JunchanのHealth attitude blogにご訪問ありがとうございます。医療スタッフのメンタルパートナー かたよし純子です♪ 今週は、高齢者の転倒リスクとその予防をまとめています。前回は、高齢者が転倒することへのリスクを中心に、転倒後症候群や廃用症候群、加齢がもたらすリスクを中心にまとめました。今回は、リスク回避の方法、そして、日常生活を維持しながら簡単に行えることなどもまとめていきたいと思います。人生100年といわれる時代に私たちは生きています。50歳を過ぎたら、健康寿命の延伸を意識して貰うために知っておいて欲しいことばかりです。今日もぜひ最後までお付き合い戴けたらと思います。

1.危険リスクを知って転倒予防のポイント3つ

1-1 転倒の危険因子 内的因子・予知因子「転倒の既往」

1-2 転倒の危険因子 外的因子

1-3 人が「転ばないため」「動く」ために必要なこととは?

今日のプラスα

2.転ばないために必要な転倒予防運動    

3.女性こそ転倒骨折に注意、骨粗鬆症は骨折リスクだけではない 

生理検査アティテュード®からのメッセージ

・どうして転んでしまったのだろう…

 

1.危険リスクを知ってその予防ポイント3つ

どうして転んでしまったのだろう…

苦渋にみちた表情をされながらそんなつぶやき声を、大腿骨頸部骨折の方々の術前検査をしながらお聞きしていました…

はじめに…

転倒予防の要点とは?
  • 転倒は、要介護、寝たきりとなるおもな原因となります。そして、身体的要因となる内的要因と、生活環境要因となる外的要因さらに、転倒歴が大きく関連して発生しています。
  • 転倒の危険因子のひとつとされる「加齢に伴う機能減衰」に対して、トレーニングや日常から意識的に身体を動かすことによって低下を防ぎ、機能を向上させることも可能だとされます。
  • 転倒予防運動の目的は、転倒の予防への知識を高めること、転倒予防に効果的な筋力を維持、強化していくこと、バランス能力や歩行機能を維持・改善を目指すことが促されます。日常生活の中で、転倒予防に対する運動を習慣化すること、身体機能の維持・改善により、転倒リスクの低減させることです。
  • 特に、過去1年間で転んだことがある人や、転ぶことが怖いと感じる人、怖くて外出が億劫だと感じる人は意識的に転倒リスクを低減させることが転倒予防につながります。
  • 転倒予防を目的とした運動があることを理解し、筋力低下、バランス機能改善、歩行能力向上、転倒恐怖感解消、転倒予防の自信感向上、転倒率の減少が期待されます。

※介護予防運動指導員 養成テキスト「転倒予防特論」を参考に作成

1-1 転倒の危険因子 内的因子・予知因子「転倒の既往」

どうして転倒が起きてしまうのでしょうか。転倒の原因や危険因子は、非常にさまざまあり、相互に複雑にかんれんしていることを学びました。そして、高齢者が転んでしまうことのリスクの大きさは、前回お伝えしました。その実情を踏まえての転倒が起きてしまう原因をまとめていきます。

❍どうして転ぶの?転倒の危険リスクを高める「予知因子」

原因は、上記で示したように、内的因子と外的因子とに区分され、その因子に予知因子として内的因子の「転倒の既往」が加わります。

過去1年間での転倒経験がその他の要因を受け、複数回の転倒につながる大きな要因であることがわかっています。前回のブログでもお伝えしています。身体機能・体力の低下以上に、転んでしまったという記憶が、脳にイメージされしまっていることが考えられると私は考えます。「転倒=不安な感情」というプログラミングが脳の中で起こっているということです。

転倒のリスクファクター 

「内因因子」「外因因子」「転倒の既往」

特に過去1年間での転倒の既往は、

その後の転倒に対する極めて強い予知因子となる

転倒の既往・予知因子<転倒の既往・予知因子>

次に、内的因子の詳細をまとめていきましょう。

❍内的因子は3つに分類される

内的因子は大きく3つに分けて考えることができます。「年齢」加齢による身体機能の変化、「慢性疾患」の有無、「薬物の影響」として服薬状況も大きく関係しています。ここに、上記の転倒の既往が大きなリスクとして関係しています。

❍年齢:加齢による変化・身体機能の要因

加齢による変化が影響すること、特に60~80歳代にかけての転倒による死亡率が上昇していることは、前回のブログでもまとめています。1989~2008年の20年間で、約1.8倍という数字も出されているそうです。

●加齢による変化
  1. 最大筋力の低下
  2. 筋の持続力低下
  3. 運動速度の低下
  4. 反応時間の延長
  5. 巧緻性低下
  6. 姿勢反射の低下
  7. 深部感覚の低下
  8. 平衡感覚低下

これらの身体機能低下は、歩行能力を低下させていき、転倒リスクとなり、さらに慢性疾患にも関与しています。

❍身体的疾患:慢性疾患

上記の身体機能低下は、起立姿勢保持の障害、つまり、立っていることの困難な状態、体力の低下は、立位も妨げることがあります。その身体的影響は、循環器疾患や神経系疾患、歩行運動器疾患なども影響し、次にまとめる薬物の影響も複雑に関与しています。視力は身体動揺の際に、バランス感覚を維持し、制御に関して重要な役割を担い、危険物に対して情報をキャッチし、視力の低下は転倒リスクが高まることになります。さらに、脳機能の低下、認知機能の障害も転倒のリスクとなります。

●身体的疾患
  1. 循環器系 :不整脈、起立性低血圧・高血圧、心不全・虚血性心疾患・心筋梗塞など、脳循環障害、一過性脳虚血発作、脳血管疾患、硬膜下血腫 など
  2. 神経系  :パーキンソン症候群、脊髄後索障害、末梢性神経障害、てんかん発作、小脳障害、認知症 など
  3. 筋骨格系 :骨関節炎・慢性関節リウマチ、骨折・脱臼、ミオパチー など
  4. 視覚・認知系:白内障、屈折異常、眼鏡不適合、緑内障 など

❍薬物:服薬状況

薬剤の影響も少なくありません。鎮痛剤、睡眠剤、抗うつ剤、抗精神薬は、バランス障害の原因となり転倒の危険性につながります。さらに降圧剤や、血糖降下薬が効きすぎることも転倒リスクとなります。

  1. 睡眠薬・精神安定剤・抗不安薬
  2. 抗うつ薬
  3. その他の抗精神疾患薬、
  4. 降圧利尿薬
  5. その他の高圧利尿薬・血管拡張薬
  6. 非ステロイド・鎮痛消炎剤
  7. 強心剤など、心疾患治療薬
  8. 抗けいれん薬
  9. 抗パーキンソン病薬
  10. 鉄剤

❍転倒の内的因子でのいちばん気をつけたい危険因子とは?

このようなさまざまな内的因子の中でいちばん危険だとされているリスクは、「筋力の低下」です。そして、「転倒履歴」「歩行障害」「バランス障害」と続くとされます。

転倒の危険度

<転倒の危険度>

 

1-2 転倒の危険因子  外的因子とその改善

 国内における高齢者の不慮の事故で、最も多いとされている事故が転倒です。全体の60%以上を占めているとされています。そして、

転倒事故の最も多い原因が

1~2cmの小さな段差

❍ここが危険!家の中

外的要因として、生活環境内の障害は多くの転倒に関係しています。家の中は安全だと思っていませんか?本当に安全なのかどうか再度確認してみてください。危険な場所に気づかなかった時や、気がついても素早く反応できなかった場合に、転倒事故が起こっています。

●移動時が特に危険

ほとんどの転倒事故が、屋内で起こるとされています。じっと立っているときにふらつきなどにより起こる場合もありますが、ほとんどの場合は、移動時に発生しています。

ベッド周囲やイスへの移動時、トイレでの、立ったり座ったりの瞬間などです。このような歩行時、移動時、階段昇降などのときに発生しています。よろめく、ふらつくなどのバランスを失ったとき、何らかの動作時です。生活環境の中でのさまざまなトラブルに対応出来るだけの身体機能が問われます。上記でまとめた内的因子です。

就寝時にトイレ起きた時などの半覚醒状態や、トイレが間に合わないなどに際して、足元が暗く、置かれていた物に気がつかない、カーペットなどの敷物につまずくことなど危険なことになります。急いで動くことや、注意力散漫な状態での移動は、非常に危険な行動となります。

❍家の中、生活環境要因

初めにチェックしたい場所が、1~2cmの小さな段差のある場所です。

《家のすべての部屋》
  • 照明スイッチに手が届くこと
  • 通路となる場所に電気コードが無いこと、延長コードを使用しない
  • 小さな敷物を使わない
  • 家具は、丈夫な脚のものを使用・脚の緩みがないこと、キャスター付きに注意
  • 廊下や階段、通路になる場所に物を置かない
  • 敷居の段差はつまずきの原因になる
●各部屋のここにも注意
《キッチン》
  • 戸棚の高さをチェック、そのまま手が届く高さの戸棚を利用する
  • キッチンマットは滑りにくい物を使用する
《寝 室》
  • ベッドサイドの届く位置に照明を置く
  • 常夜灯などを使用  :照明器具のスイッチを照らすスモールランプ
  • カーペットなどの敷物:鋲などで留める、滑り止め加工のもの、床一面敷くなど
《浴室・トイレ》
  • 手すりを設置する
  • 滑らないマットを使用
  • 常夜灯をつける(トイレ)
  • トイレのスリッパ利用
  • 便座を高くしたトイレが助けになる
  • 浴室の床・浴槽に滑り止めテープやゴムマットの設置
  • 入浴用のイス(必要に応じて)
  • 浴室のドアの鍵を使用しない
《居 間》
  • 敷物の端を鋲などで留める、滑らない素材を使用、床一面タイプのカーペットを使用
  • 肘掛けのあるいすを使用する(つかまることが出来る、転落を防ぐ)
《階段・廊下》
  • 頑丈な手すりを設置する(外階段も同様)
  • 明るい照明をつける
  • 滑りにくい材質にする
  • 踏面に滑り止めをつける
  • 蹴上を15センチメートル(約6インチ)未満にする
  • 古い家屋の曲がった階段でのコーナー部分、狭くなっている事がありこの部位の踏み外し
《玄 関》
  • 広すぎてつかまるところがない玄関

❍家の周囲、自宅周辺環境にも注意が必要

夕暮れ時の外出など、足元が暗い時間帯、暗い場所や、日中でも死角になる場所や、アスファルトの凹凸や、注意が必要な環境が多くあります。転居などで、生活環境が変わった場合などは、特に注意が必要です。明るい時間帯に予め確認するようにすることをおすすめ致します。

  • 屋外の階段
    • 照明が無く暗い
    • 手すりがない
    • 曲がった階段での踏み面の面積が狭い階段
    • 段差がわかりにくい
  • 社会環境
    • 歩きにくい道路、小さな段差や傾斜
    • 段差のある歩道、縁石が壊れた場所
    • 階段
    • 水たまり
  • 自動ドア  回転式のドアなど
転倒の危険因子

<転倒の危険因子>

1-3 人が「転ばない」ため、「動く」ために必要なこととは?

人間は、生物であり、動物でもあります。生きるもの、動くものです。この両方の機能を持ち、思考し、成長していくことが大切だと私は思っています。人の進化の過程で、足で立ち、歩くことに大きな意味を持っています。

❍転ばないために必要な能力

人は、日常生活の中でさまざまな動きが必要とされ、身体能力が維持されている場合は、無意識に行動しています。その行動を維持していくため必要とされる能力を細かく見ていきましょう。

  • 瞬発力・筋力  :力強く動くことが出来る筋力
  • 持久力・耐久力 :継続して動くことが出来る能力
  • 反応性・感度  :とっさに反応できる動作
  • 敏捷性・スピード:素早く動く力
  • 協調性     :滑らかな動作
  • プログラミング :動くものに対してタイミングよく動ける
  • 巧緻性     :細やかな動き

これらの身体能力がバランスよく機能出来るように、維持していくことが大切です。

❍瞬発力に必要な筋力と継続動作に必要な筋力「速筋と遅筋」

瞬発力は、力強く動くことが出来る筋力。以前のブログで、筋肉には、「速筋」と「遅筋」があることをお伝えしています。瞬発力には、瞬間的に出すことのできる筋肉の力、速筋が必要となります。持久力や耐久力など長時間持続的に動く力は、ジワジワとした動作に関わる遅筋の力が必要となります。

<2種類の筋繊維 速筋と遅筋>

筋肉は、筋繊維と呼ばれる組織の集合体、この筋繊維が収縮することで力を出すことができます。この収縮スピードが速い速筋繊維と、遅い遅筋繊維との2タイプがある。

〔速筋繊維〕
  • 収縮速度が速く、瞬発力に優れているが、持久力に乏しい。
  • 大きな力を瞬間的に発揮することが出来る
  • 無酸素運動の時によく使われ、色が白いことから白筋、速筋とも呼ばれる
  • 肥大しやすく筋トレによりこの速筋繊維が鍛えられる
〔遅筋繊維〕
  • 収縮速度が遅く、持久性があり、小さな力を長時間持続することができる
  • 強度の低い日常生活で使われる
  • 有酸素運動の時によく使われ、色が赤いことから赤筋とも呼ばれる
  • 速筋繊維に比べて肥大しにくいが、全く肥大しないということはない
●「転倒!」その瞬間に手が出ますか?

足を取られてつまずいたその瞬間、人は手を出して、頭・脳を守ろうとする動作で、咄嗟に反応します。加齢により、この感度が低下し、反応が遅れます。筋繊維は、速筋から衰え、遅筋が残るとされています。だからこそ速筋を維持するために筋肉トレーニングが高齢者にも必要だということがご理解戴けますでしょうか。「あっ!」というときに、素早く動ける力「敏捷性・スピード」も大切です。

❍バランスを保つ力、なめらかさ 細やかな動き

歩くためには、左右の足がバランスよく動かすことが必要です。そのためには、左右の足と腕の協調性や、関節のなめらかな動作が必要になります。

●エスカレーター、怖くないですか?

駅に必ずあるようになったエスカレーター、階段の昇降の負荷を減らすために多く設置されるようになっていますが、逆にエスカレーターに足を出すタイミングが合わずに怖いと感じることないでしょうか。歩く歩道や、エスカレーター、回転ドアなど、動きがあるものにたいして、タイミングをはかり、足を動かすためのプログラミングとしての認知機能も必要となります。

●ケガをしたときにはじめて気づくのかも知れません

人の日常生活では、非常に細やかな足や指の動きが必要とされることが非常に多くあります。足の小指でも、ほんのちょっとしたケガでも歩きにくさを感じるのではないでしょうか。手の指も同様です。小指が曲がらないだけでも、手すりに捕まりにくいという経験ありませんか。足でも手でも指の細やかな動きの大切さ、なめらかに動かすことが出来るために必要な「巧緻性」は、ケガなどにより不自由さを感じて初めて気づくのかも知れません。

転倒予防に必要なとっさの動き

<転倒予防に必要なとっさの動き>

❍バランス維持に必要な反射機能 

転倒予防に必要なバランスを維持するための反射があります。

  • 立ち直り反射  :頭や体幹を正しい位置に保つ、姿勢維持のための反射
  • ステッピング反射:片脚立位時、倒れそうな場合に足を踏み出す反射
  • ホッピング反射 :立位で倒れそうになった場合、倒れないように足を踏み出す反射
  • 保護伸展反射  :座位で外力を与えた場合、上肢が伸展し手をつこうとする反射

これらの反射機能を上げるためのトレーニングが大切だとされます。

転倒が引き起きおこされる多くの場合、身体的動作やバランス反射機能が低下している状態の人において、日常生活内での環境不備による障害物に遭遇したときに起きるとされています。見方を変えると、バランス機能が維持されていれば、アクシデントに対して、相当するバランス機能が発揮され、転ばずに済むということになります。

 

2.転ばないために必要な筋力を身に着けよう!

転倒率・転倒する割合は、上記でまとめてきた危険因子の数とほぼ直線的に比例し、増加するとされています。ということは、逆に1つ減少するごとに、約20%減少するということになります。特に、生活環境内の障害物は、除去することや、修正することが可能です。

転倒危険因子数と転倒率の関係性

危険因子1つ減少すると、約20%ずつ転倒率下がる

❍運動による転倒予防

転倒の回数を減らすこと、転倒後の後遺症のリスク軽減に大きな影響を及ぼすとされています

《減らせる・変えられるリスク》
  • 視力障害
  • 鎮静剤や降圧剤などの薬物服用による副作用
  • 筋力低下に伴う身体活動の低下
  • 家屋内外の物的環境の整備

転倒の危険度身体的機能は、改善できる可変因子となります。さらにその他の危険度も、個人に合った転倒予防プロクラムを組んで実行することで十分に予防可能とされています。

 

 

 

 

❍転倒予防に必要な5つの筋肉

  • 腸腰筋      :脚を前に出す筋肉
  • 大腿四頭筋    :膝を伸ばす筋肉、立ち上がる
  • 中殿筋・大腿筋膜筋:グラつかない筋肉
  • 前脛骨筋     :つま先を上げる筋肉
  • 足趾の筋肉    :立位・歩行時、バランス調整で地面をつかむ筋肉

転倒予防には、全身の筋肉のトレーニングも必要ですが、歩くために必要な下半身の筋肉をあげています。簡単な筋肉部位のイラストも作成しましたので、下記をご参考にしてください。

転倒予防に必要な下半身の筋肉

<転倒予防に必要な下半身の筋肉>

❍5つの筋肉の特徴と座位から出来るエクササイズ

《腸腰筋》
  • 2つの筋肉「大腰筋」「腸骨筋」の総称
  • 関節の屈曲
  • 骨盤の前傾
  • 腰椎のS字の維持
  • 足を前に振り出す動作
  • 身体をまっすぐに保つ
●座位からできる腸腰筋のエクササイズ
  1. 座位から右膝を抱えるように胸の方に股関節を曲げ、床から上げていく
  2. 力を抜いて、足を下ろす
  3. 左足も同様の動作
《大腿四頭筋》
  • 4つの筋肉「大腿直筋」「内側広筋」「外側広筋」「中間広筋」の総称
  • 膝関節を伸ばす
  • 立ち上がりの動作時に使う筋肉
  • 階段の昇り、降りの時に使う
●座位からできる大腿四頭筋のエクササイズ
  1. 座位から右膝を真っ直ぐに伸ばす
  2. 力を抜いて、足を下ろす
  3. 左足も同様の動作
《中殿筋・大腿筋膜張筋》
  • 股関節を外側に開く、足を横に開く動作、開脚動作
  • 骨盤を直立に維持する、ぐらつかない
  • 片足立ちのときに体幹を支える
  • 横歩きする動作時
●座位からできる中殿筋・大腿筋膜筋のエクササイズ
  1. 座位から右足を横に開く
  2. 正面に戻す
  3. 左足も同様に横に開く
  4. 正面に戻す
《前脛骨筋》
  • 足の関節を背屈(甲の方向に反らせる)させる、つま先を上げる筋肉
  • 足の関節を底屈・内返しさせる
  • 足のアーチの維持
  • 歩く時に、かかとからの接地を行う
●座位からできる前脛骨筋のエクササイズ
  1. 座位で、両足のつま先を上げる
  2. 力を抜いて、つま先を下ろす
  3. この動作の繰り返し
《足趾の筋肉》
  • 足の虫様筋、短母指屈筋などの筋肉
  • 足の中足指節関節の屈曲に関わる
  • 立位、特に片足立ちでのバランス維持、地面をつかむ筋肉
●座位からできる足趾の筋のエクササイズ
  1. 座位で両足の指をグッと握る グー
  2. 両足の指を開く       パー
  3. この動作の繰り返し

❍転倒時、身体を支える腕も大切

今回は、足の筋肉エクササイズをまとめましたが、腕も転倒時に、大切な頭を守る必要があります。そのためには、腕の筋力も転倒時には必要とさ、トレーニングが必要とされます。

意識的に腕も日常から使うようにしましょう。次の機会に腕のトレーニングもまとめたいと思います。

 

「もしもを避ける」転倒防止ポイントの再確認

最後に消費者庁からの転倒・転落防止のポイントをベースにまとめておきまましょう!

高齢者の不慮の事故の中でも、特に転倒・転落によるものは、死亡者数、救急搬送者数は、ともに多く発生しています。転倒・転落は骨折や頭部外傷などの重大な傷害につながり、要介護になることもあります。
この高齢者の転倒・転落事故は、いっしょに生活されている、ご家族周囲の人々の意識改善で防ぐことも可能です。
高齢者の転倒・転落事故を防止するために、下記の3つのポイントで確認して戴けたらと思います。

(1)身体の状態を確認

身体機能のチェック、ふらつき、転倒につながるような特定疾患の有無、薬の副作用による転倒の可能性の有無など再確認。

  • 筋力トレーニング:リハビリなどの専門家施設の利用、指導
  • 定期的な視力検査:眼鏡などの確認、白内障、緑内障などへの定期的検査
  • 処方薬の確認  :主治医への投薬中止や減量の相談
(2)生活環境を確認

生活環境を再確認、1~2cmの小さな段差、照明器具、居室を中心として生活環境での危険箇所

  • 階段、トイレ、浴室、玄関など使用頻度の高い場所の手すり、滑りにくい材質
  • 敷物類の固定、敷居などの段差を無くす
  • 延長コードなどのコード類の確認
  • 照明器具の明るさ、夜中のスイッチ類
  • 通路の障害物
  • 最悪転倒しても軽症で済む工夫
(3)事故時の対処方法を確認

転倒・転落事故が発生した場合の対処方法の確認しておくことも不安感を削減になります。特に転倒した経験がある場合には、携帯電話を常に身近に置くことで万が一に時に連絡可能だという安心感となります。連絡する家族や友人・知人などを登録しておくことをお勧めいたします。

高齢者の見守りサービスもさまざまありますので、現状に合うサービスを検討、利用することで安心感に繋がります。

 

3.「骨粗鬆症」女性は特に転倒注意!

女性に多いとされている骨粗鬆症は、転倒により股関節の骨折リスクが上がります。

❍女性に多い骨粗鬆症

女性は、男性よりも骨量が少なく、女性ホルモンの影響で、閉経後加速度的に骨量が減少するとされ、加齢により骨粗鬆症を発症しやすいとされています。比較的若い年代から骨を強化することを意識して欲しいと思います。カルシウムとビタミンDを摂取し、運動が欠かせません。

常に転倒を防ぐことができるとは限りません。そのため、転んでしまっても折れない丈夫な骨を保つことが大切です。

❍骨粗鬆症の症状を理解する

骨粗鬆症の初期は、ほとんど症状がみられません。気づかないうちに骨量が減少していることもあります。以前のブログを再掲すると、

世界保健機関(WHO)骨粗鬆症の定義

低骨量と骨組織の微細構造の異常を特徴とし、

骨の脆弱性が増大し、骨折の危険性が増大する疾患である

骨粗鬆症とは、本来、均質で有るはずの骨の内腔の空間ができてしまい、骨粗鬆症のイメージスカスカになっている状態です。その字のごとく、自分身体を支えている大切な骨が「鬆(す)の入ったような状態」になってしまっているのです。

 

 

 

 

❍骨粗鬆症は、非常にもろい状態になっている

骨粗鬆症は、骨代謝の低下により、骨の内部構造、緻密骨の構造がスカスカになり脆くなった状態で。転倒や打撲で簡単に骨折してしまうことになります。つまずいて手をついた瞬間、くしゃみなどわずかな衝撃に対しても、簡単に骨折してしまいます。さらにひどい状態になると、立位や座位など自分の体重を支えなければならない状況でも骨折することもあるといわれます。では、具体的に「骨粗鬆症」とは、どのような状況なのかをまとめていきたいと思います。

骨粗鬆症は、身体の中心部分とされる、脊椎から変化が始まることが多いとされ、その他、大腿骨近くの骨や上腕骨などに多くみられます。骨量の減少とともに背骨、足の付け根、腕の付け根などの痛みや骨折というような症状が現れます。

●要介護への近道?!

骨粗鬆症は、ほとんど自覚症状がないことが多く、骨粗鬆症と診断された時点で、直接的危機的な状況をもたらす疾患ではありませんが、骨折が寝たきりの状態を生み出し、要介護状態へとつながることが少なくありません。生活の質に関わる大きな意味を持つ疾患だということは否定できないということになります。

❍骨粗鬆症のよくある症状

  • 背が低くなる :身長が~20cmも低くなることもある
  • 背中が曲がる :腰の上部の背骨が後方に丸く曲がるのが特徴
  • 背中や腰の痛み:身体を動かすときなど、同じ姿勢(座位や立位など)を持続しているとき
  • 骨折     :転倒、重い物を持ち上げる、尻もちだけで骨折してしまう

❍骨粗鬆症により骨折しやすい部位骨粗鬆症 骨折しやすい部位

  • 上腕骨外科頸骨折   :上腕骨の肩に近い部分で骨折する
  • 撓骨遠位端骨折    :橈骨の手首に近い部分で骨折する
  • 大腿骨頚部・転子部骨折:股関節に近い太腿の付け根で骨折する
  • 脊椎椎体圧迫骨折・変形:背骨や腰骨などの脊椎椎体がつぶれる

 

 

❍骨格は、相互に関連している

人の身体は、1ヶ所骨折することでその周囲の骨にも、当然負担がかかります。そして、連鎖的な骨折につながりやすくなるために、骨粗鬆症と診断された場合は、早期に発見、治療が望まれます。特に、大腿骨頸部骨折は、骨折により歩行できなくなるというリスクが伴います。治療後も早期にリハビリが必要とされ、片側の骨折が治癒しても、また反対側を骨折して病院に戻ってくるという方も少なくありません。

その後、歩行困難となり要介護状態へと移行するリスクとなる骨折部位です。大腿骨近位部骨折の原因の80%以上が転倒だと報告されています。

骨粗鬆症の治療と平行して転倒防止も重要となります。

 

生理検査アティテュード®からのメッセージ

どうして転んでしまったのだろう…
私の転んだ記憶、そして両親の転倒

 

高齢者が遠くない世代の自分の中にも、転びそうになること、私もよくあります。実際に、

なんでこんなところで?

と思うような記憶が、2016年の初夏の頃、父の病院へ向かう途中で激しくすっ転びました。

そう、「すっ転んだ」という表現がピッタリとくるような転び方でした。足元は砂利道で、水たまりがあるなぁと思い、次の瞬間転んでいました。右膝を思いっきりぶつけて、薄手のパンツの膝が裂け、膝は血が滲み、砂がついて汚れていました。右手を擦りむき、「。。。」

どうして転んでしまったのだろうか?

やはりそんなことを考えていました。想定外のことが、しばしば日常で起きます。ついうっかりということが多いように思います。若い時から、平らな道でもつまずくことがある私です。10年くらい前には、駅の階段を踏み外し、軽い捻挫となったこともあります。捻挫で済むことが、骨密度が低下すると、骨折に至ることもあります。「転倒に気をつけましょう」と、うたっている私自身が骨折では笑い話にしかなりませんよね。これから先、身体機能が低下していく中ではやはり気をつけなければなりません。

❍1度では無かった転倒事故

今回、介護予防運動指導員 養成講座の中で「転倒は繰り返す」ということを再認識しました。両親のことを思い返し時にそのことを実感しています。

母も何度か転んでいました。一度は、頭から激しい出血、亡くなる少し前には、カーペットの上で転んで、顔面を強打し、くちびるから出血、手の小指も骨折していました。ともに、夜の事故で救急搬送されています。ねたきりになるような足の骨折はありませんでしたが、やはり何度も転んでいます。

父も同様です。お風呂場で初めて滑った時に、手すりをつけています。しかし最後もやはりお風呂場で動けなくなったことがきっかけとなっています。骨折などの外傷が無かったことが幸いです。

❍「歩く」とは、生きることへの気持ちもある

人が、立ち上がり、歩く、という行動は、精神面が大きく影響していることを感じます。母を無くした父は、生きる力を失ったようでした。骨折が無いにもかかわらず、動けない、歩けないということを言うようになっていたのです。あれほど、入院を嫌っていた父が、帰ると言わなくなったのです。自分自身に課した「自分の母親の歳までは生きる」という目標を超えたためなのか、誕生日の2日後の出来事です。まるで気力が失せてしまったのように私には感じられました。

どのように言葉を綴ろうかと考えますが、ほんとうの気持ちは、もう聞くことが出来ません。

生き方は、最後の決め方は人それぞれだと私は思っています。

前をしっかりと見据えて、

自分の人生を自分らしく、

転んでしまっても、また起き上がること

私は常に目標を達成するまでは、前進あるのみ。しっかりと歩み続けます。DSC_2254

 

Pure Medical attitude

生理検査アティテュード®

Junko Katayoshi

今日のまとめ

  • 転倒リスクには、内的因子と外的因子があり、さらに転倒の既往歴は予知因子となりリスクをあげる
  • 家の中での転倒が最も多く、1~2cmの障害がもっと危険とされる
  • 身体機能の低下予防に、必要な筋力を維持、向上させるために筋力UPトレーニングを行う

来週は、health attitude blogをお休みさせていただきます。次回は、2月7日(木)を予定しております。今後ともよろしくお願いいたします。


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代表 かたよし純子 Junchan♪  ※自己紹介はこちらから

臨床検査技師/超音波検査士/健康管理士一般指導員/健康管理能力検定1級/介護予防運動指導員/米国NLP協会認定NLPトレーナー/臨床心理学 基礎エキスパート取得

今日も最後までありがとうございました。

☆アンコモンセラピー「ワンコイン¥500」読書会☆

セカンドバージョンも快調なスタートです!

ヒプノセラピーにご興味ある方、ご参加お待ちしております!

毎月、大崎ゲートシティ スターバックスコーヒーで開催

米国の精神科医ミルトン・エリクソン博士は、発達障害だった?!

催眠療法の大家とされる、精神科医エリクソン博士は、変わった子どもと言われ、さまざまな感覚障害を持ち、読字障害、失読症ともいわれ、さらに色盲に音痴だとされています。そのエリクソン博士「ミルトン・エリクソンの戦略的手法」を紹介されているこの本の読書会、次回は、2019年2月25日(月)となります。イベント準備が出来ましたらこちらでもご案内致します。

心理療法にご興味ある方、ぜひ、ご参加お待ちしております。