JunchanのHealth attitude blogにご訪問ありがとうございます。医療スタッフのメンタルパートナー かたよし純子です♪ 最近一般的に行われるようになった動脈硬化の検査「ABI」という検査があります。循環器関連の検査として受けられた方も多いのではないでしょうか。このABIの数値が低いと下肢の動脈硬化が疑われます。タイトルの「足が痛くて歩けない、でも休むと復活」という症状が出現します。街なかでシルバーカートに腰掛けて休んでいる高齢者を見かけるという光景が物語っているのかも知れません。高齢化社会を迎えた今、ABI検査を受けられる方も増えました。以前にもお伝えしましたが、「下肢動脈エコー」の説明も交えてまとめていきたいと思います。
1.その足の痛み、動脈硬化?! 『PAD』 簡単理解の3ステップ
1-1 末梢動脈疾患(PAD:Peripheral Artery Disease)とは
1-2 症状:末梢動脈疾患を疑って欲しい「間欠性跛行」
1-3 末梢動脈疾患を引き起こす危険因子・リスク因子とは?
今日のプラスα
~生理検査を専門に行う臨床検査技師がお伝えする~
2.PADの診断には欠かせない検査「ABI」
3.動脈硬化を視覚化する下肢動脈エコー
生理検査アティテュード®からのメッセージ
・応用力に必要なメタ知識・メタ認知
1.その足の痛み、動脈硬化?! 『PAD』 簡単理解の3ステップ
1-1 末梢動脈疾患(PAD:Peripheral Artery Disease)とは
今回まとめていく、末梢動脈疾患(PAD:Peripheral Arterial Disease)とは?
そして、閉塞性動脈硬化症(ASO:arteriosclerosis obliterans)とは?
『PAD:末梢動脈疾患』とは
冠動脈以外の末梢動脈とされる
大動脈、四肢動脈、頸動脈、腹部内蔵動脈、腎動脈とし
この閉塞性疾患を意味する
※末梢閉塞性動脈疾患の治療ガイドライン(2015 年改訂版)「末梢閉塞性動脈疾患」より抜粋
そして
『ASO:閉塞性動脈硬化症』とは
下肢の動脈硬化による閉塞性疾患のことをいう
PADはASOに比べてより広い意味となる
❍はじめに… PAD(末梢動脈疾患)とASO(閉塞性動脈硬化症)
PADとASOは、厳密に言えば上記のように区別されていますが、最近は「末梢動脈疾患:PAD」といわれるようになっています。動脈硬化は一部の動脈ばかりで起こるわけではありません。動脈は全身を走行している身体の組織に栄養を送る血管です。
閉塞性動脈硬化症の原因のほとんどが、動脈硬化のために末梢動脈疾患(PAD)と閉塞性動脈硬化症(ASO)はかなり近い概念として考えてよいとされています。
今回ここでまとめていくのは、末梢動脈疾患(PAD)、虚血を引き起こしている下肢の動脈硬化症をPADとしてまとめていきます。
❍末梢動脈疾患『PAD』とは?
末梢動脈疾患は通称『PAD』とされ、以下「PAD」を記します。
PADはおもに下肢の動脈硬化によって発症します。末梢動脈の内腔が脂質による沈着物によって狭小化し、血流制限されることによって発症します。心臓の冠動脈疾患が動脈硬化によって、狭心症や心筋梗塞を引き起こすことと同様の原因です。
●PADの状態を放置すると…
PADの多くは下肢で発症が多いようです。PADをそのまま放置することによって歩行困難な状態となり、さらに重症化する足先が壊疽(えそ)し下肢切断となることも少なく有りません。
❍軽度では、無症状~間欠跛行が特徴「末梢動脈疾患:PAD」
下肢(足)の血管がおもに動脈硬化してしまうことによって引き起こされる疾患です。
軽度の場合は、無症状で進行する場合もあり、間欠性跛行として気づくこともあります。重症化すると安静時疼痛やその症状に随伴するように、皮膚の萎縮、脱毛やチアノーゼ、さらに虚血性潰瘍や壊疽に至ることもあります。
主に狭くなるか詰まるかして、足を流れる血液が不足し、それによって痛みを伴う歩行障害が起きる血管病です。重症の患者さんは、足を切断しなければならない場合もありますから、あなどれません。
<下肢動脈の走行>
1-2 症状:末梢動脈疾患を疑って欲しい「間欠性跛行」
PADの特徴的な症状は、間欠性跛行(かんけつせいはこう)といわれる歩行障害です。
❍PADを疑う「間欠性跛行」とは?
間欠性跛行とは?
(かんけつせいはこう)
歩行などに伴い
下肢に疼痛・しびれ・冷えなどの症状を招く
一旦休息することによって
症状の消失や軽減されるため、再び動くことが可能となる
「跛行:はこう」とはびっこを引くというような歩行障害です。そして、「間歇性」とは、間隔をおいてという意味となりますので、症状があったり、無かったりという状態で、休み休みならば症状が改善され、歩くことが出来るというような特徴的な症状です。
❍PADの症状とは
間欠性跛行は約30%の人に見られるとされています。
その他に、下肢運動に伴い、下肢の疲労感、だるさ、痛み、こむら返りなどの症状がみられます。とくに腓腹部(ふくらはぎ)に多くの症状が出現しますが、大腿部、股関節、殿部、まれに腕にも起こることもあります。この跛行という症状は、運動による誘発性で可逆的な虚血を示す症状です。
そのため、10分程度休息することで症状が改善され、再び歩くことが出来るということが特徴となります。
●「間欠性跛行」PAD以外の疾患との鑑別
この間欠性跛行の症状は、末梢動脈疾患をはじめ他疾患にもみられます。主なものに腰部脊柱管狭窄症、閉塞性血栓性血管炎などにもこの症状がみられます。
末梢動脈疾患の場合での「間欠性跛行」とは
- 一定の距離以上を歩いた際に歩行障害を生じやすい
- 毎回、同じように症状が出現することが多い
足の冷感やしびれを伴うこともありますが、このような症状は神経障害などの他疾患が原因のときもありますので精査が必要な場合もあります。
❍典型的なPADの症状
- 歩行時の下肢疼痛
- 疼き
- 痙攣
- 不快感や疲労感
- 間欠性跛行
PADの約20%は無症状だといわれます。
その理由は、下肢の虚血を誘発するほどの日常での活動量がない場合です。一部のPADでは、非定型症状として、非特異的な運動耐容能低下や股関節痛や他の関節の痛みのような症状がみられることもあります。
❍PADが進行すると…
動脈硬化は潜在的に進行していきます。
●PADの初期症状
初期症状は上記にあげた間欠性跛行を特徴とし、PADが軽度場合では、何の症状を示さないこともあります。
遠位でより強く症状が出現し、下肢の挙上により悪化し下肢が心臓より低い位置にあると軽減されます。疼痛には灼熱感や絞扼感などがあるようですが、このような症状はすべての症例であるわけではなく非特異的です。
●PAD中等度~重度の症状
症状が出ることなく歩行できる距離が短くなることや、重度のPADでは安静時から疼痛を生じることもあり、このような症状では、不可逆的な虚血示しています。
下肢の動脈硬化の進行とともに、膝窩動脈、後脛骨動脈、足背動脈などの末梢動脈で脈拍が減弱することや触れにくく消失するというような症状もみられるようになります。この中等度~重度のPADでは、下肢動脈の超音波エコーが有効となります。
下記のような症状もみられます。
- 足を下げたとき:心臓より低い位置に足がある場合、発赤、暗赤色を生じることがある
- 足を挙上すると:赤み喪失し、虚血による痛みが悪化する
- 足を下げても :静脈に血流が戻るための時間がかかる(15秒以上)
●PADが慢性化すると…
皮膚の菲薄化、蒼白な状態となり、体毛が薄くなること、脱落することもあるようです。
さらに、下肢遠位部、足先が冷たく、夏でも分厚い靴下を履いているなど、冷感を認めることがあります。過剰な交感神経緊張状態が原因と考えられる症状として、過度の発汗やチアノーゼの症状を呈することもあります。
※チアノーゼとは、血液中の酸素が欠乏することによって、皮膚や粘膜が青黒くなる症状
❍下肢の虚血状態の悪化
下肢動脈の血行動態の悪化に伴い、潰瘍ができることもあります。その多くは足趾や踵部に多く、局所の外傷後に発症しやすいために足趾のケガには注意が必要です。
通常は疼痛を伴ますが、糖尿病やアルコール依存症に合併する末梢神経障害の場合は、末梢神経マヒにより、痛みを感じにくいこともあるため、気づくにくいこともあります。虚血性潰瘍の感染(湿性壊疽)は容易に発症します。そして進行性の蜂窩織炎を引き起こすことがありますので注意が必要です。
※関連ブログ「糖尿病神経障害と足切断 」
❍障害部位による症状の違い
動脈硬化による血管の閉塞がどの部位に起こるかによってさまざまな症状となります。
- 大動脈-腸骨動脈:殿部、大腿部、腓腹部の跛行、股関節痛など、男性では勃起障害
- 大腿 -膝窩動脈:跛行は典型的には腓腹部に起き,大腿動脈より下位の脈拍は弱いか触知できない
- 上記より遠位の動脈:大腿-膝窩動脈の脈拍は触知できるが、足部の脈拍が触れない
❍上腕の動脈にも症状が…PADに多い他の動脈硬化性の疾患
PADを発症している場合では、他の部位での血管にも動脈硬化が進行していることと考えられます。
心筋梗塞や脳梗塞を発症するリスクが高いこと、さらに腕の動脈でも塞栓症を引きすこともあります。労作時の腕の疲労感などの症状がみられます。
1-3 末梢動脈疾患を引き起こす危険因子・リスク因子とは?
PADは、下肢動脈の動脈硬化がおもな原因です。
❍PADは足の動脈の「動脈硬化」が原因
動脈硬化の原因がそのままPADの原因、進行させるリスク因子となります。
- 喫煙
- 糖尿病
- 高血圧症
- 脂質異常症
- 慢性腎不全
などが上げられます。
●喫煙リスク
喫煙が大きく関与することはいうまでもありません。喫煙リスクは、そのままPADを進行させるリスクとなります。非喫煙者と比較すると、間欠性跛行が生じる割合は約3倍とのことです。
●糖尿病リスク
糖尿病が基礎疾患にある場合のPAD発症後重症化しやすく、足壊疽のために足を切断する割合は、5倍以上とのことです。糖尿病の早期診断や積極的治療、また足の血管病の予防や治療は重要となります。
※関連ブログ「糖尿病性神経障害とは?」「糖尿病神経障害と足切断」「足を切断から守るためのフットケア」
動脈硬化は全身に症状が現れます。PAD発症の50~75%に重篤な冠動脈疾患もしくは、脳血管疾患も有しているという報告があります。
高血圧症は、喫煙や糖尿病に比べ発症の危険性は低いのですが、十分な注意が必要です。
❍気づかないで進行している冠動脈疾患
PADがあると、痛みなどの症状のため、最低限の日常同兄とどまることも少なく有りません。そのため、運動量が減少し、心臓への負荷もごく最小となるために、狭心症を誘発するほどの日常的な運動量に乏しく、胸痛発作など冠動脈疾患への気づきが遅れることもあるようです。過去のブログで紹介したシェーマです。
<動脈硬化のメカニズム>
❍PADは心筋梗塞や脳梗塞を高率に合併
PADの原因は足の血管の動脈硬化です。当然全身の動脈にも同様に動脈硬化の状態が疑われます。動脈硬化が原因となる狭心症や心筋梗塞などの冠動脈疾患、脳梗塞などの直接的に命にかかわる疾患のリスクとなり、合併することが効率的に起こりえます。
胸痛など狭心症のような自覚症状や、身体の片麻痺などのような、一過性脳虚血発作が疑われる症状がある場合は、早めの受診が勧められます。
❍足の動脈硬化と言われたら…
PADは、直接的に命を脅かす疾患では有りませんが、日常生活でのQOLが低下することはもちろんのこと、上記に示したような他の組織の動脈硬化性の疾患が潜在しているということを意識して欲しいと思います。
冠動脈疾患や脳血管疾患は、生命を脅かす疾患がリスクも高いということになります。
厚労省のデータには、「間歇性跛行」や「重症下肢虚血」などの症状がある場合、生存率が低下する、大きく関与しているというデータがあります。
動脈硬化に関しては下記の過去の「関連ブログ」をぜひ合わせてお読みください。
※関連ブログ「 動脈硬化を正しく理解 」「 動脈硬化のリスク・予防 」
臨床検査技師がお伝えする『PAD診断のための必須検査』
2.PADの診断には欠かせない検査「ABI」
PADの診断には、病歴、身体所見およびABI(足関節上腕血圧比)の測定が用いられます。
❍PADの診断に用いられる検査:ABI(足関節上腕血圧比)
上肢・下肢の血圧を同時に測定、両方の血圧比を計算し、数値化することで血管の動脈硬化の状態(狭窄や閉塞)を予測する検査です。
ABI
(Ankle Brachial pressure Index)
足関節上腕血圧比
ABI=下肢の最高血圧 ÷ 上腕の最高血圧
<ABI:足関節上腕血圧比>
●ABIの解釈
ABIは、下肢の足関節の収縮期血圧を上腕の収縮期血圧で割った値で求められます。健康な血管では、仰向けの状態で両腕と両足を血圧測定すると、下肢のほうがやや高い値を示します。
しかし、動脈に狭窄や閉塞があるとその部分の血圧は低下しますので、動脈の狭窄や閉塞が進んでいるほど比率の値は小さくなります。この値が低い場合、心臓と足関節の間の動脈が狭くなっている疑われます。下肢の動脈に動脈硬化性の病変があるということを示します。
❍ABIの基準値
- 1.30 ≦ABI 足首の血圧が高め
- 1.00 ≦ ABI ≦ 1.29 正常範囲
- 0.91 ≦ ABI ≦ 0.99 正常範囲ですが境界領域
- 0.71 ≦ ABI ≦ 0.90 軽度の狭窄または閉塞の可能性
- 0.41 ≦ ABI ≦ 0.70 中等度の狭窄または狭窄の可能性
- ABI ≦ 0.40 重度の閉塞または狭窄の可能性
●基準値の解釈
・ABIが1.0以上の場合は正常と判断されます。0.9以下の場合、下肢の動脈に病変があると判断され、」この数値が低いほど重症となります。
・ABIが1.30以上の高値の場合は、下肢血管が圧迫されなくなっているということ、すなわち、動脈壁の石灰化を伴う動脈硬化の存在が疑われます。
・糖尿病や慢性腎不全などの基礎疾患がある場合、では、ABIが1.0以上であっても必ずしも正常だとはいえませんので、注意を要します。
❍ABI/PWV CAVI測定方法
- ベッドの仰向けの状態で測定します。
- 両足首(くるぶしの部分)と両側上腕にカフを巻きます。
- 手首には、心電図の電極を装着します。
- 胸に心音マイクロホンを置きます。
※関連ブログ「循環器疾患の原因と発症予防」
❍ABIと同時測定される CAVI or PWV
CAVIもしくはPWVとして血管の弾性力や硬さを示す値が得られます。測定機器によっていずれかとなります。
●CAVI:心臓足首血管指数(キャビィCardio Ankle Vascular Index)
ABIと同時測定され、CAVIもPWVと同様に血管の弾性力や硬さを調べる検査です。大動脈を含む、心臓(Cardio)から足首(Ankle)までの動脈(Vascular)の硬さの指標(Index)です。血管が硬くなるほど高い値となります。つまり動脈硬化が進行した状態を示すため、動脈硬化の早期発見や自己管理をするために効果が得られます。後に説明します、PWVと異なる点は、血圧に依存されない血管固有の硬さをあらわすと言われています。
〔CAVIの基準値〕
CAVIは、動脈の硬さを現します。動脈は心臓同様、血液を全身に送るポンプの役割持ち、硬さやしなやかさを数値化したものがCAVIです。血管の動脈硬化が進行すると、CAVIの値は高くなり、9.0以上で約半数が脳動脈か心臓の動脈である冠動脈に動脈硬化症を発症しているという研究結果もあります。
〔基準値〕
- CAVI < 8.0 正常範囲
- 8.0 ≦ CAVI < 9.0 境界域
- 9.0 ≦ CAVI 動脈硬化の疑い
●PWV:脈波伝播速度(Pulse Wave Velocityの略)
ABIと同時に測定されます。心臓からの拍動が伝わる速度(脈波)から、血管の硬さをみる検査です。
※脈波とは、心臓から血液を送り出すための血管の拍動(脈拍)変化をグラフにしたものです
血管の動脈硬化が進行すると、動脈壁が厚くなり、硬くなることで動脈壁の弾力性が失われます。そのため脈波が伝わる速度が速くなり、動脈硬化の進展とともにPWVは高値となります。
ただし、血管の狭窄が高度となっている状態では、脈波も伝わりにくくなり、PWVは偽低値となることがあります。また、大動脈瘤があると血管の内径の拡大や壁性状の変化によりPWVが低下する場合も見られます。
3.動脈硬化を視覚化する下肢動脈エコー
最近下肢動脈に対する超音波エコーも頻繁に行われるようになりました。
❍動脈の狭窄や閉塞部位の視覚化出来る超音波
血管の動脈硬化の状態を超音波で確認していく検査です。
おもに動脈内部の血液の流れを見ていきます。血液が流れる速さ(流速)とその波形(パルスパターン)からも血行動態を判断していきます。狭窄や閉塞が疑われる部位の特定、範囲、さらに狭窄や閉塞の客観的指標として、狭窄率など測定することもあります。
❍下肢動脈エコー検査の実際
下肢動脈を鼠径の総大腿骨動脈から末梢までプローベをあてながら血管の走行にそってスキャンしていきます。
直接肌にエコーゼリーを塗布しますので、下半身は、下着(パンツ)1枚になっていただかないと検査を行えません。長い肌着の類はすべて脱いでいただくことになります。
検査の内容によって、場合により総大腿骨動脈よりも中枢側の動脈となる、総腸骨動脈、腹部動脈も検査致します。
●検査を行う部位はデリケートな部分です
検査着を準備していない病院が多いと思います。当日は、脱ぎきしやすい服装で検査を受けられることをお勧めいたします。タオルで覆うことは致しますが、特に女性は事前に知っているかいないかで心の準備もいくばくかは、あるのではないでしょうか。
末梢動脈疾患により、下肢の切断となることを防ぐために行われる治療として、下肢動脈の経皮的血管形成術・ステント留置術が行われるようになってきています。そしてこの術前評価や術後の経過、その後のフォローアップ検査として行われようになってきたのが、下肢動脈超音波検査です。
この検査はかなりの熟練を有する検査です。症状がある血管ほど難しく技術を必要とし、ドプラーを駆使しなければ正しい流速の測定もできません。知識と技術ともに有する超音波検査のひとつです。
❍高齢化に伴い確実に増加している動脈硬化性の疾患
生活環境の変化、食生活などの変化、とくに日本は超高齢化社会とされる時代です。狭心症や心筋梗塞などの冠動脈疾患、脳梗塞など、動脈硬化を原因とする疾患は確実に増加しています。
足の動脈硬化とされる末梢動脈疾患:PADも例外ではありません。人生最後まで自分の足でしっかりと歩み続けたいと思いませんんか?
Pure Medical attitude ☆ 生理検査アティテュード®
生理検査アティテュード®からのメッセージ
応用力に必要なメタ知識
今回は、テーマに苦慮しました…笑
そして、
今回末梢動脈疾患・PADを取り上げた理由は、高齢化に伴いPADが増加しているという現実と、今後ますます「下肢動脈エコー」の必要性が増えると考えるからです。
❍スキルUPにつながる経験の活かし方
総合病院に在職中にフルバージョンで下肢動脈エコーを行ったことはありませんでした。しかし、その後2017年から関わることになった病院でからです。解剖的な動脈の走行もおぼろげだったと記憶しています。その後、運動指導員の資格取得や、さまざまな超音波以外の多方面の学び、さらに自分の超音波スキルを駆使し、どのように検査を勧めていくことが効率的で、有用性があるのか?そして、臨床側が何を求めているのか?などつなぎ合わせて検査を系統的に組み立てることに至っています。
❍ベースに基礎は必須
そのベースに基礎的な技術に裏付けされたスキルは必須です。
どのような診断装置を差し出されても使いこなせるスキルは、経験年数に比例するのかも知れません。そして、USに対するセンスも当然あります。私にセンスがあるかどうかは疑問ですが、探究心はあります。
そして何より大きいのは私の個人的な考えですが
「超音波が好きだ」
ということです。根っからのエコー屋さんです(笑)
被検者となる方の疾患の原因、痛みの原因が分かったときの「あぁ!原因が分かった!」この感覚かも知れません。脂肪肝が改善された肝臓を見て「肝臓きれいになっています!」そんな喜びを共有出来ることも好きなことのひとつです。
物理に関しては、決して好きだと言えません。しかし、物理を基礎とする超音波基礎は基本でしかなく、その論理的な基礎の上に抽象的なイメージを創り上げるというスキルが要求されます。この部分がセンスにつながるのかも知れません。
❍教えることから学べること
腹部・消化器超音波が大好きで得意とします。そして血管はあまり好きとは言えません(苦笑)
しかし検査を繰り返すことで、進め方は自ずと見えて来ます。そして、伝えるべきスキルの内容も見えてきます。どうしてうまく血管走行に沿うことが出来ないのか?ということを見せて戴きなから使え方を模索し、ことばで伝えます。どう伝えたら理解してもらえるのか?ということを考えながらです。
「言った」と「伝えた」の違い
この2つの意味の違いです。ただ言っただけでは教えることにはなりません。相手が理解できて、実践できて初めて伝えることが出来たことになります。
下肢動脈を教える立場として、パルス波形や流速が意味することを読み解き、その原因を見出すことが出来たこの対して、下肢動脈検査の意義や必要性を感じます。血管造影は被検者に身体にダメージとなるような負担をかけることも否めない検査です。その点、超音波検査は、非侵襲性検査の代表格です。
今回体験させて貰ったことは、私自身のとっても大きなスキルUPにつながっています。同じ言葉で伝えても理解できる人とそうでない人がいます。そのような立場にいると受ける側の理解度が足りない、努力していないなど相手が悪いと考えがちです。しかし同じことを伝えても受け取る優先感覚の個性によって異なります。ことばを変え、方法を変え、アプローチの仕方を考えて伝え直さなければなりません。
これが自分自身のメタ認知を拡げるスキルとなり、メタ知識の獲得になります。
教えることから学べることは、自己学習以上に大きな力となります。
教えるためには基礎に基づいた知識が必須
そして
自分のことばとして自由に変換できることが必要
私はそう考えます。
Pure Medical attitude
生理検査アティテュード®
Junko katayoshi
今日のプラスα
- 末梢動脈疾患・PADは、下肢動脈の動脈硬化が主たる原因です
- PADを強く疑う症状は、歩くと足が痛くなる、でも休むとまた歩ける。この状態が間欠性跛行
- PADがある場合は、全身性の動脈硬化「冠動脈疾患」「脳血管疾患」なども考えることが必要
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☆アンコモンセラピー「ワンコイン¥500」読書会☆
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米国の精神科医ミルトン・エリクソン博士は、発達障害だった?!
催眠療法の大家とされる、精神科医エリクソン博士は、変わった子どもと言われ、さまざまな感覚障害を持ち、読字障害、失読症ともいわれ、さらに色盲に音痴だとされています。そのエリクソン博士「ミルトン・エリクソンの戦略的手法」を紹介されているこの本の読書会です。心理療法にご興味ある方、ぜひ、ご参加お待ちしております。
次回は、本日9月6日(金)PM 19時~となります。イベントサイト、メッセージにてご連絡ください。
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