今日も、Health attitude blogにご訪問ありがとうございます。医療スタッフのメンタルパートナー かたよし純子です。睡眠の7回目、今日で最終回です。先週で終わろうかとも思ったのですが、改善方法までまとめないと締まりがないですよね。そのような訳で、今日はいよいよ最終回、快眠のために何が出来るのか?生活習慣、運動習慣、嗜好品などなど、少しずつでも日常生活を見直すことをお勧めしたいと考えます。眠れないと思っているならば、何から出来るのか?人それぞれ、原因からも、生活環境や日常の習慣からも異なります。睡眠は、心と身体の健康を維持するためにとても大切なことです。今の自分に出来ることを見つけて戴くことが出来れば幸いです。

1.良質な睡眠のへの3ステップ

1-1 生体リズムに合わせた快眠のための生活習慣の改善

1-2 効果的な昼寝の利用と入眠へのセレモニー

1-3 快眠のための嗜好品 飲酒と喫煙

今日のプラスα

2.睡眠障害の予防対策「健康づくりにための睡眠指針 2014」

3.高齢者にありがちな不眠とその対策

生理検査アティテュード®からのメッセージ

・私が実践している睡眠セレモニー

 

1.良質な睡眠のためにできること3ステップ

1-1 生体リズムに合わせた快眠のための生活習慣の改善

心地良い眠りを確保するために日常の生活習慣を見直すことから始めることをお勧め致します。

❍睡眠への誘い、24時間周期リズム「体温変化」へのアプローチ

人の体温には、24時間の周期の概日リズムがあることを1回目「生まれながら身体がもつ生体リズム 」でまとめています。夜になって体温が下がっていくことで自然に眠くなり、夜の睡眠へと誘われます。夕方、最高体温付近となるのが、就床の3時間くらい前です。この 20:00~21:00 頃に、軽いストレッチなどの運動をすることにより入眠が促進され、入眠直後の徐波睡眠が増加し、熟睡感も高まるという報告があります。

眠気と体温の日内変動の関係

❍睡眠の基本もやはり運動

良質の睡眠を得るため心のと身体の健康には欠かすことが出来ません。健康な心と身体を保つためにはやはり運動を欠かすことは出来ません。運動習慣を持つということが睡眠に対して良好な状態へと作用することは言うまでもありません。

●運動習慣は徐波睡眠を増やす

運動習慣のない人が運動習慣を持つことで、深睡眠といわれる徐波睡眠、つまり 睡眠段階の3と4とされる睡眠の増強みられるという報告があります。さらに寝つきが早くなりそう睡眠時間が増えるということもいわれています。

●睡眠に対する運動効果には個人差がある

運動すればすべての人に対して効果的に反応するというわけでも無いようです。つまり、この運動習慣は睡眠内容が劇的に変化するわけではなく、年齢や性別、そして運動の内容によって異なるとされています。

運動内容とは、運動の種類、運動強度、運動した時間の長さや運動を行った時刻などが関係し、この要因は、睡眠を悪化させる場合もあるために注意が必要だとされています。

●運動による体温上昇が作用する

この効果は、運動そのものでは無く、運動することによる身体加熱の効果によるものだとされています。

就床前に運動することにより、体温が0.5~1.0℃上昇します。1日の最高体温付近である夜に軽い運動することにより、概日リズムによる体温低下とともに、さらにプラス効果で体温が低下します。この急激な体温低下が入眠を促進し、質の高い睡眠が得られるということのようです。

逆に、就寝直前に体温が高いままとなってしまうことになるために、入眠が妨害されます。そのため、就寝直前の運動は控えた方がよいことになります。

●間接的な睡眠への運動効果

そして運動による身体加熱や運動そのものが間接的に快眠につながることもあります。

高齢者の中には、夕方の居眠りをすることが多いともいわれていますが、そのような夕方の居眠り防止のためにも、散歩やストレッチなどの軽く身体を動かすことが効果的なこともあります。運動による体温上昇や身体運動そのものにより覚醒レベルがあがり、眠気が覚めるという効果が期待されます。

❍睡眠と入浴との関係性

入浴による体温上昇も良い睡眠への利用効果が期待できます。入浴や温水シャワーにより、人の体温は最高体温付近では、さらに0.5~1.0℃の上昇が期待できます。夜間の軽運動と比較すると、やや熟睡感は得られにくいようですが、その後の夜間睡眠が促進され、入眠直後の徐波睡眠の増加がみられるとのことです。

●高温の入浴は逆効果

入浴に関しては、温水の温度に注意が必要です。42℃の熱い温水の場合は、逆効果となり徐波睡眠の減少が報告されています。温水の温度は温めの温水 38~40℃ 20分程度が勧められます。

そして、就寝前の1~2時間くらいがもっとも効果が得られます。

就寝直前の高温の温水や長風呂は逆効果です。就寝時まで身体の体温が下がらず、入眠を妨げます。特に冬場の入浴は熱めのお湯で身体を温めたくなりますが、睡眠には逆効果だということを理解して戴けたらと思います。

 

1-2 効果的な昼寝の利用と入眠へのセレモニー

日中の眠くなった時、どうしていますか?

❍昼寝の悪影響とは

午後眠くなって昼寝をしてしまうという方も多いのではないでしょうか

●午後の眠気の正体

この日中の眠気に関しては、やはり生体リズムのところで、おおよそ半日の「概半日リズム」としてまとめていますが、体温との関係性をもつと考えられている、午後の眠気をもたらすリズムとされています。早朝の最低体温となる時間がもっとも強い眠気を生じますが、その約半日・12時間後の午後の時間帯に眠気を生じることから概半日リズムの存在があるといわれています。

●昼寝しすぎることの悪影響

昼寝をすることで、徐波が出現してしまうことへの悪影響、この昼寝のまとめは、3回目の「睡眠周期と睡眠段階」でまとめています。昼寝をした時に徐波睡眠が出現する夜の睡眠で十分な徐波睡眠が得られなくなるということが分かっています。長時間の昼寝は、夜の睡眠に影響するということを意味し、この徐波睡眠にまで至ってしまうことを避けたほうがよいとされています。

すなわち、この徐波睡眠が出現する以前に、目覚めれば良いとされ「20分未満の昼寝」が勧められています。

昼寝を長時間してしまうことで、夜 寝つけなくなるのはこのような理由があり、睡眠の質が低下するということに繋がります。

●昼寝と認知症の関係性

高齢者の昼寝に関して、1時間以上の昼寝をする場合、昼寝をしない場合よりも、死亡率が上昇するということが分かっています。

長時間の昼寝が、健康被害を生じるとのことです。昼寝により、血圧や自律神経活動への急激な変化が生じるとのことです。この変化は、昼寝後の急激な血圧と交感神経系の上昇が影響しているとのことです。そのため身体への負担が増加し、脳への影響もあるとされています。昼寝によるアルツハイマーへの罹患リスク上昇が報告されています。

●昼寝の時間が関係している認知機能

昼寝は、認知性予防にも効果があるということを聞いた方もいるのではないでしょうか。1時間以上の昼寝は、アルツハイマーの罹患リスクとされますが、1時間以内の昼寝ならばリスクは低下し、30以内の場合は逆に、さまざまな効用が期待されるといわれています。

●徐波睡眠は出現しない30分以内の昼寝が効果的

短時間の昼寝をすることで、眠気が取れ、疲労が改善されます。徐波睡眠の出現も無く、夜間睡眠への悪影響もありません。午後の眠気が改善され、居眠り防止により、作業高率が上昇、運動技能の上昇も期待することができます。

●時間経過による睡眠段階の変化睡眠段階

通常睡眠段階1が約5分出現し、睡眠段階2が出現します。睡眠段階1のみでは、昼寝の効果を得ることが出来す、睡眠段階2が3分間以上出現することが必要だとされています。そのため、

10~15分の昼寝

この時間が効果的だとされています。

20分以上の昼寝は、効果が得られない、もしくは逆に眠気や疲れが増加するとされています。寝つくまで5分と考え、15~20分が最適な昼寝時間だと言われています。この昼寝の効果が、昼寝を推奨する企業が増えているということの理由です。

しかし、眠気があるということは、夜中の睡眠時間が不足しているということでもある、ということも考える必要があるのではないでしょうか。

●高齢者の昼寝、毎日30分以内が効果的

高齢者の場合は、若いときよりも徐波睡眠は出現しにくい傾向があります。そのため、30分くらいの昼寝に効果があると考えられています。午後30分程度の昼寝をとっている高齢者は眠気が解消され、夜の睡眠において中途覚醒が減少、睡眠の質の向上が上がるということです。

❍夜の就寝前に何をしていますか

就寝前の儀式・セレモニーとして毎日習慣的に行っていることに何がありますか。

パジャマに着替える、歯を磨く、翌日の準備をすることもあるかも知れません。布団に入ってからも読書をすることや音楽を聞くなどもあるのかも知れません。何となく同じことを行わないと眠れないというような毎日の儀式的なことです。

行う内容によっては、快眠とは逆効果のものもあります。覚醒を高めてしまい、眠れなくなってしまうということです。

●快眠ではなく、不眠症への誘われる行動

強い緊張やストレスは覚醒レベルを高めてしまいます。

寝る前のゲームは、その典型例です。日中に強度ストレスを感じるような体験や経験、学生の頃の試験勉強で眠れなくなったこともあるのではないでしょうか。このような状態では、脳が緊張状態にあるために入眠に至るまでの時間が延長されます。さらに強度のストレスを受けた場合は、睡眠全般へ影響が及ぶとされています。中途覚醒が増加し、レム睡眠が減少するとされ、極端に睡眠内容が悪化します。ショッキングな映像などを眠る前に見た場合も同様です。

睡眠環境も影響します。旅行先では眠れなくなるなどの経験もあるのではないでしょうか。はじめての場所や、なれない環境下でも同様です。

❍身体の緊張を解く

身体の緊張を意識的に解きほぐすことがお勧めです。身体の緊張、筋肉の緊張を解きほぐすことにより、心の緊張もほぐれていきます。意識的に力を抜くこと。

●弛緩と緊張の効果

腕や脚の筋肉を意識します。手をギュッと握りしめ、解き放つ、この繰り返しをゆっくりと行うことです。身体のさまざまな部位で行ってみてください。

  • 緊張:ギュッとしっかりと力を込めて思いっきりよく
  • 弛緩:呼気とともにゆっくりと息を吐きながら力を抜き切る

ポイントとして

呼吸、特に呼気を意識

弛緩させるとともに、身体に血液が流れ、組織に酸素が行き渡ることをイメージをしながら行ってみてください。ゆっくりと息を吐ききることもポイントです。呼気とともに心拍も緩やかになり、副交感神経が優位となり、身体の緊張が解きほぐされ、心の緊張も緩みます。

❍好みの寝室空間を

照明や寝具など自分の好みによって空間が作られていると思います。

●香りの効果DSC_0198

最近のアロマブームが気になる方も多いのでしょうか。香りの身体への効果も科学的に証明されています。特にラベンダーには鎮静効果があり、眠りにもよいとされています。寝室にラベンダーなどのアロマオイルを用いることも勧められます。徐波睡眠の増加や熟睡感の増加が期待できます。脳波検査に用いられる電極装着時のペーストには、ラベンダーの香りが用いられているものがあります。

ただし、香りには好みによる個人差もあるようです。アロマを用いる場合には、自分に合ったものを選ぶことがよいようです。

●音楽の効果

音楽の睡眠への効果は注意が必要のようです。入眠時の効果は促進されるようですが、眠ってしまった後では、覚醒を促すような逆効果となることが少なくないようです。あまり長時間の曲を流すことは避けたほうがよいとされています。覚醒レベルを避ける鎮静の効果のあるリズムを選ぶことが大切です。

●照明や光を効果的に用いる概日リズムの中枢・視交叉上核

その他、照明はブルーライトを避けることや間接照明などを用いることが勧められます。そして、出来れば起床時に窓から朝日が差し込むように、雨戸を閉めない、遮光カーテンを閉めないこともお勧めです。朝の光は、視交叉上核を刺激して、体内時計を目覚めさせてくれます。

 

 

1-3 快眠を妨げる嗜好品「アルコール」「カフェイン」「ニコチン」

アルコールが睡眠を妨げること、カフェインやニコチンの影響も見逃せません。詳しくまとめていきましょう。

❍アルコールと睡眠の関係

アルコールは、中枢神経抑制作用があります。

●アルコールがもたらす影響とは

アルコールのは、鎮静、催眠作用があるとされています。そのため、この作用を利用して眠れない時に、睡眠薬の代わりに寝酒としている人もいるのではないでしょうか。

適量のアルコールは入眠を早めるといわれています。一時的には入眠が促進されますが、睡眠が浅くなり、中途覚醒が増え、レム睡眠が増えます。夢や悪夢が増え交感神経が亢進するために頻脈や発汗が生じることもあります。アルコールは睡眠に対して入眠を促進するという効果がありますが、睡眠後半には睡眠の質を悪化させます。

これは、代謝と排泄がすばやく行われるためにアルコールの血中濃度が低下し、睡眠後半には離脱傾向が出現するためです。眠るために飲んだアルコールが睡眠の後半には悪影響をおよぼし、睡眠を妨害していることになります。

●睡眠への悪習慣への循環を生みだすアルコール

眠れないために就寝前のアルコールが常習化してしまうことがあります。飲酒を続けているとアルコールに対する耐性が上昇して睡眠作用が低下してしまうことがあり、量が増加していくことも少なくありません。この状態はアルコールへの依存性が促進され、依存症の発症になりかねません。

アルコール依存症の人の睡眠では、徐波睡眠がほとんど出現せず、中途覚醒が著明に増加します。体動が多くみられ、睡眠段階の移動が多く睡眠の分断が認められるようになります。毎日の飲酒習慣を突然中断すると、逆に強い不眠に陥り、振戦、発汗、幻覚、痙攣発作、見当識障害などのアルコール依存特有の離脱症状が生じます。

※関連ブログ「依存症は特別ではない、アルコール依存症とは?

❍カフェインと睡眠の関係

コーヒーなどに含まれるカフェインも眠れなくなるとよく聞く物質ではないでしょうか。

コーヒーに含まれるカフェインには、覚醒作用があります。疲労時に脳内に蓄積される睡眠物質の代謝を高めて脳の活動を刺激し活性化させます。スッキリとした感覚を持つことがあり、依存性もあり、量が多いほど覚醒効果がますといわれています。このカフェインの効果は、3~4時間持続し、入眠を遅らせ睡眠時間を減らし、睡眠を浅くし中途覚醒を増加させます。就寝前 3~4時間のカフェイン摂取を控えることが望ましいと考えます。

そして、カフェインには利尿作用があるために、夜中に尿意で目が覚める原因にもなることがあります。さらに多めのカフェインは、睡眠中の脳の代謝を高めるために浅睡眠が増加し、深睡眠が減少してしまいますので、睡眠障害の原因になります。

《カフェインが含まれる飲料》
  • コーヒー       130~150㎎
  • インスタントコーヒー 65㎎
  • 玉露         150㎎
  • お茶飲料       50㎎ 前後  *濃茶は約倍量
  • 紅茶         40~60㎎
  • ココア        50㎎
  • コーラ        30~50㎎
  • 健康飲料       50㎎

コーヒーは焙煎によってカフェイン含有量が変わります。深煎りの方がカフェインが少なくなるとのことです。あまり豆を焙煎していないアメリカンコーヒーには、より多くのカフェインが含まれるということになります。

カフェインは適量ならば有用な効果もありますが、飲みすぎると良質な睡眠を阻害する原因となることに注意が必要です。仕事の合間のコーヒーブレイクは、ホッとひと息には、脳を活性化し、作業効率を高めてくれることもあります。しかし、就寝前のコーヒーや紅茶、ほうじ茶などは避けるほうがよいと考え、カフェインレスの飲み物をセレクトすることをお勧め致します。

❍ニコチンと睡眠の関係

ニコチンには覚醒作用があるとされています。就寝前の喫煙は入眠を妨げ、深い睡眠を阻害します。

●依存症物質ニコチン

ニコチンは、神経接合部に作用を及ぼすことが知られていますが、大脳の覚醒をもたらすといわれています。覚醒作用のほか、気分高揚感、認知機能向上させるなどの快感情をもたらす物質だとされ、この快感情が依存症の原因となります。

このニコチンの体内での半減期は、約2時間だとされています。就寝前、2時間の喫煙は快眠の妨げになります。

●ニコチンの睡眠への影響

ニコチンの作用が入眠を遅らせることが分かっています。睡眠時間を短くし、浅睡眠を増やし、深睡眠を減少させることになり、睡眠の質を低下させます。

喫煙は睡眠呼吸障害のリスクファクターとなります。

※関連ブログ ニコチン依存症「 動脈硬化のリスク予防

このように、寝酒や喫煙は、生活習慣病の発症や重症化の危険因子として必ずあげられる嗜好品です。直接、睡眠の質を低下させるのみならず、睡眠時無呼吸のリスク因子とされ、二次的に睡眠を妨げる可能性もあります。

睡眠を妨げる嗜好品

<睡眠を妨げる嗜好品>

 

2.睡眠障害の予防対策「健康づくりにための睡眠指針 2014」

厚生労働省が睡眠の課題への取り組みとしてまとめられている「睡眠障害の診断・治療ガイドライン」が2014年の改定で「健康づくりにための睡眠指針 2014」が提示されています。その内容をまとめておきましょう。

健康づくりのための睡眠指針 2014

1.睡眠時間は人それぞれ、日中眠気で困らなければ睡眠は十分

睡眠時間には個人差があります。日中にしっかりと覚醒して過ごすことが出来れば、睡眠時間に対してこだわる必要はありません。季節でも疲労度でも必要な睡眠時間は変わります。加齢によっても、必要な睡眠時間は短くなる傾向があります。

2.眠る前、刺激物を避け、自分なりのリラックス法

緊張や刺激が脳に作用し、睡眠にも影響することもお伝えしたとおりで、入眠が妨げられます。就寝前4時間のカフェイン摂取は避けるほうがよいでしょう。日本茶やコーヒー、紅茶、ココアさらに、ソフトドリンクや栄養ドリンク剤、チョコレートなどにも含まれます。カフェインの作用は、30~40分後から、約4~5時間持続するとされています。就床数時間前の喫煙も同様です。ニコチンは交感神経に作用するために、就寝前の喫煙は避けるべきです。

自分にあったリラクゼーション方法で眠りにつくことが勧められます。上記に示した、入浴法、香りや軽い筋弛緩のトレーニングなど出来ることから初めてみてください

3.就寝時間にこだわらず、眠くなってから床に就く

入眠への時間は、その日の運動量や活動内容によって変わります。気候による季節変化も関係しています。眠ろうとする意気込みが頭をさえさせ、寝つきを悪くするということも多く、眠くなってから床に入るということでよいとされます。布団の中で過ごす時間が長いと不眠をもたらす逆効果となることもあります。

4.同じ時刻に毎日起床することの必要性

早寝早起きにこだわりは必要ありません。早起きが早寝に通じると考え、太陽の陽射しを浴びることで、睡眠ホルモンの分泌につながり、快眠をもたらします。

5.光の利用でよい睡眠

起床後、眼が覚めたら体内に日光を入れることで、体内時計がスイッチオンとなります。そして14~16時間後に眠気が出現します。光により朝のリセットが行われないとその日の眠りにつく時刻が1時間ほど遅れることになります。夜の明るすぎる照明も避ける必要があります。

6.規則正しい3回の食生活と規則的な運動習慣

朝食は心と身体の目覚めに重要です。朝食をしっかりと食べることは、脳へのエネルギー補給になります。体温を上昇させ、活動レベルを高めてくれます。規則的に朝食を摂ることで、1時間くらい前から消化器系の活動が活発化し、朝の目覚めを促進するといわれています。

夜遅い食事は、ごく軽く済ませることが大切です。前日の夜、深夜まで食べすぎると寝つきが悪くなり、夜中の覚醒が多くなり睡眠の質が悪化します。胃の中に残った食物の消化が終わらないためです。睡眠するべき時間に消化活動が行われるために、睡眠が妨げられます。

日中の運動は、夜間の睡眠を安定させてくれます。運動習慣は熟睡を促進効果が期待できます。

7.昼寝は、午後3時までに20~30分

昼寝の効果が提唱されています。昼食後、20~30分の昼寝には眠気の解消とその後の作業効率を高める効果が期待できます。

長い昼寝は逆効果となるために覚醒が困難となりぼんやりとしてしまう。さらに夕方以降の昼寝は夜の睡眠に悪影響となります。

8.眠り浅いときは、むしろ積極的に遅寝・早起きに

寝ること(不眠)を意識しすぎることは不安感が増して逆効果となります。寝床で長く過ごしすぎると熟睡感が減少します。遅く就寝し、早く起きるようにする。睡眠時間にこだわらず、熟睡感が得られる方がよい。

9.睡眠中の激しいイビキ、呼吸停止、脚のビクつき、むずむず感は要注意

このような症状は、背景に睡眠に関する基礎疾患がみられることがあります。睡眠呼吸障害の症状だとされますので専門外来への受診が必要です。

10.十分眠っていても日中の眠気が強いときは専門医に

日中の眠気は重大な事故の原因にもなります。睡眠不足や睡眠障害、過眠症など長時間眠っているにも関わらず、日中の眠気で仕事や学業に支障がある場合には、専門外来への受診が求められます。

11.睡眠薬代わりの寝酒は逆効果

眠れないためにアルコールを用いていると、深い睡眠を減少させ、中途覚醒を増やし、睡眠の質が低下する原因となります。アルコール量が次第に増加し、依存症の原因にもなり逆効果です。

12.睡眠薬は医師の指示で正しく使えば安全

睡眠薬も以前用いられていたものとは効用が変わり、アルコールよりも安全だとされています。服用後30分くらいで効果が現れるとされ、アルコールとの併用を避けることが必須です。そして、自己判断で中断すると不眠が悪化することがあるようです。医師の指示のされたとおりの服用が大切です

 

3.高齢者にありがちな不眠とその対策

心配で眠れない...

私の母が口癖のように言っていたことばです。母は、孫のことまで心配してくれていたのです。

❍高齢者が眠れなくなるさまざまな問題とは

多く高齢者に、眠れなくなるようなさまざまな悩みがあるようです。

●高齢者の持つ背景とは

高齢者はさまざまな心の問題を抱えていることが少なくありません。そのためうつ病の発症や、認知症、アルコール依存症なども多くみられることがあります。これらの精神疾患によっても睡眠障害の原因となります。

※関連ブログ「理解のための問題を知る

❍高齢者に多い不眠症リスクとなる基礎疾患

さらに身体的な基礎疾患による症状も不眠の原因となりことがあります。心疾患がある場合の夜間の胸苦しさ、前立腺肥大による夜間頻尿、皮膚掻痒症によるかゆみや関節リウマチによる身体の痛みなど、さまざまな不眠につながる身体的な症状がさまざまあります。

さらにこれらの症状への使用薬剤の副作用が影響している場合も少なくありません。不眠や日中の眠気、夜間の異常行動などの原因となることからも睡眠障害が生じることがあります。不眠や日中の眠気がある場合は、その原因確定し、原因に応じた対処方法が必要となります。

●生活習慣の見直し

社会との関わり方の変化で、日常の生活習慣にも変化が生じていることも原因となることがあります。運動不足や新たな人間関係などの環境の変化がなどによるストレスも関係していることが少なくありません。日中の活動量の低下、メリハリのない日常生活が影響している場合もあります。

❍高齢者が発症しやすい睡眠障害

高齢者に多くみられる睡眠障害として、睡眠時無呼吸症候群やレストレスレッグス症候群、周期性四肢運動障害、レム睡眠行動障害などがあげられます。このような睡眠障害は、専門医療機関での検査と診断が必要となります。

❍認知症と睡眠との関係性

高齢者は、睡眠が浅くなるということを4回目でまとめていますが、アルツハイマー型認知症の場合、さまざまな睡眠問題がみられるようになりさらに睡眠が浅くなるといわれています。アルツハイマー型認知症で重度の場合、わずか1時間くらいでも連続して眠ることができなくなるといわれています。夜間の不眠とともに、日中の睡眠が増え、昼夜逆転とされる、不規則な睡眠・覚醒リズムとなります。

さらに、せん妄が増え、しっかりと目が覚めきれず、もうろうとした状態が見られるようになります。この状態は、本人の中での不安感が増しているために、興奮しやすく、攻撃的な行動となることもあります。

《認知症の不眠に対して出来ること》
  • 室温や照明などの環境を整える
  • 午前中に日光を浴びる
  • 寝具に入る時間、覚醒時刻を規則正しく整えるようにする
  • 食事を規則的に摂る
  • 日中の寝具の使用、昼寝を避ける
  • 就寝時間の4時間前を避け、決まった時刻に身体を動かす
  • 夕刻以降の過剰な水分摂取を避ける
  • アルコール、カフェイン、ニコチンの摂取を避ける
  • 気づいていない痛みへの対応
  • 認知症治療薬(コリンエステラーゼ阻害剤の午後以降の服薬を避ける

などがあげられています。

 ※関連ブログ「高齢期物忘れ 認知症

今回でテーマ『睡眠』は、ひとまず終了とさせて戴きます。今週木曜日 6日は、おやすみとさせて戴きます。次回のhealth attitude blogは、10日の月曜日を予定しております。よろしくお願いいたします。

 

生理検査アティテュード®からのメッセージ

私が実践している睡眠セレモニー

私の数年前、新年の目標に「睡眠時間、5時間寝る」こんなことを言っていた時期がありました。

寝る時間を惜しんで、インプットする日常生活を送っていたのです。朝7時に家を出て、8時過ぎから17時半までの勤務、そしてそこからさまざまなセミナーへの参加、終了後の懇親会まで出席ししっかり飲んで帰宅、この生活を週に2~3回、週末土日に仕事と重ならない場合は、必ず出かけていました。

今から思えばよく続きました(笑)今よりは、体力もあり、疲労回復する力もあったから出来たのかも知れません。

しかし、総合病院の常勤職の退職を考えていたときには、おそらく身体的にはギリギリだったのでしょう。少しずつそのような兆しが有ったことは否めません。

❍大きく変わった、今の生活

フルタイムを辞めた時に決めたことがありました。

朝は今までどおりに6時には起床するということです。土曜も、日曜も関係なく毎日同じ時刻に起きています。今では5時半~6時の間に目覚める日々です。

さらに自己の学びの中から実践始めたことも多々あります。

お酒好きなのですが、食事のときにアルコールを飲むことはありますが、寝る前には避けるようにしています。作業能力が極端に落ちることを実感しているために、自宅で飲む回数はかなり減りました。夕食の時間も遅くならないように、重くならないように気をつけるようにしています。

家の照明にはかなりこだわりを持って決めていますが、調光出来るタイプのものを選択して、用途に合わせて光を選んでいます。PC作業を行う場合は、昼光色、夜の照明は暖色系としています。

睡眠時は、半年くらい前にアロマディヒューザーを購入し、ラベンダーベースの香りとともに眠りにつきます。ベッドの枕元の東側の窓は、遮光カーテンを用いません。朝の太陽の光とともにこの季節は目覚めるようにしています。

今出来ていることは、こんなところでしょうか。

❍最後に…スッキリと、朝の目覚めのために出来ること

 

ここまで書いてことをすべてやろうと思うときっといやになってしまいます。

1つでも実践してみませんか?

出来ることから変えていくという気持ちを持つことだと私は思っています。完璧な人なんて、そんなにいるわけはありません。手を抜くこと、手を抜いている自分を受け入れることも必要だと思うからです。いつも思うのは、良いといわれていることを、やらないよりはやったほうがまだ良いよね、こんな感じです。

運動などは、私に中でもその典型です。気持ちよく出来る時と、気が進まない、何となく疲れた、やりたくないなど、さまざまな否定的な思考に偏ることもあります。出来ることだけ軽く行うで済ますことも大切です。ゆるく、ちょっと頑張ること、入浴時間を変えること、温度をぬるめにくらいは出来るのではないでしょうか。

ちなみに私は、入浴時間だけはなぜだか変えられません…笑。でもお湯の温度は、冬でも温めの温度で入浴しています。

睡眠時無呼吸症候群の指摘を受けた方、症状がある場合は、生活習慣の改善トライをぜひ行ってみてください。スッキリと目覚める日が必ず増えますよ♪DSC_0213

 

 

Pure Medical attitude

生理検査アティテュード®

Junko Katayoshi

 

今日のまとめ

  • 質の良い睡眠のためには、24時間周期リズムとされる体温変化へのアプローチが効果的
  • 昼食後から午後3時までの、15~20分以内の昼寝が健康維持に効果がある、長すぎるものは逆効果
  • 快眠を妨げる嗜好品として「アルコール」「カフェイン」「ニコチン」が挙げられる

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Pure Medical attitude 

生理検査アティテュード®

代表 かたよし純子 Junchan♪  ※自己紹介はこちらから

臨床検査技師/超音波検査士/健康管理士一般指導員/健康管理能力検定1級/介護予防運動指導員/米国NLP協会認定NLPトレーナー/臨床心理学 基礎エキスパート取得

今日も最後までありがとうございました。

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