元気&HealthのJunchanのblogにご訪問ありがとうございます。医療スタッフのメンタルパートナー かたよし純子です♪ 4月春、新年度のスタートです。今年は桜の開花が早く、入学式には早くも成長した桜が新たなスタートを迎えてくれているのでしょうか?Pure Medical attitudeも心機一転、お読み戴けますみなさまの笑顔につながる健康情報ブログを発信していきます。これまで以上にご訪問戴けたらと思います。今週のテーマは「大腸疾患」、初回は、大腸の機能と機能障害から発症する「過敏性腸症候群IBS」です。IBSは、心身症としてストレスとの関係性が指摘されている症候群です。そして今日のプラスαでは、ストレス対処方法です。
1.ストレスから?!大腸の心身症IBS理解への3ステップ
1-1 ステップ1 大腸を知るための、位置・構造・機能を知る
1-2 ステップ2 心身症につながる機能異常
1-3 ステップ3 過敏性大腸炎 IBSとは?その症状・原因
今日のプラスα
2.過敏性腸症候群への対処方法、そのストレスの原因は?
3.虫垂にも意味がある!盲腸も大腸です♪
1.ストレスから?!大腸の心身症IBS理解への3ステップ
大腸は、消化機能を担う消化器官の一部です。
1-1 ステップ1 大腸を知るための、位置・構造・機能を知る
大腸は、小腸から続き、未消化物のドロドロ状態である内容物の水分吸収を行い、便を作る消化器官です。大腸内部の腸内細菌が未消化物を発酵により消化による分解して、老廃物の排泄を直腸へとつなげています。体内に吸収されずに未消化となった物は、便として形成されますが、その老廃物が排泄されるまでの間の貯蔵庫でもあります。
【大腸の位置と名前】
人の腸は、全長約7~9m、そのうちの小腸のほうが長く、2/3が小腸、残り1/3が、大腸になります。大腸の長さは、約1.5mで、小腸の回腸からつながり、盲腸、結腸、直腸、そして肛門から大腸で固形化された便は体外へ排泄されます。結腸とは、盲腸からつながる部分となり、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸とに分けられています。 ※下記、イラストご参照ください。
上行結腸、下行結腸,直腸などは後腹壁に密着しているために移動性がほとんどありません。しかし、横行結腸、S状結腸は、腸間膜に包まれていてこの腸間膜が捻れると腸捻転を引き起こすことになります。
〔盲腸と虫垂〕
大腸の始まりの部分の部分で、右下腹部に位置します。盲腸の部分に回腸が開口し、この部分を回盲部と読んでいます。大腸の壁に回腸の一部が差し込まれたような形状で、回盲弁が(回腸弁)あり、大腸の内容物が小腸への還流を防止してくれています。また、この盲腸から虫垂が突出し、俗に言われる右下腹部痛の疾患「盲腸」といわれる炎症を起こしている部分「虫垂炎」となります。
〔上行結腸〕
盲腸からつながり、右側を上行している部分を上行結腸といいます。肝臓の下面で左側へ曲がり横行結腸につながります。
〔横行結腸〕
上行結腸から屈曲してつながる横行結腸は、そのまま左横へ向かい脾臓の下端で下向きに曲がり下行結腸につながります。
〔下行結腸〕
下行結腸は、腹部左側を下行し、左下腹部でS状結腸へとつながります。
〔S状結腸〕
S状結腸は、可動性に富み、大きくS字に弯曲するように走行し、直腸につながります。
〔直腸〕
第3仙椎(S3)の高さで、S状結腸から続き、仙骨の前面を下行して肛門につながります。
仙骨は、脊椎の下部にある大きな三角形の骨、骨盤上方後部の位置、上部は腰椎の最下部と結合し、下部は尾骨と結合している部分となります。
【大腸の構造と運動】
大腸の内壁は、内側から粘膜、筋層、漿膜の3層で構成され、小腸よりも径は太いですが、壁は比較的薄く、小腸とは異なり絨毛が無く、粘液を分泌する胚細胞が多数あります。
肛門の部分は、重層扁平上皮で覆われ、結腸部分の外側には結腸ヒモを形成しています。
〔肛門を閉じる筋肉〕
肛門の筋肉は、輪形状を持つ内肛門括約筋を形成して、さらに横紋筋となる外肛門括約筋があります。内側は反射的肛門を閉じ、外側は随意に肛門を閉じる機能を持っています。
【大腸の運動】
動きには胃の運動のところでも説明した、蠕動運動、分節運動や、逆蠕動も行っていますがその動きは弱く内容物は停滞することがあります。この蠕動運動、分節運動と逆蠕動運動により内容物をある一定時間とどめておくことで、効率的に水分吸収ができる仕組みになっています。
大腸は、副交感神経が動きを促進させ、交感神経が抑制に関与しています。日常リラックス状態でお腹がグルグル鳴るときがあり、恥ずかしい思いをしたことがある方もいるのではないでしょうか。そんなときは、副交感神経優位の状態で、リラックスしている状態とも受け取れます。
〔胃大腸反射とは〕
食事を摂取し胃の中に食物が入ることで刺激を受け、横行結腸からS状結腸にかけて強い蠕動が起こり便をS状結腸から直腸へと送り出します。この便意を胃大腸反射といいます。この排便を促す排便刺激を頻回に我慢すると、直腸の反射が鈍くなり便秘の原因にもなります。日常、朝食摂取後に便意を感じるのはこの反射となり、赤ちゃんが授乳後によく排便することもこの胃大腸反射のためとなります。
【大腸の機能】
大腸の消化管としての消化機能は、腸内細菌による難消化性成分となる食物繊維の発酵と一部の栄養素の吸収、そして水分の吸収となります。食事をしてから便として肛門から排泄されるまでに約24〜72時間かかります。栄養分が吸収された後の食物は大腸に送られ、大腸内部を移動しながら水分が吸収されていきますが、この水分吸収が上手くいかないと下痢を引き起こすことにもなります。
大腸に多数みられる粘液を分泌する胚細胞は、大腸壁の保護や内容物の送る働きを促しています。腸内細菌の活動により生成されるビタミンがあるとされています。
大腸での物質分解は、大腸菌を始めとする常在菌が担っています。アミノ酸の分解は、その過程で酪酸や酢酸またメタンなどのガスが生じるために、排泄物の臭いの一因ともなっています。※ウィキペディアより一部引用 大腸 腸
<大腸 large intestine>
【超音波検査でみるハウストラ】
生理検査アティテュード®からのメッセージ
大腸の構造のところで出てきた結腸ひもで大腸は縦方向に縮められたような形状になっています。そのため、結腸ヒモの間の結腸壁は外側への膨らみを形成する結腸膨起(haustra coli)ハウストラと呼ばれています。
超音波で「消化管は見えない...」とよく言われますが、正常の大腸はガス像として認識されるために確かに大腸内膜の様子は観察できません。しかし何らかの疾患がある場合は、超音波でも所見として描出することができます。
〔腸閉塞(イレウス)の時の大腸のハウストラ〕
腸管が異物や炎症、腫瘍などにより塞がれた状態となると、腸閉塞(イレウス)を発症します。腸運動が障害されますので、腸管内は、水分が吸収されずに、水様便となります。この腸閉塞(イレウス)となるとハウストラがよく超音波でよく観察されることがあり、大腸の水っぽい内容物が移動する様子もよくみることがあり、超音波上、腸閉塞を示唆する特徴的な所見(キーボードサイン)としてみることがあります。結腸壁のハウストラがちょうどキーボードの様にみえることからそう言われています。
超音波では、このような拡張した大腸が描出された際は、腸管を追っていき閉塞の原因を探していきます。また炎症の波及で周囲に腹水の貯留の有無も確認していきます。
<ハウストラ・キーボードサイン>
1-2 ステップ2 心身症につながる大腸の機能異常
心身症とは、ストレスによる心の不調が原因となり、身体症状として何らかの症状があらわれている状態をいいます。
【心身症の定義】
心身症とは、「身体疾患の発症や経過に心理社会的因子が密接に関与する病態」とされています。神経症やうつ病など精神疾患にともなう身体症状は心身症には含めません。あきらかな身体症状があることが前提となります。心身症は、ストレスによる自律神経系、内分泌系、錐体外路系などの障害や、胃潰瘍、過敏性腸症候群など多岐にわたる身体症状があげられます。※下記の<心身症の症状>一覧をご参照ください。
〔心身症は心理的な要因が関与する身体症状〕
心身症は心理的な要因が関わっている身体疾患で、精神疾患ではありません。身体症状を主としますが、心理的要因が大きく関与しているものの総称とされます。身体的疾患として消化管症状の発症には、この心理的要因が強く関与していることも多く、心身症として現れる大腸疾患をみていきたいと思います。
【自律神経、内分泌、免疫で制御される心身症:IBSという疾患】
腹痛、腹部不快感、下痢や便秘などの症状が長い間続くのに、検査ではあきらかな異常が認められない。以前、過敏症大腸といわれていましたが、小腸も機能異常があるとされ、現在では過敏性腸症候群IBSとされています。
ストレス社会に多くみられ、心身相関現象として、人の脳と身体に密接な関係があるとされています。胃腸を初めとして、人の内臓、や器官はすべて自律神経系、内分泌系、免疫系などで制御されています。そしてこれらの自律神経系や内分泌系などは、情動的な影響を非常に受けやすいとされています。
怒りや恐怖などの強い情動が生じた場合に、副腎皮質からアドレナリンは放出され、交感神経系の機能も作用し、心臓の心拍を上昇させ、心拍出量を上げることで血圧が上昇します。この様な状態が持続化することで高血圧症へと移行します。さらに、この興奮状態は、消化管に作用する副交感神経を刺激し、大腸の動きを活発化させお腹がゴロゴロする状態を招くことにつながりことや、胃酸の過剰分泌となり胃炎や胃潰瘍を発症の原因にもつながります。
【脳とセロトニンとの関係性】
幸せホルモンとも言われるセロトニンと脳との関係性が関与しています。
セロトニンは脳と腸とで作られ、脳内に存在するものはほんの数パーセントですが、わずかな量のセロトニンが人の心の落ち着きに大きな影響を与えることがわかってきています。近年の研究で、うつなどの心の疾患で、セロトニンの大切が知られるようになってきました。脳に存在するセロトニンとは、前向きの気持ちを作りだし、逆境などにも向き会おうとする働きを持っています。
神経伝達物質のセロトニンは、腸内環境が悪化するとセロトニンの合成に影響し、十分に合成されなくなります。集中力の低下や、イライラしやすいなどの症状がみられるようになります。脳内の神経伝達物質が正常に機能するためには、ビタミンB群が必須となり、体内でビタミンB群を作りだすのは、腸内細菌の役割となります。
この腸内で作られるセロトニは、人がストレス状態の時に分泌され、腸内の働きが過剰になり、過敏性腸症候群(IBS)を引き起こしやすくなるとされています。消化管症状などの身体の不調とストレスとの関係性は、このようなホルモン分泌作用大きく影響していることが注目されるようになってきました
セロトニンの前駆体物質をつくりだし、脳に届けるのも腸内細菌が行っています。腸内細菌をいかに整えるかということでうつ病の治療も研究されています。
ストレスを感じるとお腹の調子が悪くなるのは、このように脳と腸の密接な関係によるものです。ストレスに弱くなるのは脳内でセロトニンが不足するためとされていますが、セロトニン前駆体が作られるのは、腸にあります。つまり腸内環境を整えることが、セロトニンを増やしストレスをはね返すことになるのです。
〔90%セロトニン腸内にある〕
セロトニンは、うつ症状と関連してイメージする人が多いかもしれません。セロトニンは必須アミノ酸のトリプトファンからセロトニンが作られています。人の体内では、消化管粘膜に90%、血小板中に8%、脳内の中枢神経系に2%の割合で存在しています。セロトニンがセロトニン受容体と結合すると、腸の蠕動運動が異常となり、下痢や腹部症状を引き起こすことになります。体内では主に、この腸の蠕動亢進に作用し、消化管のセロトニンが過剰に分泌されると下痢を起こし、分泌が少ないと便秘になるとされます。
セロトニンを増やすためには、生活習慣が大きく影響し、見直すことも大切となります。朝陽を浴びる、リズミカルな運動を行う、セロトニンの原料となるトリプトファンが含まれる食品(乳製品、大豆製品、バナナや赤身肉など)を食べるといった生活習慣も有効だと分かっています。日常でこれらをとり入れていくことも有効なようです。
【性格も関与する心身症】
過去のブログで心身症をまとめていますので再掲しておきます。
自分の感情に気づかずに、自ら過度のストレス状態に置き続けることで心身症を発症する。
〔自己抑制的なタイプ〕
必要以上に自分を押さえ込み、周囲からの期待に応えようと過度な努力をしすぎるために、ストレスとなり、不調を招いてしまう。
- 自分や周囲に対しての欲求レベルが高く、満足しない
- やりはじめると徹底的にやり抜く
- 周囲に気を使いすぎ、頼まれると自分のことも後に回し頑張ってしまう
〔失感情症アレキシサイミアと失体感症アレキシソミヤ〕
- 失感情症 自分の感情に気づかない、自分の感情を表現できない、自分の感情として捉えられない
- 失体感症 身体の痛みを意識できない
【心身症の発症原因】
〔現実心身症〕
大きな喪失体験、大切な人を失う、失恋、火事や災害などのストレスとなる出来事そのものが原因となる
〔性格心身症〕
生い立ち、生育環境による人格形成、体質などがイベントに対する思考や行動に対し、強いストレスとして原因となる
※関連ブログ 心の健康生活習慣 §3 ストレッサーが招くさまざまな心の病
【心身症の症状】
<心身症の症状>
1-3 ステップ3 過敏性腸症候群 IBSとは?その症状・原因
過敏性腸症候群(Irritable Bowel Syndrome:IBS)とは、大腸の運動および分泌機能異常で起こる疾患の総称となります。
【過敏性腸症候群:IBSとは?】
腹痛や腹部違和感、便秘や下痢などの排便異常(排便回数や便の形の異常)などの消化管症状が慢性的、持続的に数ヶ月みられるときに疑われる疾患です。大腸に腫瘍性病変や炎症など無く、検査での異常や、明確な器質的疾患も認められないとされています。消化器外来に受診される人の10%くらいのみられるよくある疾患です。
男女比は、女性にやや多くみられ、20~40歳代が多く、年齢とともに減ってくる傾向があります。腹痛、便秘や下痢、不安症状があり、日常生活に支障きたすことも少なくありません。
【過敏性腸症候群の症状】
下痢や便秘、腹痛とそれに関係する便通異常が慢性的または再発性に持続する機能性消化管疾患です。おもに下痢の症状が多くみられます。
一時的なストレスから発症することから神経症、うつ病の一種とされてしまうこともあるようです。消化管症状にくわえ、身体的症状、めまいや頭痛、動悸、肩凝り、睡眠障害、不安、気分の落ち込みというような精神症状が現れることも多いとされます。
【過敏性腸症候群の診断基準(ローマⅢ基準)】
腹痛、腹部不快感などの症状が、最近3ヵ月の間に、月に3日以上にわたり繰り返し起こる。下記の2項目以上の特徴を示すとされています。
- 排便によって症状がやわらぐ
- 症状とともに排便の回数が増減する
- 症状とともに便の形状が変わる(柔らかくなったり硬くなったり)
【過敏性腸症候群の分類】
排便症状により3タイプに分類されます。便秘型、下痢型、混合型、男性では下痢型、女性では便秘型が目立ちます
〔下痢型IBSの特徴〕単純な下痢との違いは、原因がストレスとなること
- 緊張などのストレスが原因となる下痢症状
- 緊張に伴う腹痛や下痢、トイレに行きたくなる不安
- トイレに行けないと思う不安な状況になると下痢がひどくなる
腹痛や腹部の張りなどの違和感、お腹が鳴るなどの症状を伴います。排便することで、症状が軽減されることも特徴で、IBSであるかどうかを見極める判断基準になり、IBSによる不眠や不安、抑うつ症状がみられることもあります。
〔便秘型IBSの特徴〕
ストレスを感じると便秘がひどくなる。緊張すると腹痛を起こし、トイレ行ってもコロコロした便が少し出るのみ
〔混合型IBSの特徴〕
腹痛および腹部の違和感、緊張やストレスを感じると、複数日間隔で交互に現れる症状、交代性便通異常といわれる、下痢をしたり、便秘をしたり、腹部症状がはっきりしない状態が続き、交互または繰り返し起こる症状。
【過敏性腸症候群の原因】
腸管は、食物の消化、吸収するのみではなく、老廃物を便として身体の外に排泄する働きがあります。そのためには、食物は、肛門方向に移動させることは必要となります。機能は、蠕動運動により行われます。そして、腸の蠕動運動と腸の変化を感じとる知覚機能が必要とされます。このような腸管の蠕動運動や知覚は、脳と腸の間の情報交換により制御されています。
〔第2の脳といわれる腸管の働き〕
腸は第2の脳とも言われるほどに脳と神経によって密接に関連し、ストレスに状態となり、腸のセロトニンが分泌されると、腸の蠕動運動に問題が生じます。ストレスにより腸からのセロトニンが腸の蠕動運動機能に作用しているということになります。
過敏性腸症候群の原因は、人の脳と腸が密接に情報交換していることが原因とされています。前項で説明したように、人の身体はストレスを受けると、脳からストレスの関係するホルモン セロトニンが分泌され、消化管に作用します。腸管の蠕動運動の機能を乱し、下痢や便秘といった消化管症状を招きます。人は、強いストレスにさらされると不安状態となり、腸の蠕動運動が激しくなります。痛みを感じやすい知覚過敏状態になります。この症状の強さが過敏性腸症候群の特徴となります。
【過敏性腸症候群の悪循環】
ストレスからの消化管症状は、新たなストレスを作りだします。「急激な腹痛でトイレに行きたくなる」「車内で腹痛が起こったらどうしよう」など不安が原因で発症した過敏性腸症候群の症状が新たなストレスを作り出し、悪循環のサイクルを作りだすことになります。
〔過剰反応を招く悪循環〕
過敏性腸症候群は、痛みなどに対してすごく敏感に作用してしまいます。ほんの僅かな刺激に対しても腸管が反応し、便通異常などの症状を起こします。この身体のストレスは、脳に伝えられ、再度ストレス関連ホルモンの分泌が促進されることで、症状さらに悪化することに繋がります。
過敏性腸症候群(IBS)の原因をまとめると、
- 腸の運動機能を司る自律神経の異常(大腸を中心とした消化管蠕動運動の異常)
- 消化管知覚閾値の低下(知覚過敏)、
- 精神的な過度の緊張と不安症状などのストレス。
【性格など心身症から見た過敏性腸症候群】
神経質な性格、自律神経が不安定などのリスクを持つ人が、暴飲暴食、過度のアルコール摂取、不規則な生活習慣、不摂生、過労、身体の冷えなどこのような生活習慣の乱れた状態に置かれると発症することが指摘されています。
2.過敏性腸症候群への対処方法、そのストレスの原因は?
診療機関での投薬以外に何ができるでしょうか。
【IBSの原因となるストレスの原因とは?】
過敏性腸症候群の原因は、ストレスだとお伝えしました。対処方法は、ストレスとなるストレッサーを取り除くことです。
自分のストレスを意識するが大切です。自分の性格はなかなか変えられるものではありません。でも、知ることが大切です。自分の思考の傾向、癖を知ることです。そのためには客観的な自己分析は有効です。以外に自分のことが分からない人も多いものです。
〔そのストレスはどこから?〕
- 自分がどのような状況でイライラしているのか?
- 何に対してイライラしているのか?
- 自分の内面のどの様部分にたいして不安感を持っているのか?
- どうなれば安心できるのか?
不安の種は、人それぞれです。下痢などの症状が出たときの状況を深呼吸しながら、安全な場所で思い返してみてください。自分の症状が、どういう状況や出来事のときに起きているのかを自己分析します。意外に漠然として認識さていない不安感もあります。不安の正体を掴むことからはじめてみてください。カウンセリングなども効果があります。
【眠れていますか?】
生活習慣の見直しも大切です。脳のセロトニンの分泌を促すために、朝の太陽光をしっかりと浴びて体内時計をリセットすることも大切です。さらには、食習慣です。1日3回の食事をしっかりととることです。
※関連ブログ:体内時計「朝食の大切さを知る体内時計」
【自律神経を整えましょう】
呼吸は唯一自分でできる自律神経の整え方です。
※関連ブログ「自分らしい呼吸リズムをつくる」「心の安定のための呼吸と脳の関係性」
ここであげたものは、自分で意識的に行うことができる対処方法です。いずれも自律神経を整えるためには効果があり、科学的に裏付けされています。
このようなストレスに対する『実践できる健康講座』を5月に開催いたします。自分のストレスがどこからきているのかを知るための方法も説明、実践できます。理論的な説明の前半と、後半、実践を組み合わせた健康講座です。このブログの最後にご案内があります。
3.虫垂にも意味がある!盲腸も大腸です♪
前項でまとめた大腸の始まり「盲腸」(cecum)とは?
【盲腸の機能】
盲腸は、大腸の機能とされる水分や塩分の吸収は行われていません。草食動物では大きなものがみられ、草などの植物の消化に関わると考えられています。
小腸の末端部分の回腸と繋がりその部分を回盲部とされ、回腸弁で食物の還流を防いでいます。
【盲腸と呼ばれた急性虫垂炎】
右下腹部痛として一般的に「盲腸」と呼ばれている急性虫垂炎は、虫垂の炎症です。盲腸の末端にある、3~5mmくらいの細長い紐状の部分を虫垂といいます。
虫垂の炎症が進行すると壊死を起こして穿孔し、腹腔内炎症が波及し腹膜炎を併発し重症化することもあります。最悪命を落とすこともありますので注意が必要です。
虫垂には多くの免疫細胞存在し、人の健康と深くかかわりがあることが分かってきました。腸内フローラとも関連していること、腸内細菌叢が良い状態に保たれるよう機能している可能性もあることが分かってきています。
【急性虫垂炎の診断法】
血液検査、X線、腹部超音波検査、必要に応じてCT検査なども行なわれています。初めに行なわれる画像診断として、よくCTが撮られていますが、超音波検査士としては何だかなぁ~という意見です。
虫垂は最近でこそちゃんと見える疾患とされていますが、ひところ前までは、よくわからない、苦手とする人が多くいました。聴き取りをしながら検査を行います。丁寧にガスを避けながら観察することで、ちゃんと見えてきます。超音波診断ならば、CTの被爆をしないで済む、やさしい検査です。
【虫垂は、いらない臓器?!】
以前、虫垂は何の機能もない、余分な臓器とされていましたが、今では、虫垂は免疫機能に関わっているとされています。
虫垂は、多数のリンパ小節を含むので、リンパ系器官に含められます。持って生まれた臓器です。最近では、むやみに切除することはしなくなり、抗生剤投与での治療をすることが多くなってきています。虫垂は、炎症を起こしやすい場所とされています。放置すると腹膜炎を起こし命にかかわる状態となります。
〔急性虫垂炎の症状〕
急性虫垂炎の症状は、過去のブログでもご紹介しましたように心窩部痛から発症することが多くみられます。その後、右下腹部痛、発熱、食欲不振、嘔吐、下痢などの症状がみられます。
特徴的な、反跳痛といわれる、身体にひびく痛みが特徴です。お腹にひびいて痛くて歩けないという症状です。急性虫垂炎の初期の心窩部痛の痛みの原因は、虫垂内部で細菌増殖などにより内圧が上昇することで、内臓痛を発生します。内臓痛は、腹膜の伸展による痛みで、場所がはっきりしません。急性虫垂炎の心窩部痛は、この内蔵痛によるものとの説明でした。
※関連ブログ 虫垂 胃への気づかい §2 胃潰瘍と胃の炎症性疾患
次回は、大腸の炎症性疾患をまとめて行く予定です。ぜひまたお読み戴けたらと思います。
今日のまとめ
- 大腸の蠕動運動は、自律神経支配です
- 過敏性腸症候群(IBS)は、ストレスが原因となる心身症です
- 過敏性腸症候群の悪循環を作り出す前に断ち切る。生活習慣の改善は必須です
いよいよスタートします!
THINK YOUR LIFE -ミドルエイジとともにsaid be said-
「実践できる健康講座」5月に初回講座決定しました!
今回のテーマの胃痛の理論をさらに詳しく説明いたします。さらに今ある、ストレス分析から、ストレスを手放す方法を実践して戴き、体験することができます。初回特典サービスもあります。
<Pure Medical attitude のblog>
「今週のテーマの関連ブログ」
- 心の健康生活習慣 §3 ストレッサーが招くさまざまな心の病 2017.6.30
- 胃への気づかい §2 胃潰瘍と胃の炎症性疾患 2018.3.21
- 身体の不思議 体内時計 §2 朝食の大切さを知る体内時計 2017.10.11
- 呼吸を整える §3 自分らしい呼吸リズムをつくる 2017.9.29
- 呼吸を整える §2 心の安定のための呼吸と脳の関係性 2017.9.27
最近のブログ
「尿と膀胱のきになるあれこれ」 2018.3.26 ~2018.3.30
- §1 排尿のメカニズム 2018.3.26
- §2 悩ましい排尿トラブル 2018.3.28
- §3 尿路系に発症する疾患 2018.3.30
「胃への気づかい」2018.3.19~3,23
- §1 胃の働きと機能の理解 2018.3.19
- §2 胃潰瘍と胃の炎症性疾患 2018.3.21
- §3 治りやすい胃がんそのための早期発見 2018.3.23
「膵臓の声を聴く」2018.3.12~3.16
- §1 膵臓の位置と役割 2018.3.12~
- §2 膵臓の炎症性疾患「膵炎」とは? 2018.3.14
- §3 発見が遅れる、膵がんとは? 2018.3.16
「CKDを知って欲しい」 2018.2.26~3.9
- §1 腎臓の構造と慢性腎臓病(CKD)の定義 2018.2.26
- §2 腎臓のはたらき、機能を知る 2018.2.28
- §3 CKDのステージ理解と対応その1 2018.3.2
- §4 CKDのステージと対応その2 2018.3.5
- §5 メタボへの対応でCKDから守る 2018.3.7
- §6 食事療法と運動のポイント 2018.3.9
「糖尿病を知る」2017.2.19~2.23
- §1 知って欲しい糖尿病の基礎 2018.2.19
- §2 症状を自覚する前に知って欲しい合併症 2018.2.21
- §3 病識高めて合併症も予防しよう 2018.2.23
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共同代表 Junko Katayoshi
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