JunchanのHealth attitude blogにご訪問ありがとうございます。医療スタッフのメンタルパートナー かたよし純子です♪ 今週から、症状を意識して疾患をみていきたいと思います。12月に入り、冬に流行期を迎える非常に強い感染力を持つ「ノロウイルス」です。感染性胃腸炎はその原因によって、細菌性胃腸炎、ウイルス性胃腸炎、そして寄生虫が原因となるものもあります。これらの中でも、ウイルス性胃腸炎は、これからの季節に多く見られる胃腸炎です。このウイルス性胃腸炎の原因となるノロウイルス胃腸炎の発症を知るきっかけが「突然の嘔吐」です。ノロウイルスにみる「嘔吐・下痢」などの胃腸炎の症状にフォーカスしてまとめていきたいと思います。
1.ノロウイルス胃腸炎は、突然やってくる嘔吐と下痢
1-1 突然の嘔吐で発症、ウイルス性胃腸炎「ノロウイルス」とは?
1-2 感染性胃腸炎 ノロウイルスの特性
1-3 強力な敵、ノロウイルスから乳幼児や高齢者を守る
今日のプラスα
2.ノロウイルスに感染したら...対応と予防
3.吐き気と嘔吐
生理検査アティテュード®からのメッセージ
・子どもは突然、噴水のように吐きます
1.ノロウイルス胃腸炎は、突然やってくる嘔吐と下痢
はじめに...
今日お伝えする、ノロウイルス胃腸炎である「感性性胃腸炎」は、感染症法に基づき、医師及び獣医師の届出が必要とされる疾患です。
感染性胃腸炎の定義
細菌または、ウイルスなどの感染性病原体による嘔吐、下痢を主症状とする感染症です。原因はウイルス感染(ロタウイルス、ノロウイルスなど)が多く、毎年秋から冬にかけて流行します。また、エンテロウイルス、アデノウイルスによるものや細菌性のものもみられます。 ※引用サイト「感性性胃腸炎」厚生労働省
1-1 突然の嘔吐で発症、ウイルス性胃腸炎「ノロウイルス」とは?
ウイルス性胃腸炎の原因として最も多く見られるのが、ノロウイルスです。
ノロウイルスの症状とは?
潜伏期間:ウイルスに感染してから発症までの時間 24~48時間
主症状:突然の症状出現 吐き気・嘔吐・下痢・腹痛 軽度の発熱
経 過:これらの症状が1~2日続いたのち、後遺症はなく治癒する
❍お腹のカゼとも言われる、感染性胃腸炎とは?
よく聞く感染性胃腸炎とは、ウイルスや細菌などを原因とする胃腸炎の総称のことをいいます。そして、メディアでよく聞くものがカンピロバクターとノロウイルスでしょうか。
- カンピロバクター:細菌性食中毒の原因として多い
- ノロウイルス :ウイルス性食中毒の原因として多い
《食中毒の原因》
- ウイルス性 ノロウイルス、ロタウイルスなど
- 細菌性 カンピロバクター、黄色ブドウ球菌、サルモネラ属、ウエルシュ菌など
- 自然毒 ふぐ毒、トリカブト、じゃがいもなど
- 化学物質 農薬、食品添加物など
※関連ブログ 夏の健康生活 §3 気をつけたい食中毒と食の安全
❍「冬」の胃腸炎は、ノロウイルスの流行期間
感染性胃腸炎には、細菌が原因とされる胃腸炎もありますが、細菌性胃腸炎は、おもに6~9月の夏にかけてピークが見られるのに対して、ノロウイルスは、1年中発症がみられる感染症ですが、もっとも多く見られるのは、この冬の時期、11~2月です。特に、冬場の食中毒として貝類など、牡蠣からの感染が多いといわれています。
ウイルスが体内に侵入することで発症しますので、言い換えると、体内への侵入を予防することで発症から身を守ることが出来るということ、侵入してしまったら、出来る限り、早めに体外にウイルスを排除することにより、症状が改善されるということに繋がります。
❍ノロウイルスの症状とは?
ウイルス感染後、おおよそ35時間の潜伏期間を経て突然の吐き気に襲われ発症するとされます。個人差がありますが、おおよそ24~48時間、嘔吐や水溶性の下痢などの症状が、42時間といわれています。頭痛、発熱、咽頭痛などカゼとよく似た症状としてのみで終わることもあるということです。
1回の嘔吐で約300万個のウイルスが排泄され、10~100個のウイルスとの接触で感染するといわれていますので、いかに嘔吐物の処理の仕方が重要なのか、理解できると思います。
そして、このような症状ある場合は、当然、吐瀉物や糞便中にノロウイルスが排泄されていることは言うまでもありませんが、下痢などの症状が治まってもまだ、3週間くらいは、糞便中にウイルスが排泄されている状態が持続しているということを知っていて欲しいと思います。
1-2 感染性胃腸炎 ノロウイルスの特性
ノロウイルスの特性をもう少し詳しくまとめておきます。
❍ノロウイルスの感染経路とは?
ノロウイルスの感染原因は、経口感染、接触感染、飛沫感染のいずれでも起こりうるウイルス性食中毒として、過去のブログでも何度かまとめています。
- 経口感染:食中毒、ノロウイルスに汚染された二枚貝(カキなど)の加熱不十分な摂取
- 接触感染:人から人感染、ノロウイルス感染者からの接触感染、手洗い不十分な状態での調理による食品汚染、汚染物質に触れることで感染
- 飛沫感染:嘔吐物などの処理不十分による、感染者の吐物や汚物からの飛散により感染
家庭での調理中でのウイルス汚染などからの感染が2割といわれています。二枚貝をしっかり加熱処理しても、調理中の調理器具などの汚染が少量のウイルス侵入となり発症するために注意が必要とされます。
●経口感染から、人⇛人の接触感染から拡大しやすいノロウイルス
経口感染されたノロウイルスは、人の身体から排泄された糞便の中にいっしょに排泄されます。さらには、感染性胃腸炎を発症した人の吐瀉物(吐いたもの)にも多くのノロウイルスが含まれています。これらの処理を誤ると、2次感染を引き起こすこととなり、ウイルスは拡散され、接触感染や飛沫感染の原因となってしまいます。身近な人のノロウイルスの発症時は、適切に対処しないと感染を拡げてしまうことになります。環境清掃や、手洗などの手指消毒は欠かせません。
<ノロウイルスの感染経路>
❍二枚貝がいちばんの原因だといわれる理由
原因となる食品は、生カキやアサリ、しじみなどの二枚貝、魚介類からの感染が多いと言われます。
●二枚貝に蓄積されるノロウイルス
この二枚貝は、海中プランクトンを餌とし大量の海水を濾過して栄養分を摂取しています。海中に存在する少量のノロウイルスも同時に貝の体内に取り込まれ蓄積されます。しかし、貝の中で増殖されることはありません。汚染されたこれらの貝の生食や、不十分な加熱で摂取されると、ノロウイルスは人の小腸粘膜で増殖し、感染性胃腸炎を発症します。
生カキ(牡蠣)は美味しいですが、よくあたるといわれるのはこのです。カキを酢でしめれば大丈夫だと思われがちですが、ノロウイルスは、酸に弱いということもなく、効果はまったくありません。生食になりますので、ノロウイルスの感染を防ぐ方法にはならないということになります。
●ノロウイルスの加熱処理
ノロウイルスは熱に弱いとされ、加熱処理すると感染力を失います。カキや二枚貝の調理の際は、中心部が85~90℃、90秒以上の加熱が求められます。
そして、家庭での調理中で生じるウイルス汚染からの感染も侮れません。カキなどの2枚貝の加熱処理も大切ですが、調理器具の汚染から少量のウイルスからの感染が盲点のようです。ノロウイルスを含む糞便や吐瀉物の処理後、手についたウイルスや不適切な処理で残ったウイルスが口から取り込まれる感染も多く見られます。
●非常に感染力が強いノロウイルス
ノロウイルスは、感染力が非常に強いウイルスとされ、わずか10~100個の少ない数でも食中毒を発症するといわれています。そして、最長で40~50日間の寿命といわれています。ノロウイルスは、乾燥状態でも死滅すること無く、衣服や寝具、床や家具などの表面で生存することができるといわれています。
ノロウイルスは、嘔吐物の1gに100万個、感染者の糞便1g中に10億個存在しているといわれています。トイレのドアノブ、床などは丁寧に、次亜塩素酸ナトリウムでの清拭する必要があります。
●ノロウイルスの感染予防は、次亜塩素酸ナトリウム
治療薬もワクチンもありません。体内に取り込まないように予防する以外に感染予防がありません。ノロウイルスは、感染しても発症しない不顕性感染の場合や、軽いカゼのような症状の場合のみのこともあります。
- 人混みを避け、人から人の感染を避ける
- 感染経路の遮断のために、手洗いと環境の消毒は必須
- 自分自身の免疫力をUPさせる
ノロウイルスは、アルコールでは不活化されません。次亜塩素酸ナトリウムもしくは、加熱処理として 85℃で1分以上です。
※引用サイト「ノロウイルス」Wikipedia
●ノロウイルスは、人から海水、そして二枚貝から戻ってくる
感染経路については、ヒトの小腸で増殖したウイルスは糞便中に排泄され、下水から沿海へと流出していきます。その量は、ごく微量のウイルス量ですが、二枚貝は、プランクトンをエサとして、海水を濾過して栄養を摂取するために、徐々に二枚貝の体内にノロウイルスは蓄積されていきます。沿岸部で養殖されているカキやホタテ貝など二枚貝は、1日に120~600Lの多量の海水を循環させているといわれ、ウイルスが蓄積されやすい状態にあるからだと考えられています。
ノロウイルスの特性
- 症状 :嘔吐、水溶性の下痢を急激に発症する
- 潜伏期間:35時間(24~48時間)
- 症状期間:約1~2日
- 感染力 :1回の嘔吐で300万個排泄され、10~100個程度のウイルス量で感染成立
- ウイルス寿命:最長40~50日間
- ノロウイルスは、RNAを遺伝情報とする非エンベロープウイルス
- RNAは、変異しやすいため、ノロウイルスは変化しやすく免疫がつかない。
- 集団感染として取り上げられる、人から人感染が多い
- 胃酸(pH3)には抵抗性を示す。85℃、1分以上の加熱処理が必要
- 健常者が死に至ることはないが、乳幼児や高齢者など免疫力弱者は重症化しやすい
- 重症化すると脱水を起こすため注意が必要
- 学校保健法では、下痢、嘔吐の症状が消失したのち登校可能
- 下痢症状改善後、3週間ほどはウイルスが排泄されているため要注意
<ノロウイルスの特徴>
1-3 強力な敵、ノロウイルスから乳幼児や高齢者を守る
通常健常者は、発症後、1~2日で回復します。しかし免疫力弱者とされる、高齢者や乳幼児は、深刻な状況になることも...
不顕性感染からの感染に注意!
不顕性感染からの感染があるということを知って欲しいと思います。
❍症状が見えない不顕性感染とは
不顕性感染とは、細菌やウイルスなどの病原体とされる微生物に感染したにもかかわらず、その症状を発症しない状態をいいます。不顕性感染となると、感染したという自覚症状が無いために、細菌やウイルスの保菌者といわれるキャリアとなります。キャリアは、自身の排泄物などの体液中に病原体を排泄し、感染源となることがあります。
●家族が発症した場合は注意が必要
家族や身近な人が、ノロウイルスを発症した場合、何の症状が見られない状態でも、自分自身が保菌者となっている場合もあるというとこです。その場合、周囲へ拡げないようにすることが大切となります。ノロウイルスの流行が時々見られる年があります。このような注意喚起が促されたとき、特に小さなお子さんや、高齢者がご家族にいらっしゃるご家庭では特に注意して欲しいのが、不顕性感染です。健康な成人が、症状が見られないために、感染していることに気がつかない保菌者となっていることもあるということです。
先にまとめたように、ノロウイルスは極めて感染力が強力なウイルスです。そして、乾燥にも強く、寿命が非常に長いという特徴と、アルコールでは死滅しないという特徴を持つウイルスだからです。
ノロウイルスが流行する理由とは?
『寿命が長い 40~50日間』
『アルコールでは死滅しない』
医療者やその関連する場所や施設などでは特に注意が必要です。病院や介護施設など、高齢者や免疫力が低下している人たちと多くの介在する機会がある場合には、自分自身が保菌者とならないように、特に細心の注意が求められます。
❍そして、ノロウイルスが強力な感染力とされるその理由
どちらも非常に小さく、肉眼で見ることはできませんが、ウイルスと細菌の大きさにはあきらかな違いがあります。
●ウイルスはミクロの世界の微生物
以前のブログでも説明しましたが、ウイルスと細菌の違いとして大きさです。細菌は通常の光学顕微鏡でみることができます。尿沈渣検査でも顕微鏡で赤血球や白血球などの細胞成分や、細菌や真菌類も確認できます。しかし、ウイルスは光学顕微鏡で見ることが出来ないほどにミクロの世界で生きています。電子顕微鏡でなければその姿を確認することが出来ません。ノロウイルスは、細菌の30分の1の大きさ、直径約30nmといわれています。
●ノロウイルスアルコールで死滅しない非エンベロープウイルス
ウイルスは、細菌と異なり、細胞質も細胞膜も持ちません。ウイルスは、細胞膜がないために抗生物質は効きません。
そして細胞膜をもたない代わりにエンベロープという膜をもつものと、もたないものがあります。エンベロープは、脂肪、タンパク質、糖タンパク質からできている膜だとされ、アルコールはこのエンベロープを破壊することが出来ますが、エンベロープをもたないウイルスは、アルコールが効きません。ノロウイルスは、このアルコールが効かないタイプ、非エンベロープウイルスとされています。
●胃酸に負けない、腸管を住み家にできるノロウイルスとは
非エンベロープウイルスとされるノロウイルスは、エンベロープをもたないために胃酸や胆汁酸に抵抗することが出来るために、人を宿主として腸管に侵入し生き抜くことが出来るのです。
この理由のため、ノロウイルスを死滅させる方法は、85℃以上、1分以上の熱処理もしくは、次亜塩素酸ナトリウムとなります。
❍宿主で増殖するウイルス
ウイルスは、栄養と水があっても自分自身では増殖する能力はありません。ノロウイルスの場合、40~50日の間に、細胞や細菌などに侵入、寄生し自己複製して増殖していきます。ウイルスは自分自身では、エネルギーを産生することができないために、寄生した宿主の細胞が作るエネルギーを利用して生きています。ウイルスにとって生きるための必須条件は、他の宿主へ感染を続けることなのです。
細胞を宿主としていることからも、ウイルスが細菌よりもはるかに小さいのはあたりまえだと思えるのではないでしょうか。
関連ブログ 食中毒を知る §3 シーズン間近のウイルス性食中毒
<ノロウイルス感染経過と出来る予防>
2.ノロウイルスに感染したら...対応と予防
ノロウイルスは、冬の季節に多いとされますが、年間通して発生しています。
❍ノロウイルスの予防のために、特徴を知って欲しい!
- ノロウイルスの特徴としては、アルコール消毒剤や熱に対する抵抗力が有るということです。
- アルコールなどの除菌スプレーでは予防できません。次亜塩素酸ナトリウムが効果的です。
- 非常に感染力が強く免疫を持つことがありません。何度でも感染するということです。
- そして、症状が無くなった後、3週間程度は、再感染がない(ウイルスを保有している状態)とされますので、家族がかかった場合は、治った人が対応するとよいのかも知れません。
- そして、ノロウイルスは免疫がありません。
❍身近な感染者への対応
- ノロウイルスの感染力が強いため、処理をする人以外は汚物に近づかないことが望まれます。
- 使い捨ての手袋、エプロン、マスクなどの個人的な予防をすることが望まれます。
- ウイルスは、広範囲に飛散し、高く舞い上がるため、十分に換気をすることが必要です。
- 嘔吐物は、約 2 mの広範囲の壁や床に飛散します。十分な洗浄が必要とされます。
- 飛散予防のため、吐瀉物を乾燥させないように、速やかに、できれば1人で対応する。
- 処理後には手洗いを2度行い、うがいをする。
❍人から人の感染に要注意!
ここまでお伝えしたように、ノロウイルスの感染は、二枚貝などの食品からだけではなく、その他の感染源「人⇨人」感染がもっとも多く見られるということです。感染者の便や嘔吐物の中には、非常に大量のウイルスが存在しています。嘔吐物はもちろん、トイレでの排便時、汚物の処理時に手が汚染され、汚染された手が触ったトイレのドアノブやその他の部分も汚染された手を介して、水道の蛇口などの水回りも感染場所となる可能性があり、そこからも拡大されます。
日常からトイレや水回りの感染場所となりやすい場所を清潔に保つことも心がけたいものです。トイレの水を流す際には、便器のフタを閉めることも床や壁への感染予防になります。除菌や消毒には、次亜塩素酸ナトリウムなどの薬剤を用いることが感染予防につながります。
❍基本は手洗い
ノロウイルスからの感染予防は、手洗いが大切となります。
〔基本の手洗い手順〕
- 流水で手を洗う
- 洗浄剤を手に取る
- 手のひら、指の腹面を洗う
- 手の甲、指の背を洗う
- 指の間(側面)、股(付け根)を洗う
- 親指と親指の付け根のふくらんだ部分を洗う
- 指先、爪の間を洗う
- 手首を洗う(内側、側面、外側)
- 洗浄剤を十分な流水でよく洗い流す
- 手をふき(ペーパータオルなどを用いる)乾燥させる ※タオル等の共用はしないこと
- アルコールによる消毒(爪下、爪周辺に直接かけた後、手指全体によく擦り込む)
※厚生労働省イラスト 手洗い
❍ノロウイルスの具体的な消毒法
ノロウイルス感染時の、吐物の消毒には、次亜塩素酸ナトリウムです。
- 出来るだけ速やかに適切な処理を行う
- 窓を開けて換気を行う、
- 少人数(1人が望ましい)で、マスク、手袋、エプロンなど
- 吐物から1~2mの範囲にまで飛散しているため、広範囲を行う
- 吐物全体を、新聞紙などの紙で完全に覆い、次亜塩素酸Naをかける
- 吐物を外側から内側へ、残らず拭い取る
- 乾燥させない
- すばやく対応すること
- 次亜塩素酸ナトリウムにより消毒する
- 拭い取ったあとを次亜塩素酸Naで消毒
- 石鹸と流水で手を洗う
具体的に...次亜塩素酸ナトリウムの濃度
- 吐物、床、衣類用:0.1%の次亜塩素酸ナトリウム(ハイター・ピューラックスなど)
- 500mlのペットボトルのキャップ2杯と水500ml
- 生活環境の清拭用:0.02%次亜塩素酸ナトリウム トイレの床、ドアノブや手すりなどに
- 500mlのペットボトルのキャップ1/2杯と水500ml
衣類は... 0.02%の次亜塩素酸ナトリウムに30~60分つけ置き洗い
カーペットは...布などで覆い、その上からスチームによる除菌、85℃以上+1分
❍もし、ノロウイルスに感染したら...
ノロウイルスは、効く薬はありません。対処療法のみとなります。嘔吐と下痢がおもな症状となります。
ノロウイルスに感染したら...
ノロウイルス感染時には、脱水に注意!
下痢止めは使用しない!
下痢止めを使用すると、ウイルスの排泄を妨げることになり、腸管内にウイルスを留めることになってしまいます。
❍身体に見られる「脱水のサイン」に注意する
幼児は自分で訴えられないことも多く、脱水時の身体症状にも注意が必要です。大人よりも急激に体調の変化をきたしますので、下記のようなサインがみられたら、医療機関で点滴などの処置を受けることも必要となります。
- 小さな子どもに見られる「大泉門の陥凹」
- 幼児の場合、泣くことで辛さを表現することがあり、泣いても涙が出ない
- 舌や口の中の乾燥、唾液が粘つく
- 尿量が減る、濃くなる
- 頻脈
- 眼がくぼむ
その他、高齢者では、手指の爪を押して、離し、指先の色が戻るまで2秒以上かかるときには、血流の減少が疑われます。さらに、腕の皮膚をつまみ上げ、形状が残る場合も皮膚の乾燥が疑われます。
このような症状が見られる場合には、医療機関での診察を受けることが必要とされます。
❍乳児は脱水を起こしやすい
夏場の脱水症状のブログでもまとめていますが、乳児は、成人よりも水分量が多く、脱水を起こしやすいということがあります。
- 乳幼児の身体は、水分量の割合は70~80%、大人に比べて水分量が多い。
- 水分量を調節する機能が未発達のために脱水症状を起こしやすい。
- 成人と比較して新陳代謝が活発、見えない汗といわれる、不感蒸泄が多く、水分を奪われやすい。
- 免疫力が低く、ウイルスや細菌が身体に入りやすい
- 胃腸の機能もまだ弱く、嘔吐・下痢をおこしやすく水分を奪われやすい。
緊急の場合は、点滴による補液が必要とされますが、いちばん良い方法は、経口補水液によるこまめな水分補給だとのことです。商品名を出すと「OS-1」です。ミネラルの補給も必要となりますので、ナトリウムが含まれる飲み物を、吐き気を見ながらごく少量ずつ様子を見ながら飲むことが進められます。
また、ポカリスエットなどは、糖質がかなり含まれますので、注意が必要です。
3.吐き気と嘔吐
非常に不快な思いをして、吐き気を覚えることもあるのではないでしょうか。
❍吐き気とは?
吐き気とは、ことばで表現すると、心窩部・上腹部、胃から胸にかけて、ムカムカした不快感を覚え、嘔吐したくなる症状を促す感覚ではないでしょうか。嘔気、悪心ともいいます。うむかつきもこれに近い症状だといえます。
吐き気とは、嘔吐という行動に移行しそうな不快な感情です。嘔吐以外、めまい、腹部違和感や不快感、食欲不振を感じることもあります。
❍嘔吐・嘔吐中枢とは?
嘔吐とは、胃の内容物が、胃の強い収縮が起こることにより、食道に逆流し口から排出されることを言います。嘔吐することで、胃の中はからになりますので、一時的に吐き気が治まることもあります。
●噴出性嘔吐
噴出性嘔吐とは、不快で、激しい嘔吐とされ、内容物を1m以上先まで 吐き出すこともあり、このような噴水のような嘔吐を噴出性嘔吐と言います。特に乳幼児や泥酔している時、吐き気が来ないままいきなり嘔吐する場合もあるようです。
●嘔吐中枢
嘔吐中枢が刺激されることにより、吐き気が促され、その後に嘔吐します。この嘔吐中枢の刺激は、過度の飲酒や摂食、腐敗や変質した食物摂取、過度の運動、体調不良などの場合に際して引き起こされる反射、異物から身体を守る反射です。
●嘔吐反射
拒食症で行うことがある、嘔吐反射とは、舌の奥に指を入れたりして吐き気起こさせることをいい、本人の意思では制御できない吐き気といえます。
●乗り物酔い
激しく揺れる車や船舶などの乗り物や、回転する遊具などで引き起こされる「酔い」といわれる吐き気からの嘔吐もあります。乗り物酔いには、適宜、酔い止め薬を事前に服用することや、エチケット袋を準備するとよいと思います。
●不快な環境や身体状態による嘔吐
高温多湿となる閉所や、他者の嘔吐反射を見た場合、不快な映像や、音声など不快な環境下となる場合、精神的なストレスや、胃の部分を強く締め付けるような服装からも、吐き気や嘔吐症状を示すことがあります。
●悪心と嘔吐を示す疾患
悪心や嘔吐という反応は、延髄にある嘔吐中枢によってコントロールされています。消化器、心臓、前庭、脳実質の障害によって嘔吐が誘発されています。消化器疾患が最も多いとされますが、それ以外の疾患でも数多く認められます。下部消化管症状とされる下痢などの有無の確認が重要とされます。糖尿病性ケトアシドーシス、アルコール性ケトアシドーシス、腎盂腎炎、妊娠、敗血症、絞扼性イレウス、急性胆嚢炎、急性膵炎などの疾患では、下痢などの下部消化器症状を伴わないことが多いとされています。見逃すと危険で重篤な疾患としてあげられるものとして、脳出血や髄膜炎があげられます。無痛性心筋梗塞は糖尿病患者や高齢者で多いとされています。
このような、嘔吐行為を強制的に停止させようとするとパニック状態に陥る場合があるといわれています。
悪心・嘔吐を引き起こす疾患としては、以下のような疾患があげられます。
《悪心、嘔吐を示す分類 疾患》
- 閉塞性消化器疾患 : イレウス、幽門狭窄、便秘
- 非閉塞性消化器疾患:急性胃炎、急性胃腸炎、急性膵炎、消化管穿孔、急性胆嚢炎
- 感染症 :敗血症など
- 眼科疾患 :緑内障など
- 耳鼻咽喉疾患 :良性発作性頭位めまい症、乗り物酔いなど
- 心血管疾患 :急性冠症候群、急性大動脈解離など
- 神経疾患 : 脳血管障害、髄膜炎、頭蓋内圧亢進症など
- 代謝内分泌疾患 : 尿毒症、糖尿病性ケトアシドーシス、アルコール性ケトアシドーシス
- 泌尿器疾患 : 腎炎
- 産科疾患 : 妊娠性悪阻
- 薬剤 : ジゴキシン、テオフィリン、カルバマゼピン、抗コリン作用
- 中毒 : キノコ中毒
- アレルギー疾患 : 消化管アレルギー、アナフィラキシー
- 精神疾患 : 拒食症、過食症など
生理検査アティテュード®からのメッセージ
・子どもは突然、噴水のように吐くことが
「今、思い出すと、あの嘔吐はノロウイルスだった...」
ノロウイルスということばをよく聞く様になったのはいつ頃からでしょうか?
❍時代性を考えて、感染予防することの必要性
「ノロウイルスによる感染性胃腸炎」ということを聞く以前から、冬になると下痢や吐き気を主症状とする、お腹のカゼが流行している、ということを聞くことがありました。
自分の記憶をたどってみると、子育て時代、我が子の幼少期にも「いきなり嘔吐」するということがあったなぁと思いだされることがあります。まだ、ノロウイルスということばが世に出回る前のことです。今から考えるときっとノロウイルスだったのでしょう。
お読みいただきますみなさまには、ご気分を害する表現ですが、ほんとうに突然に噴水のごとく吐瀉物を吐き出していました。子どもが 2~3歳の頃と記憶しています。今ほどの感染力の強さに対する情報や知識、もちろん予防方法、そして、恐らく両親ともども、不顕性感染していたのだろうと想像しますが、そのような知識もなかった時代です。
通常の免疫力をもつ人は、必要以上に怖がることもないという認識はありますが、最低限予防に務めることは社会人として必要だと考えます。流行期となった場合には特に、超高齢社会といわれる現代社会では、健常者がウイルスを持っている可能性もあるということを意識することも大切だと思います。
特に、多くの高齢者と接するような場合には、最低限の感染拡大への予防処置を取ることは必須だと私は考えます。
❍今年は激しい寒暖差、睡眠・食事・ストレスフリーで免疫力UPを!
カキは美味しいけれど、あたる怖いとよく聞きます。私もカキは好きな食べ物です。子どもの頃、母はよく、カキの炊き込みご飯を作ってくれました。そして、鍋でも。食材の流通が良くなり、生食用のカキが都内でもスーパーで売られる時代になり、酢ガキで食べることもよくあります。でも、このノロウイルスのブログをまとめるようになり、ここ数年酢ガキを食べることも少なくなりました(笑)
私は、カキに一度もあたったことがありません。そのため、その激しい嘔吐や下痢は経験が無いという幸せものです。個人的な免疫力の強さにもきっと発症するか否かも関わってきます。少なくても、体調がすぐれないときのカキは避けたほうが無難なのかもしれません。
12月は、忘年会が多くて...という方も、免疫力に影響することも。
鍋物などの魚介類にも注意が必要です。自身の体調と相談しながら、楽しく飲み、語りストレス解消となる会食を楽しんでください♪
Pure Medical attitude
生理検査アティテュード®
Junko Katayoshi
今日のまとめ
- 冬の感染性胃腸炎の代表ノロウイルス胃腸炎」の症状は、急激な嘔吐・下痢
- ノロウイルスは非常に強い感染力を持つ
- ノロウイルスはアルコールでは、予防できない、85℃、1分以上の加熱もしくは、次亜塩素酸Na
《臨床心理を学んだ・臨床検査技師が行う実践セミナー》
2018年最終ワークのご案内
1年の終わりだからこそ意味がある
心と身体のバランスを整える…
そして新たな1年に向けて
『年末・年始に活かせる知識&オリジナルワーク』
自分自身で毎日の心のバランスと
ボデイスキャンニングとコンデショニング
実践済みのオリジナルワークの公開です!
Pure Medical attitudeのオリジナル
生理検査アティテュード®
※ブログや、セミナーに関する、ご意見・ご質問は、こちらからお気軽にどうぞ
みなさまのお声を楽しみにしております!
パーソナルセッション
じっくり、しっかりと寄り添いながら、新しい自分発見のケアリングとカウンセリングそして、「自分基準」を見出し、底からの可能性を拡げていきます。
自分の持つ「貴石となる個性」に気づいて欲しい
本日の関連サイト・引用サイト
<Pure Medical attitude のblog>
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- §1 視覚をになう、眼の構造と視力低下 2018.9.24
- §2 眼のトラブルその1 視力 2018.9.26
- §3 眼のトラブルその2「エイジング」 2018.10.1
- §4 眼のトラブルその3「炎症性疾患」 2018.10.4
鼻の健康を考える 2018.9.17~2018.0.21
- §1 鼻の構造と嗅覚の不思議を知る 2018.9.17
- §2「嗅覚障害」意識したことありますか? 2018.9.19
- §3 記憶とつながる香りのある生活 2018.9.21
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みなさまのお声をぜひお聞かせください!お待ちしております!
Pure Medical attitude
生理検査アティテュード®
代表 かたよし純子 Junchan♪ ※自己紹介はこちらから
臨床検査技師/超音波検査士/健康管理士一般指導員/健康管理能力検定1級/介護予防運動指導員/米国NLP協会認定NLPトレーナー/臨床心理学 基礎エキスパート取得
THINK YOUR LIFE -ミドルエイジとともに-side by side-
共同代表 Junko Katayoshi
今日も最後までありがとうございました。
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米国の精神科医ミルトン・エリクソン博士は、発達障害だった?!
催眠療法の大家とされる、精神科医エリクソン博士は、変わった子どもと言われ、さまざまな感覚障害を持ち、読字障害、失読症ともいわれ、さらに色盲に音痴だとされています。そのエリクソン博士「ミルトン・エリクソンの戦略的手法」を紹介されているこの本の読書会、次回は、12月17日(月)となります。