JunchanのHealth attitude blogにご訪問ありがとうございます。医療スタッフのメンタルパートナー かたよし純子です♪ 先週、今週はメンタルヘルス関連の情報をまとめています。先週は、マイノリティといわれる立場の方々の目線で考える「自己基準」の在り方、今週は、「物質使用障害・依存症」のまとめ、前回は「依存症とは」でした。依存症の2回目の今日は、依存症からの立ち直りなど、しなやかなメンタル力を養う、レジリエンスです。以前のブログでも触れていますが、再度まとめていきたいと思います。レジリエンスは災害対策の中でも取り上げられています。プラスαでまとめていきます。

※先週のブログは「誰が決めたの?その「常識」」「弱者・少数派が生きやすい社会 」

1.自分の中のレジリエンス知るキーワード3つ

1-1 折れない強い心、レジリエンスとは?

1-2 自分の中にあるレジリエンスに気づく 

1-3 自己の受け入れ、自己と向かい合う心「依存症」

今日のプラスα

2.身体も心も同じ…私はそう考えます

3.災害復旧の場でも使われる「レジリエンス」ということば

生理検査アティテュード®からのメッセージ

・心がしなやかさを失いかけた時に…

 

1.自分の中のレジリエンス知るキーワード3つ

1-1 折れない強い心、レジリエンスとは?

レジリエンスということばの意味からしっかりまとめていきたいと思います。以前のブログを見直すとウィキペディアから引用文を掲載していますが、その内容からバージョンアップしていきましょう。

❍レジリエンスの定義

レジリエンス(resilience)とは?

心理学の中で用いられる「レジリエンス」は、元々はストレス (stress) とともに物理学の用語とあります。

どうして物理学のことばが使われているのでしょうか?

ストレスは「外力による歪み」を示しています。レジリエンスはそれに対して「外力による歪みを跳ね返す力」として使われ始め、精神医学では、ボナノが2004年に述べた「極度の不利な状況に直面しても、正常な平衡状態を維持することができる能力」と定義されています。  ※引用サイト Wikipedia

一般的にレジリエンスは、復元力、回復力、弾力 などと訳されますが、心理学的な意味として「困難な状況であるにもかかわらず、しなやかに適応して生き延びる力」という意味で用いられることが多いようです。2004年とありますので、心理学の中では比較的新しい言葉のようです。

そして、コトバンクをみると、レジリエンスの概念は、社会のあらゆるレベルでの、個人から企業や行政などの組織・システムにおいて備えておくべきとされる、リスク対応能力・危機管理能力とされています。セリエのストレス理論

ゴムボールにギュッと外力が加えられると、潰れますがその力が除かれるともとに戻ります。セリエのストレス理論では、握り潰された状態のゴムボールをストレスがかかった人の心として例にあげていま

外力が取り除かれる、つまりストレスが取り除かれることにより、ゴムボールがもとに戻るように、健康な心に戻るということです。

レジリエンスは、このストレスとなる、さまざまな外力に対して、対抗できるしなやかなメンタル力に例えられれと思います。

❍どうしてレジリエンスなのか?

心理においてレジリエンスとは、社会的不利益や自分にとって不利な状況に対して、そういった辛い状況に対して、自分自身の日常生活でのライフタスクへ適応するための能力だと定義されます。

●ストレッサーとなるライフタスクとは?

ライフタスクとなりうるものとは、日常生活で引き起こされるさまざまな課題、自分にとって不利な状況やストレスとなるものです。自己の周囲を取り囲む家族関係はもちろんのこと、社会における人間関係や、自分自身の健康問題、経済問題その他の生活環境に対してもさまざまな課題が意識的にも、無意識的にも課せらることによって生じるストレッサーです。

レジリエンスとは、「脆弱性(vulnerability)」の反対の概念とされ、自発的治癒力の意味と解釈されていまレジリエンスす。精神的回復力、抵抗力、復元力、耐久力、これらの多くの意味を含めたものとして、そのまま「レジリエンス」として用いられています。

 

 

おもなストレッサーを再掲おきましょう

〔外因性ストレッサー〕
  • 物理的ストレッサー  寒暖の差、騒音、高低音などによる刺激 など
  • 社会的ストレッサー  社会・経済情勢の変化、職場や学校などの人間関係など
〔内因性ストレッサー〕
  • 心理的・情緒的ストレッサー さまざまな失敗、挫折、緊張、不安、悩み、焦り、寂しさ、怒り、憎しみなど
  • 生理的・身体的ストレッサー 身体的、生理的な疲労、不眠、健康障害(疾患による身体状況) など

このようにストレッサーは、周囲とのコミュニケーションの問題だけではなく、生活環境などの環境要因も生じます。人は実にさまざまな多くのストレスと接していることが理解できるのではないでしょうか。

さまざまなストレッサー

<さまざまなストレッサー>

 

1-2 自分の中にあるレジリエンスに気づく

精神力・メンタルは、自然治癒力の4つ目の機能とされます。ストレスが身体にかかると再生力も免疫機能も低下してしまいます。

❍レジリエンスの必要性

人は誰でも自然治癒力を持ちます。日常生活から自然治癒力を向上させておくことは、レジリエンスにとってもとても必要なことだと私は考えます。自然治癒力とレジリエンスとは相互に作用しているからです。折れない心、レジリエンスを育てることは、自然治癒力の向上につながります。日常生活はさまざまなストレスに満ち溢れています。外部からのストレスに負けない心を育むことが現代社会では必須であり、求められる社会人としてもスキルのように思います。いかにして折れないメンタル力を高めるかが課題となります。

❍レジリエンスを育てるために

以前のブログであげたものをリニューアルしてみましょう。

  • コミュニケーション力:周囲との良好な人間関係の構築と維持
  • プラス思考     :事実に基づく意味解釈
  • 質の高いメンタル力 :日常のさまざまなストレスや、危機的な状況への対応力
  • 柔軟性       :困難な状況下における、対応力と受け入れる姿勢
  • 実行力       :論理的思考と、目標の確立、そして段階的行動できる力
  • 決断できる行動力  :不利な状況に対する分析力、事実を適切に解釈し行動に移す
  • 発想力       :失敗をリソースに変えるクリエイティブな思考
  • 自己肯定感     :自己を認め、すべてのことを自信に変える力
  • 予知力(先見の明) :将来性を意識した広い視野と思考、そこからの課題やストレスの想定
  • 創造力とイメージ力 :未来を予見し、五感を通してよりリアルに構築できる力
  • 自己メンテナンス  :心と身体の自律神経バランスを維持し、保つ力

※関連ブログ「しなやかな精神力」 「自律神経と疲労との関係性

❍人は必ず持っている、復活力 自己再生力

このすべてを常に維持することは、どんなにポジティブな思考の人でもあり得るものではないと思います。意識することで、心も身体も緩急が必要です。大きな悲しみやストレスの抱え込んだ状態からでも、人は必ず回復する力を持っています。そして、その状態が深ければ、深いほど強くしなやかな心を持つことが出来ると私は信じています。なぜならば、そのドン底からの再生力は、とてつもないほども大きな立ち直るための力だからです。

●ドン底も必要

紛れもなく、その大きな再生力・レジリエンスがあったからこそ、今の自分がいるということに、そして、その大きな力は、必ず誰の物でもない、自分自身の中に存在している力だとことに気づいて欲しいと心から願います。

このドン底の状態、心の傷の深さはさまざまかも知れませんが、多かれ少なかれ、誰の人生にもあるのではないでしょうか。あるからこそ、復活した時の喜びも最高のものとなります。周囲の支える人たちは、本人の中に眠っている力を信じて、見出して欲しいということを心から、切に願います。

このような能力を持ち、つねに行動できるならば強くしなやかなメンタル力を持つといえるでしょう。でも、ここまで完璧な人はなかなかいるものではありません。具体的に内容を示していきましょう。

❍レジリエンスを育むために求められる力

〔価値判断能力として〕

人により考え方や、価値判断基準は異なってあたりまえ

心が折れやすい人の特徴として、相手の価値観を受け入れることができないということがあります。言い換えると、先週のブログでお伝えした、「普通」とういうなんとも悩ましい基準です。自分の思い込みにより、自分の価値判断基準・ものさしで物事を評価してしまうということです。

特に、マイノリティとされるような少数派の意見や、周囲の人のことばを受け入れる心が求められます。人は、自分の意見が受け入れられないと、自分自身を否定されたような感覚に陥ることもあります。自分と異なる意見でも、柔軟な対応ができるということが大切だとされます。相手の話を聞き、現状よりも先の未来をみたときに、どちらの方法がより良い結果をもたらすことができるのか? 自分の意見と異なるところに意識し、冷静に思考し、熟考できる姿勢を持つことができるか否かです。この対応に大きな差が出ます。この点を意識したときに非常に自分自身のモチベーションも変わります。時により相手に合わせる柔軟性が大切だということもあります。

〔スムーズな頭の切り替え〕
事実に対する解釈

失敗した結果という「事実」に意識が向いたまま、また失敗するのではないか?という、不安と恐れのサイクルに陥っていることもよくあります。そして常にストレス状態になっている場合です。失敗は結果にしか過ぎません。事実として受け入れ、どのようなプロセスが有ったのかの経験でしかないのではないでしょうか。結果は事実でしかなく、解釈を変えてみた時に、そこにある感情を変えることができます。

さまざまなトラブルに際して、課題や問題に対して失敗した結果に引きずられること無く、頭を切り替えることができるか。折れない心では、失敗した結果がどのようになればよいかを見きわめ、解釈を変えることが出来ています。この現実問題、起こった事実を受けとめ、問題を解決することに思考をシフトさせ、課題を明確化することができます。

〔完璧を求めず足下を意識する〕
できなかったことではなく、できたことを意識する、それがモチベーション向上へ

常に高い理想を掲げ、完璧を求めすぎて挫折する人も、折れやすい心の持ち主といえると私は考えます。向上心を持つことは大切です。そして、高い目標を目指すことも課題としては大切です。しかし、常にその状況を自分や周囲に求めていては、周囲からも相手にされなくなり、自分自身も疲弊してしまいます。

今、どの状態にあるのかを意識し、どこまで達成できたかということに意識をするように、自分も周囲にも対応することが大切です。またダメか…今日も出来なかった…では、誰もが、心が折れてしまいます。失敗を許す寛容性と、視点を変え柔軟性な発想で解釈し、出来たことを心の中にインプットしていくことが求められると私は考えます。

〔社会性との信頼関係、コミュニケーション能力〕
人は、ひとりでは生きていかれない

社会の中では、チームで仕事をするということが、多くの場合でとても大切なこととなります。周囲のとの良好な関係性を持つことが求められます。そして、その関係性の部分では、信頼関係が大きく求められます。

人は、ひとりで生きて行くことはできません。社会の中で多くの人と共存しながら生活し、生きています。1つのことを共有できる信頼関係を社会のなかで築き上げることが求められます。困った時はお互い様という関係性です。1人では心も簡単に折れます。割り箸1本では簡単に折れてしまいますが、5本、10本ではなかなか折れません。人との関係性はとても複雑とされますが、困ったときに頼れる人がいること、自分の弱さを周囲に見せることをできるということが、本当の強さだと私は思います。

〔柔軟なマインドセット〕
適材適所という柔軟な発想

トラブルの時ほど冷静に事実を把握し、広い視野を持ち、柔軟な思考で判断し、さらに決断し、解決策を実行できる行動力が求められます。柔軟でなおかつ フレキシブルな思考を駆使し課題をクリアできる実行力です。

この場合、視点・着眼点を変えることが求められます。トラブル初期の失意や焦り、不安、などから感情をリセットさせ、冷静な状態に戻すことがいちばんはじめに求められます。自分を客観視できることが望まれます。目標をきちんと定め、達成できる道筋を見極める能力です。現状を正しく理解し、受けとめ、評価し、打開策を柔軟な思考から決断する能力です。現状を踏まえ、目標への価値判断を見極めることが大切だと考えられます。

※関連ブログ「しなやかな精神力

レジリエンスを育む

<レジリエンスを育む>

1-3 自己の受け入れ、自己と向かい合う心「依存症」

前回の物質使用障害・依存症でのレジリエンスを考えてみましょう。

❍依存症からの離脱

自分自身が依存症だということに気づくことからでしょうか。しかし、多くの場合、依存症だと思われるの当事者は、自分では依存症だと気づくことはできないことが多いとされます。周囲から攻め立てると、本人は認めて今炒めに、問題は解決されることは無く、状況をさらに悪化させることもあります。

●否認の病 物質使用障害・依存症とは、

アルコールを例に取ると、大量のアルコールを長期間に渡って飲み続けることにより、アルコールを飲まないといられなくなる状態です。この段階で気づいて止め続けることができればよいのですが…

このアルコールの影響が、精神面や身体面にも症状として見られるようになり、仕事に支障が出ることや、生活面にもさまざまな影響が現れるようになります。物質依存が、脳の報酬系に作用することは前回のブログでお伝えしました。そのため、アルコールが抜けることにより、イライラや神経過敏、不眠、頭痛・吐き気、下痢、手の震え、発汗、頻脈・動悸などの離脱症状が出現するようになります。そして、その状態を抑えるためにさらにアルコールが摂取されるという悪循環に落ち込みます。依存症は、自分の欲求をコントロールできなくなる疾患です。そして、依存症だという自覚がないために、自己コントロールしようと思っても出来ない疾患なのです。

アルコール依存症は「否認の病」とも言われるため、依存者本人は、依存していることを認めません。いったん、脳の報酬系に作用してしまうと、もとに戻そうという作用も働き、断酒に際しては、かなりの強い気持ちが必要とされます。この場合に必要なのが、家族などの周囲からのサポートです。

❍習慣から依存へ

飲酒習慣が飲み過ぎにエスカレートし、時と場所を選ぶこと無く、どのような手段をとってもアルコールを摂取しようとするということもあるようです。そこに至る過程では、さまざまなストレスなどもリスク関与も考えられます。飲みすぎからの習慣化が高じて、アルコール依存症になるまでの期間は、男性で20年以上、女性はその半分の10年以上といわれているようです。自分は大丈夫という考え方は捨てて、飲酒習慣のある場合は、必ず飲まない日を作ることが大切です。

❍「物質依存を止め続ける」こと

家族や周囲の人が、依存症を正しく理解して欲しい、そして当事者と接することです。当事者は、依存症だということを否認しています。大丈夫だからという人に対してのサポートのため、やめることだけを強要すると、関係性が壊れてしまうこともなり、依存物質からうまく意識をそらせることも必要となります。そこには、周囲の力が必要とされます。

脳の報酬系に作用し、回路が出来てしまうために、物質からの離脱はとても大変なことになります。やめ続けることを継続することで、問題のない社会生活に戻ることも可能となります。あきらかに問題がある状態となっていても、自分はいつでもやめることが出来るという思考となり、他者と比較して「あの人に比べたら大丈夫」とも言うかも知れません。見つかってしまうと周囲に怒られるという感情が、隠れて行動してしまう、そして、嘘をつくことがあるかも知れません。

●周囲の対応にも注意が必要

やめられないことを責めたてることや、ウソをつくこと、約束を破られたことを問い詰めることで、サポートするという関係性破綻してしまうことにもなりかねません。これらのさまざまな問題への対処方法も知ることが必要です。責められることで本人は、強いストレスを感じることとなり、その解消のためにさらに依存物質へと嵌まり込むことにも繋がります。

もうやらないという約束をしたにも関わらず、その約束を守ることが出来ないのが依存症の典型的な症状だとされます。このように、自分の意志ではどうすることも出来ない疾患が依存症で、その状態を自覚できないことも特徴なのです。

●やめ続けるためには

依存症からの離脱は非常に大変です。やめ続けるためには、孤立しないことが大切だと言われています。依存症は隠したくなる疾患かも知れません。しかし、家族だけでは抱え込むには大きな負担となる疾患です。早期での専門の機関への相談が望まれる疾患でもあります。

途中で、また戻ったら、そこからまた始めることが大切です。その状況では、本人も周囲の人も、さまざまな葛藤が生じることもあるのではないでしょうか。依存症は、家族の何らかの対応で止めさせられるものでもなく、家族も共依存という状態に陥ることがあるからです。

●適切な相談機関を利用するDSC_1701

当事者や家族のみで抱え込める疾患ではなく、周囲からのサポートも非常に必要とされす疾患です。その方法としては、専門医療機関、保健所、精神保健福祉センターなどの行政機関などへの相談や、専門家などからの適切なアドバイスを用いることもできます。相互の回復を目指していく家族会や自助グループという場もあります。

朝がくれば、必ず太陽は東の空に昇ります。

 

❍再生への力となるレジリエンス

人は、必ず再生できる力を持っています。物質使用障害・依存症の場合は、脳の報酬系が関与するためにかなりの困難さを有することは言うまでもありません。

でも、人は学習することができます。自己の中の再生力を信じて、骨が折れても再び骨折が修復されるように、心が折れても再生することは可能です。神経障害も1日1mmずつ伸びていき、やがては修復され、機能回復することが出来るのです。

人は、自らの内に『レジリエンス』を持つことを信じてください

 

2.身体も心も同じ…私はそう考えます

私は、人の健康、人が生きて行くために必要なことは、心の身体のバランスだと常に考えています。折れる前の、折れそうな時にレジリエンスはもちろん活かされます。でも、折れてしまった時どうしますか?

❍心が折れてしまった時 自発的治癒力の意味

折れてしまった時にもレジリエンスは、自分自身の中、必ず再生する力として誰でも、どんな人でも必ず保つ力です。

その理由は…

人間の持つ「自発的治癒力」だからです。細胞は、自らの組織を再生する力を持ち生まれてきています。守る力が及ばず、損傷を受けても、人間は、蘇るための治癒力を持っているからです。

❍身体も心も同じです

指を誤ってナイフで切って、出血しても血液凝固の力で出血を止め、さらに皮膚も数日で修復されるのではないでしょうか。心もちゃんと自分で修復する力を持っています。

大きな傷を負ってしまったときには、病院へ行き、修復力を助けてもらうことはあるかと思います。私は、左手の小指を5mmくらい誤ってスライスしてしまったことがあります。今でも指先の感覚は、他の指とは異なりますが、それでも、外見上は、ほぼ遜色ない程度に戻っています。この時はさすがに出血が止まらず、夜間救急に受診しました。止血に対しては、医療行為で助けてもらいましたけれども、実際に治そうとしたのは、私自身の皮膚の組織細胞です。

●心もケガをするのだから

心も多くのストレッサーで受傷することが少なくありません。そして、少しずつでのストレッサーが、貯まり続けるとボールも当然ながら、破裂してしまうことがあります。押しつぶされている時に気づくことができれば、外力を取り除けばよいのです。

しかし、気づかないままに、つぶされ続けると破裂です。人の心はゴムボールではありません。人は、組織がケガをすると細胞は修復する力を持ちます。骨折したら、骨細胞が再生します。心がケガをした時は、自分の中にある治癒力を高める、そして、それでも心の出血が止まらない時には、周囲の人に助けを求める、家族や友人、カウンセリングや心療内科もひとつの手段となりうるのだと私は思います。

❍人の心の再生能力

米国では多くの自然治癒力、心の治癒力にも関心が高まっているということを聞きます。国内でも、同じ速乾で同じように治療しているにもかかわらず、その回復にはかなりの個人差があるというとを真剣に疑問を持ち、心の治癒力を見えない科学として捉えている医師もいます。

現在、生命が本来持つ本能や、機能による「自然治癒力」を根源と考える、全人医療という考え方が浮上してきています。全人医療とは、特定の部位や疾患に限定しないで、疾患を持っているという状態を受けとめ、個人の心理や社会的側面なども幅広く考慮しながら総合的に疾病の予防や診断・治療を行う医療医療という意味です。これからの医療の位置づけとして、高度医療と全人医療とを合わせ持つような包摂する「統合医療」に期待がかかっているようです。

❍脳の自然治癒力

<ケンブリッジ大学の研究者、脳の自己治癒力を高める方法が存在する可能性が出てきた>

こんな記事に遭遇しました。人の身体は、組織で完結しているわけではなく、相互作用により維持され、機能するために、適応し常に変異し続けています。そして、近年、自然治癒力は、目には見えない部分とされる、「脳」にもあるということが分かってきたとされています。「幹細胞」の中に、脳の損傷や疾患から再生する力を持つものが存在することがわかったとの発表です。細胞の自己複製能力と別の種類の細胞に分化する能力を合わせもつとされ、この再生能力を持つ脳の休止幹細胞を発見したとのことです。近い将来、脳卒中やアルツハイマーなどの脳疾患も治る時代が来るのでしょうか。

 

3.災害復旧の場でも使われる「レジリエンス」ということば

厚生労働省のページに「レジリエンス」というワードが掲載されていました。

災害復旧でのレジリエンス(resilience)とは、

「弾力、復元力、また病気などからの回復力、強靱さ」(小学館大辞林)という意味ですが、この言葉が防災ワードとして「強靱化」と位置づけられ「国土強靱化(ナショナル・レジリエンス)」として、政府で取り組んでいくこととされています。

❍国土強靭化:ナショナル・レジリエンス

現在の内閣での主要政策のひとつとして、取り組みが始められたとされています。さまざまな災害発声した時にタ対して、最小限の被害とし、迅速な復旧、復興ができる強さとしなやかさを備えた国土、地域、経済社会を構築することとあります。

❍災害対策としてのレジリエンス

災害対策でのレジリエンスとは、災害やテロなど、通常ととは異なるような想定外の事態に際して、社会システムや事業の一部の機能が停止しても、「全体としての機能を速やかに回復できるしなやかな強靭さ」を表現する言葉とされます。

さらに、防災や事業継続計画のみならず、国家戦略、事業戦略に組み込むことにより、競争力の強化を図ることができる概念とされています。東日本大震災後に打ち出された防災に関する政策、「国土強靭化」の“強靭”とされる部分も、「レジリエンス」の意訳だとされています。

❍地域、社会集団の中にみるレジリエンス

災害は、社会の脆弱な部分を直撃してきます。そのような状況において、同規模の災害を複数の地域の中でみても、地域や社会によって被害規模や復興速度に差が生じることは言うまでもありません。

ハード面や外力的な要因で地域差が生じることは理解できるのかと思います。これとは別に、地域や社会集団の内部に蓄積された結束力、コミュニケート能力、問題解決能力など集団としての力が結集して産み出され、機能したレジリエンスだと考えられています。もともと持つ、地縁や血縁の結束力が、地域防災での復元力・回復力の源とされ、さらに今後期待されることは、新たなレジリエンスとしての、社会的資源を活かした形でのレジリエンスを作り出し、強化していくことが今後の課題だとされています。

このような内容の記事をいくつかWeb上で発見するに至り、納得です。

最近地元地域の方々との交流する機会が増え、災害時のメンタルヘルスの話とともに、自分の地域での災害対策を伺う機会がありました。復興にも、心のウエイトが大きいことを再確認するとともに、今回これらの政府政策を知ることで、私自身が地元でのレジリエンスを強化することにも、関わっていきたいと強く思うきっかけとなりました。

 

生理検査アティテュード®からのメッセージ

心がしなやかさを失いかけた時に…

 

心の浮き沈み…そんなことは誰でもあることだと私は思います。

ポジティブな思考の人でも、ネガティブな思考の人でも…ですよね

人はさまざまなストレスの中で生活し、生きています。時に自己否定に陥るときも、でも、それでも生きていかなければなりません。生きることはとても大変です。もちろん楽しいこともたくさんありますけれど、辛いこと、哀しいこと、心折れそうなこと、時にボキッと折れてしまうことももちろんあります。

❍実際問題としての「心の骨折」

元気だねと、よく周囲から言われる私でも、もちろん心折れます。どんな時なのか。

失敗した時は、さほどでもなく、自己完結により復活できます。しかしながら、自己の存在を否定されると人は心折れます。思っている以上に、簡単にボキッといきます(笑)このことを再確認出来たのは、NLPを学んでいるとき、「あぁ…あの瞬間に、心が骨折した」ことを理解しました。

❍どのような注意の仕方をしていますか?

周囲の人がミスをしたときや、ふさわしくない行動をしたときに、どのようにその対象となる人に「言葉を伝えている」のかということです。例えば、仕事上のミスをしたとき、「タイミングが悪かったねと」環境レベルや行動レベルで伝えるか、「あなたが悪い」と対象者となる人の存在レベルで伝えるかということです。

後者は、なかなかきついです。人格否定にもなりますので、ミスを犯したのはその人かも知れません。状況判断を誤ったことや、行動を誤ったことで起きた事実に対して「環境・行動=ミス」の解釈として伝えるか、人格否定という言葉を持って、「人=ミス」と解釈して伝えるかの差が生じるからです。

私は、人格を否定され自分の存在価値を見失ったことがあります。

言葉は、刃物になることがある

同じように見える注意や指導の仕方でも、大きく解釈が異なることがあるということです。ある事実に対してどのような言葉を紡ぎ出すのかということが、人間関係、コミュニケーションの基本だということです。周囲の人に対しても、そして、もっとも大切なのは、

自分自身への言葉のかけ方

そして、相手に何かを伝える時に…

ほんのちょっと間を置いて、言葉を考えてから伝えることで不要なトラブルやストレスを回避できることもあるのではないでしょうか。相手にかけた言葉は、自分自身がいちばん先に聴いているということです。

もし、相手に怒りをぶつけた時、自分に怒りをぶつけていることと同じだと私は考えます。怒りは、2次感情です。怒りたいから怒鳴っているとも考えられるのです。_20181128_110356

自分の言葉は、鏡写しなのかも知れませんね。水面に写った紅葉も美しく感じられるように、心に残される言葉も美しく在りたいと私は思います。

ことばは、言葉、「言+葉」と書きます。

言葉は、葉脈のように心の栄養にしたいと私は考えます。

Pure Medical attitude

生理検査アティテュード®

Junko Katayoshi

今日のまとめ

  • レジリエンスとは、精神的回復力、抵抗力、復元力、耐久力など多くの意味を含めたものして解釈される
  • 人は必ず自分の中にレジリエンスを持つ
  • 依存症もレジリエンスをもつことを信じて少しずつでも前進する

 

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代表 かたよし純子 Junchan♪  ※自己紹介はこちらから

臨床検査技師/超音波検査士/健康管理士一般指導員/健康管理能力検定1級/介護予防運動指導員/米国NLP協会認定NLPトレーナー/臨床心理学 基礎エキスパート取得

THINK YOUR LIFE -ミドルエイジとともに-side by side-
共同代表 Junko Katayoshi

今日も最後までありがとうございました。

☆アンコモンセラピー読書会☆

セカンドバージョンスタート致しました!

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毎月、大崎ゲートシティ スターバックスコーヒーで開催

米国の精神科医ミルトン・エリクソン博士は、発達障害だった?!

催眠療法の大家とされる、精神科医エリクソン博士は、変わった子どもと言われ、さまざまな感覚障害を持ち、読字障害、失読症ともいわれ、さらに色盲に音痴だとされています。そのエリクソン博士「ミルトン・エリクソンの戦略的手法」を紹介されているこの本の読書会、次回は、12月17日(月)となります。

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