元気&HealthのJunchanのblogにご訪問ありがとうございます。医療スタッフのメンタルパートナー かたよし純子です♪ 今週は、身体を作るための知識をまとめていきましょう。エネルギーとそのエネルギー代謝です。エネルギーとは、「仕事」を行なうための「力」のことですが、人間にとっては、生命の維持や生活活動には必要不可欠なものです。人の身体の構成成分という意味合いからのエネルギーをみていきましょう。つまり栄養学としてのエネルギーです。私たちは、口から食物を摂取した食物の成分(栄養素)を体内で分解して、作られたエネルギーを使って生命活動を行っています。今日はその1回目、体内でのエネルギーの発生の仕組みをまとめていきます。
1.身体の原動力 エネルギーを知るための 3つのポイント
1-1 エネルギーとは? エネルギー発生のしくみ
1-2 3種類のエネルギー代謝
1-3 1日に必要なエネルギー量とは
今日のプラスα
2.エネルギーのバランスをとる
3.エネルギーとしての食を通して自己を考える
1.身体の原動力 エネルギーを知るための 3つのポイント
1-1 エネルギーとは? エネルギー発生のしくみ
エネルギーとは?
栄養学では食品の燃焼熱をいう場合が多いです。またエネルギー代謝のように使い生体の中での食品成分の代謝により生成する熱や,化学結合や化学物質の量の総体をいう場合もあります。
【エネルギーとエネルギー発生のしくみ】
エネルギーとは、私たちの身体を動かす大切な活動の源であり、キロカロリー(kcal)の単位で表されます。
1kcalは1リットルの水の温度を1℃上昇させるために必要なエネルギー量です。
食べ物にはエネルギーのもととなる、3大栄養素、炭水化物(Carbohydrate)・たんぱく質(Protein)・脂質(Fat)が含まれています。
〔アウトウォーター係数:Atwater係数〕
口から摂取された栄養素が身体の中で発生するエネルギー量は、1gあたり炭水化物、タンパク質、脂質から、炭水化物4kcal、たんぱく質4kcal、脂質9kcalのエネルギーになります。この値をアウトウォーター係数といいます。食品の場合には消化吸収を考慮してこの数値を補正する必要があります。
アトウォーターのカロリー係数ともいわれ、食品のエネルギーの表示法で,ごく一般的に用いられている係数で、食品の燃焼熱かそれを摂取した場合、便に排泄される部分の燃焼熱と,尿に排泄される部分の燃焼熱を差し引いて求めます。
食品中の栄養素の含有量が分かれば、この値からその食品のエネルギー量を求めることができます。
食べ物のエネルギーは、主として各3大栄養素の重量(g)に1gあたりのエネルギーを掛けて合計したものが摂取されたエネルギーとなります。脂質が肥満の原因になりやすいといわれるのは、同じ1gでもたくさんのエネルギーを摂ることになるからといえますが、脂質に限らず3大栄養素はどれも、摂りすぎれば肥満の原因となります。
[炭水化物のアトウォーター係数]
同じ炭水化物でも容易にエネルギーとして利用可能なものと、最近良く聞く 難消化性炭水化物(植物繊維、糖アルコールなど)と言うものがあります。難消化性のものは小腸までは消化されず、大腸において菌などにより分解され吸収されるものなど、分解・吸収率に差があるものや、全く吸収されないものもあります。
通常の炭水化物は消化性といわれ、下記の4kcalは、この消化性炭水化物です。また、アルコールは、脂質に次いでエネルギー量が高いので注意が必要なことがお分かりでしょうか。
- 消化性(デンプン・砂糖など小腸までで吸収される)4kcal/g
- 難消化性糖質(糖アルコール、オリゴ糖など) 0~3kcal/g
- 食物繊維 0~2kcal/g
- エタノール(酒類) 7kcal/g
- 有機酸 3kcal/g
一部 ウィキペディアより抜粋
〔エネルギー発生のしくみ TCAサイクル〕
口から摂取した栄養素は、生命活動に利用するために、エネルギーという形にする必要があります。炭水化物は消化されブドウ糖となり、タンパク質はアミノ酸となり、脂質は脂肪酸とグリセリンとなります。ブドウ糖、タンパク質、脂肪酸とグリセリンとなった栄養素は、酵素、ビタミンB群が関与し、アセチルCoAという物質を経て、水・エネルギー・二酸化炭素を発生します。
アセチルCoAからエネルギーが産生されますが、この代謝は、細胞内のミトコンドリアの中、TCA回路(クエン酸回路)の過程で、体内の酸素、酵素、ビタミンB群と反応しエネルギーは産生されています。
<TCAサイクル>
1-2 3種類のエネルギー代謝
1日に消費するエネルギー代謝には大きく分けて、基礎代謝、身体活動代謝、特異動的作用(DIT量:食事誘導性体熱産生量)の3つがあり、その割合は、全体の基礎代謝60~75%、身体活動20~30%が活動代謝、特異動的作用が約10%となります。この3種類の代謝をまとめていきましょう。
【基礎代謝】
人は何もしないでじっとしている時、寝ていても、内臓の活動や体温維持などの生命維持活動にエネルギーを消費しており、その最低限必要なエネルギー量を基礎代謝と言います。いわば、生きている限り、エネルギーを消費しているということです。あたり前なのですが、ポンプを動かすためにはエネルギーが必要、心臓は、寝ているときでもちゃんと自分のために血液を送り続けてくれています。そこには、エネルギー消費されています。
人の基礎代謝に相当するエネルギー量は、1~2歳で最高値となり、一般的な成人男性で一日約1,500kcal、成人女性で約1,200kcal年齢とともに低下し、性別、体格、気温、体温、栄養状態などで変化します。
【身体活動代謝】
なんらかの活動をした時に体内で起こるエネルギー消費を活動代謝と言います。スポーツはもちろん、立ち上がる、座るなど、家事、労働、余暇活動など日常生活での自発的生活活動すべてが含まれます。
【特異動的作用:または食事誘発性熱産生DIT量】
3つめの代謝、「特異動的作用」の説明です。なんか聞き慣れないことばかも知れませんね。
〔食事「食べる」という行動にも身体はエネルギーが必要なのです〕
私の職員検診は毎年冬でした。朝食を抜いて寒い朝の出勤、より寒く感じる、そんな経験ないですか?食事をすると体が温まる、といったことを人は、日常の中で何気に感じませんか?
人は食物をとることによって、咀嚼、消化吸収という活動を体内細胞で行い、消費エネルギー量が発生しています。この代謝が亢進するため代謝エネルギー量は増加します。食物摂取により特異的に消費エネルギーが増えるためにこの名称がつけられたとのことです。
〔栄養素のよる熱産生の違い〕
特異動的作用は、摂取した栄養素により異なります。3大栄養素のうち、タンパク質は最もこの作用が強く、タンパク質を単独で摂取することで摂取エネルギー量の約30%は、特異動的作用として消費されるのに対し、糖質、脂質は約5%です。タンパク質がより熱産生の高い栄養素と言えるのはこのためです。
1-3 1日に必要なエネルギー量とは
ここまでお伝えしたように、人は、すべての生命活動にエネルギーを必要としています。1日に消費されるエネルギー量は、基礎代謝、身体活動代謝、特異動的作用のエネルギーの総和となります。
食べ物から得た栄養素の熱量源は、呼吸から取り込まれた酸素を使って体内の細胞(TCAサイクル)で酸化分解されてエネルギーを作り出し、最終的に二酸化炭素と水を体外に排泄します。
【基礎代謝量に影響する条件因子】
基礎代謝量に影響するさまざまな条件をまとめておきましょう
- 年齢 :体重1kgあたりの基礎代謝量は、1~2歳で最高となり、加齢とともに減少する
- 性別 :同じ体重では、筋肉量の多い男性の方が高い。ただし、妊娠後期は、増加する
- 気温 :夏よりも冬、気温が低いほうが高い
- 体温 :体温が上昇すると増加する
- 栄養状態:低栄養時は減少する。低栄養とは、長期間の食物摂取不足、無理なダイエット、偏った食生活
【基礎代謝量と身体活動レベルと指数】
自分自身の1日に必要なエネルギー量を計算してみましょう。下記の計算式で求められますが、初めに自分自身の基礎代謝量を求めます。
基礎代謝基準値を下記の表を見て、体重を掛けたものが基礎代謝量になります。
- 基礎代謝量=基礎代謝基準値(kcal)×体重(kg)
※基礎代謝基準値:下記の表参照
さらに求めた、基礎代謝量に自分に見合う身体活動レベルを掛けたものが、1日の必要エネルギー量です。
- 1日の必要エネルギー量=基礎代謝量(kcal)×身体活動レベル
※身体活動レベル:下記の表参照
<基礎代謝基準値と身体活動レベル指数>
年齢による必要な基礎代謝量の変化は基礎代謝基準値をみると、年齢による基礎代謝量の変化は、明確です。加齢とともに必要なエネルギーも減少します。若い頃と同じような食生活は、すべて身についてしまうということもよく分かるのではないでしょうか。運動量の変化ばかりか、基本的に消費されるエネルギー量が減少しているのです。
2.エネルギーのバランスをとる
エネルギーバランスとは、「摂取エネルギー」と「消費エネルギー」この2つのバランスです。
【エネルギーと体重管理のバランス】
体重は、エネルギーの過不足の状態を表します。
「摂取エネルギー=食べる」と「消費エネルギー=運動量」この関係性が、エネルギーバランスとして定義されます。この収支が安定すると一定の体重がキープされます。アンバランスの時は、肥満や痩せといった状況、体重の変化となって表れます。まずは体重を目安にして、摂取エネルギーと消費エネルギーが適切かチェックすることが健康管理の基本となります。
食事記録から摂取したカロリー量を把握することは意外に難しいようです料理名からでは食材、調味料など実際のエネルギー量は、分かりません。食欲のある日と、無い日と食べた量も影響します。その日の運動量も関係してきます。体重での判断がいちばん適切な判断方法となります。
健康の維持、増進、生活習慣病予防の観点からは、摂取量が必要量を過不足無く充足するだけでは不十分です。望ましい体重を維持する摂取量や消費量であることが重要だといえます。
成人の場合は、以前にもお伝えした Body Mass Index(BMI)を標準として、用いることがよいでしょう。成人は、大きな身長の変化がないことから、身長の違いを考慮した体重管理が出来ます。
〔身体にとってのエネルギーの働き〕
生命活動を維持し、生活を営む力になります。体温の維持、運動、思考などといったすべての生命活動は、エネルギーを使って行われます。
燃料として貯蔵されています。使い切れなかったエネルギー源は主に中性脂肪に変えられ、体脂肪として蓄えられます。体脂肪は必要に応じて分解されエネルギーになるため、飢餓に備えるために重要なものですが、これが蓄積されすぎた状態が肥満です。
〔エネルギーが不足すると〕
エネルギーが不足すると全身の機能が低下し、痩せすぎや疲労につながります。やせ、疲労、体力低下などの症状があらわれます。
〔エネルギーを摂りすぎると〕
エネルギー過剰になると、肥満やメタボリックシンドローム、肥満、糖尿病、脂質異常症、高血圧症、動脈硬化などその他の生活習慣病につながります。
肝臓に脂肪が蓄積されると脂肪肝となり、肝臓の機能低下を起こすこともあります。さらにエネルギーを過剰に摂り続けていると、やがて体が処理しきれなくなったエネルギー源が血糖、中性脂肪、コレステロールなどの形で血液中にあふれてメタボリックシンドロームを引き起こし、動脈硬化、心筋梗塞や脳梗塞などの原因になります。
3.エネルギーとしての食を通して自己を考える
すべてのものにはエネルギーがあります。あたり前なのですが、意外に感じていないのではないでしょうか。言い換えると、生命体すべてにエネルギーが存在します。動物はもちろんのこと、植物にもエネルギーはあります。植物は細胞分裂を繰り返し、茎を伸ばし、葉を繁らし、光合成を行い地球の酸素を作り出してくれている。私たち人間にも新鮮な酸素と癒しを与えてくれています。
人は意識すること無く、身体の中では生命を維持するために細胞分裂を繰り返し、常に新陳代謝が行われています。「あっ!分裂した」そんなことを感じる人はいないだろう。自分を作っている60兆個、最近は37兆個に変更されたとか…いずれにしても想像しきれない数字なのではないでしょうか。そんなことを考えている人は何人いるのでしょうか。でも、常に新しい細胞が生まれ変わっているということを意識してみること、昨日の自分と今日の自分は同じではないのです。常に新たな細胞とともに成長し、新たなエネルギーを生み出しています。
そのエネルギーを産生するための細胞を作るために食は大切です。口に入れた栄養素から身体の細胞が作られていると感じている人は少ないと思います。でも、そのことを意識することで、食に対する意識、考え方が変わってきたことを私自身が感じています。食生活を見直し、生活習慣を見直す、人間はそのことを自分自身のこととして考え、選択肢、自分の意思で決めることができます。
今からでも自分の生活を省みることの大切さを感じています。自分の身体に感謝し、自分自身の未来を見据える心、社会に対してどのように自分の役割を果たすのか、今からでも考える事の大切さを感じています。
次回は、食欲についてお話していきたいと思います。
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今日のまとめ
- 1gからのエネルギー、炭水化物4kcal、たんぱく質4kcal、脂質9kcalそして、アルコールは、7kcalもある。
- エネルギー代謝は3種類、食事のエネルギー消費活動、よく咀嚼することも大切。
- 若い時とエネルギー消費は、同じではない。年齢とともに基礎代謝量は減少していく。
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<関連サイト>
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