてあれほどにひどくはない」
- アルコールも問題を否認 :「アルコールの問題がなければ、立派に生活できる人間だ」
自立できていない自分は、自分では無い、アルコールの問題は、たまたま抱えた問題なの知れないが、本来の自分では無い、受け入れられないことが大きな問題となっていることを「否認」する疾患だということです。問題となっている現状を受けいれることができない状態であり、否認を打破することが「依存症」への大きな課題となります。
❍家族の病気
- アルコール依存症は、必ず家族を巻き込むとされている
- 家族が病んでいるから他の家族も依存症となる。個人ではなく、家族で抱える疾患、問題として発生する
- 世代間連鎖する病気、アルコール依存症の親を持つ子は、アルコール依存症になりゃすいとされ、アルコール依存症の伴侶をもらいやすいという定説もあるとされる
【隠れアルコール依存症】
近年、女性や若者、高齢者にアルコール依存者が増加しているとされています。若い女性では、摂食障害を併発し、高齢者では、退職後の飲酒量が増えることで増加しているとされます。γ-GTPなどの異常値を指摘されていながらも改善しない場合などは予備軍とされています。
「自分は大丈夫だから」という否認をやめて、向き合うことが求められるのではないでしょうか。
【アルコールの急性作用】
アルコールの脳への作用を再掲しておきましょう。
アルコールは、正しくはエチルアルコール、またはエタノールのことです。エタノールは脳細胞の活動に強く抑制作用を持ちます。すなわち酩酊、酔っ払った状態です。これがアルコールの急性作用となります。
〔酔いの段階〕
- ほろ酔い:アルコールの抑制作用が大脳新皮質に限られている
- 酩酊 :アルコールの抑制作用が大脳辺縁系や小脳に及ぶ
- 泥酔 :アルコールの抑制作用が脳幹部に及び始める
- 昏睡 :アルコールの抑制作用が脳全体を覆う
1.ほろ酔い
大脳皮質に対するよく抑制が生じます。脳の表面 大脳新皮質は、理性的な判断をしています。脳の中心、輝度哀楽などの感情のような本能的な部分に対して抑制しています。アルコールはこの大脳新皮質に作用しますので、感情のままの発言や行動がみられたりすることがあります。好意的に理解すると、緊張がほぐされリラックスした状態ともいえ、社会的には許される範囲とされると考えられます。
2.酩酊
アルコールの影響が大脳新皮質を越え、大脳辺縁系まで抑制された状態です。激しい感情の表出、同じ言語を繰り返す、周囲の人絡むなどの影響が現れたりします。小脳にまで影響が及ぶために、呂律が回らない、千鳥足になるなどふらついて歩けなくなるような状態になります。アルコールが分解されて、アセトアルデヒドが生じ、そのため悪心や嘔吐を生じるという症状があらわれます。
3.泥酔
さらにアルコールを飲み続けると、抑制作用が大脳全体に及びます。脳幹部や脊髄にも影響が現れます。泥酔状態となります。この状態では、吐物で喉を詰まらせることも否定できません。放置することは危険ですので、周囲の人は見守る必要があります。
4.昏睡
脳幹部には、呼吸中枢、体温調節などの生命活動を司る中枢となります。アルコールによる抑制作用がさらに強くなることで、昏睡状態となり死に至ることもあります。痛覚刺激に対して反応がない場合は、救急搬送することが必要となります。
<アルコールの急性作用>
❍アルコール依存症とは?
こアルコールは、上記に示したように脳細胞を抑制し始めます。アルコールが身体に良いとされるのは、「1.ほろ酔い」までです。
アルコール依存症とは、心理的な依存をコントロールできなくなってしまう状態です。飲みたいという感情をコントロールができなくなる状態、この根底に「否認」という現象が存在しています。飲酒をしている状態を認めようとしない、飲酒をしていても自分は、他の人には迷惑をかけていないという否認です。そして、さらに身体的依存もあらわれます。アルコールなしでは身体的コントロールができなくなってしまうことです。手指振戦、けいれん、アルコール幻覚、振戦朦朧などの症状が現れます。
飲酒は、適量を守ることが大切です。自分の脳をきちんとコントロールできる状態で愉しむことが求められます。健康被害を招く前、悪習慣、依存症となる前にやめる選択をすることを心からお勧めいたします。
※関連ブログ 「健康阻害因子を知る必要性」
3.いつものお酒から実際に摂取される「アルコール」量とは?
缶チューハイ1本と思っても、倍ほどにアルコール量が異なるようなさまざまなものが売られています。実際のアルコール含有量として換算してみることも必要なのではないでしょうか。
【どれくらいのアルコール量になるのか?】
日常飲んでいるアルコール量がどれくらいになるのかが分かる計算式です。以前のブログで掲載したものを再掲しておきます。「e-ヘルスネット」より引用いたしました。のアルコール量の計算式というのを見つけました。
〔純アルコール量の計算〕
酒類のラベルに記載されているアルコール度数が記載されていますが、この度数は、体積パーセント(%)で示されています。アルコール度数5%のビールは、100ml中に、純アルコールが5ml含まれているという意味です。
アルコール度数500mlのロング缶ビールに含まれる純アルコール量は、
500ml(酒量)× 0.05(度数)× 0.8(比重)= 20g(純アルコール量)
と計算されます。
〔基準飲酒量(ドリンク)〕
日本では近年の基準飲酒量として、国際的な平均から見直され、
1ドリンク = 10g
この基準量が提案され使用されています。
〔各酒類の1ドリンク〕
基準飲酒量は、自分が飲んだアルコール相当量を把握でます。ついつい飲み過ぎる方へ、自分の健康を考え、参考にすることも身体への労りです。アルコールの場を楽しむことと飲酒量は相関しますか?
下記の表に「e-ヘルスネット」の表を見つけましたので、引用させていただきました。参考として1ドリンクに相当する酒量を確認されてみてください。上記で示した「飲み過ぎ危険100g量」は、この10倍量となります。
<酒類の1ドリンク量:アルコール=10g量> ※e-ヘルスネットより参考作成
今日のまとめ
- アルコールは、依存症を引き起こす薬物です
- アルコールは、肝機能障害を招き、多くの臓器に影響を及ぼし最悪、死に至らしめることもある
- アルコール依存症とは、自己コントロール不能、脳を乗っ取られた状態と同じ、否認を繰り返す
※引用サイト
アルコール含有量「e-ヘルスネット」 飲酒 e-ヘルスネット
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