JunchanのHealth attitude blogにご訪問ありがとうございます。医療スタッフのメンタルパートナー かたよし純子です♪ 今週は睡眠にまつわるさまざまなことをまとめていきます。日本人は世界の中でも睡眠時間が短いと言われています。睡眠障害を訴えている多いのではないでしょうか。そんなさまざまなことをまとめていきます。初回は、24時間のうち、起きている時間、眠っている時間その睡眠リズムとなる「生体リズム」をまとめていきます。以前サーカディアンリズムとしてまとめている内容ですが、人が持って生まれたさまざまなリズムをまとめていきます。
1. 眠りを理解するための生体リズムを知る
1-1 意識しないけど大切な「生体リズム」があります
1-2 サーカディアンリズム・概日リズムを意識しよう
1-3 その他の生体リズム
今日のプラスα
2.睡眠と体温の関係性 脱同調が起きると…どうなる?
生理検査アティテュード®からのメッセージ
・眠りたくない時代を経て今がある
1. 眠りを理解するための生体リズムを知る
1-1 意識しないけど大切な「生体リズム」があります
「生体リズム」ということばをご存知でしょうか?人が持って生まれてきた身体の生理的なリズムです。以前のブログでも扱ったことがありますが、生物リズム、バイオリズムといったほうが分かりやすいでしょうか。
❍生体リズムの種類
生体リズムは、体内にある生物時計によって機能しています。
生物時計・生理時計とは?
生物が生まれつき持っている時計
あらゆる生物機能でみられる時間的周期性
●生物時計とは
生物時計は、外部環境の周期に近い変動現象とされます。体内時計と明暗や気温などの外部環境、外界の同調因子によって調整されると考えられています。体内時計、生理時計( physiolosical clock)ともいわれ、生物の睡眠や行動の周期に影響を与えていると考えられています。
通常、人や生物は、生物時計を持って生まれてきていますが、意識することはありません。しかし、睡眠や日常行動に大きく関与していることは言うまでもありません。夜行性や昼行性の動物の行動も生物時計で制御され、植物にもその傾向は明確にみられます。
※関連ブログ「身体に大切なリズム調節「体内時計」 」
●生体リズムの種類
生体リズムは長さによって3種類に区分されています。
- およそ1日の周期 :概日リズム サーカディアンリズム
- 1日よりも長いリズム:インフラディアンリズム
- 1日よりも短いリズム:ウルトラディアンリズム
概日リズム:サーカディアンリズム(circadian rhythm)
約:circa + 1日:dian
❍内因性リズムと外因性リズム
またリズムは、内因性と外因性とにも分けられます。
〔内因性リズム〕
内因性生物がもともと体内に持っているリズム
〔外因性リズム〕
生物時計とは関係なく、環境変化に合わせることで生じるリズム
●内因性と外因性の区別の仕方
明るさ・温度などの環境条件を一定にした「恒常環境」に置くことで、内因性・外因性の区別することができます。測定したいリズム環境が、恒常環境のもとで見られるならば、そのリズムは内因性リズムだと判断されます。逆に恒常環境下で、リズム消失してしまう場合には、外因性リズムということになります。
●人は環境要因を「同調」させることができる
睡眠覚醒や体温などの環境因子にもそれぞれのリズムがありますが、このリズムを恒常環境で測定すると、1日の時間、24時間より長くなるといわれています。睡眠や体温変化と24時間のリズムとがそれぞれ個別のリズムとなってしまうと日常生活にはさまざまな問題を生じることになります。
そのために、「同調」ということが必要になってきます
内因性リズムを周期的な環境変化に応じて調整することを「同調」といい、生体リズムを環境の周期に同調させる環境因子を同調因子といいます。
よく聞くことがある概日リズムは、決まった時刻に朝日を浴びることや、決まった時刻・時計に合わせて行動することで同調させ、この概日リズムを調整しているといえます。
<サーカディアンリズム・概日リズム>
1-2 サーカディアンリズム・概日リズムを意識しよう
概日リズム・サーカディアンリズムの中枢は視床下部にある視交叉上核です。
❍概日リズムを調節する時計遺伝子
視交叉上核は、眼からの光で調節され、24時間のリズムを持っています。
光は動物にとっては、強力な強調因子となっています。この概日リズムは時計遺伝子にとして遺伝子上に存在し、視交叉上核以外の全身の臓器:脳の他の部位、筋肉、内蔵にも存在することがわかっています。
●概日リズムの調整
概日リズムの調整は、視交叉上核に存在する中枢時計と末梢組織にある末梢時計とにより、調整されています。1日のリズムは、中枢時計とされる視交叉上核に光を感じることでより調整されていますが、それ以外に食事にも概日リズムの同調させる因子として作用します。
●食事の刺激によるリズム調整
肝臓・小腸などの消化機能をもつ内蔵にも末梢時計として時計遺伝子が存在します。朝食を摂取することにより、概日リズムがリセットされることが分かっています。
●その他のリズム調整因子
毎日の生活の中でも人は時刻を意識し、生活行動に作用しています。決まった時刻に出勤や登校、そして決められた時刻に休息し、予定をこなしていくような社会の中でさまざまな人との関係性からも時刻を意識するのではないでしょうか。同じ時間にいつもの道で、いつも出会う人がいる。そんなことからも、自分がいつものように遅れること無く行動していることを感じることがあるのではないでしょうか。
このように無意識のうちにペースメーカーを持っていませんか。
❍「光」の役割、視細胞との関係性
眼は光を感じます。眼にある網膜は、数種類の細胞や神経繊維から成り立ち、その機能は網膜にある視細胞です。
感光性機能をもつ視細胞は、錐体細胞と杆体細胞とがあります。錐体細胞は色を見分け、杆体細胞は光を感じます。そして、色覚に関与しない神経節細胞があります。
視細胞には、色素タンパク質とされるロドプシン、フォトプシン、メラノプシンが含まれています。
- 桿体:ロドプシン
- 錐体:フォトプシン
- 青(波長 約420nm)緑(波長 約530nm)赤(波長 約560nm)の各波長に応答
- 神経節細胞:メラノプシン 光情報が視交叉上核へ送られる
- 約460~500nmの青色の光を感光
❍睡眠を抑制するメラトニンの効果
メラノプシンの反応により、情報が視床下部の視交叉上核に信号を送ることにより、刺激はさらに松果体に送られます。その結果、睡眠を促すホルモン、メラトニンの分泌を抑制しています。睡眠ホルモンと言われるメラトニンは夜間に分泌されるホルモンです。視交叉上核に作用し、概日リズムの調整に関わっています。
人の体温は午前0時に最低となります。この時間を基準に概日リズムの位相が起こります。
- 最低体温午前0時より前(体温低下期):メラトニンの分泌時刻が遅くなる
- 概日リズムの周期が長くなる、位相が後退する ⇨ 夜型の生活に位相する
- 最低体温午前0時より後(体温上昇期):メラトニンの分泌時刻が早くなる
- 概日リズムの周期が短くなる、位相が前進する ⇨ 24時間にリセットされる
このように人の体内時計は、もともと24時間よりもやや長く、体温上昇期に光を浴びることにより24時間に周期にリセットされるようになります。
●青色波長・ブルーライトを避ける理由
青色波長は太陽光のみではなく、蛍光灯や昼光色LEDにも含まれています。夜間これらの光を多く浴びることで、概日リズムが後退してしまいますので、夜型に位相されてしまいます。夜間の証明をブルーライトが少ない白熱灯を用いることや、やや暗めの1照明とすることが勧められます。
※関連ブログ「視覚をになう、眼の構造と視力低下」
<メラトニンとセロトニン>
1-3 概日リズム以外の人が持つさまざまな体内時計
概日リズム以外にも、人がもつ体内時計にはさまざまな自然環境や生活環境に適応するように種類やリズムがあります。
❍ウルトラディアンリズム
ウルトラディアンリズムは、1日よりも短いリズム、30分~4時間周期の体内時計とされています。
日中、集中力が低下した時にやってくる周期的な眠気がこれにあたるとされています。2~3時間の周期で覚醒レベルの変動により周期的に眠気が出現するというリズムです。不安定なリズムだとされ、環境要因や心理的な動機づけによって覚醒レベルが変化しているといわれています。
つまり心理的に興味深い、興味をそそられるような状況に置かれると、覚醒リズムが長時間保たれ、眠気の周期が出現することはありません。
❍概半日リズム
午後の眠気をもたらすリズムとされています。昼食との関係性が指摘されてもいますが、昼食を抜いた状態でも眠気がみられることから体温との関係性をもつと考えられています。
1日の中で早朝の最低体温となる時間がもっとも強い眠気を生じるとされていますが、この約半日後の午後の時間帯に眠気を生じることから、半日周期の概半日リズムの存在が考えられています。
❍1週間リズム サーカセプタンリズム
- 周期 :1週間(7日間)
- おもな影響:食欲、活動量
月~金の仕事で、土日休みの週休2日の出勤体制の場合は、休み明け月曜日は、食欲も活動量もやや低下気味、週半ばの水曜あたりから心身の体調が整うと考えられています。
❍1ヶ月のリズム:概月リズム
女性の月経周期がこの概月リズムにあたります。約28日周期で、月経開始の約14日後に排卵が起こります。
- 月経から排卵 卵胞期
- 排卵から月経 黄体期
黄体期はプロゲステロンの分泌増加し、体温が上昇します。その影響もあり黄体後期は、この体温上昇のため、夜間体温が下がりきらず、朝の体温上昇も緩やかな状態となることがあります。そのために深い睡眠が得られにくく、睡眠内容が悪くなることがあります。さらにプロゲステロンの影響で眠気が強くなることがあります。この状態が、月経2~3日続き、その後消失していきます。
❍1年のリズム:概年リズム
内因性リズムの1つで、季節リズムとは区別されています。鳥の渡り、齧歯類の冬眠などがこれにあたります。
●季節リズム
人に場合、季節による四季の変化により人に睡眠にこの季節リズムがみられるとされています。季節による体調の変化として、春は眠気が強くなることや、秋から食欲が増加し、体重が増加する傾向があります。季節性うつ病(季節性情動障害、季節性気分障害)は、日照時間が不足する冬場に発症することは多いとされます。
2.睡眠と体温の関係性 脱同調が起きると…どうなる?
人が生まれながら持っている概日リズムは、おもに睡眠覚醒リズムと体温リズムです。
❍睡眠覚醒リズムとは
睡眠と体温とは密接な関係性を持っているとされています。体温下降期に夜間睡眠が始まり、体温上昇期に夜間睡眠が終わるようになっています。このように人の睡眠は、体温でも調節されています。赤ちゃんが眠くなると手や身体が温かくなるのは、体温が低下しているためです。
夜更かしし続けると人の身体は体温が下がらないためになかなか眠りにつけなくなることがあります。この状態は体温の上昇方向に位相が生じているために眠りにつけなくなっているといえます。
●内的脱同調
このように睡眠覚醒リズムと体温リズムのように同調している2つのリズム関係が分離してしまうと人はうまく眠れなくなります。もともと人が持っているリズム関係が分離状態となることを内的脱同調といっています。この内的脱同調の状態になると、不快感や疲労感、集中できない、抑うつなどさまざまな身体の不調として症状があらわれます。この状態としてあげられるのが、時差ボケ、夜勤勤務などです。
❍睡眠覚醒リズムと生活環境の脱同調
日中の明るさと夜の暗さという環境のサイクルと生活サイクルの脱調整とされるこのギャップが体調不良の原因となっていることが少なくありません。時差に関しては、通常1週間位で生活サイクルを環境にあわせて行くことで症状は改善されていきます。しかし、夜勤勤務の場合はこの脱不調が改善されることがありません。そのため睡眠障害などさまざまな症状の原因となっています。この場合は環境因子のため、外的脱同調となります。
生理検査アティテュード®からのメッセージ
眠りたくない時代を経て今がある
人は誰でも平等に「1日24時間」を与えられています。もっと時間が欲しい…そんなことを思ったことが私にもありました。やりたいこと山のようにあるのに、時間が足りない。子どもに向かって、「早く!早く!」を言い続けていました。知らないことの多さに、学ぶこと、知ることに夢中になっていた時期がありました。眠らない時代、寝る間も惜しんで行動したい、行きたいところ、知りたいことへの興味関心がそこにはありました。
平成から令和へとの時代が移り変わり、NLPワークを考え行ってみました。
その中で自分の平成の30年間を振り返ってみると、大きく3つに分けられると思いました。30年という時間は、自分自身の人生そのものです。
社会に出て社会人として病院で検査技師として、その中でも生理検査に配属されたのが、平成の時代の始まりの頃、今の超音波検査と深く関わりを持つことになった頃とリンクします。
❍平成初期から15年くらい
ちょうど長女が生まれた頃で、1日の業務を終え、自宅では家事、育児をしながら、超音波検査士取得の勉強をしていたことを思い出します。まさに働き続けていた毎日で、楽しみといえば週末のバケーションでした。子どもたちや友人家族とともに、春~夏~秋はキャンプにもよく行きました。肉と野菜をちゃちゃっと準備して、自宅の駐車場や近くの川原へ行きバーベキューも日常茶飯事。そして冬はスキー三昧、毎週のように新潟の八海山へ、定宿があったほど通ったものです。そのバケーションのため仕事をしていたような時代せした。
病院の仕事、家の仕事、子育てそして家を買い、その家から子ども2人とともに実家に舞い戻った、自分の原点に戻ってきた時代でした。無我夢中ということばが当てはまるのかもしれません。私の眠らない時代の幕明けがこの頃でした。
❍平成中期から20年頃まで「起きていながら夢の中にいた」
無意識の問がそこにはあったのかもしれません。
『自分は、なに者なのか?』
常に絶対の強さを持っていること、強く生きなければならない、そんな気持ちで自己と戦っていた。中間管理職としてピリピリと神経を張り詰めていたように思います。そして子どもを育てていかなければならない。そんな自分のとの葛藤が、振り返ると自分の存在価値を無意識が模索し始めていたように思い返されます。
❍平成20年からの時代
2009年の4月にNLPと出会い、自己を見つめ直した時代があるから今の私がいます。それは誰でも同じです。
自分の居場所を意識し、その場所を探すための自分探しの時代です。NLPに出会ったときに衝撃、それは、医療以外の社会を見ていなかったこと、何も知らないことに気づきました。そこから学びの日々が続きます。仕事を終え、毎日のようにセミナーへ向かう日々が始まりました。土日も予定がびっしりです。1日3~4時間の睡眠で、お昼休みや移動中に眠りを補充する日々です。
❍さまざまな触手を拡げ続けるシナプス
学びの中から自分の興味関心が拡がり続けます。そして今、睡眠の大切さを実感する日々です。眠らない時代、その弊害を実感したのが、帯状疱疹に罹ったときだったのかもしれません。いや、その時は自分からの警告サインとして受け入れただけだったのかもしれません。でもその警告があったからこそ、眠ることの大切さということへの理解としてのサインにつながり、睡眠時間を意識し始めた「今」に繋がっているのだと思います。
身体は、いつも体調のサインを出しているのではないでしょうか。
Pure Medical attitude
生理検査アティテュード®
Junko Katayoshi
今日のまとめ
- 人はさまざまな生体リズムを持ち、長さによって3種に分けられる
- 24時間リズム・サーカディアンリズムといい、体内時計は光によって調節されている
- 他の臓器にも末梢時計時計として存在し、食事により調整される消化管にもこの機能がある。
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