Health attitude blogにご訪問ありがとうございます。医療スタッフのメンタルパートナー かたよし純子です♪ 今週は「睡眠」がテーマです。睡眠リズムの基本となる1回目が概日リズム、2回目が睡眠の役割を脳機能からレム睡眠とノンレム睡眠について、そして今回は、睡眠の深さ、睡眠段階をまとめていきたいと思います。睡眠がどの深さなのかを知るためには脳波を基本とした睡眠ポリグラフをみればわかります。個人的には睡眠ポリグラフの検査は行っていませんが、通常の脳波検査は行ったことがあり、脳波検査では安静閉眼時脳波~自然睡眠を記録します。睡眠脳波の記録ではどの段階の深さまで眠っているのかがわかります。
1.3STEPで理解、必要な睡眠時間とは?睡眠深度とは?
1-1 睡眠脳波で睡眠の深さを知る
1-2 睡眠の深さにも段階がある
1-3 人の睡眠周期:sleep cycle への理解
今日のプラスα
2.ノンレム睡眠・レム睡眠ともに脳に大切な睡眠段階
3.眠らない国民 日本人
生理検査アティテュード®からのメッセージ
・サラサラと紙の上をペンが走る、脳のつぶやきが流れる
1.3STEPで理解、必要な睡眠時間とは?睡眠深度とは?
今回は睡眠の深さをその段階に分けてまとめていきたいと思います。
1-1 睡眠脳波で睡眠の深さを知る
前回のブログで、睡眠は急速眼球運動が見られる「レム睡眠」と、見られない「ノンレム睡眠」とに分けられることをお伝えしています。ノンレム睡眠はさらに睡眠の深さによって4段階に分類することができます。
睡眠の深さを知るためには脳波でわかります。
❍脳波でわかる脳の状態
脳波とは(Electroencephalogram:EEG)
脳の活動状態を示したもの
脳から出される電気信号を波形に示したもの
波形の周波数(振幅)により、α波、β波、θ波、δ波に分類されます。リラックスしたとき見られる波形は、α派となることはよく知られているのではないでしょうか。
※関連ブログ「臨床検査・臨床検査技師を知っていますか?」
脳波の波形を見れば、覚醒状態なのか、眠っているか、ということがわかります。そして眠りの深さも波形の変化から分類することができます。
❍波形の種類
脳波は、1秒間に波がいくつ出現するかという周波数単位:Hzで表現されます。この周波数が低下すると深い睡眠だということがわかります。
覚醒から睡眠深度に見られる波形
- アルファ α波 :8~13Hz 覚醒状態、安静閉眼時、リラックスしている、規則性のある連続波
- ベータ β波:14Hz 以上 覚醒レベルが高い状態、軽度の緊張状態、不規則で細かい波
- シータ θ波:4~7Hz 覚醒レベルの低下、傾眠傾向、半醒半眠状態、SEMの出現
- デルタ δ波 :2Hz 以下の徐波、熟睡状態、75μV以上の大きな波
覚醒から徐々に睡眠が深くなるに従い、筋電図=筋肉の緊張が無くなり、周波数の低い脳波へと変化していきます。
❍睡眠ポリグラフ検査
睡眠障害の診断に用いられる検査の中に、睡眠ポリグラフ検査という検査があります。終夜睡眠ポリグラフ検査、終夜睡眠ポリグラフィー検査ともいうようですが、睡眠中の脳波、眼電図、筋電図など複数の記録を行うものを睡眠ポリグラフといいます。
睡眠ポリグラフ記録:polysomnogram:PSG
- 図 :gram グラフ
- 複数:poly ポリ
- 睡眠:somno
睡眠ポリグラフ記録は、20秒間もしくは30秒間の区間に分け、それぞれ睡眠段階を判定していきます。
<波形の周波数>
1-2 睡眠の深さにも段階がある
覚醒時には、通常α波が連続して出現しますが、覚醒レベルの低下とともに、α波が消失していきます。睡眠段階へと移行していきます。この睡眠段階の詳細をまとめていきましょう。
❍睡眠段階 覚醒
人の脳波では、閉眼覚醒時、脱力している状態、すなわちリラックスしているときにα波が50%以上みられます。高振幅の持続性筋電図、急速眼球運動、瞬目(まばたき)もしばしば出現します。α波は皮質~皮質間の神経路で発生すると考えられています。このα波は、覚醒レベルが低下とともに消失し、入眠時にはα波がほとんど消失します。
脳波は、中脳~視床~皮質の信号によって波形の成り立ちが説明されといわれています。睡眠が深くなるとともに、中脳網様体、視床、皮質の順に求心性支配が徐々に減少すると考えられています。
❍睡眠段階 1(Stage1)
睡眠段階1では、覚醒時に認められた連続したα波のリズムは消失して徐々に平坦化、さまざまな周波数の脳波が混在します。入眠初期には、緩徐眼球運動:slow eye movement(SEM)が出現し、この眼球運動は睡眠段階2には消失します。
・睡眠段階 1 初期 入眠期(まどろみ期:うとうとした状態)
α波が50%以下に減少、周波数 14Hz 以上の不規則な低振幅のβ波が増える。
・睡眠段階1 中期
周波数4~7Hzθ波が多く出現
・睡眠段階1 終期
頭頂部鋭波(hump)が出現
●睡眠段階1は、睡眠感の乏しい睡眠段階
この段階は、覚醒状態とはあきらかに異なる状態ですが、問いかけに対して応答が可能だとされています。睡眠感が乏しく、音に対して聞き分けることが出来ることができます。
入眠時心象
入眠時心象とは、夢に似た心理的体験のことをいいます。幾何学模様や人物、風景が見えたり、その音や声が聞こえたりする現象のことをいいます。
睡眠段階 1での、θ波の出現時には「入眠時心象」が出現することが多いとされます。
❍睡眠段階 2(Stage2)
睡眠段階2の判断は、脳波で睡眠紡錘波(spindle)やK複合波(K-complex)が出現することで判断されます。
睡眠段階2では、緩徐眼球運動は見られなくなり、規則的な呼吸、軽い寝息を立てるような状態となります。外部刺激に対しての応答性も低下していきます。本人も眠っていたという自覚をする睡眠段階です。
●睡眠紡錘波
頭頂部に出現する12Hz~16Hz くらい、大きさが10μV以上の波が連続し、6つ以上もしくは、0.5秒以上連続して出現するものをいいます。
●K複合波:K-complex
特徴的な波形を示し、大きな陰性波と陽性波の二相性ので高振幅の徐波とそれに連続する速波で構成される複合波となります。陰性電位と陽性電位との差は200μV以上にもなります。
内的・外的刺激に対する反応波と考えられているようです。
❍睡眠段階 3(Stage3)
睡眠段階3と4は、δ波の出現する割合で判断され、睡眠段階 3では、脳波で0.5~2Hz 以下、振幅 75μV以上の δ波が20%以上、50%未満の出現とされます。
❍睡眠段階 4(Stage4)
睡眠段階 4は、脳波で0.5~2Hz以下、振幅 75μV以上の δ波が50%以上の出現で判断されます。
❍深睡眠 徐波睡眠の段階
δ波が出現する、睡眠段階 3~4は合わせて徐波睡眠といます。かなり深い睡眠とされ、外部刺激に対しても応答性が鈍く、よほど強い刺激でないと目覚めることがありません。
目覚めた直後は、朦朧として状態で、眠気が強く睡眠惰性が強い状態とされます。
徐波睡眠
slow wave sleep : SWS
デルタ波 δ波 徐波とは、大きなゆっくりとした波形
このようにノンレム睡眠の睡眠段階1~4は、睡眠段階1、2を浅睡眠 睡眠段階3、4を深睡眠といえます。
❍レム睡眠 Rapid eye movement sleep
入眠後、約1時間経過後、骨格筋の緊張低下がみられるようになります。睡眠ポリグラフでは、オトガイ筋(顎の筋肉)電位が最低水準として確認されます。急速眼球運動が出現し、レム睡眠の段階となります。
レム睡眠の段階の確認としては下記の3候とされます ※国際判定基準
- 脳波において睡眠第一段階に類似した低振幅パターンの出現
- 急速眼球運動(rapid eye movement :REM:レム)の出現
- 身体の姿勢を保つ抗重力筋の緊張低下 オトガイ筋の筋緊張低下
レム睡眠の脳波は、4 Hz ~7 Hz のθ波が優勢となり、覚醒時の浅睡眠のときのような波形を示すとされています。外見的には寝ている状態にも関わらず、脳波と睡眠深度とが一致しない状態となり、この状態を逆説睡眠とも呼ばれる。
レム睡眠では、外部刺激に対する反応は著しく低下していることからも、ノンレム睡眠とは区別されます。
●レム睡眠の2段階
レム睡眠の段階で、急速眼球運動が頻発する時期と、ほとんど出現しない時期があります。
- phasic期:急速眼球運動の頻発時期 ※夢を見ていることが多い
- tonic期 :急速眼球運動が少ない時期
<睡眠段階>
1-3 人の睡眠周期:sleep cycle への理解
人の睡眠にはここまでまとめたような睡眠段階があります。ではこの睡眠段階が1晩でどのように出現しているのかをまとめていきましょう。
❍睡眠周期とは?「睡眠時間は90分の倍数で寝ればよい?!」
90分の倍数で、こんなことを聞いたこともあるのではないでしょうか。
通常の夜間睡眠では、ノンレム睡眠とレム睡眠が4~5回ほど、周期的に交代して出現しています。
1回あたりの睡眠周期は、
ノンレム睡眠とレム睡眠を合わせて「約80~100分」
くらいの間隔となります。
このことからよく90分間隔で、4.5時間、6時間、7.5時間と眠ればよい、といわれる理由でしょうか。
●睡眠間隔にも個人差がある
人の身体・脳はそんなに規則正しいのでしょうか。この時間よりも必要な長さは、長いときも、短いときもあり個人の中でも長さはさまざまです。1晩の中でもその時間は変化します。
睡眠時間と日中の眠気は比例関係にあるといわれ、睡眠時間が短ければ当然、日中の眠気が強くなり、十分な睡眠時間が確保されれば、その分日中の眠気は弱くなります。そのため、90分の倍数の睡眠時間にこだわっても意味がないとされています。
❍睡眠周期と睡眠深度
睡眠段階3・4の深睡眠とされる徐波睡眠は、睡眠の前半に集中して出現するといわれています。第1睡眠周期で50%以上、睡眠初期の3時間くらいとされる第2睡眠周期までに80~90%に達するとのことです。夜中に3時間くらい眠り、途中覚醒したときにスッキリすることがあるのも、このことが理由だと私自身も理解できます。
●徐波睡眠と昼寝の関係性
この徐波睡眠ですが、人の恒常性とされるホメオスタシスの影響を受けているといわれています。入眠するまでの覚醒時間が長いほど、この徐波睡眠が増えるとされ、睡眠の経過とともに減少していくといわれています。
すなわち、長時間の昼寝は、夜の睡眠に影響するということを意味しています。昼寝をしすぎると夜つけなくなるのはこの理由があるということになります。さらに、夕方昼寝をした場合、夜寝る時間までの間隔が短くなるために、夜間に十分な徐波睡眠が出現しなくなり寝つきが悪くなるということが生じます。夕方に眠ることは、睡眠の質が低下するということに繋がります。
●昼寝は短時間が効果的
昼寝は、認知性予防にも効果があるということを聞いた方もいるのではないでしょうか。
昼寝をする場合、この徐波睡眠が出現する以前に、目覚めれば良いとされています。
つまり効果的な昼寝とは、
20分未満の昼寝
この時間が効果的な昼寝時間だといわれ、夜間睡眠への影響が少ないとされています。この時間内では睡眠は、浅睡眠、睡眠段階 1・2のみの出現、睡眠段階2が3分間出現することで、午後の眠気回復に期待できる時間とされています。眠気が払拭され、作業高率がUPする効果が期待できます。
眠気があるということは、夜中の睡眠時間が不足しているということでもあります。
●眠くなければ必要ない
眠くない場合に無理に眠る必要はないとされま。さらに、1時間以上の昼寝は夜に睡眠への悪影響となりますので、避けるべきです。
スマホのアラーム機能を利用し、効果的にウトウトすることも必要なのではないでしょうか。
❍レム睡眠と体温との関係性
レム睡眠は初回にお伝えした、人の体温の概日リズムと関連がみられ、レム睡眠の長さに影響しています。
体温が高いとレム睡眠の出現率が低くなり、長さも短くなります。その逆に体温が低くなるとレム睡眠の出現率が高くなり、長くなる。
- 体温 高い ⇨ レム睡眠 少ない 短い
- 体温 低い ⇨ レム睡眠 多い 長い
●人の体温リズム
体温は、24時間周期の概日リズムとなります。明け方の午前4時~5時に最低となり、午後7~8時頃最高となります。
日常の夜間睡眠では、就寝直後での体温が十分に低下していないためにレム睡眠は短めになり、逆に早朝の低体温の時間帯にレム睡眠の出現する程度が最大になるとされ、一晩の睡眠全体での約20%を占めるのが一般的だとされています。
この場合、80~100分の睡眠サイクルの長さが変わらないために、レム睡眠の長さに応じてノンレム睡眠の長さも増減することになります。
このメカニズムから考えると、より良い睡眠を得るためにはさまざまな要因が関係しているということがわかるのではないでしょうか。
2.ノンレム睡眠・レム睡眠ともに脳に大切な睡眠段階
ここまでのまとめでも、適切な睡眠をとることの大切さが理解できるのではないでしょうか。
❍高等動物に特異的なノンレム睡眠
睡眠段階3・4とされる、深いノンレム睡眠は大脳が発達した高等動物に多く出現するといわれています。日中フル活動している人間の脳の大脳皮質を休息させることが人間としての機能を最大限発揮させるために重要だということです。
睡眠の前半に集中的に脳を冷却させ休息を与える必要があるからです。
それに対して、レム睡眠では全身の筋肉を弛緩させることで身体を休める睡眠として位置づけられています。筋肉のエネルギー使用を最低限とすることで身体の休養を最優先とさせている状態です。
❍夢を見ているレム睡眠
身体が眠っていても脳が目覚めている状態がレム睡眠です。脳の第一言語は「イメージ」です。夢は脳が目覚めていることを意味しています。
そして、このレム睡眠では、血圧や脈拍が変動することからも、覚醒への心身の準備段階の睡眠とも考えられています。十分な睡眠を得たときには、よく夢を見ているのではないでしょうか?
覚えているときにはぜひ「夢日記」を記録してみてください。自分の未来につながる夢かも知れません。
3.日本人は眠らない国民
最近よく聞くことの中に
働き方改革
ということばがあるのではないでしょうか。ドラマでも定時退社をタイトルにしたものが今春のドラマであります。厚生労働省のHPにも「働き方改革」の実現に向けて、というページがあります。pdfでのまとめはこちら から
働き方を見直して、睡眠時間を確保することも仕事の効率性から推進するべきだと思われます。日本人の睡眠習慣についても少しまとめておきたいと思います。
❍世界的にも眠らない国民
厚生労働省のHPに掲載されていたOECDの世界の平均睡眠時間の2009年の表を引用しますが、日本人の睡眠時間がもっとも低い水準であることがわかるかと思います。
日本人の平均睡眠時間は、男性 472分(約7.8時間)、女性 453分(約7.6時間)、最長のフランスは、男性 504(約8.4時間)、女性 518(約8.6時間)と比較すると、約1時間も短いことがわかります。そして、男性よりも女性も睡眠時間が短いのは日本のみです。
国内の調査でも、1960年から2010年の50年間で日本人の睡眠時間が1時間短縮しているとのことです。高度成長期を支えてきたという背景があるのでしょうか。眠らない美徳のような意識を感じることも否めません。
睡眠不足と感じている人に特異的に自分が不健康だという意識が強いという相関関係を示す数値も報告されているようです。眠ることの大切さをこの数年、私自身が実感していることです。
❍世界一眠らない日本の女性
フルタイムで子育てしながら働く女性、自分の役割を完璧に果たそうとすると、当然どこかにしわ寄せがきます。その数字が女性の睡眠時間、世界最下位ということに裏づけられているように思います。私自身が眠らなかって時代を過ごしてきました。幸いそれが出来てしまったのは、丈夫に生んでくれた両親に感謝するのみです。
でももし、早期退職を選択しなかったら取り返しのつかない状態になっていたのかも知れません。私の早期リタイアの背景には、自分の中の声が「警告のシグナル」を出していたこともあったのかもしれません。小さな体調不良が頻回に見られたということが、そのことがギリギリだったという事実につながっているように感じます。
働き方改革を通して、「睡眠」のことも考えてみてはいかがでしょうか。
生理検査アティテュード®からのメッセージ
私の中の「脳波検査」の記憶
~サラサラと紙の上をペンが走る・脳のつぶやきが流れる~
「脳波」それはまさしく、脳のつぶやきのあらわれのように...
私も脳波検査を行っていたことがあります。超音波検査をおもに担当する頃からあまり脳波を担当することが無くなり、数十年以上も前のことになります。
脳波検査は非常に弱い脳からの電気的刺激の流れを記録します。そのためもありシールドルームで行われます。シールドルームとは、外部からの電気や磁力などの影響を受けない、逆に漏らさない閉鎖空間とされ、外部音ももちろん聞こえにくい設計・施工された部屋です。被検者のみその空間にいる状態となりますので、閉所恐怖症の方にはストレス空間になるかと思います。被検者の様子は、小窓から観察するか、もしくは最近ではカメラを付けていることが多いと思います。
❍五感で記録していた古き時代の脳波計
私が脳波検査を行っていた当時、脳波計は年代物で、アナログ記録、インクにペンでサラサラと記録紙を一定の速度で流しながら記録していきます。ペンが走るのではなく、まぁ紙が流れていくのですが、その「サラサラ」という音は、記録者の眠気を誘うこともあります(苦笑)
❍検査技師としてヒモ付された記憶
そんな中、被検者の体動や異常波形などで、ペンが大きく触れ、「ガシャガシャ」という音にハッとすることがもあったりもします。てんかん波といわれるような特異的な波形が出現したときには、耳でもわかります。
考えてみれば、視覚を使いながら記録していることはもちろんのこと、ペンと紙の擦れるおと、記録紙が流れる音など聴覚でも被検者を感じていたということです。今でも「ガシャガシャ」というその音は、私の検査技師というラベルがひも付けがされた記憶としてとどまっています。
❍古き時代の医療機器
今の脳波計は、デジタル化され、紙に記録することはないと思います。PCにデータは保存され、モニター上で自由に必要なデータを保存できます。検査データも一定期間の保存が義務付けられています。紙に記録された脳波のデータ1件あたりの保管スペースもそれなりに必要とします。
しかしながら、医療機器は高額なため、検査件数が多くない脳波は減価償却するのも長年かかります。壊れて修理されても買い換えられることは後回しにされる医療機器です。昔の器械は丈夫です。私が退職したとき、すでに20年以上を経ていましたが、現役で頑張っていました(笑)
インクを補充するとき手にインクがつかないように細心の注意をしても手を汚してしまう...今どきそんな検査機器はありません。懐かしい限りです。いまさらながら、あのサラサラという音が懐かしく感じられます。
アナログの機器は打たれ強い、なかなか壊れることがありません。消耗品の供給ができなくなる、修理部品が亡くなってしまう、そんな理由が廃棄となってしまいます。長年使用していた機器が処分されるとき、寂しさを感じることも否めません。そこには、相棒を失うような愛着からの喪失感なのかも知れません。
でも、新しい診断装置を使うときは、やはりウキウキする浮気者でもあります(苦笑)
❍デジタル化による進化がすごい
医療機器のデジタル化はさまざまなことを成し遂げているということを実感しています。
超音波診断装置はもちろんのこと、心電計、呼吸機能もすべての医療機器にいえることです。その機器の機能をどれだけ知っているのか?そして理解しているのか?さらに使いこなせるのか?ということがさまざまな診断装置を使うものの知識とメタ知識に委ねられていると思っています。
同じ検査でも得られる結果がまったく異なってしまうからです。正しく理解すること、そしてその時の最高の診断装置の器械設定条件で検査を行うことが、臨床検査技師に求められることだと私は思っています。
使われること無く、活かす、そして使いこなすこと
私の生理検査アティテュードにつながる考え方です。
診断装置と使う人・技師の周波数をリンクさせ、受けて戴く方の身体の声を聴くことが臨床検査であり、生理検査だと私は感じます。
さまざまな臓器のつぶやき、
「休みたいよぅ (T_T)」
「頑張ってるよ ヽ(^o^)丿」。。。
そして脳波はまさしく脳のつぶやき、無意識からのメッセージのように私には感じられます。
Pure Medical attitude
生理検査アティテュード®
Junko Katayoshi
今日のまとめ
- 脳波は、脳の活動状態、脳から出される電気信号を波形に示したもの
- 覚醒状態と睡眠深度は、脳波を基本とする「睡眠ポリグラフ」の測定で分類出来る
- 睡眠周期は1晩に4~5回、ノンレム睡眠とレム睡眠を合わせて1睡眠周期、約80~100分
- 睡眠周期の時間はさまざま
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