今日もHealth attitude blogにご訪問ありがとうございます。日常生活の中で「あれ?」と思うようなことに遭遇した時、もしかしたら目の錯覚だった?とか、思うことありませんか?夢と現実の狭間とも言えるようなことを何気に経験していることも少なくありません。今週は、錯覚とは?からでも考えていきたいと思います。人の持つ感性は、

「錯覚から生まれる創造豊かな人生の彩り」

へとつながります。過去に学んだカラーデザインの世界も人の錯覚に繋がります。人の脳が作り出す、心理的錯覚の中でも「知覚的錯覚」についてまとめていきたいと思います。

1.人が作り上げる錯覚とは?脳が補う知覚的錯覚を意識すると

1-1 「錯覚」という現象への理解

1-2 眼で起こる錯視 と耳で起こる錯聴

1-3 錯覚が必要なその理由、日常生活に不可欠な脳の錯覚

今日のプラスα 

2.錯覚と幻覚との違い

3.錯覚は人生の彩り

生理検査アティテュード®からのメッセージ

・錯聴という能力をもつ人間のこころ

 

1.人が作り上げる錯覚とは?認識が無い心理的錯覚

錯覚という現象は日常的によく起きているのだと思う。

錯覚(illusion:イリュージョン)とは?

知覚された対象の性質や関係が、

刺激の客観的性質や関係と著しく食い違う現象

これは、心理学辞典に記載された定義とのことです。

1-1 「錯覚」という現象への理解

ちょっとややこしいので、ウィキペディアの内容を要約すると…

  • 錯覚とは、実際とは異なる知覚を得てしまう現象
  • 感覚器の異常で生じるものではない
  • 対象物に対しての感覚異常や認識を誤ってしまうという現象
  • 存在しない対象物を存在していると見てしまう幻覚とは、区別される現象

すなわち、物理的実体とは著しく異なる知覚内容や意識経験を得ることをいいます。トリックアートや手品・マジックなどもこの錯覚となります。

❍錯覚には「物理的錯覚」と「心理的錯覚」がある

錯覚が生じる原因がどこにあるかによって、「物理的錯覚」と「心理的錯覚」とに分類することもできます。今回は心理的錯覚を扱いますが、きちんと区別しておきましょう。

〔物理的錯覚〕

物理的錯覚とは、外部から人に入る情報源によって生じる錯覚、刺激が人の感覚器に入る以前に、物理的な要因によって変化することで生じる錯覚です。蜃気楼やドプラ―効果などがよくある物理的な錯覚です。

〔心理的錯覚〕

心理的錯覚とは人の内部で生じる錯覚です。錯覚が生じる原因が感覚器そのものである場合や、脳で生じる場合などがあります。

❍錯覚を招く知覚とは?

ふつうに使っていますが、知覚とは?再確認してみると…

知覚(perception)とは?

さまざまな物理化学的情報を「感覚」として見分けること

外界を認識する過程、一般的に五感と呼ばれる

※情報サイト「知覚」脳科学辞典

知覚とは、外界からの刺激を感覚として自覚し、脳はその刺激の種類を分別し、意味づけをしています。

視覚、聴覚、嗅覚、味覚、体性感覚、平衡感覚などの感覚情報をもとに、ものの表面的な性状、大きさ、固さ、温度、色、重量や、動作、食物の味、音色などのような自覚できる体験・経験として感覚として受け入れ、再構成される脳の情報処理です。

※情報サイト「知覚」Wikipedia

人の知覚

<人の知覚>

❍知覚で起こる錯覚

ではこの知覚で生じる錯覚・知覚的錯覚、生理的錯覚といいますがどのようなものがあるのでしょうか。

知覚的錯覚のほとんどは情報処理を行っている脳で起こっています。眼や耳などの感覚器が中枢に送った情報と異なるものが、情報処理段階で歪められることや、補完されて伝えられ、再構成が行われてしまう現象です。

●身近な錯覚「運動の錯覚」

運動の錯覚として身近な良い例として上げられるのが、アニーメーションです。アニーメーションは1つのコマは単なる静止画です。その静止画を連続して見た時に、実在していない「動き」として知覚される「運動の錯覚」です。

●奥行き知覚

また、人の網膜で得ている情報は2次元での画像ですが、認識されているのは奥行きを感じることが出来る3次元の世界を再構成して認知しています。

 

1-2 眼で起こる錯視 と耳で起こる錯聴

錯覚は五感すべてで起こることがあります。視覚で生じている知覚的錯覚をまとめていきます。

❍錯視(optical illusion)とは?

視覚で起こる錯覚を「錯視」といいます。ミューラー・リヤ―錯視は、見聞きしたことがあるのではないでしょうか。

●錯視とは

視覚に関する錯覚のことです。顔が大きいということを気にされている方が、写真を取る時に、顔を小さく見せたくて、周囲の人から一歩下がったこと、ありませんか?奥行きの錯覚を利用して、小顔に見せたいという理由かと考えます。ある条件や要因のために、形や大きさ、長さ、色、方向などが、実際とは違ったものに知覚されてしまう現象、幾何学的錯視については多くの種類が知られています。

〔ミューラー・リヤー錯視〕 *大きさの錯覚

A・B・Cの線分は実際にはすべて同じ長さですが、線分の両端ある矢羽が内向きのものと、外向きのものとでは線分の長さが違って感じられます。Bがいちばん長く感じられ、B>C>Aの順で短く見えるのではないでしょうか。

ミューラー・リヤー錯視

<ミューラー・リヤー錯視>

〔ポンゾ錯視〕  *奥行きの錯覚

交わる二つの線分の間に、平行線を入れると、線分との間が狭まる上の平行線のほうが長く見える。

〔フィック錯視〕 *垂直水平錯視

まったく同じ大きさの長方形の図形「A」と「B」を「T字」に縦と横に置くと、縦にされたものが横にされたものより長く感じるという錯視です。 一般的に水平な横線よりも、垂直な縦線の方が長く認識されるために生じるとされていますが、90度傾けても「B」の方が長く見えますが、その理由は解明されていないとされています。

〔ツェルナー錯視〕*方位の錯視

線分は全て平行なにのも関わらず、羽の角度が鈍角であるほど、錯視は顕著になります。

おもな錯視

<ポンゾ錯視・フィック錯視・ツェルナー錯視>

〔対比・明るさの錯視〕

同じ明るさの○ですが、背景の明るさによって明るさの感じ方が異なるのではないでしょうか。これは色に関する錯視の1つです。周囲とのコントラストによる影響を受けています。

明るさの錯視・対比

<明るさの錯視・対比>

●パーソナルカラーを知らないと損をする⁉対比 隣り合う色の見え方

色彩に関してはさまざまな錯視が起こっています。イメージコンサルを行う上で知っておくことが求められる必須の視覚特性でもあります。肌色は一人ひとり持つ「肌色」が異なります。肌色をより良く見せる色が「パーソナルカラー」です。これ以外にもさまざまな錯視があります。色彩に関しては下記の関連ブログを合わせてお読み戴けましたら幸いです。

※関連ブログ「食欲の色み」「自分の人生を彩る色

❍絵画や建築物に用いられている「遠近法」

視覚的な錯覚は古代ローマ時代から壁画に描かれています。教会の丸天井に描かれただまし絵(トロンプ・ルイユ)が良い例です。

建築物などでも多く取り入れられています。身近なところでは、ディズニーリゾートで建物や敷地をより大きく、広く見せるためにさまざまな遠近法を用いて人の錯覚を引き出す手法が取り入れられています。

❍空耳…ありますよね?錯聴 auditory illusion

耳で起こる錯覚を「錯聴」といいますが、一般的には聴覚の錯覚といわれ、いわゆる聞き間違いのことで、音や外部の刺激に対して誤った知覚をしてしまう現象です。音刺激を聞き取る際に存在しない音や、状況的には聴こえるはずのない音を知覚してしまう事によって生じます。

タモリ倶楽部での空耳アワーとかご存知なのではないでしょうか?

※情報引用サイト「錯聴」Wikipedia

 

1-3 錯覚が必要なその理由、日常生活に不可欠な脳の錯覚

人のもつ感覚器はどうして「錯覚」という機能を持つのでしょうか。

❍錯覚の保つ意味とは何か

ここまでにも何度もお伝えしたように、

  • 錯覚は対象の物理的性質とは異なるものが知覚される現象
  • 人の認知過程で生じる
  • 無意識の情報バイアスによって起こり、合理的かつ規範的な認知とのズレ(*次回まとめていきます)
  • 脳神経的回路の特性から必然的に生じるものもある

錯覚にはこのような特性があります。さらに、私が過去に学習したことをまとめておきましょう

❍錯覚が起こる背景にあるものは何か

  • 素早く自分の存在する世界を認識する必要性が有る場合
    • 素早く危険を判断することが必要な場合など、見た目以上のことを見ることで危険を回避
    • 記憶されている情報のみに頼ることなく、整合性のある記憶の再構成が必要となる
  • 認知的経済性、認知的節約という機能を発揮させる
    • 脳にインプットされた情報を最小限の処理資源、最小の労力で認知しようとする性質を持つ
    • 同じ作業をどのようにしたら効率的に行うことが出来るかを学習している
    • 例)イントロを聞いたら、曲名がわかる、声を聞いたら顔を見なくても誰だかわかる
  • 人は単なる情報処理機械ではない、自己概念と感情をもち、能動的生きている
    • 健康的に生きるため、将来への希望をもつ
    • ネガティブな感情を排除して、肯定的に捉えるバイアスことが大切
    • 自分の成功を活かし、失敗から学びを得ることができる

❍見ていない部分も過去の学習で見ている

よくある図ですが…

隠されている部分を過去の学習で脳は補ってちゃんと読んでしまいます。それが単なる錯覚だとしてもです。

脳の錯覚

「A B C」とふつうに読むのではないでしょうか?

でも、「A 13 こ」と、書かれているのかも知れませんよね。

❍自分自身を錯覚に…

自分でポジティブな思い込み・錯覚をもつことも大切です。そのことによってストレスが緩和され、ストレスフルな状況から逃れることも出来ます。自分で思い込むこと、自分で自分を騙すことも必要だということです。

私がよく言うことばに、

何の根拠も無いけれど…

でも、大丈夫出来る!

常にそう思っています。自分の未来地図を描けるのは自分だけです。

 

2.錯覚と幻覚との違い

視覚の錯覚とされる「錯視」と認知症の症状として取り上げられる「幻覚(幻視・幻聴)」との違いを再確認しておきましょう。錯覚も幻覚もどちらも実際とは異なる対象が認識される現象です。

❍感覚機能が正常か否か

錯覚である錯視は知覚で生じます。知覚とは外界からの情報を取り入れ、その処理過程のことです。そして、その処理過程で生じるのが「錯視」となります。

これに対して、幻覚外界からの刺激情報が無い状態で生じ、精神病理現象として起こることをいいます。すなわち、何らかの感覚機能の異常があることが考えられます。

視覚で物が見える状態を「幻視」、音刺激がなくても聞こる状態を「幻聴」といいます。認知症において幻聴は、幻視に比べると少ないとのことです。認知症の中の、レビー小体型認知症の場合この幻視は、よくみられる症候としてあげられています。

  • 錯視:知覚の情報処理過程で生じる
  • 幻覚:外界からの情報が無い状態で生じる

❍幻覚とは?

幻覚というと、精神医学用語の1つとされます。すなわち対象なき知覚です。

実際には外界からの情報入力がない感覚を

体験してしまう症状

※情報引用サイト「幻覚」Wikipedia

おもに聴覚の幻覚として幻視の意味として用いています。その他の感覚器官、聴覚、嗅覚、味覚、触覚なども幻覚に含まれます。

●幻覚では、鮮明に無いものが見える

幻覚でよく見えると言われるものはさまざまです。子どもや人など、よく泥棒がいる、知らない人が家の中にいるということや、動物などが家に入ってくるということが多く、動きや色を伴っていたり、いなかったりとさまざまなようです。亡くなった配偶者や親戚が見えることもあります。そのため、他者から見ると誰もいないのに話しかけているように見えることがあります。

レビー小体型認知症では発症初期から、特有の精神症状として幻視がみられます。内容がリアルに具体的で、非常に鮮明だということが幻視の特徴とされます。幻視は繰り返し現れ、詳細に説明することが出来るということによって、せん妄とも区別されます。

※関連ブログ「認知症は突然に...

❍錯視とは?

これに対して、錯視はものを見間違えることによって起こります。錯覚は、勘違いや思い違いというような広い意味でも使われています。子どもの頃、天井の木目が人の顔に見えることや、壁紙のシミが一瞬、虫に見えてびっくりすることなどあるのではないでしょうか。錯視はレビー小体型認知症の方は錯視もよく体験されるとのことです。

心理学では、認知過程全般で起こる系統的では無い初期の誤りを認知的錯覚といいます。次回はこの「認知的錯覚」をまとめていく予定です。

 

3.錯覚は人生の彩り

私はそんな考えに至っています。

錯覚があってこそ

人間らしい日常生活がある

人は日常的に、不足した情報を学習した認知力を無意識に使って、情報を補うことで解釈しているということを、日常的によく行っていることに気づいているでしょうか。

知覚的錯覚を持つことによって、物の見え方や聞こえ方、味覚の感じ方にも、さまざまな脳の勘違いシステムが生じているからこそ、そこから新たな発想やイメージにつながることがあるのではないかと思うのです。

❍錯覚は知覚の誤認?とされる⁉

通常、錯覚とは、知覚の誤り・誤認であると考えられています。感覚器、知覚、認識、このどこかの過程においてミスしたことで起こっていると考えられていますが、心理学上での錯覚は間違いや誤りのみならずマジックなど眼を凝視している状態でも、予備知識を持っている状態でも生じてしまうことがあります。

人間の感覚特性、知覚特性によって生じる現象

言い換えると、錯覚という特性があることで日常に彩りを添えているということもたくさんあります。

錯覚は私たちの認知システムにしっかりと組み込まれ日常的に深く関わりをもっています。今日まとめた、視覚、聴覚以外、次回予定している記憶や自己評価にも深く関連しています。

今回私が「錯覚」ということをまとめようと思ったきっかけが、自己評価に対する自分の思い込みが、錯覚であることや、他者評価する際にも関係し、ネガティブなことにつながっていることがあるのではと思うからです。

すべてが認知的錯覚かも知れない⁉

そう考えることができることから、大きく自分に対する自己認知や他者認知と深く関与し、人間関係が大きく改善することが出来ることもあると思うのです。

次回は、このあたりを中心にまとめていきます。

人生の彩り

 

生理検査アティテュード®からのメッセージ

・錯聴という能力をもつ人間のこころ

 

Wikipediaの「錯聴」の説明の中にこんな一文があります。

錯聴は人間の耳と脳が完全な音声受容組織ではないことを明らかにしている。これは人間が現実には鳴っていない音を聴き、その音に反応できることを示している。

これを読んで思ったこと…

現実に鳴っていない音の認識、すなわち心で聞き分けている音があるということ、心の声を身体からのメッセージ、つまり、ノンバーバルで聴いている情報の方がはるかに多いということにもつながります。

そんなことを考えながら、今のコロナに時代にいちばん必要なコミュニケーションの方法なのかも知れない…そう思うのです。このお盆休み中、帰省を諦め、家族やふるさとの友人などに合うことを断念された方も多いと思います。リアル会えなくても、SNSやさまざまな方法を用いて、心の声を聴き、感じ、つながりあうことはできると思うのです。そして、相手のことを思いやる心、そのことが今いちばんこの現代社会に必要なことのであり、私たちがコロナウイルスから学ぶ必要があるのだと私は考えます。

❍オンラインでつながる心もある

コロナの感染拡大状況をみていると、オフラインで出来るのはいつのことか…?そんなメゲそうな気分に私でも、押し潰されてしまいかねません…笑

自分に課せられた課題なのかも知れないなぁ…と、すごく重い腰をあげた感じでしょうか(笑)

先週末に、「パーソナルセッション」のサイトを再開させました。

屋外などで、リアルにお目にかかることも可能ですが、とりあえず「オンライン」でUPすることに。どこまで聴覚を駆使して、心の器を拡げるために、寄り添うことができるのか…ある意味私のチェレンジでもあります。

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Pure Medical attitude

生理検査アティテュード®

Junko Katayoshi

今日のプラスα

  • 錯覚は人の性状な知覚機能で起こり、実際とは異なる知覚を得てしまう現象
  • 刺激の客観的性質や関係と著しく食い違う現象
  • 錯覚は人の日常生活に必要不可欠な脳の機能の1つ

 

『Pure Medical attitudeからのお知らせ』

2020 年『 オンライン』で パーソナルセッション

2020年...

コロナ下でのオンラインをやっと決断した。

きちんとクライアントの心と向き合いたいそう思う気持ちが、オンラインへの抵抗感が根強く、なかなか決断できませんでした。試行錯誤しながらも自分のことを振り返り、オンラインでやることを決断いたしました。

オンラインでの会話の経験を重ねたのち…

初めの一歩がものすごく高いハードルなんだよなぁ…

でも、自分自身もそうだったじゃん!

そんなことを今更ですが、思い出したのです。顔出ししなくてOKです。話せることだけでOKです。話すだけでどれだけ、どれほど心が救われるか…そのことを過去の自分が思い出させてくれたのです。声だけでもいいです。聴かせてくださいませんか?こころの叫びを。

2020 年『 オンライン』で パーソナルセッション

Pure Medical attitude

かたよし 純子

 

今日の情報サイト・資料

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Pure Medical attitude 生理検査アティテュード®

かたよし純子 Junchan♪  ※自己紹介はこちらから

臨床検査技師/超音波検査士/健康管理士一般指導員/健康管理能力検定1級/介護予防運動指導員/米国NLP協会認定NLPトレーナー/臨床心理学 および 基礎エキスパート取得

今日も最後までありがとうございました。