JunchanのHealth attitude blogにご訪問ありがとうございます。医療スタッフ・メンタルパートナー かたよし純子です♪ 今週は、手離せない心、依存する人の心理をまとめていきますが、そのきっかけは、前回のブログでお伝えしましたが、通勤時間帯でのスマートフォンの利用率の高さです。スマホは、非常に便利であり、10代の利用率は80%を超えています。その状況を踏まえて、スマホ依存やゲーム依存の増加ということが問題とされてきていることも前回お伝えしています。今回は、ゲーム依存ということを中心にまとめていきたいと思います。ゲーム依存は、30~40代でも増加しています。依存傾向から、ゲーム障害になる前にストップ!

1.弱い心ではない、使用障害「依存する心」への理解

1-1 ゲーム症(障害)は、専門的な治療が必要な疾患

1-2 ゲームにどうして依存するのか?心のメカニズム

1-3 依存するとどんな影響があるのか?

今日のプラスα

2.子どものから大人まで幅広い世代の疾患

3.嗜癖と依存とは? ~昨年のブログの復習として~

生理検査アティテュード®からのメッセージ

・薬物依存の話題から伝えたいこと...

 

1.弱い心ではない、使用障害「依存する心」への理解

前回のブログでお伝えした、「ゲーム依存」は、2018年6月に疾患して認定することが発表されています。このお話は、2011年からインターネット依存専門外来(TIAR)を行っている 久里浜医療センター病院長のことばです。

そして、

ゲーム障害は意志が弱いから、やめられないのではない

心の病であり、専門的な治療が必要

だと語っています。

1-1 ゲーム症(障害)は、専門的な治療が必要な疾患

ゲーム症(障害)とは?

ゲームをすることに対する制御の障害によって特徴づけられるゲーム行動の様式(「デジタルゲーム」または「ビデオゲーム」)として定義

2018年に、国際疾病分類 ICD-11での改定草案で、ゲームに没頭することを優先してしまう状態とされ、その結果、マイナス否定的状態が生じているにもかかわらず、ゲームの使用が持続、またはエスカレートします。

ゲーム症(障害)が診断されるためには、その行動様式が、個人的、家庭的、社会的、学業的、職業的または他の重要な機能領域において著しい障害をもたらすほど重大でなければならず、通常少なくとも12ヶ月間にわたって明らかな状態だとされます。

※引用サイト「ゲーム症(障害)とは」Wikipedia

❍ゲーム症(障害)の位置づけ

WHO(世界保健機関)が昨年2018年6月に公表した ICD-11(国際疾病分類 第11版)での「ゲーム症(障害)の位置づけをみていきましょう。

はじめに...依存と嗜癖についての復習として
さまざまな依存する心(2018.11.26のブログより)
依存症:Dependenceと嗜癖:Addictionとは?
「依存症」とは…

「特定の物質や行為・過程に対して、やめたくても、やめられない、ほどほどにできない状態を依存症という」とあります。

精神に作用する化学物質の摂取や、ある種の快感や高揚感を伴う行為を繰り返し行った結果、それらの刺激を求める耐えがたい欲求が生じ、その刺激を追い求める行為が優勢となり、その刺激がないと不快な精神的・身体的症状を生じる、精神的・身体的・行動的状態のことである

「嗜癖・しへき」とは…

嗜癖とは、物質使用を繰り返し、使用量が増加(乱用)し、使用できない状態となると重篤な症状となり、使用に対する押さえがたい衝動が高まり、身体的・精神的悪化に至る状態となること とあります。

※引用サイト「依存症」厚生労働省HP、「依存症」「嗜癖」Wikipedia

上記は、昨年11月のブログでまとめたものです。国際疾病分類、ICD-10(ICD:International Classification of Disease 1992年)での診断基準です。ICD-10には、ゲーム依存症(嗜癖)は含まれていませんが、2018年6月のICD-11には、「物質使用症(障害)群または嗜癖行動症(障害)群- 嗜癖行動症(障害)群」カテゴリおよび「衝動制御症群」において「ゲーム症(障害)」が採用されたとのことです。

「ゲーム症(障害) Gaming disorder」の下位分類
  • ゲーム症(障害)主にオンライン
  • ゲーム症(障害)主にオフライン
  • ゲーム症(障害)特定不能

ゲーム症(障害)は、その状況を持続、反復するゲーム行動が特徴とされ、ゲームを行うことに対して制御できない、開始、頻度、強度、持続時間、終了、状況などの自己コントロール出来ない状態です。DSC_2580

ゲームとは、「デジタルゲーム」「ビデオゲーム」「オンラインゲーム」「オフラインンゲーム」どのゲームでも同様だとされています。否定的、マイナスの状態が生じているにもかかわらず、ゲームの使用が持続している、もしくは、エスカレートしていきます。

 

 

1-2 ゲームにどうして依存するのか?心の発達の中で

ゲーム障害は、子どもに多くみられるという、その理由を久里浜病院の院長 樋口先生のお話を中心に、含めてまとめてみましょう。

❍課金システムに見る「ギャンブル性」が増加させている

ゲームのもつギャンブル性も指摘されています。ゲームシステムの持つ、一度味わったらやめられない刺激を味わうことが出来るという状況が整えられていることも加担され、依存を加速させているということも「ゲーム障害」へと移行させることに対してプラスとなっています。

●アイテムへの課金システム

お金を支払うことで、魅力のあるアイテムが手に入るというシステムも問題だとされています。ゲームを売る側が、儲かるシステムを作っているために、欲しくなるアイテムを買わせるように仕組まれています。このしくみそのものが、依存性を高めていると行ってもよいのではないでしょうか。

❍ゲーム障害にどうして陥るのか?

どうしてゲームに陥るのか?脳科学では、「ゲームに対する衝動を抑えられない」ことが関係していると言われています。

●知って欲しい…子どもの未成熟な脳に及ぼす影響

理性的な判断を行う部分は、脳のいちばん前側、前頭部とされる、前頭前野にあり、この部位で人は行動コントロールを行っているとされています。この、前頭前野は、成長とともに成熟していきます。そのため、未成年者は成人と比較し、理性の脳のしくみまだ整っていない状態とされます。

そのような状態にも関わらず、過剰なゲーム行動によって依存行動を積み重ねることにより、前頭前野の働きが低下するといわれています。すなわち行動のコントロールが効かなくなってしまうということになります。この状態は、薬物やアルコールとどうようの脳の状態だということがわかっているとされています。

●日常の対人関係などのストレス回避行動

子ども社会は、大人が思っている以上にストレス社会だともいえます。人は、成長とともにさまざまな経験・体験を通して対人関係などのストレスに対しても学習していきます。子どもはその経験も浅く、大人以上に過大なストレスを抱えていると私は思っています。

学校などの日常の社会生活の中で、対人関係を苦手とする、そして、居場所が無いなどの過剰なストレス状態からの回避行動として、ゲームの中に逃げ込むような状態から抜け出せなくなったためにゲーム症(障害)になりやすいケースが多いと考えられています。

❍現在のゲームシステム「課金システム」の高揚感

あるゲームをクリアした時の達成感といえる「スッキリ」感、あるのではないでしょうか。得点が表示されること、さらに高得点を...そう思う気持ちがエスカレートしていくのではないでしょうか。失敗したら簡単に終了させて、はじめからやることも簡単にできる

さらに、

その次は、後1回、あぁ、惜しい!もう1回...

こんなことを思いながらエンドレスにつながる行動に。

翌日眠さを感じつつ、今日はやめよう...という葛藤がそこにある内に気づく気持ちを押し込め、

今日は、1時間だけ...悔しさと達成感の狭間なのかも知れません。

こんな感情の自己対話もあるのではないでしょうか。

課金とは、お金だけではなくこのような「達成感」「自己高揚感」を引き出すシステム全てに対して当てはまる言葉だと考えます。実際に、ゲームの中には、魅力的な有料アイテムもあるようですね。私はゲームにお金を費やしたことはありませんので詳しいことは分かりませんが、ある種、買い物依存にもつながる「欲しい」という感情を引き出す課金システムがゲームにはあります。

恋愛ゲームの相手に恋をしたて「自己肯定感」「自己高揚感」が脳の報酬系に作用していきます。さらに次に行きたいという感情です。日常生活のネガティブな場面からの逃避行動としてはまり込むこともよくあるようです。

❍脳のメカニズム 報酬系への作用

止めたいという気持ちがあるのにもかかわらず、やめられない状態に陥った場合、それが「障害」につながるゲーム症(障害)は、やめられない習慣行動、自己コントロール不能となってしまう状態です。

その脳のメカニズムは、昨年まとめたアルコール依存症などと同じメカニズムとされます。前回の記述を再掲しておきましょう。

●ゲームに脳を乗っ取られている

依存する心は「意志が弱い人」ではなく、「心の疾患」です。この脳障害は、快楽物質とされる脳内物質のドーパミンが関与しています。依存症・使用障害のことを「脳が乗っ取られてしまう」ともいわれます。どうして脳のコントロール不全となってしまうのでしょうか。

ひと言でいうと「脳に与えられる報酬、ドーパミンが欲しくて行動、行為を行ってしまう」というメカニズムだとされています。ドーパミンが関与する、脳内報酬系が作用しています。ドーパミンは、食行動、性行動などの本能的行動への快感をもたらし、行動を持続し、種の保存を図ろうとする回路とされています。言い換えると、本能的な「快」を求める行動につながってしまっている「脳疾患」が使用障害です。言い換えると、誰にでも発症する可能性があるということになります。

❍依存し続けてしまうか?否か? その違いは

その人の報酬系に対して「快」と感じられる刺激があり、その快が得られないと渇望をもたらすことになります。その渇望の強さは、食行動、性行動などの本能的行動の時と、薬物を乱用した時の快は格段に異なるとされ、薬物の場合は、本能的行動の数十倍も強く、かつ、その渇望も大きいとされます。さらに個人差が加わるために、快の体験を得やすい人は、確実に薬物依存に陥るということになってしまいます。

●ドーパミン受容体の感度

人によりドーパミン受容体の感度「生理的機序」の違いがあきらかにされています。

依存性物質として、精神刺激薬メチルフェニデートに対する反応、感情体験がその違いをあきらかにしているとされています。ドーパミン受容体感度の低い人が「快」と感じる量では、感度の高い人は「不快」と感じるとされ、感度がより低い人は、「快」も「不快」も感じないということです。

❍ドーパミン系とセロトニン系のパスウエイに関与する薬物や物質

依存症対象となる物質や薬物のほとんどが、ドーパミン系とセロトニン系のパスウエイに影響することが分かっているとされます。脳の中脳腹側被蓋野から側坐核を経て前頭前野に投射している中脳辺縁系ドーパミン回路は、脳内報酬系の中心であるとされています。

●やる気を出す「ドーパミン」

報酬系に刺激が加わると、脳内報酬系のドーパミンが放出されることにより不安やイライラが解消されます。この回路をドーパミン系とされます。ドーパミンは、「やる気を出す」脳内物質といわれ血圧上昇、血糖値上昇、戦闘準備をします。

●興奮を抑制する「セロトニン」

興奮を抑制する回路がセロトニン系とされ関与する物質がGABA神経系となります。セロトニンは、ドーパミンの過剰を抑え、冷静な判断を委ねます。

●ドーパミンとセロトニンのコントロール

バランスが崩壊し、依存状態となると、不安やイライラなどのストレスを感じ、興奮を引き起こす回路が強まると、依存対象(アルコールや薬物など)と直結して思い出されることになります。

●脳は学習される、そして、依存症へ嵌まり込む回路形成

脳は、学習します。ストレス状態に耐えられなくなり、その苦痛状態から逃れるために、アルコールやニコチン(タバコ)、甘いものを食べるなどという行為で報酬が得られる、心地よい「快の状態」になれるのだと学習します。学習により脳内に報酬を求める回路が作られてしまうことになります。アルコールや薬物が体内に取り込むことが習慣化されることで、快楽物質が強制的に分泌される状態が繰り返されることになります。

抑制回路は、弱められることになり、セロトニン系は、ドーパミン系の暴走を止めることが出来なくなってしまいます。結果、不安状態が継続されてしまうことになり、暴力的な行動を引き起こすことになります。次第に喜びを感じる中枢神経の機能が低下していきます。快感・よろこびが感じにくくなるにしたがい、以前のような強い快感や喜びを得ようと、ますますアルコールや薬物量、頻度が増すことになります。
さらに快感・喜びは感じにくくなり、焦燥感や不安、物足りなさばかりが増していく…という悪循環に陥っていきます。エスカレートするのは、このような脳のメカニズムが原因、自己の意志に反して、「脳が乗っ取られた状態」依存症です。

報酬系の刺激は、アルコールやニコチン以外にも多くの状況でもたらされます。ギャンブル依存、ゲーム依存、インターネット依存、買い物依存など多くの状況で脳は同じ様な作用を招き、使用障害が発症します。

❍使用障害は、心の病です

●「孤独の病気」依存症

人と関わることが苦手で、周囲との適切な関係性が維持できない、負担になり、常に生きづらさを感じている、自分に自信が持てない、こんな不安や焦りから一時的に逃れるために、アルコールや薬物、ギャンブルなどに頼るようになってしまうことから依存症に至ることも少なくありません。

●「否認の病気」依存症

自分自身の現実を認めない、抱えている問題を認めない、病気だということを否認することが特徴です。周囲の家族を巻き込み、疲弊させていることに対しても否認し続ける。

❍依存症は、誰でもあり得る疾患、脳の報酬系メカニズム

依存症は、上記でまとめたように、意志の弱さや性格の問題も関係ありません

上記の、報酬系メカニズムの条件が作用した時に、だれでも依存症を発症する可能性があるということです。

  • ゲームが面白くて、夜中まで行ってしまっていること、あるのではないでしょうか。
  • 嫌なことが続き、やめようと思っても、ついつい飲みすぎてしまうこと、あるのではないでしょうか?

これらの状態に、重篤なストレスなど、複数の要因が加わるなどの条件さえそろえば、誰でも依存症になる可能性があり、特別な人だけがなるわけではないのはこのような理由からです。周囲の人が早めに気づき、必要な治療や支援につなげることが重要です。

この脳の発達に、前項でしましたように、大脳の前頭前野の発達が関わっています。だからこそ、子どもたちを守って欲しいと強く願います。

依存する心・脳への影響

<依存する心・脳への影響>

●オンラインゲームに依存する心

インターネットへの依存が多くの10代~20代の若者にみられるが、その中でもオンラインゲームへの依存に没頭するといわれています。ネットを介して、オンライン環境で通信しながら、複数で同時に楽しむゲームです。

複数の仲間などとチームを組んで行うゲームです。オンラインゲームは、夜、遅い時間からが最も盛り上がる時間帯だとのことです。深夜でのゲームは、睡眠時間を削ることになります。当然、仕事や学業に影響が生じるようになります。

さらにチームによるゲームとなるために、周囲のメンバーに迷惑がかかるということ生じるために自分だけ抜け出すことが出来なくなるということも、難しい状態となり、止められなくなる理由の一因だとされるようです。

●蟻地獄のような落とし穴

多くのオンラインゲームは、お金をかけてアイテムを購入するというシステムが作られています。ゲーム通貨をクレジットや電子マネーが使われます。課金するほどに強いアイテムが手に入るシステムとされ、架空の世界でのことですが、強い自分になれるという自己肯定感などもあるのかも知れません。

さらに、もっと、どんどん強くなしたいという気持ちがエスカレートしていきます。ゲームのなかで生きる自分を現実の自分と見分けがつかなくなっているのでしょうか。

 

1-3 依存するとどんな影響があるのか?

日常の他の行動よりもゲームをすることが最優先される状態となってしまいます。

❍ゲーム症・障害の診断

冒頭で定義として上げたように、少なくても12ヶ月の間、依存状態が明らかであることとあります。しかし、そのような状態になる前に、抜け出して欲しい、すべての診断条件が充たされる以前に、歯止めをかけることを願います。症状が重篤であれば、さらにその期間は、短期になるともしれないとされます。

ネット依存・ゲーム依存は脳に多大な影響を与えるということが分かっています。

❍依存する心が欲しいものは

依存する心は、どんな報酬が欲しいのでしょうか。そこには何かが充たされない、穴の空いたような心があります。

  • ストレス解消手段として
  • 達成感、高揚感、自己肯定感
  • 冒険心
  • コミュニケーション手段として
  • 人間関係の構築
  • 喜び、楽しみ、
  • 社会的な地位、名声

などなど、人によりその目的とする報酬は、さまざまなものがあげられます。人の行動には、必ず、自己欲求に対して肯定的な意図、意味があります。

でも、その依存行動への目的・意図は本人も気づいていないのかも知れません。自己の行動を客観的に判断できるうちに、その意図を探し出し、行動を改善させて欲しいと思います。

『自分の本当に欲しいものは何なのか?』

この質問を自分に課してみてください。その本意を知ることが脱出への道だと、メンタルパートナーとしての私は考えます。

❍深刻な脳への影響

身体がボロボロになっても、より衝動的な、強い刺激を求め続けてしまう...

何を置いても、ゲームをやりたい衝動が抑えられない、そのため生活の乱れは言うまでもありません。「食べない」「眠らない」「動かない」この状態が、エンドレスのように、持続的に行われます。このような状態はいうまでもなく、身体にさまざまな障害をもたらすことになります。身体的な障害から精神的な障害までさまざまな症状としてあらわれてきます。頭痛、肩こり、吐き気、視力や体力低下、意欲、関心、情緒不安定、イライラ、攻撃的な行動として表出されます。

止めたくてもやめられない依存状態は、自分の意思ではどうすることも出来ないことが多く、その理由は脳への変化があると考えられます。下記のような症状が見られたら依存心へのサインです。

●日常生活での問題
  • 睡眠の異常 :不眠・昼夜逆転生活
  • 食生活の乱れ:食事よりもゲームを優先する生活、1日1食、偏った食事
  • 目の異常  :眼精疲労、視力低下
  • 心理的な乱れ:イライラ・焦燥感など
  • 外見の乱れ :服装、身だしなみに構わなくなる、不衛生な外見、入浴する時間もゲームが優先

ネットやゲーム依存でとくに多くみられるのが、昼夜逆転生活、そのために、職場や学校への遅刻や欠勤、欠席が目立つようになります。

●社会的な問題
  • 学力や成績の低下
  • 遅刻、欠席や欠勤
  • 家事、育児など社会的役割分担の放棄
  • 家族や友人との会話の減少
  • 攻撃的な態度・暴言・暴力
  • ネットやゲームなどに関することで嘘をつく
日常生活・社会的な問題
<ゲーム症 日常生活・社会的な問題>

2.子どものから大人まで幅広い世代の疾患

ゲーム依存は、10~20代の若者たちだけの疾患ではありません。

❍身近で楽しめるゲーム、そして依存

2010年代のはじめ頃より、ネットやゲーム依存が問題となり始めたといわれていますが、2018年WHOは、ICD-11にて、ゲーム障害の収載を認定しています。スマートフォンの普及とともに、今や、若い世代のみならず、30~40代にも増加が見られるとのことです。

気づいたら、ゲーム課金による、カード会社からの高額請求に追われるようになっていた。

始まりは、無料ゲームでも、ほんの少しだけなら、という欲求が、高まり、歯止めがきかない状態に陥ることにもなってしまうのです。自己破産しかねない、数百万円といこともあるようです。

❍たくみに作られている課金システム

無料と有料のゲームキャラクターの違いがあり、課金することで魅力的なアイテムを手にして、加速度的にゲームの魅力にはまり込むようです

●大人の心の隙間にはまり込むネット依存・ゲーム依存

分別のあると思われる成人でも、ゲーム依存を招くとされます。そこにはどのような背景があるのでしょうか。

忙し過ぎる社会背景、日常生活に追われ、職場や学校と家の往復のみ、それでも生活に追われ、日常はストレスで満ち溢れています。十分な休息も得られず、休みをとることもままならない。忙しすぎる、未来が見えないそんな背景が多くの30~40代にあるといわれています。

日常にあるのは、多種多様なストレスと、将来に対する不安感のみ、充足できない満たされない心がゲームの中に魅力を見出したのだともいえるようです。多少のお金をかければさらに魅力的な物が、ゲームを行うことで、自分の欲求が充たされるのではないか、そんな誘惑に誘われるかのようにゲームの世界にのめり込んでしまうようです。

●スマホの普及と自由なお金

30代のネット依存・ゲーム依存の増加は、スマートフォンの普及と相関するとされています。大人もスマホでゲームが身近になったという社会背景が増加をうながしているとされます。ゲームを行うことで、日常生活からの一時的な回避行動となり、気晴らしから気軽にはじめたことが深刻な問題につながってしまっているということです。若年層では自由になりにくい、有料ゲームに課金してしまうことが、より深刻な問題になると考えられます。

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3.嗜癖と依存とは? ~昨年のブログの復習として~

言葉の意味として、昨年11月のブログでも取り上げていますが、加筆して、再掲しておきましょう。

❍嗜癖(しへき)とは

習慣が行き過ぎた結果、その行動をコントロールできなくなってしまった状態が嗜癖・悪習慣です。行き過ぎた行動は、社会生活を営む中で、さまざまな健康障害や、社会的な問題を引き起こします。ギャンブル嗜癖、買い物嗜癖、セックス嗜癖などがあげられるとされています。

❍依存とは

嗜癖のうち、習慣の対象が物質の場合を依存とすると説明されています。例をあげると、アルコール依存、ニコチン依存、覚せい剤依存とされます。

嗜癖と依存とが混同したまま使用されているとされ、ギャンブル依存や買い物依存が一般的に用いられているものの、誤った呼び方だとされていたようです。

※引用サイト 久里浜医療センターHP インターネット嗜癖(依存)

❍嗜癖から依存する心につながる

1950年代に世界保健機関WHOにより嗜癖は、有害な結果にもかかわらず、報酬刺激に対しての強迫的関与を特徴とする脳障害だされています。嗜癖は、依存症のような意味で定義されたとありますが、依存症とは異なる意味となる「乱用」の意味でも用いられるために、WHOの専門用語から除外したとあります。現在の厚生労働省のHPでは「依存症」とされています。

嗜癖は、2013年のDSM-5において大分類名として分類され、その下位にDSM-IVの依存症と乱用が統合された物質使用障害があるとされています。

※DSMとは(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)アメリカ精神医学会の診断基準です。1960年代に嗜癖(Addiction)と習慣(Habit)の2つの用語は破棄され、依存(Dependence)に変更されています。

❍依存症から「使用障害」へ
依存症診断の変遷

使用障害の分類は、軽症・中等度・重症とされていると昨年10月にもお伝えしました。左記での説明です。

アルコール依存を例えで示していますが、以前は、アルコール中毒、すなわちアル中といわれていましたが、診断基準に曖昧な部分が多く、厳密な境界がない状態だとされます。

アルコール中毒・薬物中毒から、アルコール依存症・薬物依存症となり、現在では、アルコール使用障害・薬物使用障害と変化しています。問題となっていることに対して、「取り組む」という姿勢へと変

❍依存の分類

《物質依存》
  • 薬物依存
  • ニコチン依存
  • 食物依存 など
《行為・過程依存》
  • 買い物依存
  • ギャンブル依存
  • セックス依存
  • スマホ・携帯電話・ゲーム機
  • インターネット・テレビゲーム依存 など。
《関係依存》
  • ある特定人物との関係性、必要とされることに対する依存

 

生理検査アティテュード®からのメッセージ

・薬物依存の話題から伝えたいこと...

 

先日、コカインの使用でピエール瀧さんが逮捕された。

そして、出演していたさまざまな場面、場所などなど多大な影響がメディアを賑わしている。

「依存症は、意思の弱さではない、疾患だ」

と伝えたように「疾患」です。

同じように、がんという疾患であることをカミングアウトをした有名人は、激励を受けるなど対応がまるでことなります。違法行為とされ、逮捕されるような行動であるからあたりまえだと思われるのかも知れません。コカインや麻薬などの薬物は、法律で禁じられていますので、逮捕されることは、当然だと思います。

しかし、ゲームやインターネット使用、アルコールなどでは、何も罰せられることはありません。

薬物は身体に害を及ぼすことは、使用禁止とされていることからも正常な判断が出来るならば、当然理解できることでしょう。つまり、使用者は、法律に反した行動を行っていると大人はもちろん、スマホを持ち利用できる知識があると考えることができる子どもならば、法律すなわち「守ることが必要なルール」に反することだと理解できると思います。

❍薬物と同じ作用をすることもあるというスマートフォン

そう考えると、子どもにスマートフォンを持たせるということを決めた時の「約束・ルール」として、親がその理由とともに説明して、「ルール」を決めたうえで使用させることを考えて欲しい、そのことが自分の子どもを守るためには必須なのでではないかと私は思います。

 ピエール瀧さんの作品に関して、私はとやかくはいいません。そこまで排除する必要があるのか?という意見も正論だと思うし、排除することもやむを得ないとも思う。でも、その作品には罪は無いとも思う。言い換えると、見たくなければ、見ないと言う選択をすればよいのではないでしょうか。

企業イメージにつながると言う理由での排除は、仕方ないと感じます。しかしながら、過去の作品に対しては罪はないと個人的にはそう考えています。

それだけピエール瀧さんの犯した過ちは、多くの人に社会的な損害や迷惑となるよう大きな影を落とす結果となっているという事実を、私達自身も考えること、そして、「ゲーム障害」は、それと同じような反応が脳に及ぼすということをわきまえて、将来ある子どもたちを守ることの大切さ、それが身近な大人たちだということをお伝え出来たらと思います。

最後に、尿検査を行う前に、すぐに「認めた」ということから私が感じたことは、止めるきっかけを探していたのではないのだろうかということです。

《追 記》DSC_2720

過去、DS発売当初、没頭し、酷い肩こりになったことが、私にもあります(苦笑)

ゲームが悪いとは思いません。楽しみ方を考え、親しい人とのコミュニケーションツールとしての用い方を考えることが必要なのではないでしょうか。

そして、今でも時々やりますが、インターネットゲームや有料なもの、課金することはありません(笑)

Pure Medical attitude

生理検査アティテュード®

Junko Katayoshi

今日のまとめ

  • ネット依存・ゲーム依存は、ゲーム症(障害)として世界的に認められている疾患
  • ネット症・障害は、アルコール依存や薬物依存と同様の脳機能となっている
  • ゲーム依存は、若年層だけではない、そして、子どもは、前頭前野の発達が未熟なために依存しやすい

 

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代表 かたよし純子 Junchan♪  ※自己紹介はこちらから

臨床検査技師/超音波検査士/健康管理士一般指導員/健康管理能力検定1級/介護予防運動指導員/米国NLP協会認定NLPトレーナー/臨床心理学 基礎エキスパート取得

今日も最後までありがとうございました。

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