今日もHealth attitude blogにご訪問ありがとうございます。今週は「むくみ・浮腫」をまとめています。前回は浮腫はさまざま原因疾患の症状として起こること、そのために必要な確認することを中心にまとめました。今日は、浮腫の中のリンパ浮腫を中心にまとめていきます。リンパ浮腫は術後に多く発症します。さらに合併症で多いのが蜂窩織炎だとされますが、

リンパ浮腫から蜂窩織炎を発症すると厄介とされるけど

その理由はどうしてなのか、どんな対応が必要なのでしょうか。そのあたりのことに関連して、リンパ管、リンパ節もプラスα情報でまとめていきましょう。

1.リンパ浮腫になったら…

1-1 リンパ液が滞る、リンパ浮腫とは?

1-2 リンパ浮腫の原因疾患

1-3 リンパ浮腫の診断と対応

今日のプラスα 

2.リンパ液とは?リンパ節とは?

3.リンパ浮腫の合併症に多い「蜂窩織炎」とは?

生理検査アティテュード®からのメッセージ

・リンパ浮腫は、下肢エコーでよく出会う所見

 

1.リンパ浮腫になったら…

前回は浮腫がさまざまな原因で起こることをまとめましたが、再掲すると、

〔浮腫の定義〕

「細胞外液分画中の間質液量の増加」

間質液とは、組織液・細胞間液・細胞間リンパ液となります。今日は、このリンパ液の増加が原因となるリンパ浮腫です。

1-1 リンパ液が滞る、リンパ浮腫とは?

リンパ浮腫の発症は何らかの理由によって、リンパ管へと回収されなかったアルブミンなどのタンパクが高濃度に含まれた体液が間質に貯留した状態です。

リンパ浮腫とは?

リンパ液の流れに滞りが生じ、

皮下に貯留して浮腫が生じる状態

❍単なる水分貯留ではないリンパ浮腫

リンパ浮腫は、リンパ液の輸送システムに何らかのトラブルが生じることが疑われます。リンパ液をうまく血液中に戻すことが出来ずに細胞間質に溜まった状態です。リンパ液の流れがうっ滞する原因はさまざまですが、前回まとめた中でも一般的な水分の貯留とされる浮腫とは異なる病態が原因とされ、鑑別診断を行う必要があるとされています。

❍静脈とリンパ管の関係

前回まとめていますが、血管の外部、皮下組織に過剰に溜まった水分によって浮腫が起こります。毛細血管ではおもに、動脈からの水分やタンパク質などの物質を組織に供給し、再びリンパ管や静脈に回収されています。その際に水分のほぼ 90 %は静脈へ、残りの約 10 %はリンパ管に還るというシステムです。浮腫のメカニズムには静脈血流が大きく影響していることになり、リンパ浮腫を改善させるためには、静脈機能を活発にさせることも深く関係することになります。

❍リンパ浮腫の分類

リンパ浮腫は原発性(一次性)リンパ浮腫と続発性(二次性)リンパ浮腫とに大別されます。

浮腫以外に原因があきらかでないものを原発性リンパ浮腫、ケガや癌の手術など何らかの、他の原因によって、引き起こされたとされるものを続発性リンパ浮腫とされます。この続発性リンパ浮腫がリンパ浮腫の大多数を占めています。

〔リンパ浮腫〕
  • 原発性(一次性)リンパ浮腫:原因があきらかでないもの
    • 特発性:リンパ管形成不全、原因不明
      • 早発性:35歳未満 思春期
      • 晩発性:35歳以上
    • 先天性:遺伝子異常にともなう *2~3歳までに発症する
  • 続発性(二次性)リンパ浮腫:癌の術後、外傷などに伴う浮腫

国内で多く見られるのは、癌治療に伴う術後のリンパ節郭清後や放射線照射治療に起四肢の続発性浮腫とのことです。

リンパ浮腫の分類

<リンパ浮腫の分類>

1-2 リンパ浮腫の原因と病期分類

リンパ浮腫の原因を原発性と続発性に分けてまとめておきましょう。

❍原発性リンパ浮腫の原因

原発性リンパ浮腫は非常にまれな疾患とされ、一般には小児科領域、10万人に1人くらいの発症といわれています。すべての続発性リンパ浮腫の除外診断が必要とされています。家族税発症が疑われる場合は、遺伝子スクリーニングなどが行われます。

原発性リンパ浮腫は原因があきらかではなく、リンパ管の形成不全によるものとされています。遺伝子異常の先天性のほかには、思春期に発症することが多い早発性、35歳以降に発症する遅発性に分類されていますが、原発性リンパ浮腫の中でもこの遅発性は比較的まれだとされています。

❍続発性リンパ浮腫の原因

続発性リンパ浮腫の原因としてよく聞くのが、乳癌や子宮癌、卵巣癌などの術後に伴うリンパ節の切除を行う、リンパ郭清術に発症するリンパ浮腫です。術後に合わせて行われる放射線療法での放射線照射も大きく影響するとされています。

その他、前立腺癌、悪性褐色腫などの術後、腫瘍性疾患の浸潤、真菌や寄生虫感染症、リンパ管炎、深部静脈血栓症に伴う場合など、さらにリンパ管に対して悪性腫瘍が直接的に障害をもたらすような悪性リンパ腫も浮腫の原因となります。

その他、一部の薬剤療法によるものもあるとされています。

❍リンパ浮腫の症状

リンパ浮腫を発症すると腕や下肢に腫れやむくみ・浮腫が生じます。

原因がわからないこともありますが、日本国内や先進国でのリンパ浮腫の発症原因は、癌の手術や放射線治療に伴って発症する場合がほとんどです。その主な原因とされる疾患が、乳癌、子宮癌、卵巣癌ということから特に女性に多くみられ、多くが片側の下肢や腕に生じることが多く、両側性でもその多くに左右差が見られます。

浮腫の症状は、リンパ液の流れが障害されることによって、体重の増加や、うっ滞を生じている場所にリンパ浮腫生じやすく、その部位は感染症を併発しやすい状態となります。

無痛性の腫脹のこともありますが、浮腫が見られる患部の色調変化には注意が必要です。浮腫の重症化に伴い皮膚の緊満感、重圧感、しびれや静脈のうっ滞に伴い、青紫色に皮膚の色調変化や炎症による熱感を伴うこともあります。

❍リンパ浮腫の合併症

リンパ浮腫に伴いさまざまな皮膚のトラブルが生じます。そして、リンパ管肉腫など悪性化することもまれにあるとのことです。

  • 多毛症  :多量の体毛が異常に生える
  • 角化症  :皮膚が硬化し、弾力が消失する
  • リンパ小疱:浮腫の皮膚表面に小さな水疱が発生
  • リンパ漏 :浮腫を生じた皮膚にリンパ液が漏れ出す
  • 接触性皮膚炎
  • 真菌感染
  • 蜂窩織炎 :細菌感染による皮下組織の炎症
  • 悪性化  :まれにリンパ管肉腫を発症

❍リンパ浮腫の病期

国内で普及されているとされる国際リンパ学会での分類が、癌治療学会のHP「リンパ浮腫 ガイドライン」に掲載されていたものがありました。0 期では浮腫は出現していない状態で、潜在的にリンパ浮腫のリスク有するという段階です。Ⅰ期はごく軽度で、むくみが生じている腕や下肢を上げることで浮腫が消失する段階、Ⅱ期になると挙上しても消失しない段階、Ⅲ期では、皮膚の色調変化や線維性硬化を伴う状態として病期分類されます。

リンパ浮腫の病期分類

<リンパ浮腫の病期分類>

1-3 リンパ浮腫の診断と対応

診断の目安として「日本リンパ浮腫学会」HPに掲載されています。

❍リンパ浮腫の診断

掲載されている診断の目安を下記に掲載いたします。

●リンパ浮腫の診断の目安
  1. 片方の腕や脚に発症することが多く、初期・軽度の場合を除き、両側でも必ず左右差を生じる
  2. ゆっくりと浮腫は進行する
  3. 色調変化や痛みはほとんどなく、皮膚のつっぱり感のような痛みを生じることがある
  4. 徐々に皮膚が硬くなり、皺や剛毛を見ることがある
  5. 静脈性浮腫との鑑別は、怒張や皮膚潰瘍はほとんど見られない
  6. 蜂窩織炎などを合併することが非常に多くある
  7. 術後に軽度のむくみがあってもすぐに消失、その後徐々に消失しなくなる
  8. シュテンマーサイン(Stemmer sign) 皮膚が硬いため、普通はつまめるのにつまめない状態。第二趾、第三趾の間の皮膚がつまめないものを示し、腕やお腹については該当しない

※情報サイト「リンパ浮腫の考え方と治療の基本」 一般社団法人 日本リンパ浮腫学会

❍四肢の周径測定

リンパ浮腫の診断は手術歴などの既往歴、問診や身体所見から行われるとのことですが、その他腫れている部分の下肢や腕など四肢の太さ・径を測る周径測定が行われ、最も簡便で経済的な方法です。その他の部分については標準化されてなく基準がありません。計測時間や測定時の体位は一定にし、測定値の再現性を高めることで診断の一助とされます。

両側四肢のいずれかの部位で2 cm 以上の左右差を生じていることで、有意所見と判断されます。

❍リンパ浮腫の超音波検査

超音波検査もよく行われます。簡便で非侵襲的に皮下の水分貯留を観察することによって、比較的早期からの診断に用いられます。皮膚および皮下組織の肥厚、線維化の有無、浮腫液の貯留、敷石状所見、皮下組織下の高エコー帯の欠如などUS所見として皮下の状態を確認していきます。

❍保存療法としての対応

リンパ浮腫への対応は浮腫の程度、症状によっても異なるとされます。おもに、リンパ浮腫の進行を抑えるための対応、症状を軽減するための方法「複合的理学療法」4種をまとめておきましょう。

おもにスキンケアと手で行うリンパドレナージ、弾性包帯や弾性着衣による圧迫療法、運動療法などが行われます。自己判断せず、医師の指導のもと行うことが必要です。

❍複合的理学療法

  • 用手的リンパドレナージ(MLD):手で行う医療マッサージ
  • 圧迫療法 :弾性スリーブ・ストッキング・弾性包帯など弾性着衣を用いる
    • 症状に合った最適なサイズ、圧迫圧、形状など医師への相談が必要
  • 運動療法 :弾性着衣などを用い圧迫した状態で運動を行う
  • スキンケア:皮膚を清潔にし、健康な状態に保つ
    • 傷口からの細菌感染を防ぎ蜂窩織炎などからの予防など
〔用手的リンパドレナージ〕

手を用いて、皮膚表面の溜まっているリンパ液を順次深部に送り込む方法です。リンパ浮腫におけるマッサージは優しく皮膚をずらすように行われ、通常のマッサージとは区別され、専門的な手技によって行われます。

〔弾性着衣による圧迫〕

弾性スリーブ、弾性ストッキングなどの弾性着衣は医療機器とされ、着用し、継続的にむくんだ部分を圧迫する方法です。一般に販売されている着圧ストッキングなどとは異なります。朝、起床直後に着用し、就寝時には基本的には外すか、もしくは弱い圧の弾性着衣とします。

〔運動療法〕

日常生活で身体を動かすことによってリンパ管も刺激され活発に機能することにつながります。現在は術後のケアとして、手術後すぐから軽い筋肉体操が開始されることがほとんどで、無理なく身体を動かすことが保存的治療の中でも重要視されています。さらに、弾性着衣を使用した状態での運動療法が効果的とされ、医師の指示のもとに行われています。

〔スキンケア〕

日常的に、浮腫患部を清潔に保つことで、皮膚表面にキズを生じ、細菌感染などにより蜂窩織炎の発症予防などに心がけることが必要となります。

複合的理学療法

<複合的理学療法>

❍むくみを取る方法「圧」が基本

どうすればむくみをとれるのか?

そのことがわかりやすく日本リンパ浮腫学会HP「リンパ浮腫の考え方と治療の基本」 に書かれています。

浮腫の皮膚の下に溜まっているリンパ液は、リンパ管に回収されなかった液体が貯留しているのですが、タンパク質を高濃度に含んだ液体です。むくみを取る方法としてもっと簡単な方法が、浮腫を生じている部分を「上げる」こと、さらに運動療法で症状がごく軽度の場合にはこれで改善されます。これで戻りきらない場合には、リンパドレナージというのが基本とされています。

リンパ浮腫の治療の基本は患部を上げていることとされますが、持続的に上げ続けるのは困難かと考えます。そのため「押さえる」という加圧方法です。浮腫が起こったら、上げるか、押さえるかが重要とあります。これに加えて「動かす」ということでマッサージの効果が次に期待されます。

その他として、薬剤や手術となるようです。しかしながら、いちばん効果的なのが強い圧とのことで、圧をかけなければ、浮腫の縮小はないとのことです。

リンパ浮腫指導管理の際に術前からセルフケアの一環として自己測定の習得を徹底することが肝要である。

 

2.リンパ液とは?リンパ節とは?

免疫に関与するリンパ液、リンパ節を簡単にまとめておきましょう。

❍リンパ液とは

『リンパ液とは?』

毛細血管から組織内に滲出した組織液が

リンパ管に流れ込んだもの

❍リンパ液の成分

リンパ液は、リンパ管の中を流れている無色または、淡黄色の透明な液体です。血管の中のタンパク質などを含む血漿成分で有形成分はおもにリンパ球です。組成は血漿由来の液体のためほぼ同じ成分ですが、通常タンパク質濃度は血漿よりも低くなります。身体の部分によってその組成は異なり、老廃物の回収などをおこなっています。

❍異物の血流循環を阻止する免疫機能「リンパ節」

『リンパ節とは?』

リンパ管系の走行途中に位置する

小結節状の小体

非自己異物が全身に循環し、

組織内に進入する前に阻止する免疫応答機能

リンパ節は全身からリンパ液を回収し静脈に戻すリンパ管系の途中にあり、組織内に侵入しようとする異物チェックを行っています。非自己物資をキャッチし、血流から全身に運ばれてしまうことを阻止するために介在する大切な免疫機能をもちます。

カゼなどに際して、リンパ節が腫れるのは、異物に対して身体の免疫機能が反応しているためです。

❍リンパ節の構造

リンパ節は扁平な楕円体形で大きさは数mmから大きなものは、30 mmくらいのものまでさまざまです。リンパ洞とリンパ実質からなり、頸部の超音波ではよくよく見られる器官です。

リンパ節の構造は細網組織からなり、中にはリンパ球が充満しています。リンパ節とリンパ管は、リンパ液が進入する数本の「輸入リンパ管」と、対側にはリンパ液が出ていく1~2本の「輸出リンパ管」とで形成されています。

輸入リンパ管はこのリンパ洞に開き、リンパ液はリンパ洞に流れ込み、この中を流れて輸出リンパ管に集められています。

リンパ節の構造

<リンパ節の構造>

●皮質で免疫機能を担うB細胞とT細胞

リンパ節の実質の表層部分を皮質、中心部分を髄質いいます。皮質内にはリンパ球が集団を成すリンパ小節があり、この中には免疫機能に関与するBリンパ球が存在しています。Bリンパ球は抗原に反応し、抗体産生細胞となりますが、皮質の深層部には細胞性免疫に関与するTリンパ球が存在し、Bリンパ球が担っている細胞性免疫を発現させる機能を持ちます。

髄質内部は、皮質から連続するリンパ組織で索状の粗い網目構造を形成しています。皮質と髄質のリンパ組織の周囲にはリンパ洞と呼ばれる間隙があります。

❍全身に分布するおもなリンパ節

リンパ節は全身に分布しますが、表在性と深在性とに大別されます。

  • 表在性リンパ節:頸部、腋窩、鼠径部など
  • 深在性リンパ節:縦隔、腸間膜・後腹膜、実質臓器の門部、周囲・内部、血管周囲

表在性のものは、感染症などでリンパ節が腫大すると、圧痛とともに触知されることもあります。

おもな表在性リンパ節

<表在性リンパ節>

 

3.リンパ浮腫の合併症に多い「蜂窩織炎」とは?

リンパ浮腫に伴う合併症としてよくあるのが、蜂窩織炎で、もっとも避けることが必要な合併症です。

❍蜂窩織炎(ほうかしきえん)とは

リンパ浮腫を生じている患部は、高濃度のタンパク質と水分が組織間隙内に貯留し、水の循環が悪くなっている状態です。そのため、小さなキズからわずかな細菌侵入でも、一気に脚や腕全体に拡大し、増殖し炎症が拡がってしまうことになります。

強い炎症が生じると、毛細血管壁のすき間が拡大し、タンパク質および水分が大量に組織間隙内に滲出し、その場所で固めるために繊維網をつくり蜂窩織炎となります。

❍蜂窩織炎発症によって、急激に悪化するリンパ浮腫

この蜂窩織炎を発症すると、浮腫が急激に悪化します。強い炎症は、毛細血管のすきまが拡がり、そのためにむくみ急速に悪化、赤い斑点上の小さな発赤から突然、脚や腕全体が赤く腫脹し、高熱を伴う場合もあります。

蜂窩織炎は重症の場合の除き、通常2~3日で急性期は終わります。急性期以降は、弾力包帯などで強引にむくみの軽減を行います。

●油断せずに継続する

蜂窩織炎は再発しやすいといわれます。組織間隙内に潜む細菌が再燃しやすいとされるために、気を緩めずに根気よく継続することが大切です。

❍蜂窩織炎への対応

挙上以外は、すべて刺激となり症状を悪化させるとのことです。赤くなった部分を冷やし、患部を高めに維持して安静に過ごすことが必要です。

抗生物質の投与、血液検査などが行われます。

〔蜂窩織炎への対応方法〕
  • 食事、洗面、トイレ以外は安静、患部の挙上
  • 患肢の冷却 水枕や冷却グッズなどの利用する
  • 抗生物質の服用
  • 症状に応じて、利尿剤、弾性着衣包を併用し、むくみの減少させる
    • 炎症がある場合は使用できない、リンパマッサージも不可
  • 飲酒は厳禁

❍蜂窩織炎の予防

手袋、長袖のシャツ、ズボンなどの着用してケガや細菌感染への注意することがもっと大切です。そのため、虫刺され、土いじりにも注意が必要です。ケガをしないように注意し、薬用石鹸のなどを使用して爪周囲も清潔に保つことが必要です。

体力の低下も免疫力が低下しますので、発症しやすくなるために、十分な休息を心がけ疲れないようにすることも大切です。

〔蜂窩織炎の予防方法〕
  • 手袋、長袖のシャツ、ズボンなどを着用し、虫刺されなど外傷を避ける
  • ガーデニングなどの土いじりなども極力注意が必要
  • 爪の周囲を清潔に保つ、水虫があれば治療する
  • 保湿クリームや薬用石鹸を使用し手指を清潔に保つ
  • 過度な疲労を避け、無理をしない

 

生理検査アティテュード®からのメッセージ

リンパ浮腫は、下肢エコーでよく出会う所見

 

下肢のむくみの主訴で今から20年以上以前前に依頼があったのは、鼠径部のリンパ節腫大の確認でした。

❍浮腫の疑いで依頼される超音波検査

その後、診断装置の向上に伴い、下肢エコーが一般的に行われるようになってからは、下肢のDVT(深部静脈血栓症)の鑑別診断としての依頼がほとんどです。

前回もこの「生理検査アティテュードからのメッセージ」で書いていますが、両下肢の左右差、症状などを必ず行います。その際、片側のみの浮腫の場合は深部静脈血栓症を強く疑いながら検査を始めていますが、両足にむくみが有る場合の多くがリンパ浮腫特有のエコー所見「敷石状」が見られることでUS上は「リンパ浮腫」と診ます。

その際には、どのあたりから所見がみられるのか?走行する静脈内に血栓は無いか?なども観ていきます。

❍深部静脈血栓症に観るリンパ浮腫の所見

深部静脈血栓症では、大腿静脈や膝の裏側の膝窩静脈によく血栓を認めることが多くありましたが、その際には足先、末梢の皮下のリンパ浮腫の有無を堪忍することも必要です。

ライセンス資格を持つものが行う検査、超音波検査は患部のみでは無いということを常に意識していたいものです。見えているのは所見のみのため、その所見が被検者となる人の身体のどのようなメカニズムによって現れてきているのか?それが臨床検査だと私は思っています。

臨床検査とは?

Pure Medical attitude

生理検査アティテュード®

Junko Katayoshi

今日のまとめ

  • リンパ浮腫は、リンパ液の流れが滞り皮下に貯留して浮腫が生じる状態
  • リンパ浮腫への対応は、強い圧をかけること「挙上」と「押さえて圧迫」
  • リンパ浮腫を発症したら、スキンケアに心がけ、感染予防で蜂窩織炎を予防する

情報サイト・資料

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かたよし純子 Junchan♪  ※自己紹介はこちらから

臨床検査技師/超音波検査士/健康管理士一般指導員/健康管理能力検定1級/介護予防運動指導員/米国NLP協会認定NLPトレーナー/臨床心理学 および 基礎エキスパート取得

今日も最後までありがとうございました。