心と身体の健康を語る、健康管理士・臨床検査技師、そしてメンタルサポーターのかたよし 純子です。前回のブログでは、well-beingということから「健康の力」ということをお伝えしました。今回は自己の健康の力を上げるためにも「ヘルスリテラシー」ということをまとめていきたいと思います。もし…

「健康に不安があるとき、どうしていますか?」

検索すれば簡単に情報が得られる現代社会ですが、その情報への信頼性を考えたことありますか?そのようにしてその情報の価値を判断してたら良いのか?そんなことを考えたことがあるでしょうか。自分の健康を維持するために意識的に高めていきたいのがヘルスリテラシーです。

1.医療を受けるために必要なヘルスリテラシーとは?

1-1 リテラシーとは?

1-2 ヘルスリテラシーの定義

1-3 ヘルスリテラシーのプロセス

2.今日のプラスα ~ヘルスリテラシーを高めるために~

2-1 ヘルスリテラシーが低いことの影響

2-2 ヘルスリテラシーを高めるためのポイント

生理検査アティテュード® ホンネの話

❍どうして書くのか?「Health attitude blog」

 

1.医療を受けるために必要なヘルスリテラシーとは?

情報化社会において、最近よく耳にするワードに「リテラシー」ということばもあるのではないでしょうか。このリテラシーという言葉の意味から理解を深めて戴ければと考えます。

1-1 リテラシー(literacy)とは?

ヘルスリテラシーの「リテラシー」からみていきましょう。

❍リテラシーとは?

リテラシーとは、「letter=文字」を由来とする言葉とされます。本来、文字についての読み書き能力、識字力とされ、すなわち「読解記述力」を指しています。Wikipediaによると、「書き言葉を正しく読んだり書いたりできる能力」とあります。

❍時代とともに変化している「リテラシー」の意味

しかし、今では読み書き能力、識字力ということではなく、一般的に対象とされることへの知識に対する理解力、判断力、そして応用力といった意味で用いられています。適切に理解し、解釈し、分析し改めて記述して表現する能力のことを示しています。自己の知識と潜在能力を発展させ、目標達成へと発展させるための手段とされています。

メディアリテラシーとか情報リテラシーなどというように使われています。健康に対する理解や自分の健康状態に対して「ヘルスリテラシー」とされ、ヘルスリテラシーは、医療リテラシーとも言われ、医療情報に対する知識や理解など医療者が説明する相手の「医療リテラシー」を意識しなければならない部分と考えます。

※引用サイト「リテラシー」Wikipedia

 

1-2 ヘルスリテラシーの定義

ヘルスリテラシー(health literacy)という言葉をまとめていきましょう。

❍ヘルスリテラシー(health literacy)とは?

ヘルスリテラシーの定義として用いられているものを紹介しておきましょう。

健康情報の入手し、理解し、評価し、活用するための知識、意欲、能力であり、それらによって、日常生活におけるヘルスケア、疾病予防、ヘルスプロモーションについての判断することや意思決定を行うことで、生涯を通じて生活の質を維持・向上させることができるもの

❍健康判断・医療を受けるために必要なヘルスリテラシーとは

このヘルスリテラシーとは、自分の健康に関する適切な意思決定に必要となる、基本的な健康情報や医療サービスを調べること、得ること、理解すること、そして、効果的に利用するための個人の能力の程度を意味しています。

ヘルスリテラシーは、医療リテラシーとも称されます。

具合が悪くなり、診察を受け担当医師から説明をされ…

「どうしますか? 〇&%#…でも、hw&X…でも、どちらでも?」

その問いに「???。。。(-_-;)」

質問したいけど何を聞かれているのか、聞かれていることの内容が理解できない、何を聞いたらいいのかもまったくわからない。そんなことも少なくないのではないでしょうか。

説明する側にも当然、専門用語などに対しても聞く相手がわかりやすく、噛み砕いて、理解できる言葉にして説明する責任はあると思いますが、理解しよう、知ろうとする努力は聞く側にも必須です。ある程度の「ヘルスリテラシー・医療リテラシー」が必要になると私は考えます。

自分の健康状態を知るために、そして判断するために適切な意思決定を行い、医療を受けるためにもこのヘルスリテラシーは大切なのです。

ヘルスリテラシーの定義

1-3 ヘルスリテラシーのプロセス

ヘルスリテラシーを得るためのプロセスとして、必要な情報源に対して4段階のプロセスがあります。

❍ヘルスリテラシーを得るためのプロセス

人は何らかの問題を解決するために必要な情報を得ようとします。すなわち問題解決のために情報をさまざまな選択肢から選ばなければなりません。

【ヘルスリテラシーのプロセス】
  1. 入手:問題解決のために必要な情報を入手する
  2. 理解:情報への理解
  3. 評価:得た情報のメリット・デメリット
  4. 活用:評価した方法の「意思決定」 ⇨ 「行動」

信頼できる情報入手のために必要なこと、情報の判断条件

❍プロセスを実行できないことも少なくない?!

さまざまな健康関連番組が毎日のようにどこかの局で行われています。それなりの視聴率があるからTV局も制作するのでしょう。関心があり視聴もする、だけど「先日聞いたこととなんか違う…??」ということや、「わたしにもこれ、あてはまるの…??」とか「そうそう…わかっているのよね…でも」など。

頭の中でいろいろな言い訳や理由付けをしていて、実際行動にまで移せない、ということも少なくないのではないでしょうか。

ヘルスリテラシーのプロセス

 

2.今日のプラスα ~ヘルスリテラシーを高めるために~

2-1 ヘルスリテラシーが低いことの影響

ここまでの内容で、健康に維持にはヘルスリテラシーが大切なことが理解できたでしょうか?医師の説明が十分に理解出来れば、複数の選択肢を与えられたときに、納得して自分で治療を選択することもできます。下記にヘルスリテラシーが低いとどのようなリスクがあるのかを表にまとめます。

ヘルスリテラシーが低いと

❍「分からない…」と言えないのがホンネではないですか?

病院での検査や治療を受ける際に、様々な承諾書にサインを求められると思います。その際に、いろいろと説明されますが、わからないまま署名捺印されている方も少なくないのではないでしょうか。

私は3人きょうだいの末っ子ですが、両親の診察時には必ず私が付き添っていました。臨床検査技師であり、医師からの説明内容に対していちばん理解に明るいからです。大切な内容に関しては、医師の説明内容に対して理解できたか否か、その場で必ず姉や兄が同席する際は確認していました。

その後、姉は「どうしたらよいか、よくわからないけど…」そして、私がわかっているのならよいと。

  • あの場では聞き直せない
  • 分からないとは言えない
  • 医師に否定は出来ない

などなど

検査室に来てエコーの検査中に質問してくることや、悩みをいわれることも…

「そのことを先生に言いましたか?」

「いいえ、先生は忙しそうだから…」

こんなことも少なくありませんでした。

ひと昔前に比べて、かなり噛み砕いて、わかりやすく一般的な言葉に変えて説明するようにはなってはいます。しかし、場合によって、その説明はおかしいのでは?と、私だから思うことも少なくありません。とってつけたような説明を看護師が言ったこともあり、その際は医師に確認したこともあります。

❍自分や大切な人を守るためにも高めたいヘルスリテラシー

上記にあげたような健康不利益につながることが起こることも少なくありません。基礎的な知識を持つだけで、わからないこと、理解出来ない部分がわかり、質問し、さらに自己理解を深めることも出来るのです。

❍「餅は餅屋で」医療はチームで動いています

ことわざに「餅は餅屋で」という言葉があります。骨折した内科にかかろうとは思わず、整形外科を選ぶでしょう。それぞれの専門診療科を選択するのと同じように、薬の説明は薬剤師、栄養サポート・食事指導が有効だと医師が判断した時は栄養士に、看護ケアは看護師に、検査の詳しい説明は臨床検査技師におまかせください。どこに受診したらよいか?誰に聞いたらよいのかなど、分からない場合には、総合案内や受付で聞くことです。たったこれだけでもヘルスリテラシーが低いと行動出来ないことも少なくありません。

気軽に聞ける環境を作ることは、医療チームに、チームを構成する医療スタッフに問われる課題だと私は考えます。

 

2-2 ヘルスリテラシーを高めるためのポイント

今日、いちばんお伝えしたいことは、ヘルスリテラシーを高めるために情報選択の方法です。

❍信頼できる情報を判断するために

診療機関や公共施設の置かれているパンフレットやリーフレット、さらには、スマートフォンやPCから簡単にネット検索することもできます。情報を見極めるために必要なポイントをまとめておきましょう。

●情報選択に必要な条件
  • 今、必要な情報は何か?
  • どのような情報を得ることが必要なのか?
  • 得られた情報が自分に必要なものなのか?
●選択した情報の確認
  • 情報の書かれた時期は? 最新の情報を入手する
  • 何のために書かれた情報か?
  • 誰が書いた情報か? 情報の発信者はへの信頼性
  • 情報の出典元、エビデンスは? 科学的な事実に基づいているか

最低限このような内容を確認することが必要です。さらに選択して得られた情報の質を見極める力を高めるために、他の情報とも比較してみることも大切です。

❍自分のために必要なヘルスリテラシー

自分の健康維持のために、大切な人の健康を守るために適切な医療や医療制度を賢く利用するためにも、必要な人に必要なことを分からないことを質問することや迷いがあるとき、不安なときに相談することが望まれます。正確に適切に「聞く力・能力」を身につけることがヘルスリテラシーです。

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❍さいごに…

世界標準で評価したときに、日本のヘルスリテラシーは、他の先進国に比べてかなり低いということを学びました。世界一平均寿命の長いとされる国でありながら、アジアでも低い状況にあるということです。医療知識はそれなりにあっても、自己判断が出来ないということが課題のようです。

このことは、かかりつけ医制度が定着していない、気軽に相談できる医師がいないことにも原因があるのではないでしょうか。

 

生理検査アティテュード® ホンネの話

 どうして書くのか?「Health attitude blog」

 

決めたことだからこの「Health attitude blog」を続けている…のですが、思いの外時間がかかっています。簡単には書けないのです。前回のブログで、ホンネで「書けない」とつぶやきましたが、書き上げるためには、相当のエネルギーが必要だということを再認識いたしました。

使う言葉を意識し、最新の情報を意識し、科学的エビデンスを配慮してなどなど…ものすごく時間も消費しています。

どうして?大変な思いをしてまで継続しているの…?

そんなこともよく考えます。最近よく言われる「脳内会話」とやらで、もう一人の自分が「面倒くさいよね!やめちゃえよ‼」「投げ出しても誰にも困らないしね」「頑張る意味無いじゃん‼」そんな否定的なことを囁いてもいるのです。睡眠時間を削ってまで書き上げたことも何度もあるのです。

伝えたい!知って欲しい!ということのみなのです。医学は日進月歩、日々進化しています。数年前までは王道とされていたことも真逆となってしまうことも珍しくないのが今の医学です。出来得る限り、最新の情報を取得し、理解し、一般の人にわかりやすい言葉を用いてまとめていくことで、読んで戴ける方がいるのならと思って書き続けています。

長年、臨床検査技師としてひとりの医療者として勤務してきた私の経験と知識とを活かし、さらに10年以上に培ってきた実践心理学、臨床心理学を加味し、私だからお伝えできることがあると信じています。

ひとりでも笑顔になれる、そんな役立つ情報をお伝えしていければと考えています。

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Pure Medical attitude

生理検査アティテュード®

Junko Katayoshi

今日のまとめ

  • ヘルスリテラシーとは、健康に関する適切な情報の入手、理解、評価、効果的に利用する能力の程度
  • 健康への力を向上させるためにヘルスリテラシーが必要
  • 医療情報の選択は「いつ」「誰が」「情報の発信者」「出典源」「エビデンス」などを確認

 

今日の情報引用・関連サイト
  • リテラシー Wikipedia
  • ヘルスリテラシー Wikipedia
  • 放送大学出版 「健康への力の探求・ヘルスリテラシーとは」 中山 和弘 聖路加国際大学教授/放送大学客員教授

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●今日のテーマの関連ブログ
Pure Medical attitude 生理検査アティテュード®

かたよし純子 Junchan♪  ※自己紹介はこちらから

臨床検査技師/超音波検査士/健康管理士一般指導員/健康管理能力検定1級/介護予防運動指導員/米国NLP協会認定NLPトレーナー/臨床心理学 および 基礎エキスパート取得

今日も最後までありがとうございました。