今日もHealth attitude blogにご訪問ありがとうございます。2020年も九州・四国から続々梅雨入りし、関東地方も今日から?梅雨入りがささやかれています。つまりは、食中毒シーズン到来ということでもあります。食中毒もさまざまですが、この時期は細菌性食中毒への注意が必要です。
家での食事、作り置きにも注意が必要
冬は二枚貝に多いノロウイルスに代表されるウイルスによる食中毒が知られていますが、細菌性食中毒は、気をつけたいポイントも、対応もやや異なる部分があります。梅雨から夏に多発する細菌性食中毒を中心に、今回もまとめていきましょう。そして、寄生虫による食中毒として気をつけたいアニサキスも再掲していきます。
1.梅雨~夏に注意してほしい「細菌性食中毒」
1-1 改めて「食中毒」とは?
1-2 今、気をつけたい細菌性食中毒
1-3 細菌性食中毒への対応方法
今日のプラスα
2.細菌性食中毒の感染源
3.寄生虫による食中毒の原因アニサキスにも注意したい
生理検査アティテュード®からのメッセージ
・中食・内食が増えていませんか?
1.梅雨~夏に注意してほしい「細菌性食中毒」
食中毒は年間を通して発生しています。その中でも梅雨の時期~夏にかけての、今の時期は、気温上昇と湿度上昇する季節です。細菌増殖には最適な条件が揃いやすく、細菌性食中毒の発生件数の増加がみられる季節でもあります。
※関連サイト「食中毒が多い季節は?」農林水産省HP
1-1 改めて、食中毒とは?
食中毒にもいろいろありますが、改めて
食中毒とは?
有害・有毒な化学物質などの毒素を
飲食によって経口摂取した結果起こる
下痢や嘔吐や発熱などの疾病(中毒)の総称
※引用サイト「食中毒」Wikipedia
❍食中毒とは…?
食中毒とは、食中毒の原因とされる細菌やウイルスなど、有毒物質が付着した食べ物を摂取することによって、下痢、腹痛、発熱、吐き気などの消化器症状を発症する状態です。
その原因物質によって、症状や、摂取から発症までの潜伏期間もさまざまとなります。場合によっては、激しい症状となり、命に関わることもある疾患です。頭に浮かぶのは、フグ毒 テトロドトキシンでしょうか。
夏に多いように感じられますが、冬に代表される疾患としてあげられる、感染性胃腸炎の原因の多くが、ノロウイルスとされるウイルス性食中毒です。
以前は寄生虫と伝染病は除外されていましたが、食品が原因となることがあきらかな場合は、関連する問題も含めて食中毒とされています。
❍食中毒の分類
食中毒の分類にもいくつか分け方があるようです。
●食中毒の原因となる因子・物資による分類
- 細菌性食中毒
- サルモネラ菌
- カンピロバクター菌
- 腸炎ビブリオ菌
- 病原性大腸菌(腸管出血性大腸菌)
- ウエルシュ菌
- セレウス菌
- ウイルス性食中毒
- ノロウイルス
- ロタウイルス
- アデノウイルス
- アストロウイルス
- A型肝炎ウイルス など
- 化学性食中毒
- 重金属やカビ毒による汚染
- 有害食品添加物の混入
- 変敗に伴う油脂酸化物の生成
- ヒスタミン生成菌によるヒスタミンの蓄積
- 自然毒食中毒
- 動物性自然毒 フグ毒 など
- 植物性自然毒 キノコ類に含まれるもの
- 寄生虫性食中毒
- その他
※食物アレルギーは食中毒には含まない
細菌性食中毒としてよく知られる病原性大腸菌のO157や、ウイルス性食中毒のノロウイルスなどは、人から人への感染もよく発症することから、として「食感染症」伝染病としても注意喚起が促される食中毒です。
●食中毒の発症形式による分類
- 毒素型食中毒:毒素を原因物質とする
- 化学性食中毒
- 自然毒食中毒
- 感染型食中毒:病原体による感染が原因
- 中間型食中毒(生体内毒素型食中毒):感染型と毒素型の中間、体内に侵入した病原体が消化管内で増殖し、毒素を産生することによって発症する
❍原因病原体によって発症原因はさまざまある
細菌やウイルスを原因とする食中毒では、原因となる病原体によって発症タイプが異なり、感染型食中毒として発症するものと、毒素型食中毒を発症するものとがあり、気をつけるポイントも異なることがあります。
これからやってくる梅雨~夏にかけて、高温多湿となることが多いために、最も食中毒の発生件数が多くなる時期です。そして、その多くが細菌性食中毒です。食品の加熱処理によって、細菌などを不活化(死滅)させても、産生された毒素が残っている場合は食中毒を発生してしまうことになります。
※引用サイト「食中毒」Wikipedia
❍食中毒を発症する条件
いっしょに食事をして、同じものを食べているのに、食中毒を発症する人と発症しない人がいるのではないでしょうか。食中毒の発症条件には3つあるとされています。
●食中毒の発症にかかわる3つの条件
食中毒の発症に関しては、3つの条件があるとされています。
- 摂取した人の個体差:健康状態、免疫力など
- 環境 :温度・湿度・加工までの衛生環境
- 病原体の変異 :摂取した病原体の強さ *強い性質に変異している病原体もある
これらの条件が揃うことによって、食中毒を発症するリスクが上昇することになります。そのため、最低限の予防対策として、自己免疫力を上げておくことは必要となります。
<食中毒発症に関わる条件>
1-2 今、気をつけたい細菌性食中毒
この時期にいちばん注意したいのが、細菌感染が原因となる「細菌性食中毒」です。
❍細菌性食中毒は、梅雨から夏にかけてピーク
細菌性食中毒は温度条件などが重なることによって、季節に関係なく年間を通して発生しているのが現状です。しかし、気温が上昇する今からの季節が好発時期とされ6~9月がピークとなります。農林水産省のリンクでも夏場に多くみられます。
細菌性食中毒は、感染型と毒素型に分けられます。
❍細菌性食中毒:感染型
食品に食中毒菌が付着した状態で摂取されることによって、細菌が体内に侵入、腸管内で増殖して発症します。
そして、摂取される以前にすでに食品中で細菌増殖していることもあり、その状態の食品を摂取することによって、発症することもあります。腸内での増殖も関係することから、腸内環境を日常的に整えておくことも予防につながることになります。
●感染型の細菌性食中毒の原因細菌
- サルモネラ菌
- カンピロバクター菌
- 腸炎ビブリオ菌
- 病原性大腸菌(腸管出血性大腸菌)
- ウェルシュ菌
- セレウス菌
などがあげられます。感染源となるおもな食品には、魚介類や食肉、鶏卵などからの感染とされますので、これらの食材の生食には注意が必要です。
❍細菌性食中毒:毒素型 食品内毒素型
食品内で原因細菌が増殖する時に毒素産生する場合があり、その産生された毒素により発症する食中毒です。産生された毒素が直接影響を与えるため、感染型に比べて発症までの潜伏期間が短いことが特徴です。おもな原因菌に、黄色ブドウ球菌、ボツリヌス菌などがあります。食品を加熱することで殺菌はできても、熱に強い毒素が食品内に残った場合は、食中毒を発症することもあります。
●毒素型の細菌性食中毒の原因細菌
- 黄色ブドウ球菌
- ボツリヌス菌
- セレウス菌
食品の摂取から発症までの潜伏期間は、原因菌の種類や原因物質によりさまざまな様相となります。
※関連ブログ「気になるO-157とは?細菌性食中毒を知る!」
<細菌性食中毒の原因細菌>
1-3 細菌性食中毒に対する予防 共通ポイント
食中毒の原因病原体によって症状はさまざまとなりますが、共通する予防のへのポイント、農林水産省HP掲載のものを中心にまとめておきましょう。
❍食中毒予防のポイント
- 生卵、肉、魚介類の調理の際は注意することが必要、触った後はよく手を洗う
- 包丁やまな板を使う際は、調理の順番を考える
- 生野菜など加熱しない食品を先に切る
- 肉や魚介類は、後で処理する
- 感染源となる肉や魚介類の取り扱い
- 肉や魚介類など、それらを使用した調理器具と調理済みの食品が触れないようにする
- 肉や魚介類などの水分が、加熱しない食品や調理済みの食品などにつかないようにする
- 肉や魚介類を冷蔵庫に保存の際には、水分が他の食品に付着しないように保存する
- 卵の取り扱い
- 卵を割ったら早めに使用する
- 肉・魚介類など加熱が必要な食品は中心まで十分に加熱する
- 肉やソーセージ類は、ピンク色の部分が無くなるまで十分に火を通す
- 魚は身が簡単に骨からはがれるまで焼く ※楊枝を刺して透明な汁が出ればOK
- 使用した調理器具の取り扱い
- 生卵、肉、魚介類に使った調理器具は、使用後すぐに洗う
- 熱湯処理を行うことで消毒効果がある
- ペット類の害虫の駆除は当然のこと、食品や食器に触れないようにする
さらに詳しく知りたい場合は、農林水産省の「これで解決!食中毒予防のポイント」をご覧ください。
※関連サイト「食中毒をおこす細菌・ウイルス・寄生虫図鑑」農林水産省HP
<食中毒の予防>
2.細菌性食中毒の感染源
おもな細菌性食中毒の原因となる感染源をざっくりとまとめていきましょう。
❍サルモネラ菌のおもな感染原因
サルモネラ菌は、牛や豚、鶏、猫や犬などの腸の中にいる細菌です。
おもに食肉や鶏卵、ペットからも感染します。牛・豚・鶏などの食肉、鶏卵などが原因食品となるほか、ペットとして飼育している動物(犬、猫、ネズミ、爬虫類など)にもサルモネラ菌は存在しますので、これらの糞尿から感染するケースもあります。その他、サルモネラ菌に汚染された食肉の調理中の二次汚染も他の食中毒菌同様に原因となります。
サルモネラ菌には、消毒用エタノールや次亜塩素酸ナトリウムなどが有効とされます。
●鶏卵への注意
鶏卵は、殻だけでなく卵の中にも極稀に、サルモネラ菌が確認されることがあるため、賞味期限内に消費することが大切です。半熟は、新鮮な鶏卵を使い、調理後早めに食べるようにする。賞味期限に近いものは、卵にしっかりと熱を通すことが大切です。
●サルモネラ菌の症状と対応
サルモネラ菌はおよそ半日~2日間の潜伏期間を経て、激しい胃腸症状が見られます。臍部周辺の激しい腹痛、嘔吐、発熱、下痢、38~40度近い発熱、下痢は水のような便、血や膿が混ざることもあります。通常、このような症状が3~4日続き緩和されますが、1週間程度ひどい状態が続く場合もあるようです。発熱、下痢などの症状が強い場合には脱水を起こすため、点滴治療や場合によっては入院が必要になることもあります。
子どもや高齢者は重症化するリスクがあり、細菌性髄膜炎などの原因となる菌血症を引き起こすこともありますので注意が必要です。
❍カンピロバクター菌のおもな感染原因
カンピロバクター菌は、おもにニワトリ、豚、牛、犬、猫、水鳥などがあらゆる動物が保有しています。牛や豚、鶏、猫や犬などの腸の中に存在し、ペットからの感染や飲料水も感染源となります。食肉、特に鶏肉からの感染が多く、そのほとんどが生食や加熱不足が原因です。31~46℃の温度域で増殖、少量の菌でも食中毒を発症するのが特徴です。
肉の調理は十分な加熱処理することです。さらに、鶏肉の調理時の包丁やまな板など調理器具を介して生野菜などへの二次感染が原因となっているために、肉の調理に使用した後は、しっかいと洗うことで感染を防ぐことができます。
●カンピロバクター菌の症状と対応
感染後、潜伏期間は、1~7日間ほど、腹痛、下痢、熱、嘔吐のほか、水のような下痢が主な症状です。初期症状では、発熱や頭痛、筋肉痛、倦怠感などがみられ、重症化すると大量の水様性下痢が生じます。腹部膨満感や頭痛や血便を併発する場合もあります。
通常、1週間程度で自然に回復することが多く、下痢や発熱による脱水症状に対して、常温の水か白湯、スポーツドリンクなど、ミネラルを含む水分を摂取が必要です。水分補給と安静で改善が見られない場合は、なるべく早めに医療機関を受診しましょう。子どもの脱水はとくに危険で、急激に悪化することがありますので早めに診療機関への受診することをお勧めします。
下痢に対して「下痢止め」は安易に服用しない
下痢止めに含まれる腸管運動抑制剤は、腸内に細菌類を閉じ込めてしまうため、安易な服用は注意が必要です。
❍腸炎ビブリオ菌のおもな感染原因
腸炎ビブリオ菌は海洋細菌とも呼ばれ、海水や海中の泥に常在する細菌です。温かい気候の時に水揚げされた魚介類に付着していることが多く、夏の魚介類の摂取で食中毒を発症することが多い細菌です。
海水温度が20℃以上で増加、増殖が速い細菌
腸炎ビブリオ菌はおもに魚介類、刺身からの感染ですが、真水では生きられないため、水道水で洗うことで、菌は減少し、加熱処理で確実に死滅します。刺し身などの未加熱の魚介類を摂取した後、強烈な腹痛や下痢の症状が現れ、とくに夏場では、強く腸炎ビブリオ菌による食中毒を疑います。
皮膚に生じた傷口から感染することもあし、海水浴など海水に接した後に腹痛や下痢の症状が出た場合も、腸炎ビブリオ菌の感染が疑われます。
魚介類は5℃以下で低温保存、調理する際は必ず真水でよく洗う、さらに十分な加熱処理を行います。刺身は新鮮なうちに食べきることです。魚介類で使用した調理器具は、すぐに洗剤を使って洗浄し、他の食材と分けて使用することで感染防止に繫がります。
●腸炎ビブリオ菌の症状と対応
潜伏期間は約10~20時間、激しい腹痛や下痢、嘔吐が見られます。まれに、しびれやチアノーゼがみられることもあります。通常、2~3日で自然治癒し軽快します。下痢や嘔吐に伴い、脱水症状をおこしやすいため、水分補給を通常よりも多めに摂取するようにすることです。
免疫力が低い子どもや高齢者、肝疾患を患っている方などは、まれに敗血症を発症することがあります。最悪の場合は、死に至るケースもあるため、感染が疑われた場合は必ず医療機関を受診しましょう。
腸炎ビブリオ菌による食中毒は、予防することで感染リスクを下げることができます。
❍病原性大腸菌のおもな感染原因
*腸管出血性大腸菌 O157 や O111 など
牛や豚などの家畜の腸の中にいる病原大腸菌の1つで、O157やO111などがよく知られています。毒性の強いベロ毒素を出し、腹痛や水のような下痢、出血性の下痢を引き起こします。O157のようなベロ毒素をもつ腸管出血性大腸菌以外の病原性大腸菌は、あまり強く症状がでることが無いようです。
多種の食品、食肉や井戸水がおもな感染源です。加熱不足の食肉や食材、殺菌されてない井戸水や湧き水なども原因となります。生野菜が原因になることもあり、よく洗ってから摂取することが大切です。
腸管出血性大腸菌は食肉などに付着していることが多く、肉を生食や加熱不十分な状態で摂取することによって食中毒を発症します。
調理後はよく手を洗い、調理器具からの2次感染にも注意が必要です。生肉に使った包丁で切った調理済みの食品も原因になります。生の肉汁が、生食する野菜や、調理済みの食品にかからないようにします。食肉の加熱は、しっかりと行い、中心部までしっかり加熱をする。
また、病原性大腸菌は人から人の感染、下着やタオルからでも感染の可能性があります。
●病原性大腸菌・腸管出血性大腸菌の症状と対応
潜伏期間は約3~9日で、出血性大腸炎をともなう激しい下痢があります。高熱が起こることはまれですが、免疫力の弱い乳幼児や高齢者などは合併症を引き起こし、重症化するケースも見られ、死に至る場合もあります。
❍ウエルシュ菌のおもな感染原因
ウェルシュ菌は、人や動物の腸管や土壌、水中などに広く生息しています。酸素のないところで増殖を好み、芽胞を作る、熱で死滅しないことが特徴です。食品では、牛肉、豚肉、鶏肉などの食肉や魚から多く検出されます。
ウエルシュ菌は1時間以上煮沸しても死滅しない
ウエルシュ菌は加熱処理をした食品の常温放置で増殖します。この菌による食中毒は、集団感染の原因となりやすく、大量に調理されるカレーやスープ、煮魚、麺のつけ汁、野菜の煮物など煮込み料理が原因となることが多く、具材が酸素に接触する機会が少ないという状況が増殖の好条件となります。
時間をかけて煮込む時、中心部の酸素が少ないためにウエルシュ菌増殖の好条件となります。肉類の調理に特に注意し、加熱調理した食品はすみやかに冷却して、室温に長時間放置しない、再加熱する際は、十分に加熱をして早めに食べることが基本です。カレーやスープなどは、底の浅い容器で全体が酸素と触れるように混ぜることが最善の予防法となります。増殖を防ぐためにも、前日の作り置きはできるだけ避け、調理済みの食品を何日も常温で放置することは厳禁です。
●ウエルシュ菌の症状と対応
ウエルシュ菌の感染は、食後6~18時間で発症、症状は軽い腹痛や下痢をくり返すのがおもな症状です。回復も比較的早く、1日ほどで治まります。嘔吐や発熱はほとんどなく、食中毒の症状としては軽いほうだと言えます。摂取後24時間以降に発病することはほとんどありません
❍セレウス菌のおもな感染源
セレウス菌食中毒には、細菌性食中毒の下痢型と毒素型食中毒の嘔吐型があります。セレウス菌嘔吐型は、毒素型(食品内毒素型)食中毒に分類されます。下痢型は、あらゆる食品が原因になります。毒素型食中毒の嘔吐型は、チャーハン、ピラフ、焼きそば、スパゲッティなどが原因になりやすく、感染することが多い食中毒です。
河川や土の中など自然界に広く分布している細菌です。土がつきやすい穀類や豆類、香辛料などがおもな感染源で、チャーハンやスパゲティ、スープなどが原因食品とされています。セレウス菌は、熱に強く、加熱による殺菌が難しいのが特徴です。
セレウス菌はあらゆる場所に存在しています。ホコリの中にもいるため、キッチンを清潔に保ち、菌が食品に付かないようにフタやラップをするようにします。大量の米飯やめん類の作り置きは避けたほうが安全で、米飯やめん類の保存は、小分けして、速やかに冷蔵庫や冷凍庫で保存をするようにします。
●セレウス菌の症状と対応
細菌性食中毒の下痢型と毒素型食中毒の嘔吐型と、症状が現れる潜伏期間が異なります。
- 下痢型の場合:食後8~16時間で、腹痛、下痢をおこす。少量では発症しないため、菌を増やさないこと。下痢か嘔吐どちらかの症状が現れるのが特徴です
- 毒素型食中毒:潜伏期間が短い、食後30分、1~5時間後、吐き気、嘔吐、腹痛の症状が出る場合が多い、小腸の中で菌が作った毒素が原因。食品中で菌が作った毒素が原因、日本では嘔吐型が多い。
❍黄色ブドウ球菌のおもな感染原因
ブドウ球菌は自然界に広く分布し、その中でも病原性が強く代表的な毒素型食中毒菌の原因菌となるのが黄色ブドウ球菌です。人の鼻、皮膚、のどにもいる存在し、特に化膿した傷口に多く、耐熱性毒素エンテロトキシンを産生します。健康な人の約30%は黄色ブドウ球菌を保菌しているといわれています。
おにぎり、すし、お造りなど、調理されたサンドイッチ、弁当が発生源になることが多く、皮膚常在菌が食品へ移行し食品表面で増殖、毒素を産生します。とくに、調理する人の手や指に傷があり、傷口が化膿している場合、食品汚染される可能性が高くなります。細菌汚染された食品中で菌が増殖し、毒素がつくられ、摂取することで食中毒を発症させます。
黄色ブドウ球菌は加熱により簡単に死滅しますが、食品中で一度産生された毒素、エンテロトキシンは100℃、30分の加熱でも無毒化されません。酸性やアルカリ性の環境でも増殖し、乾燥にも強いという性質があります。
●黄色ブドウ球菌の症状と対応
潜伏期間が短く約1-5時間で、耐熱性毒素のため調理加熱程度で不活化できません。嘔吐、下痢、腹痛、筋肉痛などの症状が現れますが、24時間以内に回復することがほとんどのようです。
❍ボツリヌス菌のおもな感染源 *要注意の食中毒
ボツリヌス菌は、嫌気性菌で自然界の土壌または海など泥砂の中に分布しています。熱に強く、土壌の中など低酸素状態におくと、発芽や増殖が活発化され毒素を産生します。
ボツリヌス菌は、発酵食品、いずし類、真空パック食品、缶詰、瓶詰めです。自家製のビン詰めや缶詰は危険です。自宅で缶詰、びん詰めを作る際は、原材料の洗浄、加熱殺菌の温度、そして保存方法にも注意が必要です。保存は、3℃未満の冷蔵、-18℃以下で冷凍保存を徹底します。海外では、ハム、ソーセージなどが食中毒発生の原因となっています。
ボツリヌス菌は「最強レベル」の食中毒菌
呼吸困難を引き起こし、高率で死亡
ボツリヌス菌による食中毒は、死に至る場合もあるといわれ、自然界の毒素において最強レベルであるとされています。ボツリヌス菌による食中毒の発生は、食品衛生法に基づき届け出が必須となります。
●加工食品の食前に確認、加熱で予防
レトルト食品や缶詰は、120度で4分以上の加熱処理が行なわれていますが、「加圧加熱殺菌」という表示が無いもの、「要冷蔵」「10度以下で保存」という表示の食品は、十分な加熱処理がされていないことがあり、食中毒が発生しています。食品表示を確認して、必ず冷蔵保存し表示された期限内に消費することが大切です
ボツリヌス毒素自体は熱分解しやすく、pH 4.5以下の酸性に保つことで、毒素の生産を抑えることができます。食品を過信しないこと、食べる直前に80℃で30分または、100℃で数分加熱することで、ボツリヌス菌による食中毒は予防できます。缶詰や真空パックが膨張している、異臭がする場合は、当然廃棄です。
●ポツリヌス菌の症状と対応
ボツリヌス菌は摂取後、8~36時間以内、嘔吐や視力障害、飲み込みにくい、発音がうまくできないなど言語障害、筋肉麻痺による神経症状、重症の場合は、呼吸麻痺を発症し、死に至ることもあります。
ボツリヌス菌の毒素がついた食品の摂取後、毒素型としては比較的潜伏期間が長く、約4~36時間、嘔吐、視力障害、めまい、頭痛などが起こり、神経障害や重症の場合は、呼吸困難をともなうこともあります。早い段階で抗毒素血清の投与が必要となります。
エアロゾルを吸引することでも、気道感染し、発症する場合があり、エアロゾルの吸引の場合は24~72時間とされています。人から人への感染はありません
❍乳児のはちみつに注意して!乳児ボツリヌス症
1歳未満の乳児が発症する乳児ボツリヌス症があります。先日、はちみつで死亡した乳児が報道され、記憶にまだ新しいのではないでしょうか。ボツリヌス菌は、はちみつにも含まれ、乳児に与えることは厳禁とされています。意外に知られていないのかも知れません。
乳児の場合は、ボツリヌス菌の芽胞が体内に侵入し、腸で繁殖することでボツリヌス症が起きるとされています。症状は、ひどい便秘状態が数日間続く、全身の筋力が弛緩して麻痺を起こします。
乳児ボツリヌス症の予防は、1歳未満の乳児には、はちみつなどボツリヌス菌に汚染が疑われる食品を与えないことです。
<細菌性食中毒の特徴・食品>
3.アニサキスにも注意が必要
カツオが美味しい季節となってきました。美味しいのですが、寄生虫性食中毒の原因、アニサキスにも注意して欲しい魚でもあります。サバやカツオを食べて食中毒を引き起こす寄生虫アニサキスを再掲しておきましょう。
❍アニサキスは、その正体が見える、目視できます!
アニサキス幼虫は、目で直接見ることが出来る大きさで、この点では、他の細菌やウイルス性の食中毒とは大きく異なります。
●アニサキスの特徴
アニサキスは、寄生虫(線虫)の一種で、その幼虫、アニサキス幼虫は、長さ2~3cm、幅は0.5~1mmくらいで、白色の少し太い糸のように見えます。しかし、虫体は丸くなっているために注意深く見ることが大切です。
●寄生虫は宿主が必要
寄生虫のアニサキス幼虫は、宿主を必要とします。人が寄生している魚介類を食するために、アニサキス食中毒を発症します。宿主の対象となる魚介類は、サバ、アジ、サンマ、カツオ、イワシ、サケ、イカなどがあげられます。
<アニサキス幼虫の特徴>
❍アニサキス症のおもな感染原因
アニサキス幼虫はサバ、イワシ、カツオ、サケ、イカ、サンマ、アジなどの魚介類に寄生しています。アニサキスの幼虫が寄生している魚介類を摂取することで、体内に侵入したアニサキス幼虫が人の胃や腸に刺入することで激しい腹痛を伴う食中毒・アニサキス症を発症します。
魚介類の内臓に寄生しているアニサキス幼虫は、寄生している魚の鮮度が落ちると内臓から筋肉に移動するといわれています。魚介類を生で食べる場合は、目でよく見てアニサキス幼虫がいないことを確認してくださいと言われますが丸くなっていることも多く、目視にはかなりの集中力が必要のようです。
通常量の酢、醤油、塩、わさびでは処理時間ではアニサキス幼虫は、死にません。アニサキス幼虫は、魚の鮮度が落ちると内臓から筋肉に移動しまので、新鮮なうちにできるだけ早く内臓を除去し、十分に洗浄することで感染の確率を下げることができます。魚の内臓を生で食べることを避けることは必須です。
もっとも有効な予防方法は冷凍処理です。
❍アニサキス症への対応
アニサキス症は、魚の鮮度が良いもの、目視で確認、冷凍・加熱で予防できます。
アニサキス幼虫は、寄生している魚介類が死亡し、時間が経過すると内臓から筋肉に移動することが知られています。冷凍(-20℃で24時間以上)や加熱調理(中心温度60℃で1分以上)でアニサキス幼虫は死滅します。
冷凍:-20℃ で24時間以上
加熱:中心温度60℃1分以上
目視での確認は、アニサキス幼虫が丸まっているためによほど気をつけて確認しないと、分かり難いといわれます。よく咀嚼して幼虫を噛み砕いて予防すると言われていましたが…
※関連サイトアニサキスによる食中毒を予防しましょう 厚生労働省
❍アニサキス症の症状
アニサキス症は、アニサキス類幼虫が寄生している魚介類を生食や、冷凍不十分、加熱不十分な状態で食べることにより食中毒を発症します。
アニサキス幼虫が寄生している生鮮魚介類の生食で摂取、アニサキス幼虫が消化管、おもに胃や腸管に入り込み、胃壁や腸壁に刺入してアニサキス症を発症します。
アニサキスの寄生(刺入)場所により、摂食からの発症時間や痛みの場所が異なります。多くが急性胃アニサキス症です。魚介類の摂取後、激しい腹痛があり、アニサキスによる食中毒が疑われる際は速やかに医療機関を受診が必要です。
受診時の問診で食歴の確認と、臨床症状で診断されます。胃内視鏡検査で虫体の検索、検出された虫体の形態および遺伝子配列から確定診断されます。
- 胃アニサキス症:食後、数時間~10数時間、みぞおちの激しい腹痛、吐き気、嘔吐
- 腸アニサキス症:食後10数時間~数日後に、激しい下腹部痛、腹膜炎症状もある
※関連サイト「アニサキスによる食中毒を予防しましょう」 厚生労働省
※関連ブログ「サバだけではない、アニサキス食中毒」
生理検査アティテュード®からのメッセージ
・コロナ事情を背景に増えた中食や内食
私自身、新型コロナウイルスの感染拡大、ステイホームの自粛生活からすっかりおうちごはんが定着しています。
❍1日3食の内食が続く日々
自粛期間中は子どもたちの休校の継続やリモートなどによって家で料理をする内食が増えたのではないでしょうか。緊急事態洗顔の解除後も、経営困難に陥っている飲食店のテイクアウトを持ち帰るという方も増え、この数ヶ月外食から、内食、中食がコロナ以前よりも増えた、という方も多いのではないでしょうか。
私自身も人と会うと、会食をしながらの打ち合わせや、集まり後には食事をする機会が多かったのですが、新型コロナ感染症拡大のために、1日3食内食です。中食ははほとんど泣く、以前は頻回に買っていた揚げ物などのお惣菜もほとんど購入することが無くなりました。
その理由は様々ですが、食材から作るということを常としています。大豆も煮たものではなく、乾燥大豆を購入して、数時間水につけて好みの味付けをします。
❍食材からの調理をすることの効果
食材から味をつけることで、薄味にすることができます。お惣菜として売られているものの味付けが非常に濃く感じられ、塩味を強く感じます。薄い味付けに慣れることで、味覚が戻っていることが強く感じられます。食材本来の味として、感じられることがよくあります。
そして、もう1つの効果は、今まで捨てていたものを利用して1品作ることです。小松菜の根をきんぴら風に少し濃い目の味付けで作ると絶品です。さらには、セロリの葉の佃煮風です。小エビを入れてすりゴマを合えることですごく美味しく戴けます。
食材にひと手間かけて、余すこと無く戴く、今までになかったことです。
❍これからの季節は内食・中食で注意!
でも注意したいのが、今日のテーマです。
保存に注意!『食中毒』
内食や中食が増えた今だからこそ気をつけたいのが食中毒です。病院の差し入れされたお弁当から食中毒というニュースも見ました。面倒だから多めに作って、と思いがちですが適量をこまめに作って保存はできるだけ最低限とすることも大切です。とくに、夏のカレーは美味しく戴けますが、作り過ぎには注意が必要、そして翌日食べる時は、十分な加熱処理、全体が酸素に触れるようによくかき混ぜることです。
梅雨に入ると、湿度も上がりさらに注意が必要です。夏の健康生活、ウイルスにも細菌にもしっかり対応していきましょう!
Pure Medical attitude
生理検査アティテュード®
Junko Katayoshi
今日のまとめ
- 食中毒の感染予防は「つけない」「増やさない」「やっつける」で身を守る
- 梅雨~夏にかけて、細菌性食中毒が増加、内食・中食の保存に注意
- 食中毒には3つの条件がある「個体差」「環境」「病原体の変異」
Pure Medical attitudeで「今」できること…
つながりたいから…
お話しませんか(^^)?
不平不満、愚痴でも何でもおしゃべりOK
手離さないと溜め込むだけではパンクする!
ここだけの話としてのおしゃべりです。
パンクするまえにガス抜きすることも必要です。
そんなときは…お話しませんか?
残念だけど…
不本意だけど…
「オンラインでの対応」
とさせて戴きます。
ステップ1は、メッセージからつながりましょう
話をするだけでスッキリと、心の整理ができることがきっとあります。
Pure Medical attitude
かたよし 純子
情報サイト・資料
- 食中毒が多い季節は? 農林水産省HP
- 食中毒をおこす細菌・ウイルス・寄生虫図鑑 農林水産省HP
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Pure Medical attitude
生理検査アティテュード®
かたよし純子 Junchan♪ ※自己紹介はこちらから
臨床検査技師/超音波検査士/健康管理士一般指導員/健康管理能力検定1級/介護予防運動指導員/米国NLP協会認定NLPトレーナー/臨床心理学 および 基礎エキスパート取得
今日も最後までありがとうございました。