今日も、Health attitude blogにご訪問ありがとうございます。医療スタッフのメンタルパートナー かたよし純子です♪ 先週から睡眠をテーマにまとめています。知れば知るほど奥が深く、人類の成長に睡眠が大切な役割を担っていることを私自身が切に感じます。睡眠は健康の源、そのことがわかるのが今日の内容だと思います。睡眠の発達段階や睡眠の性差による違いを理解すること、さらに加齢とともにどのように睡眠が変化していくのかなどをまとめていきたいと思います。寝る子は育つと昔から言われているように、胎内にいるときからさまざまな影響を人の発達に関わる大切な睡眠覚醒リズムです。そのことへの認識を見直してみてはいかがでしょうか。
1.睡眠発達への理解と加齢による変化、そのポイント3つ
1-1 新生児の睡眠とその重要性
1-2 乳幼児期からの睡眠の発達段階
1-3 睡眠も歳をとる…中高年の睡眠
今日のプラスα
2.大切です、女性の睡眠を考えませんか?
3.眠らない社会が作り出す?子どもの睡眠と発達障害
生理検査アティテュード®からのメッセージ
・『寝る子は育つ』子育ての想い出と…
1.睡眠発達への理解と加齢による変化、そのポイント3つ
高齢になると睡眠も浅くなるということを以前もお伝えしています。新生児での睡眠の役割の再確認と。高齢者の睡眠を再確認していきます。
1-1 新生児の睡眠とその重要性
新生児は眠りながら脳を育てている、そんなお話を2回目にしています。
❍人の睡眠の発達
生まれて間もない新生児の睡眠は、中枢神経系の発育が不十分です。
●新生児の睡眠
新生児は人の持つ体内時計、概日リズム・サーカディアンリズムがまだ確立されていません。そのため、新生児期、生後1ヶ月以内は、概日リズムには関係なく、1日16~17時間眠って過ごしています。
新生児の睡眠は、成人のように6~8時間持続的に眠り続けるということはありません。子育てをしたお母さんならばよくご存知のように、お腹を空かせて泣いたり、排泄のために3~4時間ごとに目を覚ましています。昼夜の区別もなく、1日のうち7~8回、睡眠と覚醒を繰りかえして脳を育成しながら発達させていきます。
❍脳の形成に係わる新生児睡眠の分類の特徴
新生児の脳波は、振幅が極めて小さいく、脳波だけでは睡眠と覚醒の区別ができません。そのため成人のような睡眠段階の判定ができないために、新生児の睡眠は動睡眠、静睡眠、不定睡眠の3つに区分されます。
新生児睡眠の分類
- 動睡眠 :レム睡眠に相当する特徴的な状態
- 静睡眠 :ノンレム睡眠に相当
- 不定睡眠:レム睡眠・ノンレム睡眠いずれにも相当しない
<新生児睡眠の分類>
●大人の睡眠への段階
生後半年くらいで睡眠段階が分類できるようになりますが、新生児では1日の総睡眠時間のうち、約50%が動睡眠(レム睡眠)がみられます。成長とともに動睡眠の割合が減少し、レム睡眠の割合は、2~3歳で20~25%、5~6歳では成人とほぼ同様の20%ちかくになるといわれています。
❍動睡眠が優位のとなる新生児睡眠の理由
以前のブログでも書いていますが、新生児は出生後、眼球がまぶたの下でキョロキョロと動く様子や新生児微笑などさまざまな原始反射として見て取れるさまざまな反応があります。これらの行動は、動睡眠(レム睡眠)の役割だと考えられています。生まれるまでの胎児期の神経回路を創っているのもこの動睡眠(レム睡眠)の機能だということになります。
●レム睡眠と動睡眠
胎生期に大脳がつくられる時期が動睡眠:成人のレム睡眠にあたると考えられています。新生児期にもっとも多くみられるのがこの睡眠です。この状態が、新生児期から乳児期まで継続されていますが、その状況は新生児がよく眠るということに意味づけられています。新生児は、眠りながら脳を活発に機能させ育てています。良質な睡眠をたっぷりと与えることが必要なのです。
●胎内から「神経回路」を育んでいる
この人間形成の発達は、中枢神経系、筋肉系に関連する刺激により胎児の状態からでも活発に動いているといわれています。このレム睡眠が大脳機能を発達させ、覚醒状態に意識を導いていると考えられています。脳幹の中では、自発的に神経回路が作られて、レム睡眠ではその神経回路が活動し、出生後にその機能を発揮しています。神経細胞に刺激が伝わりやすい状態にすることが出来るようになります。そして最終的に、運動の動作を制御するための神経回路が形成されていきます。
胎生期でも母体の心の安定が、胎児の育成に大きく関わっているのと考えられるのではないでしょうか。
※関連ブログ「乳児のコミュニケーション力の発達」
1-2 乳幼児期からの睡眠の発達段階
新生児期は眠りながら脳を育て、脳の機能を確立させています。乳幼児期の睡眠時間はどのように変化をしていくのでしょうか。
❍乳幼児の睡眠時間の変化
その後、睡眠と覚醒のサイクル数も減少し、睡眠時間は徐々に減少していきます。日中起きている時間が長くなり、夜に睡眠が集中するようになります。段階をまとめると
《生後2ヶ月》
- 24時間周期、睡眠・覚醒リズムがみられるようになる
- 生後 1 ヶ月頃から徐々に概日リズムが整うことで体内時計の調整ホルモン メラトニンの分泌がはじまる
- 昼の覚醒、夜の睡眠が安定したサーカディアンリズムが現れる
《生後4ヶ月》
睡眠時間は、14~15時間になります。
《生後6ヶ月以降》
- 1歳頃まで急速にメラトニンの分泌量が増加、日中の睡眠時間は急速に減少
- 夜間の睡眠時間はあまり変化がない
- 1日の総睡眠時間が徐々に短くなる 12~14時間
- 昼寝の回数生後6ヶ月では8割の乳児が1日2回
《1歳頃~》
- 昼寝の回数が徐々に減少、総睡眠時間 11~13時間
- この時期か幼児期へと夜間の睡眠が持続的になる
- 1日1~2回程度の昼寝となる
《2歳頃~》
ほとんどの幼児が1日に1回の昼寝
《3歳頃~》
昼寝をしない幼児がみられる、午後だけの昼寝のみ
《4歳頃~》
- 過半数の幼児が昼寝をしなくなる
- 2~5歳の睡眠時間 10~11時間
《6歳以降の児童期》
- 昼寝をまったくとらなくなる、睡眠時間は8.5時成人の睡眠構造に近づいていく間~10.5時間
- 生理的な昼寝は消失する
❍12歳頃までに脳も大人になる
最終的に、思春期とされる10歳頃まで、メラトニン分泌の高い状態が続き、睡眠と覚醒の睡眠パターンが確立されていくと考えられています。
人の脳は、誕生したときには、未発達の状態ですが、その後さまざまな刺激を外部から神経細胞が受けて学習し、発達していきます。そして最終的には、12歳くらいまでに大人の脳へと複雑な神経回路を形成させ、成長していきます。大人の睡眠パターン、すなわち、レム睡眠とノンレム睡眠を交互に繰り返す睡眠リズムの獲得に至ります。
この脳の活動は、浅い眠りとされるレム睡眠時に行われることがわかっています。乳幼児の睡眠は、レム睡眠が50%以上、この時間に脳は、盛んに回路を形成しているということになります。
このように、脳の発達にとってたいへん重要な乳幼児期に、睡眠時間が充分でなかったとしたら、子どもにはどのような影響が出るでしょう。
❍睡眠不足の学童期
学童期になると学年の進行に伴い、睡眠時間が徐々に遅くなっていきます。中学生以降になると、生活が急激に夜型化となり就寝時間がさらに遅くなっていくという調べも報告されています。そのため、児童期から青年期にかけての睡眠時間が著しく減少しています。さらに、上級学年になるに従い、睡眠時間が減少していきますが、この成長とともに睡眠の必要性が減少するという理由は成り立ちません。
公の睡眠時間に関する調査結果でも、常に眠いという意識をもつ子どもも少なくない、睡眠時間が不足しているということが、今の現状のようです。
※関連サイト「睡眠不足や睡眠障害、子どもへの大きな影響」
子どもの睡眠時間が不足すると、ほかにも影響があることがわかっています。肥満や高血圧などの生活習慣病を発症するリスクには、食生活が大きく影響していますが、睡眠不足も一因だと考えられています。
<加齢による睡眠段階の割合>
1-3 睡眠も歳をとる…中高年の睡眠
年寄りは早起きだ…そんなことを感じている人も多いのではないでしょうか。
❍加齢による睡眠内容の変化
加齢による睡眠段階の割合ということを2回目のブログでまとめています。その表からもわかるように、年齢により睡眠の内容が変化していきます。
健康な高齢者でも睡眠が浅くなり、中途覚醒や早朝覚醒の増加がみられます。
●50歳代以降の睡眠
50歳代後半になると一般的に就寝時刻が前進し、朝方に移行する傾向にあります。そして60歳代以上の高齢者になるとさらにその傾向は強まり、就寝時刻が前進するものの、起床時間の変化はあまりないとされています。
そのため、布団に入っている時間(臥床時間)が長くなり、高齢者になるほど寝つきが悪くなるという傾向があるとされています。中途覚醒も増える傾向にあります。つまり、睡眠の質の低下、実質の睡眠時間は短くなるという傾向があるようです。
●睡眠効率の低下する理由
人の身体は加齢とともにさまざまな力が低下していきます。睡眠はもとより、血圧、体温、ホルモン分泌など睡眠にも関係するさまざまな多くの生体機能が低下していき、リズムが前倒しになると考えらます。
そのため、高齢者の早朝覚醒疾患とは考えずに、身体の自然な変化として受け入れていくことが大切です。
❍高齢者の眠れないには、理由がある
年齢にとともに睡眠も変化しているということを受け入れることが必要です。
●睡眠の変化の2つ理由
- 体内時計の加齢による変化により、若い頃と比較して早寝早起きになる
- 深いノンレム睡眠の減少、浅いノンレム睡眠の増加により、睡眠が浅くなる
この変化は、睡眠脳波によって確認できるかと思います。物音に目覚やすく、わずかな尿意により覚醒が生じるということになります。
●変化への対応方法
- 眠気が出たら早めに就寝する
- 早朝に目覚、2度寝ができない場合は起きてしまう、その時間を有意義に使うこと
- 加齢により実際に眠れる時間が短くなるため、眠気がない場合早く寝ない
- 若い頃のようには、眠れないのが当然だと理解する
- 寝床でうつらうつらしている時間の増加は、逆効果
❍高齢者の眠れない心
さらに、年齢は関係なく、さまざまなストレスが原因となって眠れないということも理由になります。心の問題は、高齢者に限ったことではありませんが、中高年の心の問題はその質の深さも影響しているのではないでしょうか。
睡眠を妨げるこころやからだの病気にかかると、不眠症や睡眠時無呼吸症候群などのさまざまな睡眠障害が出現します。
<高齢者の心理>
❍女性の更年期も眠りが浅くなる
更年期の女性の約半数が不眠になるといわれています。加齢により睡眠は浅く、短くなるということをお伝えしましたが、女性はさらに更年期の症状とされる、のぼせ、発汗、動悸などがきっかけとなり、深い睡眠が眠れなくなることが多いようです。そしてこの状況がきっかけとなり睡眠へのこだわりが強くなることや、不眠恐怖が生じて慢性的な不眠症となってしまうこともあるとされます。
更年期には女性ホルモンが激減するだけにとどまらず、子どもの独立や身体の衰えなど、多くのストレスに直面し、さまざまな更年期症状が出現します。また閉経後には、睡眠時無呼吸症候群のリスクも高まりますので注意が必要です。
※関連ブログ「理解のための問題を知る」
睡眠障害に関しては、次回まとめていきたいと思います。
2.大切です、女性の睡眠を考えませんか?
前回のブログでもお伝えしていますが、日本女性の睡眠時間は世界でも最下位です。その影響は子どもにもあることを上記でもまとめています。
❍睡眠時間が短い40~50歳代の女性のライフスタイル
世界の調査データを見ても日本が睡眠不足大国であることがあきらかにされています。私自身もびっくりしました。そして、日本女性の睡眠不足ということに対して、ありがたくないいちばんです。
その傾向は、40~50歳代の女性に多く見られるということです。
その理由は、家事や育児の時間の多さによることが大きな原因だと考えられています。多くの女性は、パートやフルタイムで勤務をしながら、家の家事や育児をこなしています。就寝時間が不規則なこと、睡眠不足が癌員で、過剰な状態の眠気につながっていると考えられています。
次のところでまとめますが、この女性の睡眠時間の短さが、日本の子どもの睡眠時間が短くなっているということの原因とも考えられています。
❍ホルモン周期と睡眠との関係性
初回のブログでもまとめましたが、女性には約28日間とされる月経周期を持ちます。
- 卵胞期 月経から排卵:エストロゲンの増加
- 黄体期 排卵から月経:月経前約2週間、プロゲステロンの分泌
●月経前症候群
月経前になると心身の不調を呈する月経前症候群を経験された方も多いことかと思います。その中でも、睡眠の変化は多くの女性感じたことではないかと思います。月経周期に伴い女性ホルモンが大きく変動することが関係しています。
月経前症候群 PMS:Premenstrual Syndrome)
- 月経前緊張症ともいわれ、成熟女性の20~30%にみられる
- 情緒不安定、イライラ、抑うつ、不安、眠気、集中力の低下、睡眠障害など
- 自律神経症状としてのぼせ、食欲不振・過食、めまい、倦怠感
- 身体的症状として、腹痛、頭痛、腰痛、むくみ、お腹や乳房の張りなど
このような症状が、月経前3~10日くらいから毎月出現、月経開始後に消失
※関連ブログ「女性ホルモンと更年期障害」
●ホルモンによる体温変化
月経開始とともに卵胞期がはじまりエストロゲンが徐々に増加していきます。LH(黄体形成ホルモン)により排卵が誘発された後、黄体期となります。
黄体期はプロゲステロンの分泌増加し、卵胞期に比べ基礎体温が0.3~0.4℃上昇します。基礎体温を計ったことがある方はよくご存知かと思います。その影響もあり黄体後期は、この体温上昇のため、夜間体温が下がり切らないためもあり、朝の体温上昇も緩やかな状態となることがあり、この体温上昇が、睡眠にも影響することがあります。深い睡眠が得られにくくなり、寝起きも悪く、起床時間に影響をおよぼすこともあります。
黄体期においては、月経直前の黄体後期になると黄体前期と比較し、レム睡眠が減少し、逆に睡眠段階2増加がみられることがあります。このホルモン変化による睡眠内容の変化に加えて、プロゲステロンの影響によりさらに眠気が強くなる傾向があります。この状態が月経2~3日頃まで続き、その後消失していきます。
このホルモンによるわずかな深部体温リズムの変化が、1日の体温リズムへのメリハリが無くなり、睡眠に影響を及ぼします。そのため月経前には、睡眠が浅くなることや、日中の眠気が強くなるいうことにつながります。
※関連ブログ「女性こそは、ホルモンと体内時計」
❍妊娠と出産の睡眠への影響
妊娠は、当然ながらさまざまなホルモン変化があります。
●妊娠初期
妊娠初期の約3ヶ月は、プロゲステロンの分泌が増えます。そのため、眠気が強く、倦怠感が強くなるため夜間睡眠が長くなります。
この症状は、妊娠中期には消失していきます
●妊娠後期
子宮の増大による腹部圧迫、呼吸圧迫、頻尿、腰痛などの影響で中途覚醒がみられます。仰臥位や、寝返りが困難となる、寝汗や不規則な子宮収縮、胎動、背中や腰の痛みなど関節痛やむくみなどの症状が現れることもあります。身体の変化が、睡眠にも影響し、寝つきが悪くなることや、中途覚醒にもつながります。
●妊娠時合併症
出産への精神的な不安感や、不眠、体重の過剰な増加による睡眠時無呼吸症候群やむずむず脚症候群の発症も少なくないようです。さらにマタニティーブルーの症状も見逃せない合併症です。このような状況による不眠症も多く報告されています。
妊娠中の母親の体内時計の乱れは、胎児の子どもの体内時計にも影響するいわれています。妊娠中の睡眠がいかに大切なのかということを考えることが必要です。
●産後の影響
産後は最も急激なホルモン変化が生じる時期です。その身体的変化の加え、育児というストレスも加わります。産後うつ病の発症も多く報告されています。夜間の授乳で、必然的に睡眠が妨げられるために、睡眠不足に陥ります。症状としては、は涙もろくなる、気分が落ち込む、眠れないといったものですが、通常は子どもの成長とともに、自然に解消されていきます。
しかし、周囲の育児への協力と、サポートが心の支えが非常に大切なじきでもあり、母親の心の安定は、子どもの成長にも大きく影響します。
❍女性のホルモン
女性の身体は、ホルモンで守られています。「種」を守るという意味において、その役割を与えら得ているのだと私は思っています。だから、女性ホルモンの分泌が減少していく時期、更年期としてそのホルモンの守りが失われ、さまざまな影響が身体に現れてきます。
男性にももちろんホルモン影響の減少による体調の変化がありますが女性の比ではありません。子どもを守り、育てる言わば、種の保存という視点から見れば女性ホルモンの影響は、然るべき自然の法則に即したものだといことをさらに睡眠学を通して感じました。
月経周期に基づく、体温の上昇の影響により、身体を必然的に守るというプログラムにつながります。排卵時に体温が上昇する時期は、受精という大切な時期です。副交感神経優位とし身体を休息モードとして守らなければならないからなのではないでしょうか。その役割をホルモン・プロゲステロンが持つということは理にかなっているのではないでしょうか。
●胎児に影響する女性の睡眠
以前のブログ、風疹のところでまとめていますが、妊娠初期も非常に大切な時期です。受精卵が着床し、卵割し成長発達、さらにその後も身体をつくるための大切な発達段階です。
たっぷりと良質の眠りにより心を落ち着かせることが、10ヶ月後に出会う、2世の誕生の愛らしい産声につながるのではないでしょうか。
3.眠らない社会が作り出す?子どもの睡眠と発達障害
24時間開いている、営業しているのが当たり前の社会、でもほんとうによいのでしょうか?
❍子どもに与える母親の睡眠不足
日本人女性の睡眠時間は、世界でも最下位だという前回お伝えしていますが、乳幼児が安心してぐっすり眠れないという現状が、脳の発達にも大きく影響しているということが考えられます。
●脳形成に係わる時期の睡眠
私たちは朝、目覚めてよく眠れなったときは、寝不足だと認識し、自覚することも可能です。しかし、乳幼児の場合、重要なのは、乳幼児自身が寝不足だということを認識、自覚することが出来ないということです。乳幼児では、人間の持つ機能としての脳形成の時期の睡眠だということになります。その後の人生にどのように影響するかということにつながるということも容易に考えられるのではないでしょうか。
❍睡眠不足や睡眠障害、子どもへの大きな影響
子どもの睡眠不足は、日中の眠気が高まるということだけではありません。
●子どもの夜型生活がもたらす弊害
子どもの生活時間が夜型となることによる睡眠時間の減少は、脳の発達遅延の原因となり、注意や集中力の低下、眠気、易疲労感などにつながります。母親の就労が食事時間乱れ、食生活の乱れに繋がり、肥満を増加させる原因にもなっています。お腹を空かせた子どもが適切な食事ではなく、お菓子などのスナック菓子で空腹を満たすこともあるのではないでしょうか。
子どもの肥満増加は、睡眠障害の原因となる睡眠時無呼吸症候群の発症、睡眠障害の悪循環とされます。肥満成人の代名詞のような「睡眠時無呼吸症候群」は、子どもにも増加しているという報告もあります。
●発達障害や睡眠障害の原因
ADHDと診断された子どもに対してしっかりと睡眠をとらせることでこのような症状に対して、一定の改善がみられたということもあるようです。
心理面や健康へもさまざまな影響を及ぼし、さまざまな問題となることが少なくありません。注意力の低下や欠如、集中力を維持することが困難になり、イライラする、切れやすい、気力や意欲が減退する、活動性が低下するなどの慢性的な疲労の蓄積と考えられるような症状がみられる状態となります。
幼児期の睡眠問題が神経発達や心の発達、認知機能や情動機能への障害をもたらすこともあります。引きこもりや不登校などの問題行動、学力の低下、肥満のリスクを高めることから、身体への健康被害、就寝前のTVやゲームなどによる高照度の光環境は、体内時計へ影響し、概日リズム障害の原因となることもあります。
●ホルモン分泌異常
睡眠障害は、深い睡眠中に分泌される成長ホルモンの分泌異常にもつながり、脳の神経ネットワーク形成障害をもたらすことも考えられます。乳幼児時期にとっての睡眠は、脳や心身の発育に重要な役割を果たしているとされています。
体内時計の重要な調整ホルモンであるメラトニンも乳幼児期に分泌が始まります。1 歳頃までが急速に分泌量が増加するといわれ、睡眠覚醒パターンの形成が行われる時期です。この時期に十分な睡眠が得られないと睡眠覚醒リズムの形成にも影響を与えることになります。このように昼夜の生活リズムが形成される乳幼児期から、しっかりと適切な睡眠習慣を継続できる環境づくりがとても大切です。
❍無関係ではない親の生活サイクル、現代社会の24時間化
眠らない社会、現代社会が24時間化するとともに人々の生活が夜型化しています。その結果、社会全体の睡眠時間が減少する傾向にあるとされています。現実問題として、私自身がそのような生活をしていました。フルタイムで仕事をこなし、保育園のお迎えが19時前、帰宅するのは19時過ぎ、夕食は19時~20時頃です。この保育園生活を2人の子どもで11年間過ごしていました。社会的環境の変化は、子どもの生活にも影響を与えています。
●子供の生活の夜型化
国内調査によると、夜10時以降に就寝する夜型化の子どもの割合が増加しているという報告があります。1歳6ヶ月・2歳・3歳で半数を超えているという驚くべき結果だとのことです。
さらに小・中・高校と学齢が上がるにしたがい、就床時刻が遅くなること、それとともに、睡眠時間の減少がみられ、睡眠不足を感じている児童生徒の割合が確実に増加していることなどが報告されていました。
眠れていますか?
この状況を大人である私たちが自覚すること、今、しきりに言われている「働き方改革」を通して、私たち大人から「眠ること・睡眠」をしっかりと考えることが重要なのではないでしょうか。
生理検査アティテュード®からのメッセージ
『寝る子は育つ』子育ての想い出と…
成長期の子どもが一晩でグンと背が伸びる子どももいる、ということを聞いたことがあるのではないでしょうか。寝ているときに成長ホルモンが分泌されているということが分かってから、その事実が科学的なことであるということも理解できます。
❍落第点の子育てだけど
私も一応、2人の子育て経験者ですが、自己採点では、落第点です。
子どもの個性を受け入れていなかった
子どもの行動と自分を比較していたように思います。子どもにかけられる周囲の人の声ばかり私は気にして、聞いていた、そうNLPを学び理解し、今ならそうだったと受け入れ自己反省しています。あの頃もっと「心」への理解をすることが出来ていたら…
❍私の子育てのバイブルとは
私はずっと両親の働く姿を見て育ってきました。
子どもは親の背中を見て育つ?!
家に帰ると父親はもちろん、母親もいつも仕事をしていた姿のみ。毎晩遅くまで仕事をしていた父なので、夕食は8時という生活です。サーカディアンリズムからは、あまり望ましくない夕食時間です。でも、両親は結構長生き、自営だった父の廃業後は、決まった時間に朝・昼・晩の食事をとることに拘っていましたからその結果なのでしょう…笑
❍仕事最優先の子育て
バイブルへの思い込みか、仕事が私の居場所でもあり子どもへの世話も仕事も完璧主義的なところがあったのかも知れません。産休明けから、予防注射や育児健診の日程、保育園や学校の行事にすべて仕事の休みを合わせて取得し、行事をこなして行く日々気がつかないうちに心の余裕を失くしていたようです。
こんな私の価値観が子どもにもきっと影響しているのではないかと思っています。
❍寝不足の記憶がない子育てだった…良い子たち
出産後、改めてそういえば確かに子どもが眠っているのを見計らって、家事を行っていたことや、自分もいっしょに昼寝をしていたことなどを思い出しました。産後8週から仕事に復帰していましたので、夜中に泣き出さないことを願いながら過ごした時期もありました。
でも、思い出してみると、比較的夜は、寝ていてくれた我が子たちでした。寝なくて寝かしつけ事に苦労したという記憶はまったくと言ってよいほどありません。何度かはあったかなぁ…でも、そんなこともすっかり忘れているから不思議です。
何をするにも子ども最優先の時期、振り返るとその頃がいちばん貴重な体験をさせてもらっていた時代かも知れません。今だから言えます、もっと子育てを愉しめばよかったと…子育ては大変です。もう出来ないと思うのですが、そのときは無我夢中、早く大きくなって欲しいとそんなことばかり考えていたように思います。
❍学んだことを伝え、事実を科学で裏づけする
子どもが成人してから、さまざまな「発達」を学び、あの時知っていたらということがあまりにも多すぎます。でも、その当時は、そこまでの分かっていなかったことも多く、昔の常識が、今の非常識になっていることも多く見受けます。むしろさまざまなことが分かってきたから、より一層大変な子育て時代のようにも感じられます。
言わば、知らぬが仏なのでしょう。思い返せば、働きながら子育てができたのは、多くの人の手を借りていたのだということを改めて実感しています。
以前のブログでもまとめましたが、子どもに対する虐待のニュースを聞くたびにことばを失います。哀しいとう簡単な言葉では言い表せないから、まさしく気持ちを適切なことばとして言語化出来ないもどかしさを感じます。
私にできることは、私が学んだ情報をまとめて伝えることだと感じています。
今回の睡眠のテーマでまとめていることは、「寝ているときに脳を育てている」ということへの認識として、まさしく「寝る子は育つ」と、昔から言われている先人のことばそのものなのです。
暴力と罵声、そして寝かせなかったという父親に対して、罵倒するだけではなく、子育て世代の方々にも正しい知識として、理解して欲しい、そして事実に対する正しい解釈を私なりに文章として伝えていくこと。
そのことが命を失うことになってしまった幼い尊い魂に対しての、私からのメッセージです。
Pure Medical attitude
生理検査アティテュード®
Junko Katayoshi
今日のまとめ
- 新生児の睡眠は、動睡眠といわれるレム睡眠が50%以上で、脳の形成に大きく関与している
- 12最頃までに睡眠覚醒パターンが確立され脳も大人になる
- 加齢とともに睡眠量が減少し、浅い睡眠へと変化をする
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代表 かたよし純子 Junchan♪ ※自己紹介はこちらから
臨床検査技師/超音波検査士/健康管理士一般指導員/健康管理能力検定1級/介護予防運動指導員/米国NLP協会認定NLPトレーナー/臨床心理学 基礎エキスパート取得
今日も最後までありがとうございました。
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