JunchanのHealth attitude blogにご訪問ありがとうございます。医療スタッフのメンタルパートナー かたよし純子です♪ 今週のテーマにすごく悩みました。毎日のように報道される、子どもへの虐待報道、アルバイト店員の迷惑行動のSNSへの投稿、見たくない、聞きたくないことばかりだが、情報社会の現代では、このようなブラック情報とどう向き合うのか、そんなことにここ数日、意識が向いています。今週2回でどのような内容になるのかは、現時点では不透明です。私が今までに学んできたことから何か形にできたらと思っています。初回は、人の心の発達と人格形成に関わる影響を通してまとめていきたいと思います。

1. 発達と人格形成 理解への3ステップ

1-1 人の心の成長時期の理解:五感が育つ時の理解

1-2 人格形成、そして自己観の発達への理解

1-3 どうして生じる人の中のブラックな感情形成への理解

今日のプラスα

2.人が持つ錯覚

3.コントロール出来るのは、自分だけ

生理検査アティテュード®からのメッセージ

・事実は覚えていないけど、無意識の感覚は?

 

1. 発達と人格形成 理解への3ステップ

昨年9月、乳幼児の心の発達に関して、昨年秋に「ママたちへのメッセージ」としてまとめています。その中でも心の発達に強く関係する「愛着:アタッチメント」に関して詳細をまとめた1週間としています。

※関連ブログ「乳児の心発達 アタッチメント」「子どもの人格となる愛着の個性」「乳児のコミュニケーション力の発達

1-1 人の心の成長時期とは:五感が育つ時

今回はそのポイントと、このアタッチメントが形成されるといわれている時期に受けたとも考えられる、人格形成の影響を中心にまとめていきたいとおもいます。

❍自分の事として「初めて」を考えてみること

このブログをお読みいただいている方は、成人・大人と言われる年齢の方々かと思います。初めてのことを行う時、初めての人に会わなければならない時、その行動に対してどんな感情があるのでしょうか。ワクワクと楽しみだと感じるのでしょうか。それともすごく緊張して、ドキドキしている、不安、失敗しないだろうか、うまく話が出来るだろうかそんなネガティブな感情とが混在していることもあるのではないでしょうか。

私は、初めての場所、人に会うときすごく緊張し、不安な感情を持っていた時期があります。さすがに今ではそのような場面を経験することは、好奇心の方が勝り、少なくなりましたが、その場所に一抹の恐れにも似た不安感もが全く無いとは言い切れません。

「初期体験」の不安を感じること、感じたことが誰にでもあるのではないでしょうか。

●初めての「人」の気持

私が、いちばんお伝えしたいことは、自分の事として考えて対応・行動して欲しい、あたり前のことだけれど、

『乳児にとっては、すべてが初めてのことです』

大人になった今でも、初めてのことに対してどのような気持ちになるのか、そして、過去に経験してきた、さまざまな初めての経験が、今の自分自身にどのような感情をもたらしているのか、ということを客観的に考えてみていただけたらと思います。

そして、乳児にとっては、すべてが初めての初期体験だということに気づいていますか。そして、人の発達において、人生の後々まで強い影響を与える時期であるということを知って戴けたらと思います。

❍脳の形成、生まれてすぐの乳児にも心があります

脳・神経系は、胎生期の初期とされる、妊娠3~8週の胎芽期から心臓などの器官とともにいちばんはじめに作られます。妊娠6週ですでに、味も感じる細胞、味蕾が形成されと言われています。妊娠8週、つまり、つわりなどが自覚され始める妊娠2ヶ月頃には、脳などの人としての器官形成が行われている非常に大切な時期だともいえるのと同時に、それより以前には、妊娠に対して子どもが欲しいと願う女性は、身体の状態を整えておくことが大切だともいえます。妊娠しても身体が胎児を育てるために適切な環境となっていない場合は、流産のリスクも上がるということを理解しておくことも必要なのでは無いかと考えられるからです。

下記に人の発達過程を簡単に記しました。

人の発達過程
  • ①胎生期 受精後 約38週
    • 卵体期(0~2週 着床)
    • 胎芽期(3~8週 各器官が作られる)器官形成期
    • 胎児期(9週~出生)

※胎生期は、受精した瞬間から胎齢とされ、約38週ですが、妊娠期間は、最終月経から数えるために40週とされます。

  • ②乳児期 :誕生から1歳半頃まで  基本的信頼の獲得 言語の獲得、
  • ③幼児期 :1歳半ごろ~6歳
  • ④児童期 :6歳ごろ~12歳 小学校 社会的ルール
  • ⑤青年期 :12歳ごろ~20歳(30歳) 第二次性徴期、身体の変化、思春期
  • ⑥成人初期:20歳~30歳代
  • ⑦成人期 :30代半ば~60代半ば 責任が増す、育成、ライフサイクルの変更
  • ⑧老年期 :喪失ばかりではなく獲得(結晶化知能)もある

人の場合は、幼児期に望ましくない環境に育ったとしても、その後の環境で変化することが出来るともいわれています。しかし、その変化を促すことは、発達早期ほど、効果が大きいのも事実だとされ、幼児期に安定した環境で育つほどのちの人格形成にもよいとされています。だからこそ、社会的な支援、関与が求められるのではないでしょうか。

❍聴覚器官の形成

聴覚器官とされる耳の形成は、妊娠12~16週頃から始まります。

●母親の声を聞きながら胎児は、成長している

その後20週頃からは音を聞き分けていると言われています。32週頃には、耳の機能が完成するといわれています。胎内で母親の心音や血液が流れる音をしっかりと聞きながら成長しています。5ヶ月になると、体外の音を聞き分けることが出来るようになり、その音に反応してお腹の中で動く用になり、母親は胎動として感じられるようになります。

●お母さん、赤ちゃんは、あなたの声を聞いていますよ有毛細胞の周波数の担当

胎児は、高音がよく聞こえるといわれています。音を認識する蝸牛のいちばん外側が、高周波をキャッチする有毛細胞です。若者に聞こえるとされる「モスキート音」17KHz前後の超高周波音のことをいいます。蚊の羽音のようなキーンという不快な音です。胎児もこの高周波の音がよく聞こえているようです。胎内には、羊水がありますので、はっきりと音が聞こえるわけでは無いとされていますが、女性の声や子どもの高音に反応することされています。

妊娠後期には、胎児の成長とともに、母体の腹部も大きくなるため腹壁が薄くなるために、外部の音も伝わりやすくなるといわれています。父親よりも母親の高い声の方が聞きとりやすく、骨からも音は伝わりますので、当然母親の声は、骨導から聞き取りやすいとされます。お父さんがお腹の中の子どもに話しかけるときは、少し高音が良いのかもしれませんね(^^)

●胎児は、母親の心臓の鼓動を感じています

母親の声を常に聞いているとともに、心音も当然聞いています。そして、母親が音楽を聞くことなど、α波を聞くことによるリラックス効果は、その感覚も胎児に伝わるとされています。リラックスしている状態では、心拍も緩やかになります。胎児は、その母親の心音を聞いているわけですから、母親の心が安らいでいることも当然伝わるということが理解できるのではないでしょうか。これがα波が胎教に良いといわれる理由です。

逆に、興奮状態、血圧が上昇することや、交感神経優位で、心拍が亢進する緊張状態は、胎児にもその緊張が伝わってしまいます。妊娠中に気をつけたいこと、気をつけなければならないことが理解されるのではないでしょうか。

※関連ブログ「耳・聞こえのトラブル」「耳に伝わる音の特性

その他、胎生期初期からさまざまな器官が形成されています。明暗も識別出来る機能も持っています。神経・脳の形成も早期に行われ、母親を通して すでにさまざまな人間としてのコミュニケーションを行っているとも考えられるのではないでしょうか。

このようなことが理解できるのならば、人が生まれる前からの時期を、いかに大切にしなければならないのかということを考えることが出来るのではないでしょうか。

 

1-2 人格形成、そして自己観の発達への理解

胎生期に器官形成され人間として生まれてきているわけですから、当然さまざまなコミュニケーションを行うための認知機能を新生児もすでに持っています。

❍親の性格を受け継いでいるから仕方ない?

見た目、外見が親子で似てくるのは、遺伝子上理解できるのかと思います。では、性格も似ているところがあると感じられることがあるのはどうしてなのでしょうか。

さまざまな研究から、心の発達は、ごく早期から主に母親との関係性のなかで、情動の次元に関連して相互作用で形成されていることが分かっています。人格形成・性格は、遺伝と環境とのそれぞれが関係しあうと考えられています。誰とどのような環境下で育ってきたのかということです。そして、今では、遺伝的な要因は、約50%にとどまるとされ、その後の個人の主体的選択によりどのような環境で生活するのかということの方が人格形成に大き区関与していると言われています。

ということは、今の自分を変えたいと思うことがあれば、変えることが出来るのだと私は思っています。

❍人は模倣で学習している

人は真似をしながら、学習している。「門前の小僧習わぬ経を読む」ということわざのごとく、多くの成功者は、うまくいった方法を模倣して学習しているとも言います。

●乳児の学習にみる人の成長への原点

新生児が成長していく過程の中で、生まれながらに人の顔に反応し注視し、音に対しても人の声に特異的に反応するという行動を示しています。自分の周囲の人に対して、さまざまな習得行動をするように生まれてきているとも言えます。

〔新生児模倣:乳児の心理的特徴〕

新生児模倣は、行動に対して共鳴能力を持ち、本能的に無意識に行われていることがすごいところで、ようで、この行動が親と子どものとの交流の基盤となります。子どもの行動は、物を見る時の注視時間よりも、人の顔を注視する時間のほうが長く、ちゃんと人の顔として認識しているということが知られています。声に対しても人の声をちゃんと聞き分けることが出来ていることが知られています。は、周囲の人たちとの関わりの中で形成されていきます。乳児は、人の顔ちゃんと認識していますこの模倣行動もちゃんと記憶されていてイメージの発達的な起源であるといわれています。

そして、生まれてごく初期にはすでに、乳児の親との相互交流で情動行動が行われているということになります。この時期のその子どもの心の発達に親との関係性がいかに大切だということが、理解できるのではないでしょうか。

〔表情模倣〕

この模倣行動も母親や養育者といっしょのほうが起こしやすいとされています。よく見るのが、表情模倣といわれる、大人が舌を出すことや、口パクすると真似をするということあるのではないでしょうか。さらに、リズミカルに話しかけると、リズム的に呼応しあい、合わせるかのように手足を動かしくくれるのもこの模倣行動です。

〔循環模倣:生後6ヶ月〕

子どもが行った行動を親が真似ると、子どもが再度、真似るという循環的な模倣行動が見られます

❍攻撃的な行動も模倣(モデリング)される

問題なのは、子どもが暴力的な行動を見たときにもこの模倣行動が起きてしまうということです。発達心理学を学ぶ中では必ずでくる実験の中に「バンデューラの攻撃行動の模倣実験」が出てきます。すなわち、他者の攻撃行動観察することによって、同じような攻撃行動が模倣され促進されるという実験です。

この行動は、実際の人が行う行動観察のみならず、アニメでみた映像でもモデリングされるということが実験されています。幼少期に見せる映像にも周囲の大人が注意することが大切だということを示しているともいえます。

❍乳幼児時期の「自己」の認識

以前にの上げた、乳幼児精神医学の第1人者 スターンの考え方です。生まれてすぐの乳児の持つ認知機能の有能性を示し、乳幼児の発達過程とされます。ここまでお伝えしたように、新生児であっても認知機能をしっかりと持ち、自分の意思で外界とのコミュニケーションを選択的に行っていると考えられます。

●自己感発達の過程
①新生自己感 生後2ヶ月まで

乳児は、生まれながらにして、周囲の出来事に対して選択的に自己を組織化している。子どもの持つ支配的な自己感、自分の中のネットワーク構成をしていくために大切な時期です。生まれ持った五感を使い、自分と外界との連携を構成しているとされる時期です。

②中核自己感 2~6ヶ月

「わたし」という自己認識が生まれる。母親を別の人間だと認識し、自分自身の意思で行動する発動性、情動、時間的連続性の感覚、他の人との境界をもって区別された独立している身体を自分がもっているという感覚を持つ。

③主観的自己感 7~15ヶ月

他者の情動を理解して、対応しようとする、さらに情動のやり取りする能力を持ち、情動交流が始まります。自分の意思で行う行動体験が、周囲の人と共通することが出来るという情動調律の学習、周囲の人との間で、自分の世界を作って行くことに力を注ぐ。自分という認識が成される。

子どもが楽しいという気持ちを感じているときに、母親がその感情に共感すると、子どもは母親が共感してくれていることを理解し、さらに母親への情動的な同調を引き起そうとして、より子どもの情動の強まりが明確化されます。

④言語的自己感 15ヶ月過ぎ

抽象的な遊び、言語の使用が可能。自分自身を客観的な存在としても受け入れ、言語という新しい手段を得ることで、周囲の人たちと相互に意味を交流し、共有出来るという感覚を持つ。自己の願望を伝えることが出来るようになります。

自己観の発達過程

<自己観の発達過程>

❍個性の育まれ方

個性は、段階的に上記のような図式で発育していくとスターンにより考えられていると学びました。双子のきょうだいでも、育てられた環境によって個性が異なることが知られているように、さまざまな体験を通して人は新たな能力を身に積み重ねています。そして、その能力は、前段階の能力もその先の生涯に関係し、機能し続けるとされます。

人は、胎内にいる時からすでにさまざまな機能を持つことが、今では知られていますが、その発達の仕方にも個人差があります。

 

1-3 どうして生じる、人の中のブラックな感情形成

上記のように6ヶ月を過ぎると「自分」というものを育てていくために、他の人との関わりを持つことが非常に重要な役割をもっているということが理解できるかともいます。

ここで大切なのが、以前にもお伝えしていますが、心の発達の基盤となる「アタッチメント:愛着」です。

❍人の心の発達に重要なアタッチメント:愛着理論

アタッチメント:愛着理論とは、心理学者であり精神分析学者のジョン・ボウルビィによって確立されました。

愛着理論:アタッチメントとは?

人と人との親密さを表現しようとする愛着行動についての理論とされます。

「子どもの発達過程において、社会的・精神的発達を正常に発育するために、1人以上の養育者との親密な関係を維持しなければならない。その関係性がなければ、子どもは心理的・社会的な問題を抱えるようになる」

※引用サイト「愛着理論」Wikipediaより

乳児は、強い不安や恐れを感じると、特定の人に近づき、それを維持しようとする行動をとると言われます。このように、アタッチメントとは、危機や不安がを感じる状況の中で、特定の対象に近づくことにより、不安を和らげることができる、保護してもらえると信じることができるという感覚です。

❍誰に対してアタッチメント行動を取るのか?

アタッチメント行動を取ると考えられる相手は、身近な存在、すなわち、おもに母親とされる養育者に対して向けられるものとされます。しかし、生まれてから、成長していく過程の中でその対象となる人は、徐々に明確になっていくと考えられています。

このアタッチメント行動は、乳児が生まれた直後から、周囲の人の関心を引きつけようとする行動の中にみることができます。その主アタッチメント行動には、

  • じっと人の顔を見る
  • 人の声のする方へ顔を向ける
  • 手を伸ばす

子どもは、お腹が空いたり、オムツが濡れたりなど、不快な感覚生じると、泣くことで周囲の人の関心を引こうと行動し、不快な状態を回避しようとするようになります。

●月齢とともに変化するアタッチメントの対象者

このアタッチメントの行動が対象者に対して行われるプロセスには、日常的な母親や養育者の乳児への養育行動が大きな意味を持ち、関わっていると考えられます。乳児は、周囲からの日常的な養育がなければ、この最低限の生理的欲求が満たされず、生きていくことができないからです。

乳児のアタッチメント行動は、この生理的欲求に基づいています。人は、生まれてくる時に、生存することができない不十分な状態で誕生してきます。自分が生きていくための必要な行動、「人間の関心を引きつける」ような行動を取ることで、人の手をかけてもらうことにより、不快さや、不安な感情が減り、快い感覚や安心感が増すことができます。

この繰り返し行動が多い対象者がアタッチメントの対象者となります。何らかの事情で、母親に養育してもらうこと出来ない場合は、父親や別の養育者が対象者となります。

マズローの5段階欲求 「アブラハブ・マズロー心理学」マズローの5段階欲求

高次の欲求から

  • 自己実現の欲求 :Self-actualization
  • 承認(尊重)の欲求: Esteem
  • 社会的欲求 / 所属と愛の欲求 :Social needs / Love and belonging
  • 安全の欲求:Safety needs
  • 生理的欲求:Physiological needs

生理的欲求とは、人間の基本的欲求で、生命維持ためには必ず必要とされる「睡眠」「食欲」「排泄」がこれにあたります。

※引用「アブラハブ・マズロー」心理学 Wikipedia

●生理的欲求が満たされれば良い?!

この乳児の「快ー不快」という感情が満たされればよいのでしょうか?

人の発達とは、身体の発達だけに限局してるわけではありません。心も当然、健やかな発達を求める行動を行っています。生後間もない乳児も人の顔をジッと見ることや、声のする方向に顔を向けるというような行動を起こします。人は、本質的に周囲の人に対して希求性があり、誰かとの相互作用を求め、楽しむという、生まれながらの性質を持っているとされています。周囲の人とのコミュニケーションを求める行動として、無意識的に人の顔を見たり、向けたりという行動を行うとされています。希求性とは、願い求める欲求です。

❍心の形成からみたアタッチメントの重要性アタッチメント:愛着理論

人の発達において、このアタッチメント行動はどのような働きを持っているのでしょうか。乳児の心理的特徴として、好奇心や探究心が強いということがあげられます。それは、未熟な状態で生まれてくるという、人間として特性です。

乳児にとっては見るものすべてが新奇なものであろうとなかろうと、まったく分からない初めてだという状況なのだということです。

●新たなものに対する子どもの状況判断の基準

乳児において、近づいてきたものが、安全なのかどうなのかを判断するという、知識も経験ももちろん、まったくありません。そのために新たなものや状況への対応は、母親の表情を見たり、側に戻ったりという「問い合わせ行動」を起こします。母親に対するアタッチメント機能につながる行動となります。

❍母親は安心の基地でなければならない

子どもは、周囲の動作や行動を真似てものを覚えていくということをお伝えしました。この模倣行動も母親や養育者といっしょのほうが起こしやすいとされています。母親の声は、胎内でずっと聞き慣れているから当然の行動です。子どもの成長の中で、安定したアタッチメントが育成され、アタッチメントの対象が決められると、子どもの中で形成されるものが2つあるとされています。

●子どもの発達を支えるリソース、アタッチメントで形成されるもの
  1. ソーシャル・コンピテンス

    自分から他の人へのアプローチを行うための能力や適性、積極的態度などの自信につながる行動形成のことをいいます。自分がして欲しているという状況を知って貰うための行動です。お腹が空いている、オムツが濡れて気持ちが悪いなどの不快感を伝え、自分に対して適切な対応を受けたいと思います。この望みに対して、適切な方向に向かっているという感覚が持てないと自分の行動に自信が持てなくなり、行動を起こさなくなります。

  2. 母親との関係で形成される、他者に対する「基本的信頼感」

    養育者との信頼関係の形成です。ソーシャル・コンピテンスが自信であることに対して、自分が働きかければ、養育者は自分のために自分の望みを叶えてくれる方向にと事態を動かしてくれるという、養育者への信頼感です。

●アタッチメント理論の重要性

この「ソーシャル・コンピテンス」「基本的信頼感」の2点が、母親(養育者)以外の人間関係を形成していくための基盤となります。アタッチメントの発達段階と個人差があきらかにされています。乳児期に形成されたアタッチメント表象は、その先の生涯に影響し、自己理解や他者との人間関係の形成に重要な役割を果たすことが知られています。

アタッチメント形成において、この2つの形成がうまく成されないとその後の人格形成に大きく影響するということがわかっています。そして、この愛着行動は、成長とともに2、3歳の幼児期になるとに減少してくるといわれています。

幼児期に入ると母親と離れる時間も増えて、子ども自身の自立心が芽生え、周囲からの期待にも答えようという認識も出てきます。表象能力(イメージする力)も発達し、不安状況にも、頭に中のやり取りで耐えられる力がついてきます。母親が目前にいなくても、母親とのやり取りを頭の中でおこなうことで、情緒的安定が得られるようになりますが、満たされないという感情がそのまま残されることになります。

●内的ワーキングモデル(Internal Working Model:by Bowlby)

このようにアタッチメントに基づいた行動は内在化され、心の中に取り込まれます。この取り込まれたアタッチメント行動は、内面化され人間関係に関与する認知的な枠組みとして形成されます。アタッチメントに基づく行動は心の中に取り込まれます。幼児期以降のアタッチメントに基づく行動傾向として見られることになり、個性の違い、個人差として、この内的ワーキングモデルの違いとしてみられることになります。

●アタッチメントの発達段階

ボウルビィのアタッチメントの発達段階は、成長過程により、4段階に分けられています。詳細は、以前のブログ「乳児の心発達 アタッチメント」をご参照ください。

❍アタッチメントの個人差

アタッチメントは、母親(養育者)の対応に大きく影響します。乳児の不安や危機的状況に、母親がどのように対応するかにより、乳児の内的表象に大きな違いが生じることがあります。その方法は。ストレンジ・シチュエーション法がありますが、4つのタイプに分類されます。詳細は、過去のブログ「子どもの人格となる愛着の個性」をご参照ください。

下記の表の安定型Bタイプ以外は、何らかの問題を抱えているということが伺われます。

アタッチメントの4つのタイプ

<アタッチメントの4つのタイプ>

❍繰り返される悲劇

どのような幼少期を過ごしてきたかということが、潜在意識に残っているということもあるのかと考えられます。Dタイプの子どもは、他のタイプに分類され無いものを無秩序・無方向型のD型タイプとしていますが、このDタイプの子どもは、Dタイプの母親・養育者に育てられたとされます。

●幼少期に見た模倣行動

バンデューラの虐待行動を見た子どもが、同じ行動を行うということを、お伝えしましたが、自分がされていたことを我が子に行っているのでしょうか。

どこかでアタッチメントの修正を行うことが必要です。早ければ早いほどその変化が現れやすいとも言われています。気づいた周囲の人々の「人の心」が必要です。アタッチメントの再形成を行うことが必要なのだと考えます。

 

2.コントロール出来るのは、自分だけ

「うちの子は、何度言い聞かせてもいう事を聞かない」

こんなことをよく親は思ったり、言ったりしていませんか。私もそう思っていました。特に、息子は、絶対にいう事聞くわけがない、ダメだと諦めならも 言っていた経験があります(笑)

でも、それがあたりまえ、正常な反応

子どもは、1人の人間です。自我というものがあるのですから、理屈なしに上から抑え込もうとしても、理解し、納得できなければ行動には移さないのではないでしょうか。むしろ自我をしっかりと持っていると評価してあげるべき行動ともいえます。

❍子どもの人格

他の人を自分の思うように行動させようしてもそれは叶いません。大切にしていること、規準は人それぞれです。自分が正しいと思っていることでも、他の人はそう思ってはいないこともよくあることです。

思いも考えていることも全て違います。そして何が正しいのかの判断も、個人によって異なり、それが自分の子どもでも同じです。子どもは、命を受けた時から、1人の人間としてこの世に誕生してきています。そして、親とは遺伝子も半分は異なります。母親、もしくは父親とも半分は遺伝子が異なり、育った環境も異なり、社会の中で関係する人々も異なります。

●子どもは親のものではありません

子どもには、子どもの世界があります。考えていることも、感じていることも異なるということをわかっていそうでわかっていないのが親かも知れません。子どものことを思ってさまざまな行動を親はしていることでしょう。だから親の言いつけを守るのが当然だと言いたくもなるのかも知れません。でも子どもを自由にすることはできないのです。

❍成人するまでの親の役割

しかし、親には扶養の義務があります。あたりまえのように、子どもを産むだけで放棄することができないのです。育児放棄は罪に問われます。親となった時から、子どもを養育する義務が親にはあります。

育児放棄によりさまざまな傷害を与えると、法的に保護責任を問われます。障害とは、殴るなどの外傷だけに問われません。身体の生理的機能を障害すること、つまりは、栄養失調なども傷害罪となります。

●養育と従わせることの違い

養育と従わせることを同じではありません。子どもをコントロールすることはできません。胎内で受精した瞬間から別の個体として育っているのです。

子どもには、子どもの人格があり、個性があります。性格も異なり、行動も異なるのがあたりまえだということです。

 

3.人の誕生、生きているのはやはり奇跡

子どもが欲しくて妊活を頑張る方も多くいるということ聞くことがあります。

❍人が生まれるということ

胎生期の人格のところで、少し触れましたが、妊娠、出産ということを受精卵は、精子と卵子で合うことで誕生します。

●受精することも偶然の出来事

受精も極めてわずかなタイミングで行われています。精子は、約2~3日、卵子は排卵後、約8時間という寿命です。その間に精子が卵子と出会うことができなければ受精することはできません。1回の射精で数千万から2億ともいわれる数の精子ですが、その中で卵子に入り込めるのはたった1個の精子です。そして、受精卵となっても子宮にうまく着床することができないと、妊娠は成立しません。着床後も、10~15%は、流産する可能性が残ります。

この数値をどう受けとめますか。このような難関をかいくぐって人間の誕生が成されます。そして、妊娠したことを喜んでも、出産までもさまざまな困難な場面が多々あります。

●妊娠中も多くの難関

昨年から注意喚起が促されている、風疹も脅威の1つです。妊娠初期の器官形成時期に、妊婦が風疹に感染すると、胎盤を介して、胎児も風疹に感染することで、先天性風疹症候群を発症する危険性があります。

胎児は、胎盤から栄養を受け取り成長していきます。胎盤の機能には、胎児を有害物質から守る機能もありますが、風疹ウイルスのように有害なものを通過させてしまうこともあります。胎児の発育に影響するものを催奇性物質:テラトゲンといいますが、薬物やアルコール、タバコなどは胎児に過大な影響を及ぼす物質だとされています。

妊娠を計画されている方は、妊娠が気づく前から大きく関係しますので、特に注意が必要です。

胎児への影響 テラトゲン

<胎児への影響 テラトゲン>

 

生理検査アティテュード®からのメッセージ

・事実は覚えていないけど、無意識の感覚は?

 

私自身も2人の子どもがいる母親です。2人とも成人していますが、妊娠中や子どもの頃のことは覚えています。でも、子どもたち自身は、自分の0~3歳頃の記憶を明確に、意識的にはおそらく思い出すことは困難かと思います。

人の記憶は、おおよそ4歳くらいから意識されると言われています。では、3歳以前の記憶は、消失してしまっているのでしょうか。

記憶に関しては、先日も第一人者の教授の講演を聴講する機会を得ましたが、未だに多くのことがわかっていないとされています。そして、記憶の書き換えも、改ざんも出来るとされています。記憶の書き換えは、さておき、では、3歳までの記憶はどうなっているのでしょうか?

❍胎内記憶

ことばを覚えた幼児が、自分がお腹の中にいた時に聞いたことを話すという、「胎内記憶」ということを聞かれこともある方がいるのかと思います。2~3歳くらいまでにお腹の中で聞いたことを聞くと話してくれると言われます。聴覚は、妊娠32週:8ヶ月頃には完成していると言われています。だから妊婦の風疹感染対策が必要とされるのですが、聴覚機能があるのならば、母親の声はもちろんのこと、両親や身近な人の声は常に聞いていることになります。

●親の興味関心が受け継がれる

そう考えてみると、働く母親の職業に対して、子どもが無意識に興味関心を持つのは、理にかなっているとも言えます。常勤で働く妊婦の母親が、産前まで母親の職場でいっしょに過ごしているわけですから、その状況での母親の声や感情を当然いっしょに体験しているということですよね。

●いつもつぶやいていた

子どもを妊娠中、よくつぶやいていました。「あなたはどんなことがあっても私が守るよ」そんなことばを子どもたちはきっと覚えていないのでしょう。でも、気持ちは伝わっていると私は信じています。

それは、密かな親の希望でもあるのかも知れませんが...笑

はじめてに、ブラックな感情は要らない...

もうすぐ、新年度となり多くの「初期体験」出会いの季節でもあります。

春4月は、「DOKIDOKI・WAKUWAKU」の季節でもあります。笑顔の出会いと体験を多くの人に迎えて欲しいと心から願います。

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生理検査アティテュード®

Junko Katayoshi

 

今日のまとめ

  • 誰でも初めてのことには不安なのでは?乳児には、すべてが初めての体験です
  • 人の認知機能は胎生期から行われている
  • 乳児期のアタッチメント形成が人格にも大きく影響している

 

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生理検査アティテュード®

代表 かたよし純子 Junchan♪  ※自己紹介はこちらから

臨床検査技師/超音波検査士/健康管理士一般指導員/健康管理能力検定1級/介護予防運動指導員/米国NLP協会認定NLPトレーナー/臨床心理学 基礎エキスパート取得

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