JunchanのHealth attitude blogにご訪問ありがとうございます。医療スタッフのメンタルパートナー かたよし純子です♪ 今週は、皮膚が持つ五感のひとつ「触覚」を中心にまとめています。前回のブログでは、皮膚の機能から皮膚への感覚を伝える感覚受容器、感覚神経の脳への伝わり方をまとめていきました。今日は、皮膚が受け取る感覚を詳しく見ていきましょう。人はさまざまな情報として、身体を守るために皮膚からもさまざまな感覚を情報として受け取っています。その感覚の保つ意味を含めてそのメカニズムや必要性をまとめていきたいと思います。そして、皮膚感覚にも加齢による変化がみられます。プラスαでは、かゆみのメカニズムをまとめていきます。
1.触覚 皮膚感覚のメカニズムを理解する3ステップ
1-1 人の皮膚にあるの感覚点とは
1-2 痛みの種類を意識していますか?痛みのメカニズム
1-3 温かさと冷たさを感じる温度感覚
今日のプラスα
2.かゆみのメカニズム アトピー性皮膚炎を中心に
3.痛みに関するあれやこれ…ありますよね
生理検査アティテュード®からのメッセージ
・未知との遭遇、未知への探究心 ~肌身で感じる身体感覚~
1.触覚 皮膚感覚のメカニズムを理解する3ステップ
皮膚にある感覚受容器・感覚点の詳細をみていきましょう。
1-1 人の皮膚にある感覚点
前回のブログでは、皮膚の真皮にある、感覚受容器の種類をまとめていきました。この感覚受容器へ刺激を送る感覚点をまとめていきましょう。
◯皮膚が受け取る皮膚感覚
皮膚には、4つの感覚点が存在しています。
- 痛点:約100~200個/c㎡、組織の損傷を伝える、もっとも多く存在する感覚点
- 触点(触圧点):約25個/c㎡、何かが触ったという触覚や圧覚
- 冷点:約6~23個/c㎡、皮膚温度よりも低い16℃くらいまでの冷たい温度
- 温点:約0~3個/c㎡、皮膚温度よりも高い40℃くらいまでの温かい温度
<皮膚の感覚点>
◯皮膚感覚の必要性
ではこの皮膚感覚とは、人の身体にとってどのような意味合いがあるのでしょうか。
皮膚感覚とは、触覚、圧覚、痛覚、温度覚など主として皮膚に存在する受容細胞によって受け取られる外部情報です。身体の表面、皮膚などで知覚される認知情報を指し示し、深部感覚と合わせて体性感覚といわれています。
●受容細胞
人は、触ったり、触られたりという感覚を皮膚への圧力として認知しています。触覚は、「もの」に触れることで物体の形状を識別し、認識することで評価判断しています。この機能をもつ受容細胞が皮膚には数種類あります。前回でお伝えした感覚受容器です。
- マイスナー小体(Meissner):圧力や振動を感じる
- メルケル(Merkel)細胞 :持続的な圧力を感じる
- パチニ(Vater‐Pacini)小体 :より深層で圧力や速い振動を感じる
- ルフィニ(Ruffini)小体 :圧力や皮膚の伸び感じる
- 自由神経終末 :痛みや温かさ
触覚は、皮膚と皮膚に接する粘膜や、角膜や鼓膜などが受け取る感覚情報です。主として、圧力として情報を受け取り始めてから、反応しなくなるまでの時間がそれぞれ異なり、それぞれの細胞の特性があります。受け取る圧力の強さ、変化、振動などがある時のみに反応しています。刺激に対する順応が遅い細胞は、持続的な圧力の存在に反応するとされています。ひとつの皮膚感覚を受け取るにあたっても人の身体が、ものすごく繊細に作用していることが理解できます。
●独立した皮膚感覚
触覚は、身体の表面に接触するさまざまな物理的刺激に対する感覚です。触覚と圧覚として、触圧覚とされますが、振動感覚も含めた動き受容感覚とされ、温度感覚は、温覚と冷覚と識別され、痛覚を含め、触圧覚、温覚、冷覚、痛覚の4つの独立した感覚として認知しています。
さらに人が感じる「くすぐったい」「かゆみ」「しびれ」などの感覚は、この4つの感覚が複合したものとされています。
皮膚感覚の神経線維は、脊髄に入り2つの伝導路を介して大脳へ伝えられます。後索と前外側索とされ、後索は、触圧の刺激としての精密で空間的、時間的情報を伝え、前外側策は、局在性のよくない大まかな触圧覚と温覚、冷覚、痛覚を伝えとされています。大脳神経野では、身体部位と厳密に対応した場所が決められていることは前回「脳内の小人」としてお伝えしたとおりです。
1-2 痛みの種類を意識していますか?痛みのメカニズム
皮膚感覚点としていちばん多いのが痛覚です。他の感覚に比較して、1c㎡あたり100~200個と、飛び抜けて多く存在しています。
◯身体を守る痛覚
その理由は、おわかりかと思いますが、痛みを感じることで、さまざまな外界からの「危険」を察知し人は防御機能が働くことになります。身体への異常事態が生じたことを痛みから教えられているということになります。
●「痛覚」痛みとは?
痛みとは基本的に、組織の実質的もしくは潜在的な傷害につながる、不快な感情、情動体験と定義されています。詰まりは、身体を傷つける状態において、不快な感情が伴うものとされています。
同じ刺激を受けてもすごく痛く感じるときと、それほどの衝撃とは感じられないことがあるのではないでしょうか。刺激の強さだけではなく、その時の受ける側の状態により痛みの感じ方が大きく作用されるときがあります。痛みの感じ方は、不快な感情・情動によるということです。
痛みは、どの場所に、どれくらいの大きさの刺激があったのかという感覚とともに、「苦しさ・不快さ」の情動との2つの要素で成立する感覚です。
●ケガをしたときの情報は、視床と大脳辺縁系へ伝えられる
手にケガをした場合、その部分にあり神経からの痛覚情報が脊髄に伝えられます。脊髄から視床に刺激は送られ、大脳皮質に至ります。情報から、ケガの情報として場所やケガの程度を認識することになります。
これと同時にケガを受けた手からの情報は、感情を伝える経路を介して情報を司る大脳辺縁系へも送られます。大脳辺縁系では、過去の自分の情報と参照し、「不快さ」として認識されます。
痛みとは、主観的な感覚と、情動との双方からもたらさせることになります。
◯痛みの種類 痛覚神経への理解
痛みを伝える神経は、体内を縦横する神経です。神経は、大きく脳や脊髄などの中枢神経系、交感神経と副交感神経とされる自律神経系、そして末梢神経系の3つに分類されます。ここまでで、痛みの感じ方はさまざまだとお伝えしました。そして痛みには、大雑把にいうと、鋭い痛みと鈍い痛みとがあります。この痛みの違いはどうしておきるのでしょうか。
痛みを伝える末梢神経とされるものには「Aδ繊維」と「C繊維」2つの痛覚神経神があります。末梢神経は、繊維の太さによっていくつか種類がありますが、この2種類の痛覚神経は、神経線維の太さが異なり、伝わる速さが異なります。太いAδ繊維は鋭い痛みの刺激を伝え、細いC繊維は鈍い痛みの刺激を伝えます。
- Aδ繊維:鋭い痛み 一次痛 5~15m/s
- C繊維 :鈍い痛み 二次痛 0.5~1.5m/s
●痛覚神経 Aδ繊維とC繊維の伝わり方の特性
痛みの刺激が皮膚に与えられると、この2つの痛覚神経で痛みが伝えられます。始めの痛みは、Aδ繊維を介して局在性に、明確な鋭い痛みとして伝えられます。その後にC 繊維の伝達により、場所が不明確な、二次性のジンジンしたような痛みとして伝えられます。
この2種類の痛みを感じるのは、2つの神経線維の特性によって生じます。伝える速さも、感じ方も異なります。Aδ繊維の方がC繊維より伝導速度が速いため、受傷した瞬間に鋭い痛みとして伝えるのが、Aδ繊維とされます。身体に対して危険を察知させる本能的な危険回避のしくみかと思います。その後に、ジワジワとした遅いC繊維からの刺激が、軽度かつ持続的刺激として、痒みとしても伝えられるためです。(生理学的には痛みと痒みは同じ感覚とされたが、痒みは頭頂葉内側部の楔前部(けつぜんぶ)による独自のメカニズムとされています)
●一次痛と二次痛
針で刺されたような鋭い痛みは、一次痛としてAδ線維で伝えられます。これに対して、内臓、癌痛、歯痛などのような痛みは、二次痛としてC線維で脳に伝えられます。
内蔵には、Aδ繊維が少なく、C繊維が多いために腹痛などを招いても痛む場所がよくわからないことがあるのは、慢性的な刺激で、局所性に乏しいためと考えられます。しかしながら、慢性的な痛みは、このようなメカニズムで起きているということを考えれば、無視してはいけない重要な症状ということがわかるのではないでしょうか。
<痛覚神経>
◯慢性疼痛
痛みには、上記のメカニズムで説明が使いない痛みとして「慢性疼痛」があります。3ヶ月以上超えて持続的もしくは再発する、もしくは、急性組織損傷の回復後に症状が治まっても続く痛みとされます。その原因は、がんや関節炎、糖尿病などの慢性疾患、椎間板ヘルニア、靭帯断裂などの組織損傷や多くの原発性疼痛とされる神経障害性疼痛、線維筋痛症、慢性頭痛などがあげられています。
これらの慢性疼痛は、複雑な要因があるとされ、不明な点が多い痛みとされています。神経系に長期間持続する変化や、この変化により侵害する刺激が無くなっても持続する疼痛が発生していることや、回復した疾患による不快感が痛みとして感じられることもあるとされています。軽微な刺激に対しても心理的な要因により、持続性の疼痛として増幅されることもあるとされています。いわゆる臨床症状と合わない症状として見られることが多いとされています。
心理的な要因となるものには、生活環境や、精神的ストレスのリスクが多く見られ、さらに症状が悪化していくこともあり、うつを発症することもあるとされています。周囲の人のサポートなどにより、日常生活を見直してみることも必要となるのではないでしょうか。
1-3 温かさと冷たさを感じる温度感覚
最後に温度感覚を見ていきましょう
◯温度受容器
温度刺激を感じる受容器を温覚受容器といいますが、温かさに反応する温覚(温点)と、冷たさに反応する冷覚(冷点)とがあります。恒温動物では、皮膚に分布する自由神経終末と考えられています。クラウゼ小体が冷覚に関与し、ルフィニ小体が温覚に関与するとされ、冷覚のほうが温覚に比べて受容器の数が多く、より表面に近く分布しています。
温覚は、40℃くらいでもっとも温かさを感じるとされ、冷覚は25℃くらいで冷たさを感じることができます。45℃以上、10℃以下になると痛みとして、身体に危険が及んでいる可能性がある認識されることにより痛み刺激として送られるためです。
◯温覚(温点)はなぜ少ないのか
温覚は、4つの皮膚感覚の中で最も少ない感覚点となります。温覚点は、身体の部位によって分布する密度が大きく異なることが分かっています。
口唇や、まぶた、指先に多く、口唇には足裏の約6倍の温点があるとされています。温点がない部分もあるとされていますが、温かさを感じるには、広い面積が一度に刺激されることにより、複数の受容器が刺激を受け取ることが必要とされているようです。
◯温度感覚も老化する
人の細胞は老化する、皮膚感覚にも「加齢」が関係するということが分かっています。
身体の各部位での皮膚温度33℃を基準として、数秒単位で温度を変化させた時、どのくらいの皮膚温度変化で、感じることができるかという結果があります。身体の各部位で感じられる皮膚温度変化を年齢比較で示した結果から、つま先などで比較した数値では、18~28歳の群と、60歳以上とを比較すると、5倍の温度にならないと温かさを感じられないという結果が出ているとのことです。
●高齢になると冷覚の感受性が上がる
つま先がいちばん温度差が大きくみられる部位ですが、身体のそれぞれ部位で年齢による差があきらかに示されているそうです。加齢により身体のどの部位でも温覚よりも冷覚のほうが、感受性がよいとされています。つま先や下肢のほうが温度感覚が鈍いとされ、年齢による感度の低下も大きくなっているとのことです。
この温度感覚の差が理解できると、高齢者が加齢とともに手足の冷えを訴え、寒がる理由も理解できるのではないでしょうか。
2.かゆみのメカニズム アトピー性皮膚炎を中心に
人はかゆみに対して、すごくストレスを感じるのではないでしょうか? ではどうしてかゆみを感じるのでしょうか?
◯かゆみの正体とは
かゆみの定義として
「引っ掻きたくなるような不快な感覚」
とされます。このかゆみは。身体を守るための生体防衛反応とされています。人への注意喚起のサインとして、皮膚にかゆみを感じることで、異物の付着したことを知らせる反応とされます。そのため、掻くことによりその異物を取り除かせようとする反応だとされています。髪の毛に何かが触れても、無意識に手が出ることがあるのではないでしょうか。
●身体の異常を知らせるかゆみ
かゆみのメカニズムもまだまだわからないことが多くあるようです。最近では「吐き気ー吐く」しくみが、吐くことで異物を身体から排除する防衛反応として、「かゆみー掻く」という関係性との類似性があるとも考えられているとのことです。
かゆみは、身体の異常を知らせるサインとされ、痛みとは区別されています。かゆみが身体の防衛反応だと考えられることに対して、痛みは「回避行動」とされるからです。さらに、かゆみも痛みも、同じ脊髄視床路とされ、かゆみを感じる脳の部位も、痛みを感じる部位もほとんど同じとされていますが、かゆみの場合は、視床での反応がみられないことが分かってきたために、両者の感覚の違いが現在では示されています。
◯かゆみのメカニズム どうしてかゆくなるの
かゆみも痛みも同じ皮膚感覚です。以前考えられていた「かゆみは、痛みの神経が感じる弱い痛み」という考え方は、違う神経だとされています。痛みは、臓器でも感じる感覚ですが、かゆみは体内臓器で感じることはありません。
かゆみを伝える神経は、C線維とよばれる細く、伝導速度が遅い神経だとうことが分かってきました。そして、さらに最近では、伝導速度の速い神経であるA-線維の一部もかゆみに関わることが明らかにされてきたとのことです。
●掻くことでかゆみが和らぐのはどうしてか
かゆみを感じる神経末端は、皮膚の表皮と真皮の境界部近くにあります。体内で生じたアレルギー反応になどによってかゆみを起こす物質が放出されることにより、神経線維の末端がこれらの刺激を受けとり、脳へ情報が伝えられることにより、脳が「かゆみ」として認識しています。かゆみの刺激を受け取っている感覚受容器は、皮膚ですが、実際に「かゆみ」を認識し、感じているのは「脳」なのです。たとえば、かゆみを引き起こす物質としてヒスタミンがよく知られているようですが、ヒスタミンが神経に作用すると脳では「かゆい」と認識されます。
このかゆみの不快な感覚情報に対して、掻くことで拮抗する刺激を与えることになるからだとされています。掻くという行動により、かゆみよりも強い痛みの刺激を脳に認知させることにより、かゆみが感じられなくなるとされています。
●掻くとますますかゆみが増長されるその理由
かゆみと感じると、掻かずにはいられなくなり、かゆい場所を掻き続けてしまうこともあります。掻くことで、心地よく感じ、掻き続けると痛みが生じるために掻くことをやめますが、同時にかゆみも和らぎ、しつこく不快なかゆみから一時的に逃れることができます。
アトピー性皮膚炎の場合、慢性的なかゆみにより、掻いても掻いてもかゆいというようなことが起こります。この原因の一つに、前述した「痛みによる鎮痒の仕組みの異常」が関係していると考えられています。
●かゆみの悪循環
掻き過ぎると、皮膚を傷つけ、湿疹などのような皮膚トラブルを招くことがあります。さらに、わずかな刺激に対しても過敏な反応を招き、かゆみが起こりやすくなり。かゆみの悪循環となることがあります。
強く掻きすぎると、皮膚のバリア機能が破壊され、外部からの刺激や、異物に対する防御機能が低下してしまうことになります。体内から水分が奪われ、乾燥肌となってしまいます。バリア機能が低下した肌は、アレルギー反応を招くアレルギー物質が侵入しやすくなります。その他の外部刺激となる衣服が擦れるような刺激にもかゆみを発症する刺激となってしまうことになり、ますますかゆみ神経が刺激され悪循環となります。
かゆい部分を掻くことで、皮膚からサイトカインなどの炎症を促す物質が分泌され、皮膚の炎症が悪化してしまうことになり、かゆみも強くなります。
かゆい⇨かく⇨バリアの破損⇨肌の過敏な反応⇨炎症の悪化⇨かゆい
アトピー性皮膚炎の場合、普通の人ならば、痛みと感じる反応や熱感でも、脳がかゆみと認識してしまうことがあります。さまざまな刺激に対して過敏なかゆみと判断されあらゆる部分でのかゆみが発症してしまうことになります。
●かゆみへの対応
脳は、同時に2つの感情をもつことが困難とされています。かゆいときには、別のことに意識を集中させる工夫をし、悪循環を断つようにすることが大切です。使い捨てカイロなど熱感や、過度の冷たさも冷感に痛み加わるために、痒みが抑えられることもあるです。
◯ストレスとかゆみの関係性
ストレスによるかゆみは、一種の心身症とされています。ストレスを感じるとかゆみの症状が出ることがあります。
ストレスの脳への「刺激が脅威と感じるか否か?」さらに、「その脅威に対処出来るか否か?」この二段階で決まるとされています。このストレスがもたらす脅威に対して対処できないと感じた瞬間に、身体が反応すると言われています。
アトピー性皮膚炎の場合も多くのストレスを抱えている人が多いのではないでしょうか。皮膚症状などから疾患に対する不満や不安、周囲との関係性などもさまざまなストレスとなっていることも否定できないのではないでしょうか。些細なイライラによって、かゆみ症状を引き起こすこともあるようです。ストレスに対する対応力が低い場合ほどかゆみも強くなっているようです。
3.痛みに関するあれやこれ…ありますよね
病院勤務が長いと、痛みを訴える多くの人に出会います。そんな私の記憶のあれこれです。
◯痛みに強い人・痛みに弱い人、男女差
痛みに訴え方や、感じ方には個人差があります。その理由が、感情を伴う主観的な感覚のために同じ刺激に対しても個人差があることが理解できたのではないでしょうか。痛みはよく性差もあると言われます。一般的に女性は、痛みに対して感受性が強いとされ、痛みに強いともよくいわれます。その理由としてあげられるのが、女性は生理痛などの痛みを日常から経験することが多く、痛みに馴染んでいるからだと言われています。出産でも陣痛として経験されている方もいるのではないでしょうか。痛みに耐えられないようでは、子どもを出産することは大変なことになってしまいます。
一方男性は、痛みにあまり慣れていないことや、文化的な背景から既成のものとしてある価値観「男は強くあるべき」だという思い込みです。女性は、生まれながらに男性よりも身体能力は低い傾向として生まれてきているために、痛みに対する感受性が高く、身を守れるように生まれてきているというように進化してきたともされています。
●ときどきいます、採血の時
病院などで採血を行う場面は、痛みに対するさまざまな反応を見て取れるワンシーンであります。針先をジッと長め、刺される腕を注視している人、アルコール消毒をしているときから、顔を横にそむけてうつむき、ジッと災難を回避しようとするような様子の人などなど…採血時の人の反応もさまざまです。
ときどき、やはり気分が悪くなり、貧血を起こされる方もいます。横になって採血される方もいらっしゃいます。座る以前にさまざまな牽制球を投げ込むかのように、さまざまな要求をしてくる方も…笑でも、確かに採血のうまい人、残念ながらそうでもない方はいます。とすると、その事による痛みは大きく違うのかもしれませんね。
◯痛みが視覚化される検査でみる痛みの反応
神経伝導速度という検査があります。この中の感覚神経が伝わる速さを調べる、感覚神経伝導速度(SCV:sensory nerve conduction velocity )という検査があります。神経に対して刺激を加えていく検査です。神経を刺激してその神経の反応を波形に表します。感覚神経の場合、数十回刺激を加え、その刺激から得られる波形を加算していきます。あまり刺激し続けると人は防衛反応として、刺激を認識しなくなります。はっきり言って痛みが伴う検査のために私が好きではない検査です。
冷たい冷水に手をずっと入れ続けていると、冷たさを感じなくなることがあるのではないでしょうか。刺激を受け続けると反応しなくなる、疲労やストレスも同じです。痛みを感じているのは、脳です。
注射を嫌がる子どもに、どのように対応していますか?
病院では、日常的に小さな子どもに対してさまざまな検査を行うために、採血や出血時間を行わなければならないことがよくあります。そんな場面で「そんなに痛くないから我慢しとうね」とかお母さま方は、「我慢したら〇〇を買ってあげる」いうようなことを言われていませんか。
痛くないというのはウソになります。私は、必ず、針が刺さるから、痛いことをこれから行うことを必ず伝えます。そして、すごく痛い注射と、ほんのちょっと我慢できるくらいの痛い注射と、どっちか選んでください。と伝えます。子ども本人の意思で選んでもらいます。子どもは、自分が選んだのだからということを意識するために思いの外すんなりと行うことができます。すごく痛い場所と、すごく痛い場所を避けてという、選ばせ方でも良いかも知れません。
お子様の自主性を小さいときから育てるためにもいかがでしょうか?
◯失った臓器の痛み 足の痛みの記憶 ~幻肢痛~
痛みが記憶されているということを経験されることありませんか?
内視鏡などの検査が苦手な方は、以前すごく苦しい思いをしたことがある、今では少なくなりましたが、歯科治療で痛い思いをしたことがあるなどはよく聞きますが、大きなケガや、疾病による場合の痛みは、刺激が中枢神経に記憶されている場合があります。痛みが中枢神経に感作されているために、脳や脊髄が刺激を受けることにより、実際に痛みを起こす刺激がな状態にもかかわらず、脳が常に痛みを感じ続けるということが起きます。
ケガや疾患が治った後でも、あたかもまだ引き続き症状が起こっているかのように痛みを感じ続けてしまうということが起こります。糖尿病の合併症に多い、足の壊疽により足の切断後に、失った足の痛みに悩まされるということを聞かれたことがあるのではないでしょうか。この場合も、痛みの記憶と考えられています。足のみではなく、乳房や、陰茎、内蔵などさまざまな失った臓器が痛みを訴えることがあるのです。明確なメカニズムはまだ分かっていないようですが、途絶された末梢神経による異常だとされ、脳・脊髄のネットワーク異常とかさまざまなことが考えられているようです。
失われた臓器・仲間に対する脳の悲しみのようにも私には、感じられます。
私自身、10年以上も前のことですが、右手の小指の先、5mmくらい切断したことがあるのですが、触っただけで嫌な痛みがいまだに生じます。痛みは、思っている以上に奥が深そうです。
生理検査アティテュード®からのメッセージ
未知との遭遇、未知への探究心
2回にわけて、皮膚の機能、五感のうちの「触覚」をまとめてきました。
◯まだまだある知られざる未知
現在では、皮膚感覚受容器は、自由神経終末、被覆性神経終末、非被覆性神経終末の3種類に大別されているとの見方もあるようです。まだまだこの分野も未知の事柄も多いようです。人の身体には、まだまだわからないことがあり、今もまだ多くの「未知」があるようです。
最近「アレルギー」に対する興味関心がある方に多く出会うことがあります。このアレルギーもまだまだわからないことが多くあるとされ、今なお研究され続けている分野です。疾患のこと、検査のことも医療関連の分野も例外なく、日進月歩の分野であることを痛感しています。常に最新のことにアンテナを立てていても掴みきれないことがさまざま生じてきます。
◯積極的な学会参加に刺激を受ける
先週末、日本超音波医学会の関東甲信越地方会が開催され、日程が合ったために参加することが出来ました。最新情報、最新の診断装置の情報は、やはり学会に参加することで多くの刺激を受けます。超音波検査に対する動向もキャッチすることができます。
同類項(おかしな表現ですがスミマセン)の人たちとの空間に身おくことで、感じることが出来る感覚があります。感覚=エネルギーとして、無意識に的に人は何かを受け取っています。そしてそのエネルギー感は、日常に還元されていると私は思っています。
◯人が人に与える影響力 ~肌身で感じる身体感覚~
その良い例としてお伝えできるのは、自分が尊敬する人、メンターのような存在に値する人に出会った時、感じる影響力としてエネルギーを受け取っているのではないでしょうか。自己の感情が「うわぁ!嬉しい」「信じられない!」「めちゃめちゃ興奮する!!」このようなことばに変換されるような、「ことばに出来ない感情・身体感覚」です。言い換えると「身の毛が立つようなある種の興奮」とも言えるのではないでしょうか。
同じ空気を味わえること、味わうことが大切であり、その後の人の行動に影響することもよくあることだと私は思っています。あの日、あの瞬間に何かが変わった、そんな偶然的な必然です。その間隔は、皮膚からも情報として何らかの影響を、「肌身で感じる身体感覚」として受けとっていると私は思っています。
◯モヤモヤ感からスッキリ感へつながる「霊的な健康」
曖昧な世界は、どこにでもあると私は思っています。先日聞いた最先端の救急医療の医師の講演の中で、健康の定義、このHealth attitude blogでも健康の定義を上げていますが、「霊的な健康」と言うことばがWHOの中にあるということを示され、その「霊的」いうことばの説明として「モヤモヤした感覚」のことだと、に最後にことばを締めくくられていました。
肌身で感じる感覚の中にモヤモヤ感が含まれていないでしょうか?そのことを意識してみると、行動に変化が現れることもあると私は思っています。
毎日の生活の中で、やりたいけれど、出来ていないという、自分からの「宿題」に目を向けることも必要なことが見えてくることにつながると私は思っています。
この「霊的な健康」をぜひうけとめてみませんか?
私の中で、久々の超音波医学会への参加は、「霊的な健康」に寄与し、多くのヒントが得られてた貴重な時間となりました。感謝♡
世界保健機関は、1999年の総会で健康の定義として改定を提案された原文
健康とは身体的・精神的・霊的・社会的に完全に良好な動的状態であり、たんに病気あるいは虚弱でないことではない。
原文はHealth is a dynamic state of complete physical, mental, spiritual and social well-being and not merely the absence of disease or infirmityPure Medical attitude
生理検査アティテュード®
Junko Katayoshi
今日のまとめ
- 皮膚感覚には、痛覚・触圧覚・冷覚・温覚の4つがあり、防衛反応として痛覚がもっとも多い
- 痛みを伝える神経線維は、2種類あり、痛みの感じ方も伝わり方もそれぞれ異なる
- 冷覚も温覚も身体の場所により密度が異なり、加齢による変化がある
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本日の情報引用サイト
- 皮膚感覚 コトバンク
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Pure Medical attitude
生理検査アティテュード®
代表 かたよし純子 Junchan♪ ※自己紹介はこちらから
臨床検査技師/超音波検査士/健康管理士一般指導員/健康管理能力検定1級/介護予防運動指導員/米国NLP協会認定NLPトレーナー/臨床心理学 基礎エキスパート取得
THINK YOUR LIFE -ミドルエイジとともに-side by side-
共同代表 Junko Katayoshi
今日も最後までありがとうございました。
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