元気&HealthのJunchanのblogにご訪問ありがとうございます。医療スタッフのメンタルパートナー かたよし純子です♪

先週2回、「ねばならない」の負担増で時間不足、ややストレス状態と自己判断して、ブログをお休みをする決断をしました。「無理をして健康ブログを投稿しても意味がない」との自己判断の結果です。メンタルトレーナーであり健康管理士であるからこその自己判断です。おかげさまでスッキリと課題をクリアいたしました。さて、今日は、予定していた残りの「身体がみえる臨床検査」の5回目の必ず行う手術前検査をまとめていきたいと思います。治療の過程で手術が必要となることもあります。基本的な臨床検査技師が担当する術前検査について説明していきましょう。

 

1.どうしてやるの、術前検査 

1-1 細心の術前チェック、術前検査の目的と種類とは 

1-2 感染症、血液型 輸血の前クロスマッチ    

1-3 必須項目としての意味 心電図・呼吸機能検査 

 

手術前には、さまざまな検査が行われます。血液検査は、前回説明した基本的な血液一般検査に加え、感染症血液型心電図呼吸機能検査胸部レントゲンなど必ず術前に行われる検査があります。それらの検査に加えて、手術の目的や被検者の病歴、基本検査の結果でさらに必要な検査が加えてられます。例えば、がんの手術前には、転移の有無を調べるためにさまざまな画像診断が追加されたりします。

1-1 細心の術前チェック、術前検査の目的と種類とは    

血液検査は、健康診断で行なわれるふるいわけ検査ほぼおなじと捉えてもらっても良いかも知れません。術前スクリーニング検査とも呼ばれ、手術前の患者さんの全身状態を把握し、手術による合併症発症リスクを予測します。このスクリーニング検査(血液検査の項目が多少異なる場合があります)について説明します。

スクリーニング検査の結果からさらに追加の検査や、スクリーニング検査とともに、手術の目的に応じて、特殊な検査が追加されます。どの手術を受ける場合でも、貧血の有無を確認する血液一般(血算)、血液型、健診でも行なわれるような生化学的検査(肝機能・腎機能・脂質代謝機能)、感染症の採血を行う検査、生理検査の心電図、呼吸機能検査、胸部レントゲンは必ず行なわれる検査かと思います。ここでは、レントゲン以外の検査、臨床検査が扱う検査について説明していきたいと思います。

【採血検査】

血液一般検査、生化学的検査(肝機能検査、脂質代謝機能検査、腎機能検査 etc)これらの項目の詳細は、項目の詳細は、先週のブログをご参照ください。

〔血液検査一般検査・血算〕

血液の基礎疾患のチェック、感染の有無、貧血の有無を確認します。身体の中の炎症の有無、手術による出血が予想される場合は、事前に輸血の準備をすることもあり、そのためには必須の検査です。

〔ABO式血液型 Rh式血液型〕

血液型は、入院時にも行なわれますが、身体に対して手術が行なわれる場合は、さほどの出血が予想されない場合でも、予想外の緊急の場合想定して必ず血液型は、検査されます。前回の検査から半年が経過した場合は、感染症検査とともに、再度検査をおこないます。

また、輸血が必要となった場合に行なわれる、交差適合試験の前にも、交差適合試験の一貫としてABO式・Rh式血液型は、交差適合試験が行なわれる検体で確認しています。ダブル、トリプルチェックの意味合い、交差適合試験の検体で最終的に血液型にも誤りがないかの意味もこめられています。

〔生化学的検査 肝機能、腎機能、脂質代謝機能〕

おもに、健診などで行なわれる基本的な生化学的検査と同様です。詳細は、前回のブログをご参照ください。基礎疾患の有無や手術前の身体の状態を知るために大切な検査です。炎症反応(CRP検査)なども含まれ、治療対象となっている疾患の状態を知るためにも必要な検査です。検査結果を確認後必要な検査がさらに追加される場合もあります。

〔感染症検査 HBV、HCV、HIV、梅毒〕

術者および医療職員、他の患者さまへの安全のために必要な検査となります。血液を介して感染をするために、血液と接触する可能性がある職員の感染を防ぎ、職員を介して他の患者さまへの感染を防ぐために必ず行われます。医療関係者は、感染のリスクが高い、針刺し事故には十分な注意が必要とされています。

このような基本の術前検査に加えて、腫瘍マーカーなども追加されることもあるかと思います。術前に疾患の状態を把握するために必要な検査が追加されます。

 

1-2 感染症、血液型 輸血前のクロスマッチ(交差適合試験)    

手術前に必ず行なわれる検査についての説明を加えておきましょう。

感染症、血液型、そして手術中のもしもに備えて輸血の準備もされることがあります。その際に行なわれる交差適合試験の説明をしていきましょう。

 

【感染症検査】

術前感染症検査、「感染症」といわれている血液検査があります。肝炎の原因となるB型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HVC)、AIDS(エイズ)の原因となる「HIV:ヒト免疫不全ウイルス」、「梅毒検査」を測定します。

〔HBV:B型肝炎ウイルス〕

B型肝炎ウイルス(HBV)は、B型肝炎の原因となるウイルスで、1964年にオーストラリア抗原として発見されました。B型肝炎に対しては1985年に母子感染予防対策が確立し、2000年には核酸アナログ製剤が治療法として導入され、現在ではインターフェロン(IFN)製剤と核酸アナログ製剤を用いることで、B型肝炎はウイルス増殖を抑え、肝疾患の進展を防ぐことが可能になってきています。

〔HCV:C型肝炎ウイルス〕

C型肝炎ウイルス(HCV)は、C型肝炎の原因となるウイルスです。HCVに感染して、C型慢性肝炎(6ヵ月以上肝炎が続いている状態)になると、症状がなくても肝細胞の線維化はゆっくり進行し、肝硬変へと移行します。肝がんが発症するリスクもあがりますので、肝硬変や肝がんに進展する前に、感染がわかった場合は、速やかに治療を開始することが大切です。HCVは、血液や血液がまじった体液を介して感染します。

〔HIV:ヒト免疫不全ウイルス〕

HIVは、後天性免疫不全症候群:(Acquired immune deficiency syndrome, AIDS(エイズ))の原因となるウイルスです。HIVが免疫細胞に感染し、免疫細胞を破壊して後天的に免疫不全を起こす疾患で性感染症の1つで、感染経路は、性行為のほか、血液感染や、母子感染が主である。

 

感染症検査としては、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、梅毒などです。HIVの検査は、非常にデリケートな問題を含むために、検査に際しては、検査承諾書が義務付けられています。そして、検査結果もその取扱には、プライバシーの保護に十分配慮が求められるよう厚生労働省から指示されています。陽性の場合には、公共機関での検査・カウンセリングを受けられる施設があります。

もし、HIVに不安がある場合は、検査を受けることも可能です。上記のリンクにアクセスしてみてください。

〔梅毒検査〕

梅毒とは、スピロヘータの1種である梅毒トレポネーマの感染症です。第一感染経路は性行為で、性病とされていますが、妊娠中、出生時の母子感染による先天性梅毒もあります。1940年代のペニシリンの普及で発症は劇的に減少しましたが、1999年では90%以上は発展途上国での感染ですが、2000年以降、多くの国々で感染率が増加しつつあり原因は、危険な性行為に起因し、2010年から患者数は増加傾向にあります。

 

【血液型】

赤血球の表面には250種以上の表面抗原があります。その中でもABO式血液型がいちばん馴染みのある血液型ではないでしょうか。ここでは、必ず術前検査として行なわれるABO式、Rh式血液型を簡単に説明しておきましょう。

〔ABO式血液型〕

血液型の分類法の一種、ABO式血液型とは、A型、B型、O型、AB型の4型に分類されます。A/B型抗原は、赤血球の表面抗原の中でも代表的な抗原となります。赤血球が持つ抗原の種類により、ABO式血液型が決まります。ABO式血液型を決定する対立遺伝子はA、B、Oの3種類で、遺伝子型はAA、BB、AB、AO、BO、OOの6種類となります。

  • A型  赤血球表面にA抗原がある
  • B型  赤血球表面にB抗原がある
  • AB型  赤血球表面にA抗原とB抗原の両方がある
  • O型  赤血球表面にA抗原、B抗原ともに無い
ABO式血液型検査

検査には、オモテ試験とウラ試験があります。

オモテ試験とは、患者血球に抗A抗体(A抗原に対する抗体)、抗B抗体(B抗原に対する抗体)をそれぞれ反応させ、凝集の有無を確認します。

  • A型  患者血球+抗A血清 凝集(+)、抗B血清 凝集(-)
  • B型  患者血球+抗A血清 凝集(-)、抗B血清 凝集(+)
  • O型  患者血球+抗A血清 凝集(-)、抗B血清 凝集(-)
  • AB型  患者血球+抗A血清 凝集(+)、抗B血清 凝集(+)

 

ウラ試験は、患者血清中の抗体の有無を確認します。患者血清にA血球、B血球を反応させます。

  • A型  患者血清+A型血球 凝集(-)、B型血球 凝集(+)
  • B型  患者血清+A型血球 凝集(+)、B型血球 凝集(-)
  • O型  患者血清+A型血球 凝集(+)、B型血球 凝集(+)
  • AB型  患者血清+A型血球 凝集(-)、B型血球 凝集(-)
ABO blood type
<ABO blood type>

 

〔Rh式血液型〕

赤血球の抗原にアカゲザルと共通があることが発見されこの抗原がD抗原となります。Rh式血液型は、このD抗原の有無によって2つに分類されます。Rh抗原はD抗原以外に一般的に知られているのは、C、c、E、eなどがありますが、簡単に表現するとD抗原をもつ赤血球をRhプラス、またはRh陽性、持たない赤血球をRhマイナスまたはRh陰性となります。

D抗原をもたないRh陰性は、人種によって異なり白人の頻度が15%で、日本人は0.5%と低い割合になります。日本人でRh陰性の人は200人に1人、上記で説明したABO式のAB型は10人に1人のため、AB型でRh陰性の人は2,000人に1人となり希少な割合になることがおわかりいただけますでしょうか。

Rh式血液型 検査

患者血球+抗D抗体

試験管に患者血球に抗D血清を滴下し、凝集の有無を確認します。凝集がみられると、患者赤血球の表面に抗D抗体に反応する抗原が存在することになるためRh陽性・Rh(+)となります。

 

血液検査で術前状態の正確な把握ができ、手術で出血が予想されるかもしれないと予測される場合は、輸血の準備もされます。そのための検査も行なわれています。手術の説明を医師から受けた時に、手術承諾書といっしょに、輸血の承諾書にも署名されたことがあるのではないでしょうか。

 

【交差適合試験 クロスマッチ】

輸血の前にかならず行なわれる交差適合試験・クロスマッチという検査をおこなっています。輸血される供血者血液が、受血者・患者さまの血液に適合するか否かの検査です。ABO式、Rh式が合っていれば輸血は安全だということにはならないのです。

受血者・患者血液と供血者血液を試験管の中で合わせて凝集がないかどうかを検査します。この検査を交差適合試験・クロスマッチといいます。輸血に伴う副作用を未然に防ぐために行われます。受血者(患者血液)の赤血球の表面には、ABO式以外にも多くの抗原(血液型)があります。供血者の血液中に受血者の血液型に反応する抗体があるかないかを調べます。

交差適合試験には、主試験と副試験とがあります。

  • 主試験 受血者血清 + 供血者血球

受血者血清中の中に、供血者血液に対する抗体の有無を確認する

  • 副試験 受血者血球 + 供血者血清 

供血者血清中の中に、受血者血球に対する抗体の有無を確認する

ともに、陰性・凝集(血液の固まり)が見られなければ適合となります。どちらかの試験に凝集がみられる場合には、別の供血者血液で再度検査をいたします。しかし、緊急時ではこの限りではありません。

交差適合試験の前にも、交差適合試験の一貫としてABO式・Rh式血液型を行っていると、前項でお伝えしましたが、血液型は、変わることがあるからです。輸血される日赤から届けられた輸血パックのパイロット(検査用チューブの血液)のABO式も確認していますし、交差適合試験が行なわれる患者検体の血液型の再確認の意味もあります。

ABO式血液型は、変わることがあるのをご存知でしょうか。サスペンスドラマのネタのようですが、血液型も変わることがあるのです(笑)だから犯罪捜査ではDNAで親子鑑定を行うのでしょうが…骨髄移植や血液疾患など特殊の場合がほとんどですが、乳児の場合は、赤血球状の抗原が弱く、検査反応が弱い場合もあるからです。そのため、幼少期に言われていたABO式血液型と異なることもありえるのです。輸血は、臓器移植と同じだと私は思います。

 

1-3 必須項目としての意味 心電図・肺機能検査・その他の検査

こちらも「健診で行われる生理機能検査」で説明した心電図と肺機能検査です。

【心電図検査】

心臓の機能検査として、心電図(安静時12誘導)はとても有効です。何も自覚症状がない場合でも、心電図に変化として現れることがあります。「痛み」という感覚も人によりその感じ方はさまざまです。特に糖尿病疾患がある方は、痛みに対して感じにくくなっている場合もあります。何となく、そう言えば…くらいの胸の重苦しさで、心筋梗塞の既往を示唆する波形がみられる、今まで多くの方の心電図を検査する中でこのような経験も少なくありません。

不整脈にもさまざまな原因があり、治療対象とならないものから、重篤な不整脈までさまざまです。

心電図検査は、不整脈の発見や上記のような無痛性の心筋梗塞のような心臓の既往症の発見にもつながります。隠された心疾患を事前に把握、予想することで、事前にそのリスクを考えて対応することも可能となります。身体にメスを入れるということは、患者さまの心と身体にとって大きなストレスです。どのような反応が起こり得る反応を予測するためにも、事前の検査は必須です。その起こり得る生体反応を知るためにも術前の身体の状態をしっかりと把握するためにも術前の生理機能検査は必須なのです。

心電図に何らかの異常が得られた時や、既存の心疾患がある場合には、必然的に心臓超音波検査(心エコー)は、必ず追加される検査となります。

〔心臓超音波・心エコー〕

胸にプローブ(探触子)器械をあてて心臓を超音波で観察します。心臓の動きを観察し、心臓の弁の逆流の有無、得られる画像から、さまざまな心機能を数値化し推測評価します。超音波検査は、非侵襲的に痛みも探触子で押されるための軽微な痛みのみ、10~20分程度の時間で比較的手軽に出来る検査です。その割には非常に情報量の多い検査です。リアルタイムで情報が得られる優れものだと私は思っています。

 

【肺機能検査】

健康診査で行うこともある肺機能検査です。先週の健診検査の生理機能で肺活量や努力性肺活量を説明致しましたが、肺の呼吸容量や1秒率から肺の疾患の有無を知ることが出来ます。

手術後の呼吸器疾患の合併症予測などにも役立ちます。全身麻酔の手術では、麻酔科医が呼吸管理を行うためには、必須です。術前に必ず麻酔科医は、患者さまの術前検査を確認していますが、呼吸管理のために肺機能を知ることは必然となります。

〔肺活量・努力性肺活量〕

肺の容量や、肺疾患など肺機能の異常の有無を検査いたします。喫煙者や喫煙経験者などは、COPD(慢性閉塞性肺疾患)のリスクが高く、呼吸機能の低下も予想されます。喘息などの疾患がある場合など肺の状態を把握しておく必要があります。この検査も目一杯の努力が必要なのでちょっと頑張ってうけてください。検査の方法は、前回のブログをご確認いただけたらと思います。

 

【その他の生理機能検査・その他の検査】

上記以外の、よくやる検査も簡単にまとめていきましょう。

〔胸部レントゲン〕

胸部レントゲン検査も必ず行われます。

私は、レントゲンの知識は乏しいので、専門家におまかせですが、肺や気管支の炎症、腫瘍が見つかることもあるようです。心臓の大きさもみえますの、心拡大が見つかることもあります。心エコーの際には、胸部レントゲンの確認は必須です。

〔腹部超音波検査〕

がんの手術の際には、全身の転移の有無を確認するために、CT・MRIなどとともに腹部のスクリーニング検査もほとんどの場合検査依頼があります。超音波検査は、先程お伝えしたように、簡単な割には、見えれば得られる情報はかなりのものなのに、レントゲンなどの被爆リスクがありません。胃や大腸などの消化管疾患ならば、病変部位の状態、その周囲への浸潤状態、周囲リンパ節の転移なども確認します。

がんの転移には、血行性転移、リンパ行性転移、播種性転移、浸潤 の4種類の方法で転移します。

  • 血行性転移

血行性転移とは、がん細胞が血管から血液を介して全身の他の臓器に病巣を作る転移です。静脈を介して転移する、大腸がんの肝臓への転移の有無の確認には、腹部超音波は必須です。

  • リンパ行性転移

リンパ行性転移とは、原発のがん細胞が周囲のリンパ節に転移し、リンパ管を介して遠隔のリンパ節への転移です。やっかいながんの転移のほとんどが、このリンパ行性転移であると言われているそうです。消化器系のがんで、超音波検査で病巣部が描出でき部位ならば、その周囲のリンパ節の確認も必須です。

  • 播種性転移

播種性転移とは、種を蒔くようにがん細胞が腹腔内・胸腔内に散らばっていく転移です。内臓と腹膜、胸膜の間に腹腔や胸膜という隙間があります。この隙間の中に、がん細胞が増殖して、腹腔や胸腔内に種を蒔くように広がっていくのが播種性転移です。胃がんや肺がんなどでよく見られる転移です。超音波検査では、腫瘤周囲の水(腹水・胸水)のチェックも必ずおこないます。

  • 浸潤

がん病巣に接する周囲の臓器に染み入るように拡がっていきます。すい臓がんなどの十二指腸、胆のう、肝臓などへの浸潤など、超音波検査で病変の周囲境界が保たれているか否かの確認は、非常に大切な検査となっています。

ここでは、主に腹部に関しての説明を致しましたが、肺がん、乳がん、甲状腺がんなど他の胸部や頸部の場合も同様です。超音波でがん病巣部位が確認出来る場合には、周囲のリンパ節、浸潤の有無の確認は欠かせないことだと私は思っています。超音波検査の良いところは、直接臓器の確認がなされるところです。リアルタイムで状態を把握することができるということです。

〔頸動脈超音波〕

心臓手術の場合や、過去に脳血管疾患の既往がある場合(脳卒中、一過性脳虚血発作(TIA)など)には、頸動脈超音波検査が行なわれることもあります。

頸動脈に生じたプラークや血栓が脳梗塞などの原因となることが多いようです。リスクのある場合は、これらの確認も必要な術前検査の1つとなっています。頸動脈を確認することで、動脈の状態を直接リアルに確認することができます。

〔整形外科術前検査:Dダイマー、DVTスクリーニング検査〕

近年、整形外科領域の術前検査でDダイマーの測定を行い、陽性者に対してDVTスクリーニング検査が行なわれるようになっています。

D-ダイマー (D-dimer) とは、血液検査において血栓症の有無に用いられる血液検査です。深部静脈血栓症( Deep vein thrombosis; DVT)のときに高値となり、下肢静脈の血栓の有無のスクリーニングとして実施されます。

整形領域の手術、とくに最近増えている大腿骨頸部骨折の術前スクリーニングには検査される項目です。術後の肺塞栓症の発症リスクの有無の確認です。

肺塞栓症(Pulmonary embolism; PE)とは、下肢や上腕その他の静脈(大腿静脈など)に生じた血栓(血のかたまり)が血流に乗って下大静脈・右心房・右心室を通り、肺へ行きつき、肺動脈に塞栓として詰まった状態を言います。多くの場合が、下肢静脈にあるヒラメ筋(ふくらはぎ)で血栓が作られ、肺塞栓症の原因となるとされています。

深部静脈血栓症ということば、エコノミークラスの狭い機内座席で、長時間同じ姿勢を取り続けていることで発症し、肺塞栓症という重篤な状態を引き起こす原因として、エコノミークラス症候群という名称とともに知られているのではないでしょうか。さらに、震災後の被災された方々が、狭い車内などで過ごすことで同様の深部静脈血栓を生じてしまうリスクが上がることとして注意喚起を促されたことでも話題になっています。

高齢者に多い、骨粗しょう症からの転倒での大腿骨頸部骨折の頻度があがっています。このような高齢者の術後に肺塞栓症を併発し、緊急事態になることも少なくありません。事前の術前検査でそのリスクを確認することも必須となっています。そのためのリスクファクターの確認としてのDダイマーの測定が行われ、高値の際には、DVTスクリーニング(下肢静脈超音波検査)も術前検査としてよく行なわれるようになっています。産婦人科領域の術前検査としても同様に検査されるようになっています。

肺塞栓症は、命に関わる非常に重篤な疾患です。肺動脈が詰まるとその先の肺胞には血液が流れず、ガス交換ができなくなります。すなわち、息苦しさや吸気での鋭い痛みを生じ、失神、ショック症状など、最悪、死に至る場合もある疾患です。

高齢者の術後は、筋力の低下も多く、出来るだけ早い時期での離床が望まれます。

〔よく追加される検査〕

術前の状態に応じてCT検査、MRI検査などの画像診断が追加されることもあります。手術の対象となる疾患の原因検索の一貫としての検査です。その原因疾患の種類によって行う検査も様々です。心臓の病気なら心臓エコー、CT検査は必須です。胃や腸などの消化器疾患ならば、胃カメラや大腸内視鏡検査は必ず行なわれます。

 

2.手術前には、麻酔科医師による診察があります

手術に際して全身管理をしてくれるのは、麻酔科医です。そのために術前には必ず麻酔科医の診察と説明がなされているのではないでしょうか。術前の麻酔科医の診察では、麻酔に対する不安や心配なことは遠慮なく質問をするようにしましょう。

麻酔科医師は、全身状態の把握と診察、そして問診などを行います。術前スクリーニング検査で得られた結果を基に、患者さんが受ける手術に関連した内容の質問もしていきます。検査結果を判断し、問診などを含め、さらに必要な情報も必要な場合は、検査が追加されることもあるかもしれません。そして、追加された検査の結果についても不安なことがある場合は確認すること、不安もきちんと質問することで、事前に解消しておくことが、医師に対しても信頼度が増すことにつながり、手術に向かうためには大切な術前準備になると私は思います。

自分の今までの既往症で不安なことがあれば、事前に伝えておくことも大切です。

手術歴や既往症(糖尿病や高血圧症)、合併症、アレルギーの有無、今までの麻酔のときの副作用などを伝えることは必須です。事前に看護師さんに伝えてあっても、直接麻酔科医に伝えることも大切な場合もあります。

 

3.手術の前の承諾書

手術の前には、患者本人、患者家族としてさまざまな説明を受け、さまざまな承諾書に署名捺印を求められることかと思います。そのような場面で説明を受けたことが、今までに何度か有るのではないかと思います。医師の説明、きちんと理解されていますか?説明された内容がきちんと分かりますか?

私自身の、今まで両親の入院時~手術、外科的処置、輸血同意書、検査前など、などさまざまな説明を受けました。

診察時の病状の説明、治療方針、検査説明、それらの説明を受け理解出来ていますか。わからない場合、きちんと追加説明を求めていますか。私には、医療知識がありますし、それなりに理解もできます。そして、私は、担当の医師や看護師さん方には、医療者であることを告げています。

そのような状況だと医療に対して理解力のある私に向かい、私レベルの説明をされる医師もいらっしゃいます。さまざまな医師がいます。でも私の希望は、医療知識の少ない兄や姉に対して分かる言葉で噛み砕いて説明して欲しい、そう願います。説明が一通り終わった後に私は、必ず兄や姉に「わかった?」と尋ねるようにしています。でも、けっこうそこに「遠慮」が有るのです。いい先生だし、何となく分かるけど、先生の言われたようにしていれば良いのかな…そんな、ニュアンス的なことばを後から聞きます。

大切な家族の身体・命に関わる説明です。私と兄、姉とともに感性がことなります。受け止め方も、感じ方も、さまざま、両親に対する思いも、感情も異なります。だからこそ、しっかりと自分で理解し、判断できるまで医師に確認して欲しいと思います。そして、嫌なことははっきり伝える。別の選択肢の有無を確認することが大切だと感じました。

今から1年前のことです。呼吸停止し蘇生されたときのこと、その時の選択を迫られたときの状況を今でも思い出します。検査データーを見て、父の状態を見て、私の今までの知識を通して感じている医師の話の受け止め方と、兄や姉の感じ方はきっと異るものだったかと思います。

今までも、時々兄の言葉に「はっとさせられる」ことがあります。自分の思考が半ば医療者目線の思考にスライドしている、医療者思考で考え解釈していること、そして、家族としてとらえたときに「はっとさせられること」が度々あるのです。ことばを変えると、目線を変えること、医療者目線を患者家族、医療を受ける側の目線、態度、心を受けとめることの必要性を強く感じる一瞬だということです。

 

【生理検査アティテュード】 生きるということ

この「はっとする感覚」この姿勢こそが、これからの生理検査に必要なベースだと思っています。ますます高齢化する時代、医療を必要とする年齢も上がってきていることを実感しています。医療者にありがちな目線をフラットに、より原点に戻すことが望まれていることを私自身が感じました。自分の家族、大切な人がどう扱われたいのか、ということです。

父が亡くなる数日前のこと、無意識に点滴などを抜いてしまっていたのでしょうか。ミトンを付けられている姿を見たときには涙が止まりませんでした…。私の顔をみると、すぐに取ってくれと訴えていました。ケアが大変なのはよくわかります。でも、私がいる間だけは、外してくださいとお願いしました。

死生学を学び、改めて生きることを考える時、点滴を抜いてしまったのならそれもよいのではと…今ならそう思います。

 

今日のまとめ

  • 手術の前のスクリーニング検査は、術後の全身管理には非常に大切な検査です。
  • 安全な輸血は、血液型はもちろん、かならず行なわれる交差適合試験があるからなのです。
  • 感染症も血液型も術前には、必須です。ABO式血液型も変わります。

 

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