元気&HealthのJunchanのblogにご訪問ありがとうございます。医療スタッフのメンタルパートナー かたよし純子です♪ 今週は、ストレス・コーピングの一環として「自己開示」を考えて見たいと思います。自己開示という場合、単なる社会的コミュニケーションの1種としてのみではなく、隠して置きたいような心の闇となる秘密部分の自己開示です。初回は、自己開示を考えること、そして、打ち明けないことの弊害、慢性ストレスから心身症を引き起こすメカニズムを中心にまとめていきます。プラスαでは、一般的に自己開示と混同されそうな、自己呈示との違いをまとめていきたいと思います。今日もぜひ最後までお付き合いお願いいたします。

 

1.科学的研究からみる非自己開示・抑制型の影響への理解

1-1 「自己開示」とは、感情を伝えるというコミュニケーション

1-2 日常のさまざまなストレッサーへの感情焦点型の対応

1-3 自己感情への対応、抑制型による弊害とは?

今日のプラスα

2.自己開示と似て非なることば「自己呈示」とは?

3.生きる力 人間力を考える    

生理検査アティテュード®からのメッセージ

・ネガティブな感情を閉じ込めることの弊害

 

1.科学的研究からみる非開示・抑制型の影響への理解

1-1 「自己開示」とは、感情を伝えるというコミュニケーション

悩みごとを誰かに相談することありますか?気軽に相談できる人、自分自身の周囲にいますか?

自己開示とは

開示とは、事柄の内容を明らかに示すこと。

個人的な情報を他者に打ち明ける行為という意味で、臨床心理学者シドニー・ジュラードが「自己開示 self-disclosure」 と用いたことばです。

❍社会的コミュニケーションとしての自己開示Self-disclosure

自己開示とは、親しい人に自分の気持ちや、今 悩んでいることを、自己の内面に抱える個人的な情報を、他者に打ち明ける行為としています。打ち明ける「相手」が存在するということが前提とされ、そのために社会的コミュニケーションの一種とされています。

●伝える相手との関係性

社会心理学の領域において、お互いの関係性が自己開示にどのように影響するか、自己開示ということが2者の関係性にどのような影響を及ぼすのか、などが研究されています。

個人的な秘密の開示とは、自分自身の健康や社会に対しての適応上で、問題となるようなことに関する情報の開示であり、自己の向上を求める行動となります。単なる雑談のような会話にとどまるのではなく、告白に近いような内容を意味します。自分自身に関する個人的な情報を、循環的な関係性の上に何の意図もなく、言語を介してありのままに伝えることを言います。

❍ジョハリの窓にみる自己開示の効果ジョハリの窓(Johari window)4つの窓

さまざまな実証研究により、この自己開示が語る人の心身の健康や社会的適応力が向上することが実証されています。以前のブログで「ジョハリの窓」に自己開示(セルフディスクロージャー)をまとめたことがあります。この中での「C.秘密の窓」の部分です。

人の心、無意識の部分には、自分自身でも正確に認識できていない部分が多くあるとされています。すなわち、ジョハリの窓の「D.未知の窓」の部分です。

自己成長のためには、「A.開放の窓」をより広くすることが必要だとお伝えしています。

 

1-2 日常のさまざまなストレッサーへの感情焦点型の対応

日常の中で人はさまざまなストレスを受けています。以前のブログでもまとめた、ストレスの原因「ストレッサー」を再掲しておきましょう。

❍人のストレスに対する反応

ストレッサーは、その原因から、「外因性ストレッサー」と「内因性ストレッサー」とに大きく2種類に分けられます。

●外因性ストレッサー

  • 物理的ストレッサー     寒暖の差、騒音、高低音などによる刺激 など
  • 社会的ストレッサー     経済情勢の変化、人間関係
●内因性ストレッサー
  • 心理的・情緒的ストレッサー 緊張、不安、悩み、焦り、寂しさ、怒り、憎しみなど
  • 生理的・身体的ストレッサー 身体的、生理的なもの 疲労、不眠、健康障害 など
ストレッサーの種類

❍ストレス体験の対応、どうしていますか?

人は日常、社会の中でさまざまなストレッサーと対峙し、ストレス経験を受けています。そして、人はこれらのストレスを経験した時に、ストレスからの脅威や苦痛などのさまざまな感情を取り除きたいと、意識的に認知的、行動的な努力を行うことが多いとされます。この機能は、人が生まれつき持っている、心を正常に保とうとする、心理的自己免疫力です。

ストレッサーは、コミュニケーションの問題だけではなく、生活環境などの環境要因も生じます。このように考えると人は常にさまざまなストレスと接していることが理解できるのではないでしょうか。

例えば、「寒い」と感じれば、少しでも暖をとろうと、暖かい場所に移動することや、着衣を増やす、雪予報のときは、暖かい服装や滑りにくい靴を選択するのではないでしょうか。環境に対しては比較的対応しやすいのかも知れません。しかし、対象となるストレッサーは、上記にあげたようにさまざまなものがあります。

❍感情焦点型のストレス・コーピングの分類

このストレスへの対処方法、ストレス・コーピングは、大きく2種類に分けられます。

  • 問題焦点型:ストレッサーへ直接的に働きかけ、問題自体変化させることを目的とし、行動する
  • 感情焦点型:不安、抑うつ、イライラなど自分の中に生じた不快な感情を解消させることを目的とする

問題焦点型への対応は、例に上げたように、自ら行動に移すことでストレス解決されることかと思います。その行動内容にはさまざまありますが、今回のストレス・コーピングのテーマとしての自己開示は、「感情」へのアプローチです。この不快な感情に働きかける感情焦点型への対応を見ていきましょう。

感情焦点型の対処は、下記のように分類されます

●感情焦点型の対処
  • 抑制型の対処:思考の回避など、ストレス経験について考えない→不快感情が残る
  • 促進型の対処:再評価など、ストレス経験に積極的に向き合う →不快感情の改善
●心身症の症状とは?

下記に「心身症」一覧を表にしてみました。以前のブログの再掲ですが、実に多くの症状の原因となっていることを再確認してみてはいかがでしょうか。

ストレスに対する心身症

<ストレスによる心身症の一覧>

 

1-3 自己感情への対応、抑制型による弊害とは?

ストレスが人の身体に心身症を招くことは知られいますが、その科学的メカニズムをまとめていきましょう。

❍感情抑制による健康障害を引き起こすメカニズム

ストレスの慢性化は、身体的な健康状態を低下させ、身体の機能障害の原因となることはご存知の通りです。そして上記に上げた心身症は、ストレスが原因とされる健康障害です。

●ストレス内分泌反応(HPA軸)と交感神経の反応

人はストレスに遭遇すると、視床下部→下垂体→副腎皮質から、ストレス内分泌反応(HPA軸)が起こるとされ、交感神経を活性化させ、全身にエネルギー供給することで身体は、ストレッサーに対する戦闘態勢に入るということがわかっています。

<慢性的ストレスが引き起こす身体の反応>

人の身体は、ストレスを受けることによって、主に2つの反応が起きることがわかっています。

①HPA軸 視床下部(コルチコロトピン放出ホルモン:CRH)→下垂体(副腎皮質刺激ホルモン:ACTH)→副腎皮質ホルモン(コルチゾール)→免疫抑制 

ストレスに対して短期的に対処される反応とされますが、慢性的なストレスに対して繰り返され続けると、免疫力の低下、さまざまな疾患への抵抗力が低下してしまいます。コルチゾールは、血糖値の上昇、細胞性面疫や液性面疫を抑制する機能をもちます。 ナチュラルキラー(NK)細胞の活動を抑制してしまうことになるために、毎日作られると言われているがん細胞へ対応力を悪化させ、がん発症のリスクにもなります。

②交感神経の興奮→身体の各臓器に作用、副腎髄質からカテコールアミンの分泌を促す

カテコールアミンは、血管収縮、心拍数増加、血圧上昇、血小板機能の増加、胃の粘膜血流の低下、肝臓からのブドウ糖放出などの反応を促します。そのため、ストレス状態での長期的な活性化は、心血管系に対して持続的な負荷状態となり、慢性疾患の発症リスクとなります。

❍感情焦点型・促進型の対処を行うことの必要性

前項で上げた2種類の感情焦点型のストレスへの反応をまとめると、

  • 抑制型の対処:ストレス感情の回避、目を背ける、ストレス経験について考えない
    • 不快感情が残る
    • 認知の再体制化の機会を奪う
    • 認知、感情のコントロールを困難にしてしまう方向性に作用する
    • 生理的・身体的馴化が生じる機会を奪う
    • ストレスの慢性化を引き起こし、身体機能の低下
    • 心身を過度の緊張状態とする
  • 促進型の対処:ストレスに対する再評価、ストレス経験に積極的に向き合う
    • 不快感情の改善
    • ストレスに対する認知的・感情的処理を促す
    • ネガティブな認知、感情の抑制が容易とする
    • ストレスの慢性化状態を改善
    • 過度の生理的な緊張状態が解消される
    • 複合的なプロセスにより、長期的にみる心身の健康および社会的適応状態に完全がみられる
感情焦点型のプロセスの開示効果

<感情焦点型のプロセスの開示効果>

 

2. 自己開示と似て非なることば「自己呈示」とは?

今回ここで取り上げた自己開示とは、単に自分のことを語るのではなく、自己の感情を伝えるということをで、トラウマになっているようなネガティブな自分を開示するということの効果をお伝えていきたいと思っています。その具体的な効果は、次回のブログでまとめていきます。

❍自己呈示とは?

いろいろ検索していく中で、「自己呈示」ということばにも遭遇します。自己開示は、自己の秘密的な感情を他者へ、相互的なコミュニケーションが成立しているの場だという前提のもとに行われる開示です。

●自己呈示は、自己アピール

自己呈示とは、自己に関する情報を他者に伝える際、伝える内容に対して、意図的な調整を行い、特定の印象を戦略的に他者に与えようとする行為のことをいいます。すなわち、自己呈示を行うということは、利用者側の戦略的な意図があるということがありうるということになります。

自己呈示は、常に本来の自分を他者に見せているわけではなく、自分にとって望ましい印象を与えようとして、偽りの自分を見せるということや、自分の短所を隠し、長所のみを呈示するなど自分の良い側面のみ見せるということを意図的に行うことも含まれます。むしろ、このような呈示のほうが多いとされています。

❍自己呈示の利点_20190210_223517

自己呈示は、インターネットコミュニケーションにおいて、肯定的な自己像を相手に積極的に提示できる可能性が広がる点があげられています。そして、この自己呈示は、インターネットコミュニケーションの特性として、匿名性で行うことが出来るために、自己呈示によるプラスの反応となり、自由な自己表現のへのきっかけとなるという効果もあるという事も言える。

インターネットコミュニケーションは、多面性をもつコミュニケーションとも言われています。心理学的にもこれからさまざまな研究対象となる分野のようです。

 

3.生きる力 人間力を考える

人間力、私が伝えたい人間力とは、生きる力です。ひと頃言っていた「活き活:いきかつ」、社会の中で生きていく、自分を活かすための活動です。自分らしく個性を活かし、輝かせることにつながります。

❍人間力を考える

どのように生きるのか?という意味で、私なりに人間力に必要なことを考えています。人間力とは、人との関係性、コミュニケーション力でもあると思っています。

人は、社会に生きる動物です。そして、アドラー心理学のアルフレッド・アドラーは、すべての悩みは「対人関係」の悩みであるとも言っています。それは、周囲との関係性を断って生きていくことはできないということにつながるのだと私は思っています。

●「人は社会的動物」と言われる

社会心理学の教科書的な本のタイトル「ザ・ソーシャル・アニマル」から人は社会的動物とも言われているようですが、このことばを聞いた時に私が思ったことは、人間力とは、人との関係性を構築する力だともいえるのだと思いました。コミュニケーション能力だとも言いかえることが出来ると思います。

私が、実践心理学、コミュニケーションということを学びはじめてもうすぐ10年となります。実践心理学と言われているNLP:神経言語プログラミングNeuro-Linguistic Programmingは、実践心理学ともいわれます。この中で私がよく言うことは、自分自身とのコミュニケーションが基本だとも言うことがあります。自己を知ることが他者を知ることに繋がります。

今では、自己が分からなければ、社会とのつきあい方、もちろん他者との良好な関係性を気づくこともできないと思っています。

社会心理学とは、人が社会の中、日常の中で遭遇するさまざまな出来ごとへの心理的対応が研究されます。それは、自分自身の頭に中で起こっていることに対しても社会心理学に相当します。そのことが、アドラーがいうところの、すべての悩みは対人関係ということばに表されているように思います。

❍社会心理学に見るNLPのエビデンス

社会心理学の中の1つ1つの理論の中に、NLPのエビデンスを見出すことが出来ると感じました。実際に、立てられる仮説の解決方法の多くがNLPワークで解決できるものだということです。

●NLPがまとめられたのが、1970年代、ベトナム戦争後の米国です。社会心理学の多くの研究理論は、それ以降のものが多く見られます。そのことからNLPが、人々の体験を通してまとめられている優れた「実践心理学」だということなのだと今回、再認識できた次第です。

❍毎日の生活の中でいちばん大切なこと

大切なことは、命の大切さを考える力、それが人間力であり、生きる力だと私は思います。この人間力を実践させるためには、右脳と左脳の統合的な行動姿勢が重要になってくると考えています。

SOSのメッセージを力の限り発信している子どもや弱者を、誰もが普通に救える社会を創ること、担うことを真剣に考えることが喫緊の課題ではないでしょうか。

 

生理検査アティテュード®からのメッセージ

 ネガティブな感情を閉じ込めることの弊害

誰にも知られたくないような事実を持つことに対して「恥」と感じることもあります。個人によって、そこにある感情は様々ですが、自分以外の人に伝えることなど、絶対に有ってはならないことだと思いこともあるのではないでしょうか。

❍押し込めた先にあるものとは

人の持つ感情は、さまざまであり、他者からは、どうやっても推測の域を出ることはできないこと、その人にしか、本当の感情は理解することはできないと私は思っています。

しかし、しっかりと受け止めることはできます。

人の心が抱え込める、一人の人の身体が受け止めることが出来るストレス量は決まっていると私は考えます。溜め込むことでさまざまな身体の障害が出現してきます。行動しようという気力が無くなり、生活が荒んできます。そして、その状況に現実を見て、見て見ぬふりをしている自分自身に対して自己嫌悪に陥り、さらにその状況をひた隠しに、隠そうとするネガティブな行動が連鎖的に継続していきます。ギリギリの状態になっても、気づけばよいのですが、そのままうつ状態になることも少なくありません。

❍マイナスのエネルギーの放出の大切

一度にすべてを開示することは、凄くエネルギーを要することだと思います。実際、行動に移すまでにはかなりの時間とエネルギーと勇気を要します。

しかし、その効果は大きな生きる力となると私は思っています。負けない心、そして他者を思いやる心を育むことができると信じています。

この続きは、次回でまたお話していきたいと思います。

 

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生理検査アティテュード®

Junko Katayoshi

 

 

今日のまとめ

  • 自己開示とは、個人的な情報を他者に打ち明ける行為、社会的コミュニケーションの1つとされる
  • ストレスへの対応として、感情抑制する対処方法によりストレスの慢性化が生じる
  • 慢性的ストレスが引き起こす身体の反応には、HPA軸と交感神経系の活性向上がある

 


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