今日もHealth attitude blogにご訪問ありがとうございます。メンタルも語る 臨床検査技師・超音波検査士かたよし純子です♪ 今日は血液疾患が疑われるときに行われる一般的な検査を中心にまとめていきます。

検査技師として…血液検査室時代の記憶

今でも検査された方の名前をしっかりと覚えている…「出血時間」の検査を行った記憶、そのときの感情が思い出されます。そこで得たことは検査結果と向き合う心です。血液関連の最終回は、臨床検査をもっと知って欲しい…ひとりの技師としての経験の言葉として、検査技師の在り方もお伝えできたらと思います。今、COVID-19のPCR検査、その検体の先のみなさんと向き合っているのはきっと「臨床検査技師」です。

1.血液疾患かも…そのときに行われる臨床検査

1-1 血球の状態を調べる「血液学的検査」

1-2 出血傾向があるときには「凝固機能検査」

1-3 骨髄検査・血液疾患のためのその他の検査

今日のプラスα

2.血栓がばらまかれるDIC 播種性血管内凝固症候群 

3.診断につながる臨床検査の技術「臨床検査技師」

生理検査アティテュード®からのメッセージ

・『出血時間』という検査 そして、血小板減少したときは…

1.血液疾患かも…そのときに行われる臨床検査

血液関連の最終回

1-1 血球の状態を調べる「血液学的検査」

「血液学敵検査」とは、血液中の細胞成分(赤血球・白血球・血小板など)の詳細を調べる検査です。

偶然健診などで見つかる血液疾患もある

❍血液算定検査「血算」に使われる血液『検体』

そんなことを、これまでのブログでもまとめています。一般的に「血算」と言われている血液算定検査です。過去のブログでまとめたことの再編集、加筆してまとめていきます。遠心分離による血漿と血清

これに対して、血球成分を分離した血清や血漿を検体として調べる検査を「生化学的検査」といいます。

イラストの真ん中の部分が全血です。この状態で検査をしますので、前回のブログでまとめたように、抗凝固剤が入った採血管を用い、血球成分と血漿成分が混和された状態で検査します。

*血算用には通常EDTA剤が入ったスピッツが用いられます

❍血球算定検査 とは?

自動血球計数装置で測定されます。血液中の各細胞数を計測し、白血球分画まで自動で出されます。※診断機器の規模・性能によって分析される内容はさまざまです。

血液の細胞成分をみていきます。赤血球数(RBC)、白血球数(WBC)、ヘモグロビン血色素量(Hb)、ヘマトクリット値(Ht)、血小板数(PLT)それぞれ算出します。血液検査では必ず行うスクリーニング検査、全身状態を把握できる検査で、血液疾患の診断や経過観察、貧血の状態・有無、感染症の状態・有無、出血などが疑われる場合には必ず行われる検査です。

また、分析装置で自動的に算出される項目に、赤血球恒数として平均赤血球容積(MCV)・平均赤血球血色素量(MCH)・平均赤血球血色素濃度(MCHC)があります。

❍赤血球数 RBC・ヘマトクリット Ht・ヘモグロビン Hb

  • 赤血球数(RBC)
  • ヘマトクリット(Ht):血液中の血球の体積の割合
  • ヘモグロビン(Hb)  :血色素量、赤血球の中に存在するヘモグロビンタンパク質、酸素の運搬

❍赤血球恒数 MCV・MCH・MCHC

  • MCV (平均赤血球容積)    赤血球の容量、小球性、大球性、正球性などの分類
  • MCH (平均赤血球血色素量)  血球に含まれるヘモグロビン量
  • MCHC(平均赤血球血色素濃度)  血球に含まれるヘモグロビン濃度

※赤血球・ヘモグロビン・ヘマトクリット値から計算されます。

〔MCV:平均赤血球容積〕 基準値 約80~100 fl ※flは、フェムトリットル(国際単位)

[ヘマトクリット値(%)÷赤血球数(106/㎣)]×10

大球性貧血、正球性貧血、小球性貧血の分類。ヘマトクリット、赤血球数から計算

〔MCH:平均赤血球ヘモグロビン量〕 基準値 約28~32 pg

[ヘモグロビン(g/l)÷赤血球数(106/㎣)]×10

低色素性貧血と正色素性貧血の分類、ヘモグロビンを赤血球数で割って計算

〔MCHC:平均赤血球ヘモグロビン濃度〕 基準値 約31~36 %

[ヘモグロビン(g/㎗)÷ヘマトクリット値(%)]×100

低色素性貧血と正色素性貧血の分類、ヘモグロビンをヘマトクリットで割って計算

❍白血球数 WBCおよび白血球分画

白血球は体内の感染症・炎症など異物に対して反応する免疫担当細胞です。急性期・回復期または臨床効果などを評価するために測定します。

白血球全体の細胞数と5種類(好中球・好酸球・好塩基球・単球、リンパ球)それぞれの割合を「白血球分画」として出されます。

白血球の増加は、体内に何らかの免疫系が反応する疾患があることなど、異物の侵入が示唆させます。増加する細胞の中で何が増加しているかによって原因につながることもあります。

  • リンパ球の増加 ⇨ ウイルス感染
  • 好中球の増加  ⇨ おもに細菌感染に対して反応
  • 好酸球の増加  ⇨ アレルギー性疾患、寄生虫
  • 好塩基球の増加 ⇨ 甲状腺機能低下症
    • 好塩基球低下 ⇨ 甲状腺中毒症、急性の過敏反応、感染など

※関連ブログ「白血球疾患、血液のがんといわれる『白血病』」

❍血小板数

前回のブログでまとめたように、血小板数が基準値以下(約15万/μl以下)血小板減少症、40万/μl以上で血小板増多症とされます。10万/μl以下になると血が止まりにくくなり、さらに5万/μl以下で皮膚に紫色の皮下出血が目立つようになることがあるります。ぶつけてないのに内出血がみられるような場合は、血小板減少の可能性もあります。

逆に血小板数が多い場合は、血が固まりやすくなり、血の塊を作り、血管を詰まらせてしまう可能性があります。

  • 高値:本態性血小板血症、慢性骨髄性白血病、真性多血症 など
  • 低値:血小板減少性紫斑病、再生不良性貧血、急性白血病、肝硬変 など

自動計数装置では、ごく少量の血液を用いて数分でこの検査が行われます。その結果、血液疾患が疑われることなどや、否定できない場合、血球情報を補完するために、顕微鏡で細胞成分を調べることもあります。

※関連ブログ「 ヘモグロビンが、血液が減る貧血とは」「貧血の分類とよくある貧血」「健診結果を読む② 血液検査

❍血液細胞を視覚化して確認する検査『血液像』

学生の頃だったか…

不思議な感覺…だったかも

顕微鏡でのぞいた時の自分の赤血球や白血球

今の時代の血球分析装置は、白血球分画まで出されるものがほとんどです。(現在血液検査に関わっていませんので詳細は不明)診断装置で異常が疑われる場合(例、分画異常、幼若な細胞が疑われるなど)は、実際に血液標本を作成し、顕微鏡で目視で血液細胞の状態を確認します。

❍血液像から得られる情報

直接血液細胞を「観る」ことで得られる多くの情報があります。

〔赤血球〕

赤血球の大小不同、有核赤血球、赤血球の構造の変化、連戦形成(赤血球が連なっている状態)など多くの情報が得られます。

有核赤血球は幼若赤血球の末梢出現を示し、形状の変化は赤血球疾患の同定につながることがあります。標的赤血球はヘモグロビンが不足したときにみられる特徴的な赤血球となるほか、赤血球の形状変化としてみられる 破砕赤血球(断片状の赤血球、破壊など)、涙滴赤血球、鎌状赤血球などの出現は、何らかの赤血球障害を意味することがあります。

その他詳細な情報とされる、やマラリアやその他の寄生虫感染による封入体などは、分析装置では得られない情報です。

〔白血球〕

自動分析装置の結果で、白血球分画異常がある場合など詳細情報を得るために、血液像標本を鏡検して白血球の確認をすることがあります。未熟な白血球細胞の有無や、

白血球に関する情報をさらに得るために、白血球を顕微鏡で調べることがあります。顕微鏡検査では、ある種の病気に特有な白血球の特徴を識別できます。例えば、外観が極めて未熟な白血球(芽球)が数多く認められる場合は、白血病(白血球のがん、 白血病の概要)の可能性があります。

〔血小板〕

血小板どうしがくっついて集塊を作る状態・血小板凝集は病的な場合もありますが、手技的なことでも生じます。抗凝固剤との混和が不十分な場合や、採血に時間がかかりすぎた場合でも凝集します。

血小板の数も、通常は血算の一部として測定されます。血小板の数は、血液が血栓を形成する能力を示す重要な測定値です(血栓の形成は止血に関する身体の保護機構です)。血小板数が多いと(血小板増多症)、心臓や脳の毛細血管で血液凝固が起こりやすくなります。一部の疾患では、血小板の数が多いことにより、逆に大量出血を起こすこともあります。

『血液塗抹標本』のこと

スライドガラスに1敵血液を取り、ガラスで薄く引き伸ばし、乾燥、染色して鏡検します。

細胞の形態(幼若細胞の有無、異形成、大きさ、形状など)、異物の混入、血小板凝集の有無、白血球分画の算定 など

血液塗沫標本 鏡検

<血液塗沫標本 鏡検>

❍網状赤血球数

先日の赤血球の疾患をまとめたブログで「血液疾患の種類と『赤血球』の疾患」で詳細を書きましたが、網状赤血球数は未熟な赤血球で、赤血球数の計測にも含まれる細胞です。健常者でも網状赤血球数は、総赤血球数の約1%みられます。

貧血などで多くの赤血球が必要な状態のときに、骨髄では必要に応じて網状赤血球が多く造られるようになります。そのため、網状赤血球数の測定は、骨髄での赤血球造血能力を示す指標となります。

 

1-2 出血傾向があるときには「凝固機能検査」

前回のブログで止血機能をまとめましたが、その機能を調べる検査が凝固機能検査です。日常的に用いられている検査項目をまとめていきます。

❍プロトロンビン時間:PT prothrombin time

凝固機能検査として、外因系凝固因子と共通系凝固因子の凝固機能異常のスクリーニング検査として日常的に行われる検査です。

〔プロトロンビン時間の測定意義〕 プロトロンビン:凝固第Ⅱ因子

プロトロンビン時間が延長した場合、外因系凝固機能障害・共通する系統の凝固機能障害が疑われます。(短縮の場合、病的意義は低い)

PT時間 延長する凝固因子

<PT時間 延長する凝固因子>

●PT時間が延長する場合
  • 第VII因子(外因系因子)欠乏・異常:外因系・及び共通系の検査の異常で延長
  • 第II因子(プロトロンビン)欠乏・異常:第Ⅱ因子は共通系の因子 *第Ⅱ因子以上の場合APTTも延長
  • 第V因子欠乏・異常:共通系
  • 第X因子欠乏・異常:共通系
  • 肝機能障害:肝臓は凝固因子産生臓器 *ATPPも延長
    • 肝硬変・肝炎・肝臓癌などの場合、肝機能の指標としても検査される
  • DIC(播種性血管内凝固症候群)  :凝固因子の過剰消費 *APTTも延長
  • ワーファリン投与・ビタミンK欠乏:第VII因子はビタミンK依存性凝固因子

『DIC:播種性血管内凝固症候群とは?』 前回の再掲

  • 微小血栓が全身の血管内で生じる症候群
  • 細い血管の閉塞が多発し、血液凝固の促進によって、血小板減少を発症、過度の出血原因となる。
  • 早期診断・早期対応を必要する
●プロトロンビン時間INR PT-INR:International normalized ratio

通常、PT時間はの結果は秒数で検査結果が出ますが、プロトロンビン指数、プロトロンビン活性、プロトロンビン時間 INR(international normalized ratio)なども報告します。

  1. プロトロンビン時間そのものを正常対照値とともに表記 *10~12秒 程度
  2. プロトロンビン指数=対照 PT / 被検血漿PT × 100%
  3. プロトロンビン活性(%):希釈標準曲線を求め、活性%を示す *基準値 80~100%。
  4. プロトロンビン比  =被検 PT / 対照 PT  *基準値1±0.15
  5. プロトロンビン時間INR (PT-INR)
『国際感度表示 ISI:international sensitivity index』
  • WHOの標準トロンボプラスチン(試薬)を基準として、試薬感度としてロットごとに決められている
  • ISIが1.0に近い試薬で測定した PT-INR を用いることが国際的に推奨されている。
  • ワルファリンによる一般的な抗凝固療法では、2.0~3.0
  • 心臓に機械弁を用いている場合、3.0~3.5
  • 4.0を超えると出血性副作用の危険が高く、緊急対応が必須となる

プロトロンビン時間の結果の正常対照試料に対する比を、正常対照試料のISIで累乗したものがINRとなるります。

INR=(PTtest/PTnormal)ISI

❍活性化部分トロンボプラスチン時間:APTT activated partial thromboplastin time

活性化部分トロンボプラスチン時間は、PT時間同様に、凝固機能異常のスクリーニング検査として日常的に行われる検査です。

〔活性化部分トロンボプラスチン時間の測定意義〕

APTT時間が延長した場合、内因系凝固因子と共通系凝固因子の機能異常が疑われます。

●APTT時間に関与する凝固因子
  • 内因系凝固因子:第Ⅸ因子、第Ⅺ因子、第Ⅱ因子、高分子キニノゲン、血漿プレカリクレイン
  • 共通系凝固因子:フィブリノゲン、プロトロンビン(第Ⅱ因子)、第V因子、第X因子

これらの凝固因子の低下や凝固阻害物資の存在を反映します。

●APTTの異常値を示す疾患 とそのメカニズム
  • 先天性欠乏症・異常症:血友病
  • 後天性異常:
    • 肝臓のタンパク質合成能低下する肝硬変症など
    • ビタミンK欠乏
    • 後天性血友病など凝固活性中和自己抗体の産生
    • マクログロブリン血症など異常タンパク質産生
    • 大量出血
    • DIC(播種性血管内凝固症候群)
    • ループスアンチコアグラントの産生
    • 経口抗凝固薬(ワルファリン)投与
    • 未分画ヘパリン投与 など
●APTTの基準値

・30~40秒 程度 ±5秒以内を正常範囲、10秒以上の延長はあきらかな異常とされます

APTT時間 延長する凝固因子

<APTT時間 延長する凝固因子>

❍フィブリノゲンの測定

前回のブログでまとめていますが、凝固カスケードの最終産物となるフィブリンとなるのがフィブリノゲン・凝固第Ⅰ因子です。

フィブリノゲン測定

<フィブリノゲン測定>

●フィブリノゲンの生理的増減

人の身体のどこかで炎症がある場合、身体の防御機能が働きます。そのための急性相反物質として測定される物質として、フィブリノゲンが測定されます。

体内での炎症や組織破壊によって、血液中のフィブリノゲンは増加します。その状態をキャッチするためにフィブリノゲン量が検査されます。ここまで何度も出てきている、DIC・播種性血管内凝固症候群の状態などはこれに当たります。また、フィブリノゲンは妊娠経過中、運動後には有意に増加し、高齢者は上昇傾向にあることが分かっています。

●フィブリノゲン測定の意義

フィブリノゲンはフィブリン繊維の原料であり、血小板の凝集にも関与しています。そのたま、一次止血にも重要な役割を担い、フィブリノゲン量が低下すると止血異常につながることになります。

〔フィブリノゲン減少する疾患〕
  • 先天性疾患:異常フィブリノーゲン血症、低フィブリノーゲン血症,、無フィブリノーゲン血症
  • DIC(播種性血管内凝固症候群)
  • 肝疾患  :慢性肝炎、肝硬変 *フィブリノゲンは肝臓で作られます
  • 蛇毒製剤(止血作用を持つ)の投与
  • 線溶亢進状態
  • 大量出血の場合
●フィブリノゲン増加する疾患
  • 心筋梗塞・脳卒中の発作後
  • 感染症
  • 糖尿病
  • 悪性腫瘍、X線治療後
  • ネフローゼ
  • ペパリン投与中止後、血液製剤の大量投与時 など
  • 生理的増加:運動後、高齢者、 妊娠、避妊薬服用 など
●肝機能の指標として測定されるフィブリノゲン

フィブリノゲンは肝臓で作られています。そのため、肝障害(肝硬変や肝臓癌 など)がある場合、フィブリノゲンは低値を示しますので、肝機能検査としてもよく用いられる検査です。さらに体内に炎症がある状態、感染症や急性心筋梗塞(冠動脈に血栓が生じている状態)などが疑われる場合にも測定されます。

●結果の解釈

フィブリノゲン 基準値:200~400mg/dl

フィブリノゲンが100mg/dl以下の場合は低フィブリノゲン血症、50mg/dl以下の場合は出血の危険性を考慮します。

❍トロンボテスト:TT thrombotest

トロンボテストは、凝固外因系の総合的評価が可能な検査です。ワーファリンなどビタミンK拮抗薬による経口抗凝血薬のコントロール評価の用いられます。プロトロンビンテストも用いられますが、このトロンボテストの方が、出血リスク、治療効果をよく反映するとされます。

トロンボテストは、凝固第II因子、第VII因子、第X因子を含む外因系凝固活性に相関します。

●トロンボテストが低値を示す疾患
  • 先天性欠乏症:第Ⅱ因子、第Ⅶ因子、第Ⅹ因子
  • 播種性血管内凝固症候群(DIC)
  • 肝疾患   :肝炎、肝硬変、 劇症肝炎
  • 新生児出血性疾患
  • 乳児ビタミンK欠乏性出血症
  • 閉塞性黄疸

経口抗凝血薬ワーファリンは、肝細胞においてビタミンKの代謝を阻害するために、ビタミンK依存性凝固因子(第Ⅱ因子、第Ⅶ因子、第Ⅸ因子、第Ⅹ因子)の合成を阻害、抗凝固作用を招きます。

トロンボテスト

<トロンボテスト関連因子>

1-3 骨髄検査・血液疾患のためのその他の検査

上記のスクリーニング検査で何らかの血液疾患が疑われる場合によく行われる検査骨髄検査を中心におもな検査をいくつかまとめていきましょう。

❍骨髄検査

上記の血算、血液像で何らかの細胞に異常が疑われる場合に血液細胞を作っている骨髄検査が行われます。

●骨髄検査とは

血液中に、幼若な血球がみられることや、異常増加などがある場合に骨髄穿刺や骨髄生検を行います。

  • 骨髄穿刺:骨髄に針を刺して骨髄液と細胞を吸引します
  • 骨髄生検:腸骨にやや太めの針を刺し、骨髄組織をの一部を壊さずに採取する方法

骨髄穿刺は胸骨または腸骨を穿刺して注射器で吸引します。骨髄中の正常細胞と異常細胞の種類や形態・傾向などが分析していきます。骨髄生検では、どの種類の骨髄細胞が増殖しているか、腫瘍細胞の有無などを検査します。

この骨髄検査を行うことによって、造血機能や血液疾患の原因、腫瘍細胞の有無が明確化され、診断や治療方針の選択、治療効果などを判断していくます。

❍白血球表面マーカー

白血球などの血液細胞の表面には細胞の特徴となるモノクロナール抗原が存在しています。

この細胞表面マーカーはCD(Cluster of Differentiation)分類と言われ、国際的統一されています。この表面マーカーを調べることによって、診断や治療効果の判断が可能となります。

※情報関連サイト 「CD分類」Wikipedia

❍染色体検査・遺伝子検査

染色体異常や遺伝子異常が血液疾患の原因となる場合があります。異常の有無を調べることによって、診断や病型分類ができることもあります。

❍腹部超音波検査・腹部CT検査

血液疾患発症後、他の臓器の異常や、合併症の有無を確認する検査として、腹部エコーや腹部CTなどを検査することがあります。

❍タンパク質などの物質の測定

血漿中に含まれる多くのタンパク質を測定することによって、白血球ががん化する際に生じる異常タンパクの有無を検査することがあります。

●ベンスジョーンズタンパク:多発性骨髄腫

よく用いられる検査にベンスジョーンズタンパク(BJP)がありますが、このタンパク質は、多発性骨髄腫の際に産生され、血液や尿中に出現するタンパク質です。形質細胞ががん化することによって産生される異常抗体のタンパク質です。

その他、赤血球のところでまとめた腎臓で産生される「エリスロポエチン」や、鉄欠乏性貧血の際の鉄やミネラルなどの測定も生化学的検査としてよく行われます。

 

2.血栓がばらまかれるDIC 播種性血管内凝固症候群

持続性の凝固活性化によって微小血栓が生じ、循環障害を引き起こす可能性があるDICは、時に重篤な状態となることがあります。前回簡単にまとめていますが、もう少し詳しくまとめておきたいと思います。

❍播種性血管内凝固症候群 DICの発症機序

「播種」とはばらまくという意味ですが、全身の血管内に血栓がばらまかれる状態を意味しています。持続的に亢進状態の激しい凝固活性化によって、多量の微小血栓が作られてしまう状態です。

進行すると微小循環障害による臓器障害をきたすとともに、凝固因子や血小板が大量に使われてしまうために出血症状も出現します。

凝固の活性化は線溶活性化も起こり、過剰な線溶によって重篤な出血症状や血圧低下を招き、ショック状態となることもあります。

❍DICで何が起きていること

  1. 大量に血栓が作られるため、血小板や凝固因子が体内で大量に消費され、非常に出血しやすい状態となる
  2. アンチトロンビンも大量消費されるために不足し、その結果、凝固反応がさらに亢進、血栓の亢進を阻止できず、さらに血栓が作られてしまう。
  3. プラスミンは作られた血栓を溶解するために作用し、出血を止めるために作られた血栓も溶解し、さらに出血傾向が強まるという悪循環となる

このように、凝固作用と線溶が無秩序に起こることによる非常に厄介な状態となるのがDICです。多くの全身臓器への循環障害が生じるために、機能不全に陥りやすく、ショック症状となることもあります。虚血性の壊死、多臓器不全を生じ致死的な状態に陥ることもあります。DICは予後の悪い死亡率の高い疾患です。早期診断、早期治療が重要です。

❍DICを引き起こす基礎疾患

DICの発症は何らかの基礎疾患に起こる症状をいいます。さまざまな身体へのストレスとなる負荷が原因となります。

  • 急性白血病:白血病細胞内の組織因子による
  • 悪性腫瘍 :膵・胆系腫瘍、組織因子の血管内漏出による
  • 敗血症  :グラム陰性桿菌 感染症
  • 外傷、熱傷、凍傷、銃創、ヘビ咬傷、膠原病(血管炎合併)など
  • 肝臓疾患 :肝硬変、劇症肝炎
  • 膵臓疾患 :急性膵炎
  • 妊娠合併症:胎盤性組織因子の血管侵入、常位胎盤早期剥離、羊水塞栓 など
  • 過度の脱水による熱中症:サウナや岩盤浴 など

❍DIC診断の血液検査

  • フィブリノゲン低下 : 凝固亢進状態のため、血液中のフィブリノゲンが消費、低下
  • 血小板数低下   :消費され低下
  • PT時間の延長   :凝固因子が消費されるため延長 *肝不全やビタミンK欠乏症の合併も延長
  • AT活性低下    :急性白血病に合併したDICの場合はあまり低下しない *肝不全合併で低下
  • D-ダイマー上昇  :微小血栓溶解のため上昇
  • フィブリンおよびフィブリノーゲン分解産物上昇:微小血栓溶解のため
  • TAT上昇:凝固活性化のマーカー
  • PIC上昇:線溶活性化のマーカー
〔D-ダイマー〕 *前回の再掲_20200223_235022

D-ダイマーはプラスミンによって分解される際のフィブリン分解産物です。DIC によって産生され、診断の際に用いられる検査項目としてよく知られた検査です。血栓が原因となる疾患、心房内血栓や大動脈解離、深部静脈血栓症などが疑われる場合によく用いられる検査です。

 

 

 

 

3.診断につながる臨床検査の技術「臨床検査技師」

「臨床検査技師」この名称を知らない人も思いの外いる…臨床検査技師は地味ですが…

『臨床検査技師』は

診断に関わる検査のエキスパート

❍分析装置が出したデータの確認も技師の仕事 

分析装置はラベルが貼られたスピッツをセットして、スタートボタンを押せば誰でもできます。

並べてボタン押すだけなら…誰でも出来るじゃん

しかし、臨床検査技師の仕事はそれで終わりではありません。その先の仕事が国家資格を意味する仕事です。

分析装置が出したデータを検証すること

これが、臨床検査技師の大切な仕事です。報告書には検査担当者としてしっかりと記名・サイン「検査結果に責任を持つこと」です。

この検体から導き出された「検査結果」はこの方の臨床症状とした合致するのか?そんなことも推考し、再検して報告します。すなわち、臨床検査データが読めなければ「臨床検査技師」ではありません。そのための教育を受け、国家資格が与えられているのです。

❍メディカルスタッフで診断される医療チーム

NLPトレーナーのライセンスを取得した頃、

「医療の質はコミュニケーションの質にある」

そんなタイトルで学会発表したことがあります。

もう10年くらい前のことになります。医療チームとして個々が自分の責任ある仕事を行うことは当たり前のことであり、それためには、ひとりも病気を持つ方を支えるチーム体制を構築することが良質の医療の提供につながる、そう日常から考えたいます。そのための新人を育成するためには、受け入れるための器を創り、コミュニケーション力を磨き、「居心地の良い空気感」そのための相互のラポール・信頼関係を築くことを何よりも優先させることが大切だという内容です。

❍プロの力、それはその道の感性力

かなり以前、医師が気づかない子どもの微小な骨のひびを、レントゲン技師の方に見つけて貰ったことがあります。思いがけない場所でも有り、ほんの僅かなものでした。真っ白い眼でパッと見れるレントゲン技師、日常的におそらく医師よりも多くのフィルムを診ているのでしょう。推測するに感性で観ています。

私がエコーで何気にイヤな気がする、今のスキャンに何か有った、と感じる感性と同様のものなのでしょう。誰よりも多くの経験を積んでいるということは非常に重要だと私は思っています。その感性はその人の神経細胞から生まれた脳機能だと私は思っています。

ミクロの世界への誘い

❍検体の先にいる「人」と向き合う

検査結果を受けとめながら、臨床症状を参照し、結果を技師の視点で評価する...

検体はその人の分身・身体の一部です。

その細胞はその方の心を伝えようとしているのだと私は感じています。

顕微鏡の中の世界は、私にさまざまなことを語っていました...ありがとう

 

※今週、木曜日のブログはお休みとさせて戴きます。次回は3月2日を予定しておりますのでよろしくお願いいたします。

生理検査アティテュード®からのメッセージ

『出血時間』という検査

そして、血小板減少したときは…

 

今回まとめた凝固機能関連の検査項目で扱わなかった古典的とも考えられる検査として「出血時間」というものがあります。

❍出血時間(Bleeding time)とは?

耳朶、すなわち耳たぶをランセットで穿刺して出血させてろ紙に吸わせていき、止血止するまでの時間を測定する検査です。血小板が関わる一次止血機構をみることが出来るスクリーニング検査として、術前検査として行われています。血小板数が減少している場合や、血小板凝集能が低下している場合など延長することがあります。

このDuke法といわれる出血時間の測定が多く用いられてきました。得られた結果に対してさまざまな問題があり、実施する施設もなくなりつつあります。今年4月に診療報酬が改定されますが、改定前の出血時間に関する診療報酬は(15点)加算可能です。今現在、実施施設がどれほどあるのかはわかりません。

〔Duke法出血時間の問題点〕
  • 耳朶の血管分布は不均一、穿刺した血管径の大小によって得られる結果がバラツキが生じる
  • 穿刺時の痛みによって、血管収縮が生じ、出血時間が短縮される、またその個人差もある
  • 術者のさまざまな手技的な問題がある
    • 穿刺の仕方:深さ、強さ、耳朶の圧迫など穿刺創の状態による違い
    • ろ紙での吸引の仕方:凝固しかけている血小板血栓を剥がしてしまうなど

もう数年前になりますが総合病院退職時まで、生理検査室でこの、出血時間を実施していました。通常血液検査室の担当となる検査ですが、外来受診の方が来室するという便宜上、生理検査で行うことになったのです。血液検査室担当から生理検査に移動していますので、かれこれ数十年この「出血時間」も行っていました。

そして今でもしっかりと記憶に残るのが、総合病院勤務以前、血小板減少(5万/μl以下)がある方に対して、この検査を行ったことがあります。ちょっと長めとなりますが、倍ほどの時間で止血完了します。

❍検査しながら疑問に思っていた、出血時間

  • 基本、「痛い検査」は苦手だよなぁ、特に小さい子どもは泣き叫ぶのはあたりまえ
  • 泣くと延長する、止まらない、手で擦ってしまうなど、検査する意味が無いよ
  • 血小板が減少しているのだから止まらないだろう…何でやるのよ?
  • 穿刺した瞬間にドバッと出血しても止まる人は止まる
  • 血算で血小板数正常なのに、でもダラダラといつまでも
  • 耳たぶの厚みや血圧の影響あるよなぁ…

それ以外にも、かかる手間・時間対人件費、保険点数…etc

そんなことも思っていましたが、ここだけのつぶやきとスルーしてください。実際に、他の凝固機能検査に置き換えることを臨床側に提案もしましたが、術前スクリーニング検査として外せないとのこと。夜間・休日当直帯でもこの検査は対象項目です。

❍臨床検査の歴史を見てきた「今」

すでに化石となった検査も多々あります。もっと科学的な検査へときっと以降していくでしょう。

でも、このような古典的検査を経て今があります。

学生の頃、吸口を使ってメランジュールで血液を希釈、計算版に流し込み、顕微鏡とカウンターで数える…そんな時代も知っています。それがわずかな血液量で1分足らずですべての細胞数から白血球分画まで…開発された分析装置をみたときに、すごい!と憧れました。その影には、多くの分析装置や、医療機器を開発してきたエンジニアの方の叡智とたゆまぬ努力があるからです。現場の検査技師の夢を叶える多くの診断装置の開発への強い思いがあるということです。そのことをしっかりと受けとめたいです。

そして、冒頭でつぶやいた「コロナウイルス」と向き合う多くの「臨床検査検査技師」がいることを知ってください。ウイルス関連の治療薬の開発や、より簡便化された検査薬も開発に躍起になっている多くの人がいるということを知って戴けたらと私は思うのです。DSC_0242

振り返ると臨床検査の進歩・歴史とともに私も歩み、成長させて貰っていたということを決して忘れてはいけないと思っています。

 

 

Pure Medical attitude

生理検査アティテュード®

Junko Katayoshi

今日のまとめ

  • 1滴の血液で赤血球数・白血球数・血小板数そして、赤血球恒数が得られる
  • 1滴の血液で血液像を作成し血液細胞の形態など多くの情報が得られる
  • 凝固機能検査は血液疾患のみならず、凝固因子を作る肝機能などの疾患の診断にも用いられる

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この学びをどう活かすのか?『後悔』から企画しました。

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変われない理由は何もない。

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※ブログやセミナーに関する、ご意見・ご質問などお問合せは、こちらからお気軽にどうぞ

みなさまのお声をぜひ、お寄せください!楽しみにしております!

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生理検査アティテュード®

代表 かたよし純子 Junchan♪  ※自己紹介はこちらから

臨床検査技師/超音波検査士/健康管理士一般指導員/健康管理能力検定1級/介護予防運動指導員/米国NLP協会認定NLPトレーナー/臨床心理学 および 基礎エキスパート取得

今日も最後までありがとうございまし