JunchanのHealth attitude blogにご訪問ありがとうございます。医療スタッフのメンタルパートナー かたよし純子です♪ 先週から、視覚を司る「眼の健康」についてまとめています。初回は、眼の構造と機能、2回目は、ミドルエイジへ向けての3疾患「眼精疲労・ドライアイ・緑内障」でした。今日は、その3回目、エイジング・加齢による眼の変化をまとめていきます。前回の緑内障も加齢変化が多いのですが、今回は、水晶体の変化により確実に起きる、老視(老眼)や白内障を中心に、プラス情報として、加齢黄斑変性と飛蚊症をまとめていきます。今月、10月からは、このHealth attitude Blogは、月・木の2回でお伝えしていきます。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
1.エイジングで起きるさまざまな眼のトラブルへの理解
1-1 エイジングで眼はどのように変化をするのか?
1-2 弾性力の低下による視力障害「老眼」、正しくは「老視」
1-3 水晶体の濁りで生じる「白内障」を知る
今日のプラスα
2.網膜の中心となる黄斑の加齢性変化「加齢黄斑変性」
3.眼の中に虫…?のように見える影、飛蚊症とは?
生理検査アティテュード®からのメッセージ
・120%、ミドルエイジ~シニアライフを楽しもう!
1.エイジングで起きるさまざまな眼のトラブルへの理解
加齢により眼にもさまざまなトラブルが生じます。先週2回目に、お伝えした緑内障も加齢も原因として関わってきますが、今回は、エイジング・加齢に伴う眼の変化を中心にまとめていきましょう。
1-1 エイジングで眼はどのように変化をするのか?
眼にもさまざまな加齢による変化が現れるとされています。その変化をまとめていきましょう。
❍眼の機能変化、レンズ機能となる水晶体やその他の変化
水晶体は、眼に物を見るためのレンズの役割をしています。物体にあたった光を感じて人の目は、「視覚・見る」という機能を持つことができています。この光を集め焦点を結ぶ機能を行っているのが水晶体です。
●加齢による眼の変化
- 近くへの焦点が合わない :水晶体の弾性力低下より、近くの物への焦点が合わせ難くなる
- 薄暗い場所での視力の低下:水晶体の密度が高くなる
- 色の感じ方の変化 :水晶体の黄変
- 眩しさを感じやすくなる :瞳孔反応の低下
- 奥行きの認識力低下 :神経細胞の減少
- 眼の乾き :涙液の減少
多くは、視力の変化として自らの老化が認知されることの最初の徴候のようです。
●近見視力(近くを見る視力)の喪失
水晶体が硬化することにより起こる症状です。水晶体の眼の焦点を合わせる機能が低下による変化で、近くのものに焦点を合わせることが困難になります。老視といわれ、次のところでまとめていきましょう。
●薄暗い場所での視力の低下
加齢に伴い、水晶体の密度が高くなることで水晶体の透明性が低下します。そのため、網膜に結像させるために必要な光が減少してしまい、薄暗いところで物を見ることが困難になってきます。さらに、光を感じる網膜にある視細胞、錐体の感受性も低下するために読書などでは、より明るい光が必要になってきます。20歳代と60歳代とでは、3倍の明るさが必要だと言われています。
●色覚(色の感じ方)の変化
加齢による水晶体が黄色みを帯びてくるために、色の感じ方が異なります。色が暗く感じられ色のコントラストを見分けにくくなります。青色は、灰色っぽく見え、青色の色調の印刷や背景など、色褪せして見えます。多くの場合は、さほどの変化ではありませんが、高齢者が見た場合、青色の背景での黒い文字や青い文字が判読しにくくなる場合があるとされます。
●光を眩しく感じる
光に対する瞳孔反射の速度が遅くなります。人の瞳孔は、収縮と拡張することで、眼に入ってくる光の量を調節しています。この光に対する瞳孔反射も遅延するために、高齢者が暗い部屋に入ると周囲が見えなくなることや、明るい照明の部屋に入った瞬間、一時的に見えなくなることがあります。
光に対する感受性が高くなるのも加齢による変化とされ、その原因の多くは、水晶体の一部に発症した濁りであることや、後述する白内障が原因のようです。
●水晶体内容物の凝固
飛蚊症という症状があります。正常な液体が眼球の中で固まったものとされ、網膜上に影として出現する症状です。「今日のプラスα」でまとめておきましょう。
●細部を見分ける認識能力
奥行き、陰影、色調の微細な変化など細部の見分けがしにくくなるようです。その理由として考えられているのが、神経細胞の減少によるものとされます。視細胞の減少の変化が、3Dでの認識、奥行きなどの空間の認識力、距離感の判断に影響しているとされています。
●眼の乾燥
涙液の産生力低下により涙液が減少し、眼の表面が乾燥しやすくなります。涙液産生細胞が減少することにが原因とされます。
<眼の加齢による変化>
❍加齢による外観の変化
●角膜に現れる灰白色の環 老人環
白眼と眼の境界部分が灰白色の環状に濁ってくる状態をいいます。環は、カルシウムとコレステロールとされ、視力への影響はないとされます。
●白眼のシミ
鼻側の白眼にシミが出ることが多く、瞼裂斑(けんれつはん)といいます。長年のまばたきによる刺激による細胞増殖とされ、斑点状にみられることがあります。コンタクトレンズ使用者に多く見られるとのことです。
●まぶたが垂れる
眼の周囲の脂肪量の減少や筋肉の低下により腱が伸び、まぶたが垂れ下がる状態となります。まぶたが外側に反転した状態は、眼瞼外反といい、眼球の潤滑を妨げ、ドライアイの要因にもなります。
●眼球が眼窩に沈み込んでしまう
眼窩周囲の脂肪が減少し、眼球が沈み込んでしまう、眼球陥入という状態となることもあります。
●強膜・白眼の色みの変化
眼の外観にも変化が見られることがあります。白眼の部分となる強膜が、黄色みを帯びてきたりすることや、茶色みを帯びてくるなどの変化が見られることがあります。この色味の変化は、長年による紫外線、風、ほこりなどにさらされた結果といわれています。
●瞳に刻まれた感性
眼は、身体の中で唯一、むき出し状態となる器官です。さまざまな有害な物が体内の奥深く侵入することを、眼も守ってきてくれたことの証です。物質的なことはもちろん、人は感性的にも眼からさまざまな情報を得てきたのではないでしょうか。さまざまなことを経験してきた年輪、見たくないものも見てきたこともあるのではないでしょうか。人の感性、喜怒哀楽が人の眼に映し出される。そこに刻まれているのではないでしょうか。私はそのような思いを瞳の中に感じることがあります。
眼にはその人の生きてきた感性が反映されています
1-2 弾性力の低下による視力障害「老眼」
老眼とよくいいますが、正式名称は、老視(ろうし)と言われ、目の障害のひとつです。
❍近くのものが見えにくい老眼、正しくは「老視」
老視とは、加齢により焦点を合わせる力が弱まることで、近くのものが見えにくくなる障害です。水晶体の弾性が失われることにより生じます。
老視は、40歳代から60歳代初めくらいで自覚されることが多いようですが、実際の調節力の低下は、20歳前後からすでに始まっているとされています。多くの人が40歳代くらいから、近くを見るような作業中に、徐々にさまざまな、眼の疲れなどの不快感を訴えることが多いようです。
●老視と、遠視や近視との関係性
このテーマの初回ブログでお伝えした遠視と近視の人が老視となるとどうなるのでしょうか。
- 遠視の人の眼は、遠くのものに焦点を合わせやす状態となっています。そのため、老視の状態を早く、自覚することが多いようです。
- 近視の人の眼は、もともと近い場所に焦点が合いやすい状態となっています。そのため、自覚しにくいと言われてますが、通常使用している眼鏡で視野がボケるなどの症状が見られるようになります。近視は、老視にならないということはないとされます。
●老視の見え方
老視の状態は、遠方が明視できる時には、中~近距離の細かな文字や細部のチラツキやにじみを明視しにくくなるということが起きます。PC画面やスマホ画面、読書時などの近距離から、遠方に視野を向けるとぼやけて見えることや、明視できるまでの時間がかかることなどの物の見難さを感じることがあります。
●老視の明暗の影響
明るさがある場所では、近い距離でもそれなりに見ることができる場合でも、暗い場所や、夕暮れなどの時間帯になると遠距離も見にくいといった症状も現れ、特に近い場所は、特有の見にくさを出現するようです。暗い色調が見難く、小さな物を見逃といった症状もあるようです。
近視でも老視にはなりますが、近視の度合いが強い場合など、症状を自覚しにくいことや、逆に、遠視の場合は、老視の症状を自覚しやすいというようなことがあるために、かなり個人的な幅が生じるようです。
●老視の症状
老眼は、疾患ではありません。40歳前後からはじまる誰にでも起きうるエイジングの問題、いわゆる老化現象です。レンズ機能を持つ、水晶体の弾力性の低下、調節力の低下により起こります。近いところに焦点を合わせにくくなるために、見えにくくなります。その他には、焦点を合わせようとするために、目の疲れ、頭痛、吐き気などの症状が見られることもあります。
●仕事やライフスタイルによる違い
老視は、通常40歳代から~60歳代はじめに自覚されると言われていますが、この年令の違いも、気になる差ではないでしょうか。日常生活で、通常字を読む時の距離が、30cm前後と言われ、このあたりの距離が見えにくくなるのが、この年齢だとされているようです。個人のライフスタイルや仕事内容などにも大きく影響するといわれています。
私自身が何十年もの間、コンタクトレンズを使用する状態です。矯正視力を合わせる時に、よく聞かれるのが仕事内容や、日常の眼の使用状況などです。眼鏡もどのようなシーンで使う眼鏡が必要なのかも確認されます。使いシーンに合わせて上手く視力調整をすることも大切な眼鏡選びのポイントになると考えられます。
一般的に老視は、40歳前後といわれますが、早い人では30歳代半ばあたりからもみられることもあります。
❍眼の調節機能
眼の物を見る機能「焦点を合わせる機能」をまとめておきましょう。物をはっきりと見ることを「明視:めいし」といいます。
●ピント調節のメカニズム
眼の機能の中で、水晶体がレンズの機能を持ちます。そのレンズ機能を調節しているのが、毛様体筋です。見る場所によって水晶体を薄くしたり厚くしたりすることで、入ってくる光の屈折を調節しているのが毛様体筋です。
若い人はこの調節力の幅が大きく保たれていますが、加齢とともに誰でも衰えていきます。
●老視になると…
近くを見るとき、毛様体筋が収縮することで、水晶体が厚くなり焦点を合わせようとしています。加齢によりこの筋肉の収縮機能が低下することや、水晶体の弾性力低下などにより調節することが困難になることが老視です。
老視は、調節力が低下するために、近くを見るときには、遠視と同じような状態となりますので、遠視の時の同様に、凸レンズでの視力矯正となります。遠視の場合よりも、調節範囲が狭くなるために遠近両用を用いることも必要となることがあります。度の進行状態に合わせてこまめにレンズ調整をすることが勧められます。
<水晶体の調節機能>
❍20~30歳代必読! スマホ老眼とは?
最近、スマホ老眼ということばをよく聞きませんか?スマホを長時間使用する20~30歳代の若い人の中に、スマホ老眼が多く発症しているということが言われています。スマートフォンなどの過度の使用により、眼の疲労感を 訴える人が増えているという報告があります。
●スマホ老眼は、老視とは異なります
スマホ老眼の原因は、近い距離でスマホの画面を見続けることにより眼に負担をかけてしまうことにより生じます。毛様体で物を見る時に焦点を合わせていますが、ずっと、スマホ画面のような至近距離で画面を凝視し続ける事により、眼を酷使し老眼のような症状を発症することです。
毛様筋で水晶体の焦点・ピント調節をしていますが、ずーっとスマホなどの近い画面を凝視していることで、筋肉が順応しようとする反応に対して、凝視の状態で凝り固まってしまうことにより起こり、一時的に近視化した状態となるためとなります。
スマホ老眼の症状には、疲れ目、かすみ目、ピントが合わないなどの眼の症状以外に、肩こりや頭痛なども見られます。前回お伝えした、眼精疲労、ドライアイやVDT症候群の原因となります。
●光の影響にも注意
スマホは、強い光を発しています。暗い場所で懐中電灯代わりにもなるので、その明るさを自覚さるのではないでしょうか。眼に入る強い光は、光量を制限している光彩筋にも負担をかけているとされています。夜のスマホのブルーライトは、体内時計を狂わせる原因にもなり、睡眠に影響しますので、使用を考えることも大切です。
●スマホ老眼への対応
使用を控えることが、いちばんの対応となります。1時間に10分くらいの休憩は必須です。子どもたちのゲームも同様です。ゲーム依存にもつながります。ルールを決めて行うことが大切です。かなり以前ですが、ゲームボーイが販売された頃、肩こりから頭痛にまで至った記憶が私にもあります。
1-3 水晶体の濁りで生じる「白内障」を知る
白内障はさまざまな原因により、透明な水晶体が濁ることにより、光が眼底に届かなくなることによりさまざまな症状を引き起こす疾患です。
❍水晶体の役割
レンズ役割をしている水晶体が白濁すると、必然的にさまざまな機能障害が起こります。レンズ機能としての屈折や、ピント調節を瞬時に行こなっているオートフォーカス機能、紫外線などの有害光が網膜への到達を防ぐ機能、虹彩と網膜を隔てることで有害成分からの防御などさまざまな役割を持っています。
❍白内障の症状とは?
白内障の発生原因によって、症状の出現の仕方や、進行の速度に違いがみられますが、最終的には、視野の白濁とされています。濁ってしまった水晶体を元に戻すことは、現在ではできないとされています。ただ、生活に支障がない場合は、濁り味が進行しないようにさまざまな対応があります。透明性と機能性を保つことが、健康的な生活を維持するためにも重要とされます。
《白内障の代表的な症状》
- 全体に視界がかすむ
- 眼の疲労感
- 視力が低下する
- 光をまぶしく感じる
- 暗いとき、明るいときの見え方が異なる
水晶体の濁りの程度や、その位置によって見え方はさまざまです。辺縁が濁ることでは、見え方にあまり影響は見られませんが、水晶体の中央部分が濁ることで、見え方が悪くなることやかすみがかって見えたりなどのピントが合わない症状がみられます。
❍白内障の種類と原因
水晶体の成分は、タンパク質と水分です。タンパク質は、長年の紫外線暴露や加齢などさまざまな影響を受け、だんだんと白濁していきます。その結果、水晶体全体が濁る状態となり、視力低下を招くことになります。
水晶体は、直径約11mmの凸レンズで、透明な薄い膜(水晶体嚢)で包まれた状態となっています。その膜部分の水晶体上皮細胞の増殖により高齢者は、重く、厚く変化していきます。
白内障はさまざまな原因で起こりますが、最も多いのは加齢によるものであり、これを「加齢性白内障」と呼んでいます。個人差がありますが、誰でも年をとるにつれ、水晶体は濁ってきます。加齢性白内障は一種の老化現象ですから、高年齢の人ほど多く発症します。
●一般的な加齢白内障
最も多くみられるのが老人性白内障と呼ばれている加齢性白内障です。老視と同様にエイジングとなるために、誰にでも起こる水晶体の白濁です。そのため、年齢が高い人ほど多く発症するとされています。80歳代では、大部分の人に白内障があるとされている疾患です。主に皮質が混濁する皮質白内障や核が硬化する核白内障が進行するとされています。
- 皮質白内障:水晶体の外側の部分から濁る、加齢白内障の中で最も多いタイプ
- 核白内障 :水晶体中央部の核から濁り、もっとも早く手術を受けなければならない白内障と言われる。
瞳孔の大きさで、光が水晶体を通過する面積が変わります。光が通過しない部分の混濁は、自覚症状はほとんどありません。散瞳剤を使用しての検査では、水晶体を観察すると早い人では40歳代から見られることもあるとされます。
❍外傷・全身疾患・眼の疾患など他の原因による白内障
外傷やアトピーなどの合併症として引込される白内障があります。それぞれ、外傷性白内障、アトピー性白内障と呼ばれています。眼の疾患(ぶどう膜炎など)による白内障を併発白内障、薬剤によるものを薬剤性白内障とします。
水晶体が混濁し始めると、光が散乱してしまうための、霞んだり、物が二重に見えたり、まぶしく見えるなどの症状が出現し、進行すれば視力が低下し、眼鏡でも矯正できなくなります。
●先天性疾患による白内障(乳児白内障)
先天性の白内障の原因としてあげられるのが、染色体異常、代謝性疾患(ガラクトース血症など)、そして子宮内感染症としてよく言われているのが母体の風疹への感染です。
《先天性風疹症候群》
今、風疹の流行が懸念されています。ここで簡単にまとめておきましょう
先天性風疹症候群の大症状とは、「先天性心疾患」「難聴」「白内障」です。先天性心疾患と白内障は、妊娠初期3 カ月以内に母親が、風疹に感染することで胎児に発症する白内障です。
※参考サイト「先天性風疹症候群」国立感染症研究所
●おもな白内障の種類と原因のまとめ
- 加齢性白内障 :加齢変化
- 全身疾患に合併する白内障:アトピー性皮膚炎、糖尿病 など
- 乳児白内障 :風疹、トキソプラズマ、サイトメガロウイルスなど胎内感染
- 外傷性白内障 :目のけが など
- 併発白内障 :ぶどう膜炎 など
- 放射線被曝 :原爆、レントゲンなど
- 薬剤性 :ステロイド、クロルプロマジン、縮瞳薬(塩酸ピロカルピン)
加齢が原因の場合、黄白色・茶褐色に濁りますが、若い人の場合には白色に濁るとされています。
<白内障の原因>
❍白内障への対応
初期の白内障では、点眼薬で進行を遅らせることもできるようですが、元にもどることはありません。白内障の進行に対しては手術の検討が勧められます。
混濁した水晶体を取り除き、眼内レンズを挿入する手術が一般的に行われます。近年では比較的簡単に日帰り手術として行われています。
❍白内障を放置することによるリスクとは
白内障を放置すると、確実に眼圧が高まるとされています。眼圧が高くなることで緑内障を引き起こす可能性も生じます。緑内障は、視野が狭くなり、失明原因の1位となっている疾患だということは、前回お伝えしています。緑内障のリスクを未然に防ぐためにも、白内障を疑う症状が見られたら、早めに眼科受診することが大切とされます。
❍私の経験から
亡くなった母は、80歳を過ぎてからでしたか、両目ともに白内障の手術を受けています。いっしょに手術説明を私も聞いていますが、起こり得るすべての状況を説明されますので、怖くなることもあるようです。母は、日程まで予約して、キャンセルをしています。確かに、眼の手術は、見えるので怖さもあるのかも知れません(私は受けたことがありません)
でも、日常生活では、物を見難い状態だったようなので手術後は、「もっと早くやれば良かった」と言っていたほどです。良好な視界は、生活の質に大きく関係します。初回、いちばん始めにお伝えしたように、「五感で獲得される外部情報」この80%以上が視覚からとなります。物が見え難いということは、生活の質に関わり、認知力の低下にもつながり、閉じこもりの誘引にもなります。
ご自身のご両親の眼の健康「見え方」にもちょっと意識を向けてみてはいかがでしょうか?
2.網膜の中心となる黄斑の加齢性変化「加齢黄斑変性」
網膜の中心部である「黄斑の加齢性変化」による障害が原因で視力障害を引き起こす疾患です。
❍網膜の中心「黄斑」の機能とは
黄斑は、物を見る時に、瞳孔、水晶体、硝子体を通過し、眼球内に入ってきた光を網膜上に結像させ、刺激を受け取る視神経が密集する場所です。その網膜の中心が「黄斑」となります。
網膜が受け取った光を電気信号に変換され、脳に伝えられ視覚は得られることになります。黄斑は、直径1.5~2mm程度の小さな部分となり、この黄斑の中心を「中心窩」といいます。見ている固視点(物体の中心部分)からの光を受け取る部分となる重要な場所となります。
黄斑にはキサントフィルという色素が豊富にあるために黄色をしていることからこの名称ととなります。色を感じる錐体細胞が密集し、この黄斑で良い視力が得られることができ、その周囲では十分な視力が得られないとされます。
●黄斑は「視覚」の中心
黄斑の重要性が理解されたでしょうか。非常に小さな部分となりますが、この黄斑が障害されることで、視野が著しく低下することがあります。
網膜の下層は、網膜色素上皮、さらにその下に脈絡膜があります。脈絡膜は、血管が豊富な組織で、網膜が正常に機能するためにはこの下層の機能が保たれていることが大切です。
❍加齢黄斑変性とは
加齢黄斑変性は、この黄斑の障害です。欧米と比較で、国内では少ないとされていましたが、高齢化や生活様式の変化に伴い近年著しく増加傾向で、失明原因にもなる疾患とされています。加齢とともに、網膜色素上皮の下層に老廃物が蓄積することによる、直接的、間接的な黄斑の障害だといわれています。
❍加齢黄斑変性の分類と原因
加齢黄斑変性は、萎縮型と滲出型の2種類に大別され、それぞれ、原因が異なります。
●萎縮型
萎縮型は、黄斑の網膜色素上皮の加齢による萎縮が原因です。網膜色素上皮とその下層のブルッフ膜の間に老廃物がたまることにより網膜の萎縮が起こるとされています。比較的ゆっくりと症状が進行するために、急激な視力低下は見られないとされます。
●滲出型
滲出型は、網膜の下層に異常な血管となる、脈絡膜の新生血管ができることにより発症します。新生血管が脈絡膜から網膜色素上皮の下層あるいは網膜と網膜色素上皮の間に侵入し血管形成、黄斑が障害される疾患です。新生血管とは、正常の網膜にはない血管で、非常にもろく、血液成分を漏出し、出血をしやすいという特徴があります。この血管から滲出した液体が網膜浮腫などを引き起こし、網膜下液の貯留に至ります。結果、黄斑組織に障害が引き起こされ、視覚障害を引き起こすとされます。
萎縮型と滲出型を比較すると、滲出型の方が進行が早く、視力障害も重症なことが多いとされます。
<加齢黄斑変性・滲出型>
❍加齢黄斑変性の症状とは
黄斑の変化は、視野が歪んで見える、視野の中心が暗くなる、欠損する、視力が低下するなど見難くなるなどの症状が出現します。
●変視症
変視症とは、物が歪んで見える状態をいいます。網膜のゆがみによる表出する症状です。黄斑の障害のために、中心部分が歪んで見えますが、周辺の網膜は正常なために周囲は、正しく見えることになります。
●中心暗点
黄斑の障害により、中心部分が見えなくなる状態、中心暗点が発症し、物が見えにくくなります。
●視力低下
中心暗点などの影響により、徐々に視力低下が進行し、そのまま放置すると視力が0.1以下となります。網膜に出血が起きると急激に著明な視力低下が起きることがあるとされます。
●色覚異常
症状の進行に伴い色の判別ができなくなります。加齢黄斑変性は、失明を引き起こす重篤な疾患です。
❍加齢黄斑変性の原因リスク
加齢、高血圧、肥満、喫煙、高脂肪食、太陽光、遺伝などのリスクがあげられています。
●加齢黄斑変性の予防のために
喫煙による危険性が指摘されていますが、血管収縮が原因ではないでしょうか。禁煙は必須です。さらに加齢黄斑変性の発症には、ビタミンC、E、βカロチン、亜鉛などのサプリメントの効果があるとされているようです。肉よりも、魚中心の食生活とし、緑黄色野菜の摂取が良いようです。
萎縮型の加齢黄斑変性への対応は、いまのところ発症後の治療はないとされています。滲出型の加齢黄斑変性の場合は、脈絡膜新生血管の拡大を抑制し、視力の維持、改善への対応が行われます。治療の詳細は記述いたしませんが、見え方が気になるようでしたら、早めに眼科受診をお勧め致します。
❍加齢黄斑変性の検査
加齢黄斑変性の診断には、一般的な視力検査とさらに、アムスラー検査、眼底検査、造影検査、光干渉断層像検査などがおこなわれます。
- 視力検査 :視力低下の検出
- アムスラー検査 :方眼紙のような格子を見て歪みを調べます。変視症の検出
- 眼底検査 :網膜の状態や、新生血管の有無
- 造影検査 :新生血管などの状態を詳しく調べる検査
- 光干渉断層像検査:網膜の断面を調べる検査、網膜や新生血管などの状態を立体的に把握する
3.眼の中に虫…?のように見える影、飛蚊症とは?
飛蚊症(ひぶんしょう)とは、視界の中に、黒い点や虫、糸くずや蚊のようのようなもの、小さな薄い影のようなものが出現する症状を飛蚊症といいます。
❍飛蚊症とは?
人の眼球内の原因により、視覚に発生する現象で、網膜上の特定の位置に存在する影とされます。物を見ている時に、視界の中に糸くずや黒い影、蚊のようなものとして見え、眼球運動により視界を動かすと、その動きに合わせて影が移動し、動き回るように感じて見えることが症状です。
多くの場合、加齢により自然発生とされ、比較的多い疾患です。眼を動かすと、影が同じ方向性に細かく揺れながら移動するために、眼の前を蚊が飛んでいるように感じることから、飛蚊症とされます。影の形状はヒモ状、リング状などさまざまなもののようで、日常で気づきにくいこともあるようで、明るい場所などで白壁や空を見た時に出現することが多いようです。
飛蚊症自体は、多くの場合が、眼の機能に問題はなく、完全に消えることはありません。網膜剥離の初期症状や糖尿病網膜症の症状として現れることもあるので、眼科の受診が必要とされます。
❍飛蚊症の原因となるさまざまな疾患
飛蚊症は、硝子体内部の混濁が網膜上に影を作ることにより発症します。この混濁の原因により分類されます。混濁の原因として、飛蚊症の原因は、生理的なものと、病的なものとのに分けられます。生理的なものは治療を必要としませんが、病的なものは治療対象となります。強度の近視は、飛蚊症になりやすいと言われているようです。飛蚊症は、加齢に伴う生理的なものが多いとされていますが、一部重篤な疾患の前兆なこともあると言われています。飛蚊症を自覚した場合には眼科受診をお勧めいたします。
- 生理的飛蚊症 :生まれつきのものが多い
- 後部硝子体剥離 :加齢、強度近視、打撲などによる
- その他病的な原因:網膜裂孔、網膜剥離、硝子体出血、ぶどう膜炎など病的な原因
●網膜裂孔・網膜剥離
網膜に穴が開く網膜裂孔、網膜が剥がれてしまう網膜剥離では、時に飛蚊症を自覚するといわれています。網膜には痛覚がないために痛みを感じることがありません。失明する危険性が高い病気といえます。
●硝子体出血
硝子体の内部で出血することにより、軽度の出血の場合は、飛蚊症の症状として見られることがあります。出血の原因としては、糖尿病や高血圧、外傷などが原因としてあげられます。軽症の出血でも持続すると、影が徐々に濃くなっていき、重症化すると、眼の前に墨が垂れているような状態や、霧がかかったているような見え方となることがあるようです。
●ぶどう膜炎
ぶどう膜とは、眼球の内側の部分、脈絡膜、毛様体、虹彩の3つをまとめてぶどう膜と呼んでいます。このぶどう膜組織の炎症がぶどう膜炎となります。ぶどう膜炎では、硝子体に濁りを生じることがあるために、飛蚊症を引き起こします。
その他の、ぶどう膜炎の自覚症状としては、光が眩しく感じる、羞明感、眼痛、霧視(かすみ眼)、充血、視力低下などがあげられます。
次回は、4日(木)AM7時~「眼のトラブルパート3」をお伝えいたします。ぜひ合わせてお読みください。
生理検査アティテュード®からのメッセージ
・120%、ミドルエイジ~シニアライフを楽しもう!
人生100年といわれる時代に生きる現代人、ならばもっと楽しもう!
と私は考えました。
❍エイジングという表現、ちょっと優しいなぁ~笑
「加齢による・・・変化」この言葉を、医療に関するさまざまな情報をまとめていると、必ず100%出てきます。人は、みな平等に、生まれた瞬間から、年を重ねていきます。その言い回しをよく、「エイジング」ということばが使われています。そのど真ん中にいる私自身がですが、「エイジング」のほうが、加齢によるよりも、あぁ…ちょっと優しい印象を受ける(笑)
そして、平等に起きる「加齢」は、一定の人としての組織や器官の発達過程のピークを過ぎると、そこからすでに低下していきます。退化の度合いをどれだけ抑えるか、そして、緩やかにするのか、この現実を受け入れながら、最高の自分を表現していくことが、私は「外見力」だと思います。年齢に負けない、逆にエイジングを活かす「外見力」を身に着けていきたいと思っています。
❍眼鏡選びのポイント
視力矯正のポイントは、上記に示した通りですが、もし、眼鏡を使用する必要性が生じたならば、眼鏡を楽しんでみてはいかがでしょうか?
●120%楽しむ眼鏡ライフのお勧め
「老眼鏡」ちょっとマイナスのイメージありませんか?最近CMで明るいイメージで売り出している「ハズキルーペ」出演している女優さん、俳優さんの選択がGoodではないでしょうか。「高齢者」のイメージがあまり感じられません。みなさんどのようなイメージを持たれましたか?私、けっこう気になっています。買おうかなぁ。。。笑
どうせかける眼鏡なら120%楽しんだ方が良い!と私は考えます。自分の個性的な魅力をUPさせる眼鏡選びのお勧めです。
●自分にプラスしたい個性、イメージ、デザイン性を用いて演出
日常でせっかく身につける眼鏡、自分のイメージの演出にもプラスに取り入れることができます。自分の骨格の形状に合わせた眼鏡選びもお勧めいたします。本来持つ個性にプラスの演出効果です。骨格は、本来生まれ持った個性です。その話の詳細を初めてしまうと、収拾がつかなくなりますので、ここでは省略させて戴きますが、眼鏡の形状はもちろん、やフレームの色、デザインも重要な選ぶためのポイントとなります。サングラスの場合は、レンズの色も重要です。
私のもうひとつの顔は、「イメージコンサル」ですご興味ある方は、ご連絡を(^^)
❍意識を変える外見力
変わりたいという心の声を感じたら、思い切って外見からトライすることの大切さ知ったから、イメージコンサルまで学び続けました。「色味」も人生の彩りには大切です。自分のカラーを意識することで自己表現にも自信を持つことができるのではないでしょうか。外見への気遣いは、周囲の人への気配りにつながると私は思っています。
今日、誰とどのような場所で合うのか、時と場所に合わせていませんか?場所とは、出会う人を示しています。「あの人がいるから行きたい場所」とか、逆に「行きたくない場所」いうような時もあるのではないでしょうか。空間のイメージを創り出すのは「人」、造った人とその場にいる人も含まれると私は考えます。人へのおもてなしは、どのような印象を持ってお迎えしたいか?このことも大切な「装い」です。「装」という字は、出で立ち、外見を整えるという意味があります。心からの装いがおもてなしの気持ちにつながるのではないでしょうか。
●人の感性を育む「視覚=色味」は、誕生後の発達
人は、色を感じる錐体細胞を持って生まれ持ち、その色味を育むことが、感性を育てることです。生まれたばかりの白黒のモノトーンの世界から、人しての豊かな色を持つ錐体細胞を発達させることが、豊かな感性を育てることにつながります。色味を感じ、色彩からの深い感性を視覚やその色のイメージから受け取る身体感覚を育むことに繋がります。
人がいちばん最後まで発達させることができる五感感覚が視覚です。
そして、その感性豊かな五感を感じさせてくれる「視覚」を最後まで大切にしていきたいです。緑の空間で風を感じ、花の美しさから香りを感じる。人に与えられた「こころ」にプラスされるのが今まで学び、体験し、感じてきたことで育ててきた感性ではないでしょうか。
自分の持つ感性でもっと、120%の生きる楽しみつながると私は思っています。
Pure Medical attitude
生理検査アティテュード®
Junko Katayoshi
今日のまとめ
- 眼のエイジングは、視力のみならず、色覚や光への反応も変化、さらに外見的な変化もさまざまある
- 老視(老眼)は、誰でもなりうるエイジングの問題、個人差がかなりある。
- 若い人のスマホ老眼は、老眼とはことなるが眼の休息が必要
- 白内障は、加齢により誰でも起こる変化
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代表 かたよし純子 Junchan♪ ※自己紹介はこちらから
臨床検査技師/超音波検査士/健康管理士一般指導員/健康管理能力検定1級/介護予防運動指導員/米国NLP協会認定NLPトレーナー
THINK YOUR LIFE -ミドルエイジとともに-side by side-
共同代表 Junko Katayoshi
今日も最後までありがとうございました。
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