JunchanのHealth attitude blogにご訪問ありがとうございます。医療スタッフのメンタルパートナー かたよし純子です♪ 先々週から症状を意識して疾患をまとめています。今回取り上げる症状は、「頻尿」です。トイレ問題に困る人、思った以上に多いように感じています。今年3月に尿トラブルを扱い、何気に反響が有ったテーマでした。寒くなり冷えからトイレが近くなるという方も多いのではないでしょうか。頻尿にはさまざまな原因があります。尿量が増えても、膀胱に溜められる尿量は限られていますので、排尿回数が増えても頻尿の症状としてあらわれます。そして、夜間就寝時に何度もトイレに起きるとも生活の質に関わる大きな問題となります。

 

1. トイレ問題から脱出…頻尿へ対策へのポイント3つ

1-1 頻尿の原因といわれる疾患とは?

1-2 頻尿のプロセスの再確認

1-3 地味に効果がある頻尿対策

今日のプラスα

2.夜中にトイレに起きることありませんか?夜間頻尿

3.膀胱のアンチエイジング

生理検査アティテュード®からのメッセージ

・他人事ではない、尿トラブル

 

1. 3つのポイント

人の排尿、1日の正常な状態では、1回300~400mlくらいの量を、4~6回くらいで排尿しています。頻尿は蓄尿障害の1つとされます。

1-1 頻尿の原因といわれる疾患とは?  

頻尿とは、「尿が近い」「尿の回数が多い」という症状のことをいいます。

頻尿とは?

一般的には、日中覚醒時の排尿回数が8回以上

夜間頻尿は、夜間就眠中2回以上

そして

8回以下でも排尿回数が多いと感じる場合

❍1日8回以上で「頻尿」なの?頻尿の定義

一般的な回数を上記に示しましたが、頻尿といわれる症状には、個人差があるとされます。単に排尿回数では決められないとのことです。人によって、1日の排尿回数はさまざまなため、1日の排尿回数では判断できないとされています。

●頻尿の感じ方の個人差

そのため、頻尿とするか否かは、本人の感じ方となります。8回以下の排尿回数であっても、自分自身で排尿回数が多いと感じる場合は頻尿とされます。逆に、8回以上でも気になっていない場合は、治療対象にはならないそうです。

❍頻尿の感じ方は人それぞれ、原因も人それぞれ

頻尿の原因にもさまざまあります。1回の尿量が少ない状態、つまり尿意を感じて排尿してもあまりたまって今井状態、回数のみが多いものと、1回の排尿量は正常なのにも関わらず、何度もトイレに行く状態、つまり1日の尿量が増えている場合とに大きく分けられます。

尿量が増える場合の原因としては、生活習慣が原因となっていることもあります。尿量が正常で、尿意が関係しても、それ以外が原因でも、疾患による原因が考えられる場合には対応が必要となります。

❍頻尿の原因分類

疾患による原因には、尿路系疾患とそれ以外の内分泌やその他の疾患とに分けられます。

《尿路系疾患が原因となる頻尿》
  • 過活動膀胱
  • 膀胱支配神経の障害:膀胱炎:神経因性膀胱
  • 骨盤底筋の機能低下
  • 前立腺肥大
  • 膀胱刺激症状:膀胱がんなどの腫瘍性疾患
  • 膀胱容量の減少:萎縮膀胱(膀胱結核、間質性膀胱炎、放射線性膀胱炎、膀胱癌浸潤など)
《その他の疾患が原因となる頻尿》
  • 尿崩症
  • 糖尿病
  • 原発性アルドステロン症
  • 心因性ストレス
《疾患以外が原因となる頻尿》
  • 水分摂取過剰
  • 薬剤性利尿剤
  • カフェイン・アルコールなど利尿作用のある物質の過剰摂取
  • ストレス状態

ざっくりと私なりに分類してみましたが、それぞれが関連している部分もあります。自分の状態がどの部分に関係するのかを考え、気になる原因の場合は、医療機関へ受診して適切な指示を受けることをお勧めいたします。

頻尿の原因

<頻尿の原因>

❍頻尿原因となる気になる疾患 ~過活動膀胱と神経因性膀胱~

《過活動膀胱》

過活動膀胱とは、尿意切迫感を中心とする症候群です。過活動膀胱の概念

「尿意切迫感」「切迫性尿失禁」「頻尿」この3つの症状を総称して過活動膀胱と呼ばれています。

※関連ブログ「今週は、気になる過去ブログの振り返りその1「尿もれ」

過活動膀胱とは、切迫性尿失禁の有無に関わらず、通常頻尿および夜間頻尿を伴う尿意切迫感で、感染やその他のあきらかな病的状態は除外するとされます。

●過活動膀胱の症状
  • 尿意切迫感 :急激な尿意が起こり、我慢できない
  • 頻尿    :頻回な排尿、日中8回以上、夜間頻尿(夜中に何度も起きる)
  • 切迫性尿失禁:トイレまで我慢できない

過活動膀胱は、女性も、男性も多くの人に見られる頻度の高い疾患だとされています。

膀胱に尿が十分に溜まっていないのに、自己コントロール不能、膀胱が自分の意思とは関係なく、勝手に収縮するという状態です。急に尿がしたくなって我慢ができず(尿意切迫感)トイレに何回も行く「頻尿」の状態になります。尿意切迫感(急激な尿意)があり、頻尿は、常に『トイレ』が頭から離れない状態となり、外出することを控えてしまうなど、生活の質「QOL」に関わる深刻な問題です。でも、なかなか人に相談できない切迫性尿失禁をともなう疾患なのではないでしょうか。

●過活動膀胱の原因

過活動膀胱は、突発的な場合が多いようですが、脳と膀胱の神経伝達の異常とされます。以前のブログでまとめた自律神経が関係しています。膀胱が過敏に反応することで膀胱の筋肉が、意思に反して収縮、縮小してしまうことにより、あまり尿がたまっていないにも関わらず「トイレに行きたい!」という強い尿意を感じることになります。

脳卒中、パーキンソン病などの脳や脊髄疾患のため、膀胱コントロールが効かなくなる、また加齢による老化現象や、あきらかな基礎疾患がない場合も少なくないようです。ストレスによる交感神経の緊張が、膀胱に異常収縮をもたらし、縮小、過活動膀胱を引き起こすこともあります。慢性膀胱炎や前立腺炎、前立腺肥大症による排尿障害による膀胱過敏状態となることも要因としてあげられ、自律神経などの神経の障害、骨盤底筋力の低下、生活習慣やメタボリック症候群による血管の老化も原因とされます。しかしながら、基礎疾患がみられない、あきらかな原因がわからないということも少なくない疾患です。

●尿路感染による知覚神経刺激による頻尿

膀胱炎や前立腺炎などの尿路感染症の場合は、膀胱の知覚神経が刺激されることで頻尿となります。尿とともに細菌を体外に排出することも身体からみれば自らを守る目的となると思います。

〔男性に多い過活動膀胱の原因〕

男性では、前立腺肥大症の場合です。排尿しにくいという状態が、膀胱に過度な負担をかけ、膀胱壁の血流障害を引き起こすことで筋肉の興奮を招くことにより過敏な反応を引き起こし、過活動膀胱につながるようです。

〔女性に多い過活動膀胱の原因〕

女性では、出産や加齢により、子宮、尿道、膀胱を支える骨盤底筋が傷つくことで、筋力が低下し、排尿機能が上手く機能しなくなることで過活動膀胱を発症することが多いようです。

《神経因性膀胱》

神経因性膀胱は、中枢および末梢神経障害による排尿障害の総称となります。

●神経因性膀胱の原因

神経系の先天性疾患または後天性疾患があげられ、もっとも多くみられるのが、外傷性脊髄損傷と、そのほか脳血管障害、脳腫瘍、糖尿病性神経障害、多発性硬化症、パーキンソン病などがあげられます。骨盤内手術(子宮・直腸広汎摘出術)など)による末梢神経の損傷でも発症します。

●神経因性膀胱の自覚症状

神経因性膀胱の自覚症状としては、今までふつうに排尿出来ていたことが、自分の意思で排尿が出来なくなるという症状があらわれます。大脳、脳幹、脊髄、末梢神経の障害を受けた場所や障害の程度により、人によりさまざまな症状となるようです。排尿困難による残尿、それにともなう尿路感染症や尿路結石、膀胱尿管逆流などが長期間となると、腎機能低下をきたすこともあるとされ注意が必要です。

❍その他の原因

膀胱にためることが出来る尿量は限られています。1日の尿量が増えると、当然尿の回数が増加することになります。その原因となるものに、糖尿病や尿崩症などの疾患、ただ単に水分摂取量のことや、カフェイン、利尿作用のある薬剤のこともあります。

●糖尿病、多飲・多尿による頻尿

糖尿病の症状として、高血糖症状を示す「多尿、多飲」があります。先日の糖尿病の症状のところでもまとめましたが、血中の高血糖状態を解消しようと尿とともにブドウ糖を排泄しよう身体のホメオスタシス(恒常性)が機能します。体内の水分が不足しますので、喉が乾く状態です。当然排尿回数も増加します。

※関連ブログ「高血糖症状」糖尿病の症状とは?」

●抗利尿ホルモン:バソプレッシン (ADH)作用不全による多飲・多尿による頻尿

抗利尿ホルモンが正常に作用しないことにより、尿崩症という状態が生じ、多尿となることがあります。

※関連サイト「尿崩症」Wikipedia

その他、糖尿病や尿崩症という状態以外でも、過剰な水分摂取を行うことで当然排尿量は増加します。

●薬剤点滴による頻尿

点滴で補液された時、トイレが近くなることを経験された方もいるのではないでしょうか。身体の水分が正常な状態ならば余分な水分は血液中に排泄されるわけですから当然、トイレが近くなります。膀胱にためられる量は限られていますので、回数も増えます。

 

1-2 頻尿のプロセスの再確認

以前のブログでお伝えしましたが、簡単に頻尿に関係する部分を中心にプロセスを確認しておきましょう。

❍尿が排泄されるしくみ

尿道括約筋と膀胱頸部がしっかりと閉じていることで膀胱に尿がためる状態を維持しています。

  • 尿をためている状態:尿道括約筋が閉まり、交感神経優位
  • 尿を排泄する状態 :膀胱を収縮させ、筋肉は緩む、副交感神経優位
●トイレに行きたい「尿意」という感覚は、中枢神経系支配

膀胱に尿がたまると尿意を感じます。この状態では、副交感神経を介して、脊髄、脳幹、大脳へと膀胱の状態を感覚として伝えられているからです。でも、日常では、尿意を感じてすぐに排尿できる状態では無いことがほとんどです。すぐに排尿という行動にならないのも中枢神経系が関与しています。

人はこの機能を生後1歳半くらいで獲得すると言われています。赤ちゃんのトイレトレーニングを始めるタイミングは、この頃といえます。

●尿を排泄するという行動の神経支配

排尿時は、我慢している状態をやめて腹圧を高め(軽くいきむ)排尿という行動になります。その結果、脊髄の神経の反射がおこり、副交感神経が優位となり、同時に膀胱は収縮を始め、膀胱括約筋を緊張さていた交感神経が低下し、排尿が促されることになります。

❍排尿コントロールも自律神経が関係している

自律神経が排尿にも関わっていることが理解できたでしょうか。緊張状態になると、トイレに行きたくなるということも自律神経は関係しています。

●尿路系の神経障害も排尿に関与

膀胱や尿道括約筋の周囲にある末梢神経系、脊髄などの中枢神経系の障害を受けると、尿をためる機能や、排尿が上手く出来ないという状況を招き、尿失禁、頻尿、排尿困難などのさまざまな排尿障害が起きることになります。自律神経バランスは、脊髄と脳幹も関わっているとされます。尿をためられる尿量(閾値)には個人差があります。正常に排尿が機能するためには、これらの自律神経、随意神経がバランスよく機能していることが必要です。

●排尿行為に関係するさまざまな神経と筋肉

そしてさらに、尿路系の筋肉が正常に機能していなければなりません。膀胱に尿がたまることで膀胱内圧が上昇し、膀胱壁が刺激され、脊髄神経から脳幹の排尿中枢へと伝えら尿意として知覚されます。そして、膀胱括約筋、この筋力の低下が排尿にも関与しています。膀胱内圧の上昇に耐える筋力が必要となるからです。

大脳で排尿を決めると、その刺激は膀胱の排尿筋(平滑筋)を収縮させ、それとともに、不随意筋となる内尿道括約筋を弛緩させ、さらに随意筋である外尿道括約筋を弛緩させ、腹圧をかけることにより排尿されることになります。排尿に関しては、尿道括約筋は、随意神経支配となっているため、通常では排尿するという意思が起きるまでは収縮し、排尿を我慢するという収縮行動につながります。グッと我慢できる強い筋力が必要になるということです。

排尿の意思が定まることで、運動皮質内の隨意神経の刺激により排尿されることになります。正常な排尿とは、この膀胱収縮と尿道括約筋の弛緩が協調された時に促されることになります。これ以外にも、前頭葉の排尿中枢も排尿制御に関与しているとされています。排尿に関しては、これらのいずれかに損傷や機能障害が生じると尿失禁や、尿閉(閉尿できなくなる状態)を引き起こすことになります。

●トータルで考えたい頻尿対策

これらの正常な排尿機能に加え、排尿するという意欲を含む、正常な認知機能、トイレへの移動、歩行さらに、手を使うという行動も必要となります。

次の項目で、骨盤底筋を鍛える方法を再掲しておきましょう。 ※関連ブログ「悩ましい排尿トラブル

排尿のメカニズム

<排尿のメカニズム>

 

1-3 地味に効果がある頻尿対策 

頻尿対策を今までのブログでもまとめてきましたが、再掲します。地味ですけれど「継続は力なり」です。人は筋肉を使うように生まれてきています。使われない筋力は、低下します。知ったときから、やらないよりは、やったほうが良いと私は考えます。

❍骨盤底筋トレーニング

「トイレに行きたい」という、尿意切迫感に対して効果があると言われているのが、骨盤底筋トレーニングです。

骨盤底筋とは骨盤内臓器を支える筋肉ですが、尿道の開閉もこの筋肉を使います。腹圧性尿失禁には、骨盤底筋トレーニングが効果あり、筋肉を鍛えることで腹圧性尿失禁の改善がみられます。持続的の行うことが大切で、症状が改善しても続けることが望まれます。切迫性尿失禁の場合でも、漏れそうになったとき尿意を我慢するためには効果があります。

骨盤底筋群

<骨盤底筋群>

〔トレーニング方法〕
  • 必ず、骨盤底筋をイメージしながら行います。
  • 5秒間、肛門や尿道、膣だけをグッと強くしめます。
  • 次いでゆっくりゆるめます。倍のスピード10秒くらいかけて緩めます。
  • 1日50~60回行います。1度には出来ないこともありますので、毎日20回くらいずつ、朝、昼、夕、寝る前などと考えればよいと思います。

最初は5秒間、ぐっとしめておくことが困難かと思いまが、継続することが大切です。持続的に行うことで徐々に効果が現れます。筋肉は使わないと衰えていきます。出産経験がある女性は習慣化することが勧められ、継続しなければ効果は得られません。また、ヨガなどで筋肉を動かすことも効果があるようです。

❍膀胱訓練

切迫性尿失禁は、頻尿を伴なうことが多いとされています。頻尿の状態では、膀胱が小さくなっている可能性が大きく、膀胱を広げるための訓練が効果的とされています。

膀胱は、伸縮する袋状となっています。早め早めのトイレ習慣が、膀胱の尿をためられる容量を少なくしてしまっていることがあります。尿意をある程度我慢する習慣で、膀胱の容量が拡大され、尿をためることが出来る量を増やすことが出来ます。トイレが近いと思う方はぜひやってみることをお勧めいたします。

〔膀胱訓練の方法〕
  • 尿意は波のように、強まったり弱まったりするように感じられます。
  • 尿意をできるだけ我慢するようにします。
  • 何度目かの尿意で、落ちついた所で急がずに、我慢しながらトイレに行くようにします。
  • 尿意を我慢することを繰り返すことで、膀胱に尿をためられる量が増えていきます。
  • 初めは、5分くらいから、徐々に10分、15分と時間を延長していきます。
  • 1回の尿量が300ml前後(200~400ml)くらいを目安として続けてみてください。
  • 3時間の排尿間隔が取れるようになることが、自己コントロール出来ていることの目安になります。

1日の水分摂取を1200ml~1600ml程度とり、排尿間隔を開けていくようにしていくことも必要です。

尿意を我慢するためには、骨盤底筋も鍛える必要があります。骨盤底筋トレーニングを同時に行うことをお勧めいたします。尿道と肛門をしめ、女性は膣、男性は尿道を締めたり、緩めたりを行います。

❍なかなか効果はでませんが…!

骨盤底筋トレーニングの膀胱訓練も、6~8週間で効果が現れるとされています。目に見えてよくなるという方法ではありません。地味に努力することがいちばん大切だとされます。

最初は5秒間、締めておくことが困難かもしれませんが、継続することが大切です。イメージをすること、持続的に行うことで徐々に効果が必ず現れます。筋肉は使わないとどんどん衰えていきます。出産経験がある女性は、出産回数も影響します。習慣化することが勧められ、1日~2日では、ダメです。継続しなければ効果は得られません。

●イメージは大切です

実際に排尿しているときを思い浮かべ、途中で排尿をグッと止めるというイメージも効果があります。実際に排尿時に行ってみることも、止める感覚を体験するために効果があり、お勧めいたします。

継続は力なりです。筋力トレーニングですから、持続的に行うことが大切で、症状が改善しても習慣的に続けることが望まれます。尿意を感じてトイレに行きたくなっても我慢する訓練、膀胱訓練も有効です。我慢する時間を徐々に伸ばしていくことで適切な排尿間隔に戻して行く方法です。

骨盤底筋トレーニングと膀胱訓練を合わせて行うと効果的です。

❍最後に知っておいて欲しい「頻尿の悪循環」

切迫性尿失禁の場合、尿意を感じると尿もれなど「失敗するのでは…」その気持から早めにトイレに行ってしまうという行動を無意識におこなっていることもありませんか?「◯◯する前にトイレに行こう」という習慣です。

●少ない尿量での排尿することの影響

このような、頻回の排尿を繰り返すことで、膀胱が小さくなってしまい、尿がためられないという状況に陥ることも少なくありません。少ない尿量で排尿繰り返すことの弊害もあることをご存知でしょうか?

尿中にはさまざまな老廃物とともに、細菌類も含まれています。1回の排尿量が少ないと、膀胱内の細菌を排除しきれずに、細菌の増殖から、膀胱炎になりやすいということも起こります。

頻回に排尿を繰り返すことでこのような悪循環を招いてしまうことがあるということを知って欲しいと思います。

❍骨盤底筋訓練では効果が得られない場合

薬物療法やホルモン補充療法、TVT手術(下垂した尿道を引き上げる)などの適応となります。

脳、脊髄疾患などに対して、頻尿治療の薬剤が有効とされ、膀胱を過敏にさせている原因に対する治療が効果的とされています。お近くの泌尿器科で相談することをお勧めいたします。

 

2.夜中にトイレに起きることありませんか?夜間頻尿 

夜間頻尿は、夜、就寝中に排尿のため起きなければならない状態とされています。

❍日常影響する夜間頻尿

その回数が2回以上になると、十分な睡眠をとることができなくなり、生活の質 QOL にも関わることになり、日常生活にも影響を及ぼすことになります。夜間の排尿回数が2回以上になると、治療対象となることが多いとされています。

●多くの人にみられる夜間頻尿

排尿に関係することは、なかなか周囲に相談しにくい問題なのかと思われます。そして、40歳以上の男女で、夜間頻尿の症状を持つ人が相当数いると報告されています。歳を重ねるほど、その数の増加が見られます。

❍夜間頻尿の原因

  1. 夜間多尿
  2. 膀胱蓄尿障害:機能的膀胱容量の減少
  3. 睡眠障害
  4. 加齢による現象

おもに、この4項目となります。

1.多尿・夜間多尿

正常な人の1日の尿量は、1500ml 前後です。通常この1日の尿量が3000ml以上を多尿とされます。

  • 多尿:1日の尿量 3000ml以上
  • 乏尿:1日の尿量 400ml/day未満
  • 無尿:1日の尿量 100ml/day以下
《夜間多尿》

ここで問題になるのが、夜間多尿です。

夜間多尿とは、夜間就寝中の尿量が多い状態のことをいいます。多尿による夜間多尿とは、尿量が多くなっていることが原因で、夜間に何度もトイレに起きることになる状態をいいます。朝起床時の尿量も含めた夜間の尿量が、1日の尿量の1/3以上となっている状態です。膀胱容量の減少、睡眠障害に分けられます。多尿による夜間頻尿は尿量が多くなるために、夜間トイレに何度も起きることになります。

《多尿の原因》

多尿となる主な原因として、水分過剰摂取、尿崩症、糖尿病があげられます。

  • 過剰な水分摂取:心因性多飲
  • 心臓や腎機能の低下
  • 抗利尿ホルモンの分泌量低下による尿産生の増加
  • アルコール・カフェイン摂取
  • 高血圧、心臓病などの薬剤の副反応としての口渇
  • 脳腫瘍などの中枢性障害による口渇
2.膀胱畜尿障害

膀胱畜尿障害とは、膀胱に十分に尿をためられない状態をいいます。

前立腺肥大症:前立腺が肥大することにより、膀胱を圧迫することによる膀胱機能障害がもたらされ、膀胱容量が減少してしまうことや、排尿障害による残尿量の増加などが原因となります。

過活動膀胱 :上記で説明した、尿意切迫感による強い尿意を主訴とする状態

間質性膀胱炎:頻尿、尿意亢進、尿意切迫感、膀胱痛などの症状を呈する疾患

前立腺炎、膀胱炎など、膀胱が過敏に反応するような状態でも起こります。

3.睡眠障害

睡眠障害が原因となる場合、日常生活の中で睡眠障害の原因となるようなことを排除することが大切です。眠りの質が尿意につながることがあります。運動不足や長時間の昼寝などにより夜眠れなくなることも少なくありません。

特に高齢者の場合、加齢とともに夜間頻尿の頻度が増すとされています。不眠をきたすことで、QOL(生活の質)の低下が懸念されます。高齢者は睡眠が浅いということを指摘されます。覚醒しやすいために、夜間頻尿になっている場合もあります。睡眠以外の夜間頻尿の原因が無い場合、睡眠が浅いために起こっていることもあるということです。睡眠時無呼吸症候群がある場合にも、睡眠障害が指摘されます。

※睡眠時無呼吸症候群 関連ブログ「喉頭の炎症性疾患と喉の腫瘍性疾患

4.老化現象

夜間頻尿は、膀胱の老化現象だとされることもあり、基礎疾患となる原因がはっきりとしないものも多くあります。

❍夜間排尿の状態を知るための排尿日誌

夜間頻尿は、このようなさまざまな原因があげられます。適切な対応をするためには、原因を知ることが必要となってきます。そのために排尿日誌を記録することで、夜間頻尿の原因がわかることもあります。

  • 朝起床時から翌朝まで24時間の排尿時刻を記録
  • 毎回の排尿量を記録する
  • 排尿量は、目盛り付きのコップを用いる

◯夜間頻尿への対処

他の原因となるような基礎疾患の有無を確認することが大切で、その疾患への薬剤がある場合には内容を確認する必要があります。さらに、水分やアルコールなどの摂取状態などの確認評価も大切なこととなります。夜間頻尿の原因が、何らかの疾患が原因となる場合は、その基礎疾患への対応が必要となります。水分の摂りすぎで頻尿になっていることもありますので、その場合には、水分を控えることが必要となります。

●過活動膀胱への対応
  • 過活動膀胱 :膀胱の収縮を抑える薬剤(抗コリン薬など)が処方されます。
  • 睡眠障害  :環境の整備、生活リズムの改善が重要です。場合により睡眠薬が用いられこともあります
  • 水分摂取過剰:水分摂取を控える
  • 前立腺肥大症:前立腺肥大症への内服、前立腺肥大症の手術も考勧められます。

原因がはっきりしない場合は、泌尿器科の受診が勧められます。

※「夜間頻尿」日本泌尿器科学会

 

3.膀胱のアンチエイジング

尿路系にも加齢現象があります。尿管には大きな変化は見られないとされますが、膀胱と尿道には、多少の変化があるとされています。

❍膀胱にみられる加齢変化

  • 膀胱の蓄尿量の減少
  • 尿意を感じてから限界まで堪える力の低下
  • 尿意を感じてから排尿を我慢する能力も低下
  • 膀胱から尿道への流れが遅くなる
  • 膀胱の不随意な自然収縮が散発的に発生する回数が増加から尿失禁
  • 排尿後の残尿量の増加
  • 排尿回数の増加による、尿路感染症のリスク増加
●女性の膀胱加齢現象

女性の場合は、尿道の粘膜が薄くなり短くなります。この変化は、尿道括約筋の機能低下を招くことになり、しっかりと尿道を閉じることが難しい状態になることがあり、尿失禁を起こすことがあります。この変化は、更年期以降、女性ホルモン、エストロゲンの低下が影響しているとのことです。

●男性の膀胱加齢現象

男性の場合は、加齢とともに前立腺肥大症を認める人が多くなります。その結果、排尿障害、排尿困難という症状がみられることがあります。排尿障害が進むと、尿が排泄出来ない、閉尿という状態になることもあります。尿閉に対して適切に対応しないと、障害は腎臓にまで及ぶこともあります。

❍加齢とともに増加する症状

40歳を超える頃から、尿が出にくい、トイレが近い、夜中に何度もトイレに行く、このような悩みを持つ人も潜在的に排尿の悩みを持つ人が増えていきます。

ここまでお伝えしてきたような、頻尿に悩む人も少なくないのが現状です。急激な尿意に見舞われる症状は思っている異常に深刻な場合があります。過活動膀胱は、神経症状を伴う基礎疾患から発症することで起こりますが、あきらかな原因が見られないものもあります。

❍女性の尿漏れ、頻尿などの腹圧性尿失禁への対応

以前にもお伝えしましたが、腹圧性尿失禁は、ほんのちょっとの刺激、咳やくしゃみ、大笑いすることや、重い物を持ち上げるなど、ほんのちょっとの腹圧がかかることで、尿漏れを起こすことがあります。

●女性の尿漏れ、骨盤臓器脱

女性にとっては、妊娠出産が大きなリスクとなります。骨盤底の筋肉が緩み、膀胱などの臓器を十分に支えることが困難な状態となり骨盤性器脱を発症します。骨盤臓器脱は、骨盤内の臓器が筋力低下により下がってしまうことにより、骨盤の外に逸脱してしまう状態となります。膀胱瘤、子宮脱、直腸瘤、膣断端脱などがあります。

尿漏れも症状として、見られることもあり思っている以上に深刻な状態です。肥満や、更年期の女性ホルモンの減少も原因の1つとなります。

●女性の切迫性尿失禁

過活動膀胱は、膀胱の過剰反応による収縮です。突発的な尿意は、日中も、夜中も起こります。排尿回数が多くなる頻尿状態を引き起こします。慌ててトイレに駆け込むことも、間に合わなくなることも少なくありません。いつ起こるかわからない尿意は、不安感から外出の回数を減少させます。

この尿漏れの不安感は、腹圧性失禁よりもQOL(生活の質)を低下させるともいわれています。

●トイレを我慢する習慣 ~膀胱訓練も必要~

尿意がない時や、少し尿意がある程度の場合は、すぐにトイレに行かず、少々我慢してから行くということを習慣化するように心がけます。上記でまとめた膀胱訓練です。骨盤底筋訓練と合わせて行うことでより効果が得られます。

 

生理検査アティテュード®からのメッセージ

・他人事ではない、尿トラブル

思っている以上に尿問題は、多いということを感じます。以前、尿トラブルのテーマで書いたブログが、嬉しいことに何気に読まれているということが、物語っていると感じます。

先週末、ボランティアで月1回、高齢者が集うカフェで「骨盤底筋トレーニング」をお伝えしてきました。思っている以上に気にされている方がいるようです。でも外出されて出てきてくださる方は、積極的に行動されている方々、ほんとうは、外出を控えてしまっている方たちに知って欲しいと心から願います。

ご家族にご高齢者がいらっしゃる方に、ぜひ知って欲しいと思います。筋肉は使わないとその機能はどんどん低下してしまいます。もう歳だからは理由になりません。いくつになっても筋肉は、トレーニング行うことでちゃんと反応するということは既知の事実です。

❍尿道を締める感覚は、排尿途中で止めることから

ちょっと話がそれますが、尿検査で「中間尿を採取」ということをご存知ですか?

尿検査用の尿を採尿する時に、排尿の時の最初の尿は、尿コップには、入れないでくださいというお願いです。はじめの尿は、尿道周囲の雑菌が混入してしまいます。膀胱内部の細菌などの状態を正しく知るためには、混入しないことを望みます。そのために、採尿する時は、中間尿を採取するということが大切です。

以前のブログでも何度か書いていますが、意外とこのことを知らない方が多いように思います。

●途中で尿を止める練習をしよう!

骨盤底筋トレーニングの、尿道をグッと締めるという感覚がよくわからないという方は、トイレで排尿する時に、途中で止めて見て、止める感覚を確かめることもできます。

❍トイレを意識していますDSC_1885

いろいろ書きましたが、私自身もトイレは近いほうです。夜間に行きことは少なくなりましたが、やはりある程度睡眠がやや浅かったと反省することがあるからです。そして、必要以上にトイレに行くことも少なくない状態です。

トイレを我慢することは、思っている以上に行動範囲を狭くするという状況を作り出しているということを意識してみてはいかがでしょうか。

Pure Medical attitude

生理検査アティテュード®

Junko Katayoshi

今日のまとめ

  • 頻尿とは、日中覚醒時の排尿回数が8回以上、夜間頻尿は、夜間就眠中2回以上と言われている
  • 排尿コントロールは、自律神経(交感神経・副交感神経)バランスが関与している
  • 骨盤底筋トレーニングは、膀胱訓練と合わせて行い、地味な努力が結果につながる

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Pure Medical attitude/Office Pureパーソナルセッション

『心と身体のケアリング』

じっくり、しっかりと寄り添いながら、新しい自分発見のケアリングとカウンセリングそして、「自分基準」を見出し、コアな部分からの可能性を拡げていきます。

自分の持つ「貴石となる個性」に気づいて欲しい

 

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生理検査アティテュード®

代表 かたよし純子 Junchan♪  ※自己紹介はこちらから

臨床検査技師/超音波検査士/健康管理士一般指導員/健康管理能力検定1級/介護予防運動指導員/米国NLP協会認定NLPトレーナー/臨床心理学 基礎エキスパート取得

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