今日もHealth attitude blogにご訪問ありがとうございます。先日ある方に聞かれました。「糖尿病になると血液ドロドロと言うけどどうしてですか?」的確な即答に困りました。(苦笑)
当たり前だと思ってしまっている…
グルコースの濃度が上がるだけではないし、濃度を一定にしようと水分が増える、血液循環量が上昇…そんなことが頭の中でぐるぐる…さまざまな要因がその状況にはある。この質問が引っかかっり、動脈硬化がなぜさまざまな疾患の原因になるのか、そのいちばんの理由は「血液循環」が滞るからだよなぁ…では、血液は何をしているのか?以前、血管にフォーカスしてブログを書いていますが、今回は「血液」を主役としてまとめていきます。
1.血管の中を流れる『血液(Blood)』は臓器です
1-1 血液は単なる液体ではない、血液を構成する成分
1-2 赤血球のもつ機能
1-3 身体をまもる免疫機能、白血球と血栓形成の中心、血小板
今日のプラスα
2.血液の液体成分、血漿の機能
3.血液が造られるメカニズム、造血幹細胞
生理検査アティテュード®からのメッセージ
・『血液にまつわる記憶』
1.血管の中を流れる『血液:Blood』は臓器です
世界中の人間が新参者のウイルスに恐れる中、さまざまな場面で国同士の交流が途絶える状況となり、いわば世界的な交通マヒとなっています。
人間の身体の交通マヒと考えるとそれは「血管」だと考えられ、その血管の中を流れるのが「血液」です。
1-1 血液は単なる液体ではない、血液を構成する成分
当たり前のように体内を流れる血液…
皮膚を誤って傷つけると『血』が出る
血管は人間の身体のすみずみまで網目のように行き渡り、その中を血液が流れる全身の臓器に酸素と栄養を供給し、老廃物を排泄させる機能を担っている。サラッとこんな感じで血管の中を流れる血液の話は終わってしまうことが多いのかも知れない。
❍血液は流れ続ける『生きた臓器』
人間を初め、動物が生きていくために血液は必要不可欠です。実際に大量出血などにより「失血死」というのもあります。
その理由は、生命維持のためのエネルギー源となる必要不可欠な栄養成分を全身に届けるというその役割のために、血液が行き渡らなくなるなると、その組織は「死滅」してしまうということになるからです。多くの細胞成分が含まれています。
❍血液に含まれる成分とは?
- 血球成分:
- 細胞性成分:血液細胞(赤血球・白血球)
- 血小板 :血液凝固作用
- 血漿 :液性成分
血液を構成している成分は上記のように「血球成分」(赤血球・白血球と血小板)そして、液性成分として「血漿」に分けられ、それぞれ役割が異なります。
それぞれの割合比は、血球成分:血漿=40~45:60~55くらいとなり、血漿成分が半分以上となります。
●血液を分離すると...
抗凝固剤(血液を固まらせない薬剤)を入れた状態で遠心分離を行うと、上記のイラストのように3層に分離されます。
上清に「血漿成分」と下層に血球成分の「赤血球」 とに分離され、その間の層にわずかに白い層があり、この部分に血小板と血小板の白血球とに分離されます。
●どうして、何本も採血するのか?抗凝固剤は目的より異なる
ちなみに、抗凝固剤を入れないと、上清は「血清」、下層は「血餅」となります。血液検査の種類に応じて抗凝固剤を入れるもの、入れないものとして採血管を分けています。そのため、採血時には多くの本数を必要とすることがあります。また、抗凝固剤の種類も検査項目毎に異なる製剤を使う必要があるため、さらに本数が増えることもあります。
●各成分の比重
- 血球成分
- 赤血球:96%
- 白血球:3%、
- 血小板:1%
- 血漿成分
- 水分 :90%
- 血漿タンパク質:7%
- その他ごく微量:脂肪、糖、無機塩類
1-2 赤血球の機能
血球成分は細胞成分として血液細胞の赤血球と白血球、そして血小板と分類されますが、血液の色となるヘモグロビン色素が含まれる赤血球の機能からまとめていきましょう。
❍赤血球〔Erythrocyte RBC:Red blood cell〕
血液量の約40~50%を赤血球が占め、標準体格の成人では約3.5~5Lの血液とされます。血球成分の約 96%が、赤血球となります。
下記に基準値の参考を示します。数値は、検査施設間での誤差がありますので、実際には、検査を受けた施設の基準値ご参照ください。
〔おおよその赤血球の細胞数〕*参考値
- 男性 約400~540万/μl
- 女性 約360~490万/μl
- 小児:約690万/μl
〔赤血球のサイクル〕
赤血球は骨の中の骨髄で産生され、古くなると脾臓で壊されますが、そのサイクルは約120日とされています。その120日間で20~30万回体内を循環して(血液循環)で肺の酸素を取り込み、血管の中を流れながら全身の組織に酸素を運び、不要な炭酸ガスを回収するガス交換の役割を持ちます。
〔微小な毛細血管にも酸素供給:赤血球の形状の理由〕
赤血球の大きさは直径約7~8μm、厚さが2μm強ほどで両面の中央部分がややへこんだプレート・円盤状をしています。小指の先にほんのちょっとケガをしても当然出血しますが、その部分にも、微細な毛細血管が存在し、その中に赤血球が含まれています。全身の組織の細胞へ酸素供給を行うために、赤血球はしなやかに、柔らかく、非常に変形能力に優れている必要性があり、赤血球自身の直径の半分以下の径のような微細な血管にまで入り込むことができます。
〔赤血球のガス交換機能、酸素運搬機能〕
赤血球は血液循環で体内血管の中を流れています。肺で酸素を取り込み、全身の組織に酸素を運び、不要な二酸化炭素を回収するガス交換の役割を持ちます。
・赤血球の色を成すヘモグロビン
赤血球中に含まれるヘモグロビンという鉄を含むタンパク質によって肺から酸素を取り込み、全身の組織に酸素を届けることができます。赤血球の赤色はこのヘモグロビン色素となります。
<赤血球>
※関連ブログ「健診結果を読む② 血液検査」「心機能を正しく知って身体をいたわる」「ヘモグロビンが、血液が減る貧血とは」
1-3 身体をまもる免疫機能、白血球と血栓形成の中心、血小板
今の社会情勢からもいちばん気になる免疫機能を持つ白血球をまとめていきましょう。
❍白血球 Leukocyte WBC:White blood cell
白血球は、体内の異物に対する免疫機能もつ細胞です。顆粒球と呼ばれる「好中球」「好酸球」「好塩基球」の3種類と「単球」「リンパ球」の5種類が血液中にみられます。
●白血球の種類
白血球は、血球成分の約 3% 程度、成人の平均細胞数 7,500/μl(3,500~9,500くらい 個人差が大きい)、新生児や乳幼児は、成人より多くの白血球が血液中に存在します。
- 顆粒球 3種類:直径 約6~14μm *顆粒球は3種類で白血球の50~75%ほどを占める
- 好中球 :Neutrophil 50~70%
- 好酸球 :Eosinophil 2~5%
- 好塩基球:Basophil 1%以下
- 単球 :直径 20~30μm 2~10%
- リンパ球:直径 6〜15µm 20~40%
❍顆粒球の機能
顆粒球は骨髄で産出され、その細胞質には顆粒が存在し殺菌作用を持ちます。
顆粒球はギムザ染色で染色される顆粒の色調で分類されます。中性色素に染まる好中球、暗紫色に染まる好塩基球、エオジン親和性のピンクから橙黄色に染まる好酸球の3つに分類されます。
●好中球 Neutrophil
最も数が多いのが好中球で白血球の約50~70%、顆粒球の約90~95%以上となります。血液中の好中球の寿命は1日以内、約 10時間、組織内では数日となり赤血球とは機能も血球サイクルも大きく異なります。好中球の直径 12〜15µmで、白血球の中ではリンパ球よりも大きく、単球・マクロファージより小さい大きさです。
〔好中球の免疫機能〕
好中球は殺菌を有する顆粒を持ちます。細菌や真菌を殺して取り込んだり、異物を取り込んだりすることによって体を感染症から守っています。細菌や真菌などの感染症を発症に対して、おもにこの好中球が反応し、偽足を出して盛んにアメーバ様運動して細菌感染巣に向かい、細菌を貪食殺菌しています。ケガをした傷口から排出される膿は、この好中球が貪食作用を終えた後の姿です。
この好中球が対応し切れなかった細菌などの異物は、単球から変化したマクロファージなどが貪食し、抗原提示を行い、体液性免疫を獲得することになります。
〔好中球は組織内でも待機している〕
細菌などの外敵に対して、末梢血液以外にも好中球は待機しています。血管壁や組織、脾臓・肝臓などにも末梢血と同等量の好中球が存在するとされ、感染症などの緊急時には速やかにプールされている好中球が末梢血液中に増加することになります。好中球は成熟していくに従い、核が桿状核球から分葉核球となり多核化していきます。細菌感染の際には、骨髄内での白血球生産も亢進されます。
〔機敏な反応を示す好中球〕
食事や運動さらにストレス時など、わずかな身体の変化でも好中球数は増加します。そのよい例が「喫煙」です。健康と思われる喫煙常習者の白血球数は、非喫煙者と比較して、常に高い状態にあるというデータがあります。感染がない時でも、一部の好中球は血管から組織内に移動しているために、好中球数は変化しやすいとされます。
●好酸球 Eosinophil
好酸球は白血球の約 2~5%程度、好酸性顆粒としてエオジン親和性のピンクから橙黄色に染まる均質・粗大な顆粒が細胞質に見られるのが特徴です。直径10~15μm、肥満細胞によって活性化されま。
〔好酸球の役割〕
好酸球も遊走し、貪食能力を持ちます。主な役割は寄生虫や寄生虫卵の傷害、あるいはアレルギー反応への抑制機能です。寄生虫の感染などで増殖し、ストレスや副腎皮質ホルモン分泌時には減少することが知られています。
●好塩基球 Basophil
好塩基球細胞数は、白血球の約 1%以下程度です。塩基性色素により暗紫色に染まる大型の顆粒(好塩基性顆粒)を持ちます。直径10~16μl 程度です。
〔好塩基球の役割〕
好塩基球は、様々な炎症性反応に関わり、生体の免疫機能に関与していると考えられています。特にアレルギー反応を引き起こしていると考えられていますが、存在意義は、まだあきらかにされていないととのことです。
❍単球 Monocyte
単球は、白血球の約 2~10%です。大きさ 20〜30µm、通常大きな腎臓のような核を有し、染色されることで他の細胞成分と鑑別されます。組織内の感染部位での炎症に反応し、約8~12時間以内に移動していきます。
〔単球の役割〕
単球は、免疫機能において複数の役割を果たしています。血液内に存在し、成人の単球は約半数、脾臓が備蓄されています。組織内に移動するとマクロファージに変化し、旺盛な貪食能で老廃物や異物の処理をしています。その他、樹状細胞、破骨細胞に変化します。死滅した細胞や損傷した細胞を取り込み、感染原因になる様々な微生物から身体を守っています。
❍リンパ球 lymphocyte
リンパ球は、リンパ組織で産生され、免疫と抗体産生に関与しています。大きさは、6〜15µm程度と比較的小さく、細胞質の少ない白血球です。リンパ球は白血球の約20〜40%ですが、新生児や乳幼児は、成人よりもリンパ球の数が多く、白血球分類の70%がリンパ球となります。
〔リンパ球の種類と役割〕
リンパ球はおもにウイルスやその他の腫瘍細胞など異物に対して攻撃性を持ちます。寿命は数日か~数ヶ月、時には数年とさまざまです。骨髄で未熟な状態で産出された後、胸腺でT細胞や、骨髄でB細胞に成熟していきます。さらにはリンパ節に移動し、そこでも増生・成熟が行われ複雑な経過をたどります。
- NK細胞:ナチュラルキラー細胞
- 腫瘍細胞・ウイルス感染細胞へ傷害
- T細胞:胸腺 thymus由来
- ヘルパーT細胞 :B細胞に働きかけて形質細胞に分化、抗体(免疫グロブリン)産出
- サプレッサーT細胞:B細胞の免疫グロブリン産生を抑制する
- キラーT細胞 :腫瘍細胞・ウイルス感染細胞を攻撃する
- B細胞:骨髄 bone marrow由来
- 抗体(免疫グロブリン)産出
❍血小板 Platelet
血小板は、正常な血液中に約 14~36万/μl、直径約2~3μmの円盤状、赤血球や白血球より小さい粒子です。骨髄中の巨核球の細胞質から産生され、核を持たないため細胞ではありません。
●血小板凝集機能
血小板は凝集機能を持ち、血栓形成のための中心的な役割を持ちます。血管が傷つき、出血している部位に血小板は集合し、その損傷部位をふさぐ止血機能があります。さらに、血小板には何種類かの血液凝固因子が含まれ、凝固を促す物質を放出しています。
出血が止まった傷口に、付着しているかさぶたは、この止血機能で形成されたものです。固まった血小板とフィブリン、そして赤血球です。
フィブリンとは?
血液凝固に関わる繊維状タンパク質、血小板とともに重合し、血球をくるみ込み、血餅を形成する
●血小板減少と血小板血症
- 血小板減少:少なすぎる状態、出血しやすくあざを作りやすく、異常出血の原因となる
- 血小板血症:多すぎる状態、血液が固まりやすく、脳卒中や心疾患の原因となることもある
※関連ブログ「生まれながら持つ免疫力」「健診結果を読む② 血液検査」
2.血液の液体成分、血漿の機能
血漿は血液に含まれる液体成分です。上記で説明したように、血液が固まらないように、抗凝固剤を加えた
状態で遠心分離したときの上清(上澄み)が血漿になります。
❍血漿 Blood plasma
血液の約 55%が血漿、やや黄色みを帯びた中性の液体です。血漿のほとんどは水分で、その水分中にさまざまな成分が含まれます。
❍血漿に含まれるもの
血漿中にはそのほとんどが水で約 91%、その次に タンパク質(アルブミン・グロブリン)が約 7% 程度、その他 電解質(K、Na、Ca)ビタミン、アルブミンとグロブリンからなる タンパクを約 7%含み、その他に K、Na、Caなどの電解質やビタミンなどを含んでいます。
- 水
- タンパク質(アルブミン、フィブリノーゲン、免疫グロブリン)
- 脂質
- 糖類 :グルコース
- 無機塩類
- ナトリウム :Na
- カリウム :K
- マグネシウム:Mg
- カルシウム :Ca
- 塩素 :Cl
- リン酸 :HPO4
❍血漿の役割
血液には、上記に説明した血球成分と血小板が含まれ、そしてタンパク質や脂質、糖質、無機塩類などが含まれる血漿となります。血液細胞、栄養素、脂質、ホルモン、老廃物などの運搬機能、緩衝作用により身体の恒常性維持を司り、血液凝固機能、免疫を行う場所であり、体温の調節機能などさまざまな場となります。
●血漿のおもな機能
- 組織への栄養供給:糖、脂質、アミノ酸、タンパク質等など
- 各種ホルモンなど、作用物質の運搬、全身への情報・指令伝達
- 防御機能
- 外傷に対して血小板の凝集
- 血液凝固因子による血栓形成、止血機能など傷を塞ぐ作用
- 細菌などへの免疫機能、異物に対する抗体生成
- 体温調整機能
- 代謝老廃物の排出機能:組織から、肺、腎臓・肝臓・皮膚・腸管などの器官に運搬する
- 代謝産物運搬 :体内に分布する化学受容器、圧受容器に適合刺激を与える。
- 恒常性維持
- 体内の酸と塩基の平衡を維持してpHを調節する
- 水分代謝の調整、血圧や組織液の浸透圧などをコントロール
❍血液のガス交換機能:酸素および二酸化炭素の運搬
肺の肺胞で酸素を取り込んだ血液(肺循環)は、血液循環によって、末梢組織に循環(体循環)していきます。血液中の酸素は組織液に移り、酸素が末梢組織に運ばれます。さらに赤血球は、組織液内で発生している二酸化炭素を取り込み再び肺に戻る。
3.血液が造られるメカニズム、造血幹細胞
血液は骨髄で造られるということは、骨髄の採取に立ち会い、骨髄像の作成、染色をする立場でもあるのでよく知っている。
❍胎生期の造血機能
ふと、人間の発生段階ではどの時期に血液が造られ始めるのだったか…
そんなことが今回は、浮かびました。胎生期、血液がどこで造られるのだったか…?人間の発生の極初期、卵黄嚢造血機能組織:血島で体外造血とされるとありました。血島や胚体外の血管が、発生初期では唯一の血球細胞や血漿の供給源だとのことです。
血島(Blood islands)とは?
胎生期の造血組織
血島は、発生中の胚の周囲の構造とされ、循環系のさまざまな組織の形成を行っています。胚体外の、卵黄嚢、尿膜、および漿膜において形成され、妊娠3週目ですでに造血が開始される。
その後、胚体内での血液形成は妊娠5週目で肝臓、12週目になると脾臓、骨髄、および胸腺で開始され、胎生5ヶ月頃には血島の造血組織は萎縮していきます。
※情報サイト「血島」Wikipedia
その後、造血機能は骨髄のみへと移行していきます。
❍血液は骨の中の骨髄で造られる
骨の中にある骨髄で血液は造られています。あらゆる血球系細胞:赤血球、白血球、リンパ球、血小板のもととなる巨核球などに分化できる機能を持つ、「造血幹細胞」が存在します。
●赤色骨髄と黄色骨髄
子どもではおもに脛骨で造血されていますが、徐々に機能が失われ、20歳くらいまでに大腿骨や肋骨などでの造血が多くなります。その後、長管骨(長く伸びた管状の骨)での造血機能も失い、加齢とともに徐々に骨髄は脂肪組織に置きかわり、最も長い大腿骨でも25歳前後で造血機能を失います。成人では胸骨、肋骨、脊椎、骨盤などの体幹の骨髄で造血が行われるようになります。
造血機能をもつ骨髄は、赤色をしているため赤色骨髄・赤色髄と、造血機能を失った骨髄は脂肪化してしまい、黄色くなり黄色骨髄・黄色髄と呼ばれます。
つまり造血機能もつのは赤色骨髄のみで、黄色骨髄に造血機能はありません。
❍造血幹細胞 hematopoietic stem cell – HSC
赤血球は約120日、好中球は約1日、リンパ球は数日から数年、血小板は3~4日のサイクルで造血と破壊が繰り返されています。
造血幹細胞とは
血球系細胞に分化が可能な幹細胞
血液が造られる骨髄中に造血幹細胞は存在し、赤血球、白血球(好中球、好酸球、好塩基球、リンパ球、単球、マクロファージ)、血小板、肥満細胞、樹状細胞を生成します。
●分化をする造血幹細胞
造血幹細胞が細胞分裂をしながら、さまざまな細胞に成長していく過程を「分化」といいます。
造血幹細胞はリンパ系幹細胞か骨髄系幹細胞のいずれかに分化します。
- リンパ系幹細胞 ⇨ リンパ芽球 ⇨ リンパ球
- 骨髄系幹細胞 ⇨
- ⇨ 前赤芽球 ⇨ 赤芽球 ⇨ 赤血球
- ⇨ 骨髄芽球 ⇨ 好中球、好酸球、好塩基球
- ⇨ 単芽球 ⇨ 単球
- ⇨ 巨核芽球 ⇨ 巨核球 ⇨ 血小板
●複製する造血幹細胞
造血幹細胞は盛んに細胞分裂を繰り返し、赤血球・白血球・血小板に分化していきます。また、造血幹細胞は、分化とともに、細胞分裂によって、自ら同じものを自己複製する機能も持ちます。
造血幹細胞は「分化」と「自己複製」という2つの機能を持つことによって、骨髄中で巧みにコントロールされ、造血機能が保たれています。
●臍帯血による移植
胎児と母親とをつなぐ、へその緒:臍帯(さいたい)と胎盤の中を流れる臍帯血の中には、造血幹細胞が存在しています。以前はそのまま廃棄されていた臍帯血、わずかな量ですが、現在は移植に用いられることもあります。。
❍血球の破壊
赤血球は老化すると しなやかさ柔らかさを失い、脾臓で細胞内皮系細胞による食作用で分解され破壊されます。血球に含まれていたヘモグロビンは分解され、黄色のビリルビンとなり、肝臓で胆汁に含まれた形で十二指腸へ排出されるます。ビリルビンはウロビリノゲンと変化し、おもに便とともに、一部は腸管を経て、腎臓から尿中成分として体外に排泄されます。赤血球から分離された鉄は、肝臓、脾臓から骨髄へ戻り、新たに赤血球形成されます。
白血球や血小板も脾臓で破壊されます。その寿命は上記でまとめたように、種類によってさまざまです。
生理検査アティテュード®からのメッセージ
『血液にまつわる記憶』
日本赤十字社を見学したときの記憶
当直時のクロスマッチの記憶
献血したときの記憶
血液に関する情報を検索していると、当然、血液製剤にも行き着き、日本赤十字社のHP、
「あぁ…血液センター」行ったなぁ…
クロスマッチ、緊張するけど嫌いではないなぁ…
献血して脳貧血起こしたなぁ…献血車で送って貰った…(・・;)
❍記憶に残る、クロスマッチの緊張感
病院の当直勤務では、当然緊急輸血にも対応します。
『輸血は臓器移植』
輸血は献血して戴いたみなさまの貴重な組織臓器の一部です。他の人の生きた細胞が体内に入ります。臓器移植と同じ意味合があります。
病院の輸血冷蔵庫にもある程度の在庫がありますが、血液製剤には当然期限があり、期限を過ぎたものは、すべて廃棄となります。社会の人の好意による献血により確保された貴重な血液です。無駄にはしたくない、最低限のストックです。そのため、不足時は血液センターに必要分を発注し、到着をまって交差適合試験:クロスマッチを行います。絶対に間違うは許されない検査です。
常時行うことがかなり少ない検査です。発注の電話、ファックス、受け取り、入庫処理、電子カルテ上の処理、それからやっと交差適合試験です。緊急時は、少しでも早く、患者さんへ届けたい、その思いもあり、検査の反応時間を待つ間に、事務作業を同時進行しながら行うこともありました。
❍クロスマッチよりも…バーコードが苦手
ファックスが何だかうまく送れない、バーコードをなかなか読み取ってくれないなどなど、システム導入初期は、検査よりも、さまざまなシステムトラブルに汗だくでした…
病院実習に行った時、日赤血液センターを見学したことがあります。もう、遥か彼方の昔むかしのことです。血液センターの救急車に乗せて戴き、実習病院との往復でした。今はそんなことは無いのでしょう…
帰りは、血液製剤が乗っているとのことで、サイレンを鳴らしての走行、早かった~!通常はサイレンを鳴らすことはありませんが、輸血の緊急時はサイレンを鳴らして届けられます。吐血で緊急内視鏡、Hb低下…そんな緊張下のクロスマックスのことも思い出します。
❍電話先の状況を知っているか否かの違い
血液センターへの発注時に、見学したときの血液センターの状況を思い出したこともあります。血液センターでの仕事の説明など詳細は忘れていても、その受け取った感情は、無意識にもしっかりと残っています。コミュニケーション相手の状況を実際に知っているか否か、この違いは大きいと私は思っています。業務上、相手の職場を知っているということは、ことばで上手く表現できませんが、プラス要素になると私は思っています。
職場内でトラブルが発生したときも、私は基本、相手先に出向き、直接あって話すことを選択します。怒りに任せた感情で電話しても、話が炎上するだけだと私は思っています。医療も社会も、チームで機能させるためには、『Face to Face』が基本だと私は思っています。ことばでは足りない部分を、ノンバーバルが補ってくれます。
事件は現場で起こっている!
そんな、セリフがありましたよね(^_-)-☆
そして…『輸血は臓器移植です』とても貴重です。
Pure Medical attitude
生理検査アティテュード®
Junko Katayoshi
今日のまとめ
- 血液は液体の臓器です
- 赤血球は酸素と栄養の運搬機能、白血球は免疫機能
- 血液は「分化」と「自己複製」機能のバランスで造血幹細胞から造られる
『2020年 Pure Medical attitudeからのお知らせ』
この学びをどう活かすのか?『後悔』から企画しました。
『高齢者ケア『サポートカウンセリング』
高齢者に関わる方々の笑顔のために
*パーソナルセッションとは、別料金を設定いたしました
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2020年の目標設定
実現へのアプローチもサポート致します
あなたのスイッチをつくります
『出会う人が元気になっていく』
セッション後の方の表情は...
張りつめた緊張がほぐれ、笑顔を見送る時間...
それは『Office Pure』の至福の時間、最幸のギフト
心と身体のトータルパーソナルセッション
health attitude session
心と身体をトータルサポート
『心の荷降ろし』
変われない理由は何もない。
必要なスイッチは個々に異なり、1つとして同じものはありません。
共通することは「変わりたい意思と行動」
そして必要なのは変化への望み・気持ちのみです。
Pure Medical attitudeのカウンセリングともコーチングとも受け取れる、自分の可能性を引き出す独自の「心と身体の個人セッション」です。
話せることだけで大丈夫
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それが始まりだからです。
人に会い、エネルギーを受け取ることを大切にする
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「健診結果」の評価・対策もいたします。年間サポートもぜひ、ご相談ください。
※ブログやセミナーに関する、ご意見・ご質問などお問合せは、こちらからお気軽にどうぞ
みなさまのお声をぜひ、お寄せください!楽しみにしております!
情報サイト
- 血液 Wikipedia
- 白血球 Wikipedia
- 血島 Wikipedia
- 造血幹細胞 Wikipedia
- 血液について 日本血液製剤協会
- 血液の基礎知識 日本赤十字社
- 造血幹細胞とは 国立がん研究センター
- 造血幹細胞とは 一般社団法人 日本造血細胞移植学会
『Pure Medical attitude』過去のブログ
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Pure Medical attitude
生理検査アティテュード®
代表 かたよし純子 Junchan♪ ※自己紹介はこちらから
臨床検査技師/超音波検査士/健康管理士一般指導員/健康管理能力検定1級/介護予防運動指導員/米国NLP協会認定NLPトレーナー/臨床心理学 および 基礎エキスパート取得
今日も最後までありがとうございました。
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次回は2020年2月21日を予定しております。