今日もHealth attitude blogにご訪問ありがとうございます。急激に寒くなり、日中と朝晩の寒暖差が身体にはストレスになります。このストレス状態は免疫力の低下につながります。先週まとめた「インフルエンザ」「ノロウイルス」もですが、もう一つ気になる感染症が「風疹」です。ちょうど1年前の10月末に「風疹」の流行にあわせてまとめています。その後も風疹感染の報告が続いていましたが、先日の厚労省の感染症エクスプレスでも風疹の報告が続いているとのことです。そして、メディア情報でも都内で今年2例目の「先天性風疹症候群」の報告があり、全国では先月27日までに埼玉県、東京都、大阪府の医療機関で合わせて3例の報告があったとのことです。今日は妊娠中の風疹感染が原因となる「先天性風疹症候群」をまとめていきます。

※国立感染症研究所「先天性風しん症候群(CRS)の報告(2019年6月19日現在)

1.妊婦さん、先天性風疹から赤ちゃんを守って!!

1-1 先天性風疹症候群は、風疹ウイルスの胎内感染が原因

1-2 先天性風疹症候群の原因と症状

1-3 先天性風疹症候群への対策

今日のプラスα

2.風疹ウイルスの感染力は強い!

3.最後に「30~50歳代の男性へ」風疹抗体ありますか?!

生理検査アティテュード®からのメッセージ

・人間の起源は受精した時  ~胎盤は赤ちゃんの命綱~

 

1.妊婦さん、先天性風疹から赤ちゃんを守って!!

風疹感染による胎児への影響

妊娠中に風疹に感染することによって、血行性に胎盤をとおして胎児も風疹に感染することがある。そして、その弊害として高率に、胎児の発達に障害をもたらすことがある、ということが知られています。

子どもが欲しいと思う方へ

ぜひお読みください

妊活中・妊活を考えている方

その前に周囲の方も含めて...

『風疹抗体』を持っていますか?

「先天性風疹症候群」について、昨年もまとめていますが、再確認していただけたらと思います。

1-1 風疹ウイルスの胎内感染、先天性風疹症候群とは

先天性風疹症候群の定義

風疹ウイルスの胎内感染によって発症

先天性異常をもたらす感染症

❍昨年より呼びかけられる「風疹ワクチン接種」その理由

風疹ウイルスに対して、免疫を持たない女性が妊娠初期に風疹に罹患することによって、子宮内の胎児も風疹ウイルスに感染することで発症する疾患です。

先天性風疹症候群(CRS:Congenital rubella syndrome)といわれる障害を持って生まれてくることがあります。

●風疹ワクチン接種を呼びかける理由

先天性風疹症候群は母体が風疹ウイルスへ初感染のした結果として発症します。米国では、ワクチン接種が義務化されているために先天性風疹はまれだとされています。そして、風疹が流行した年度と先天性風疹症候群との発生の多い年度とは完全に一致していると報告されています。

●発生者数は減少しているが...

風疹の感染者数は、昨年来増加が見られており、現在の報告数は減少傾向にあるとされますが、まだなお発生報告があります。

「先天性風疹症候群」を持つ出生時のリスク回避のために、昨年より継続的に厚生労働省を中心に風疹ワクチン接種による先天性風疹症候群の予防が積極的に行われています。

❍先天性風疹症候群の特徴

先天性風疹症候群の発生は妊娠初期に最も多くみられ、妊娠週と明らかに相関するとされます。

●妊娠初期での風疹感染に最も注意が必要

注意が必要な期間があります。

妊娠初期12週までの初感染

先天性風疹症候群の3主徴

「先天性心疾患」「難聴」「白内障」

風疹に対して免疫力を持たない女性が妊娠3ヶ月くらいまでの初期段階で感染した場合、風疹ウイルスが胎児にも感染してしまうことにより、出生児が先天性風疹症候群とされる障害「先天性心疾患」「難聴」「白内障」など障害を招くとされています。

●3大症状以外にも...

上記の障害以外にも、肝脾種、血小板減少、発育障害な、先天性緑内障、色素性網膜症、紫斑、脾腫、小頭症、精神発達遅滞、髄膜脳炎、骨のX線透過性所見、生後24時間以内に出現する黄疸などがあるとのことです。妊娠中期以降、20週を過ぎるとほとんど先天異常の発生はないとされています。

先天性風疹症候群は感染症法(2012年更新)において、全数報告対象(5類感染症)とされています。

●不顕性感染にも注意が必要

注意を要するのは、成人でも風疹の感染は15%程度に不顕性感染があるとされ、母親が無症状の場合でも先天性風疹症候群を発症することがあるということです。

 

1-2 先天性風疹症候群の原因と症状

先天性風疹症候群の原因は風疹ウイルスです。

❍胎生期の身体器官の発達に影響を与える風疹ウイルス

典型的な先天性風疹症候群は母親の初感染の結果として生じます。ウイルス株による発症数などの差は認められません。胎生期での人の身体の器官発達時期となる妊娠初期、特に3ヶ月までに、ある量以上のウイルスの増殖によって先天性風疹症候群を発症すると考えられています。

●風疹ウイルスの胎児感染経路

風疹は母体の上気道から侵入した後、血行性に胎盤を含む他の部位にウイルス播種を起こすと考えられています。

16週(特に8~10週目)までの期間に胎児が風疹ウイルスに感染すると、異常が発生するリスクが最も高いとされています。妊娠早期となるこの時期に、風疹ウイルスは慢性的に子宮内での感染が確立されていると考えられています。この感染の影響として、胎児への血流障害をもたらす血管の内皮障害(血管内皮細胞の障害)、直接的な細胞溶解、細胞分裂の破綻などが生じることが原因だとされます。

※関連ブログ「動脈硬化を正しく理解

❍母体が無症状でも胎児に感染

先天性風疹症候群を持った赤ちゃんを出産した母体に見られる風疹感染の症状もさまざまです。

●風疹罹患時の母体の症状

妊婦が風疹に感染しても、あきらかな症状が無い状態で経過する不顕性感染の場合にも、出産例があります。

かぜに似たような症状の上気道症状、軽度の発熱、結膜炎、後頭部および耳介後部のリンパなどや、斑状丘疹状皮疹を特徴とすることもあるようです。関節症状などが伴うこともあるようです。

●母体の風疹感染時の胎児の症状

母体が風疹を発症しても、胎児には何の影響もみられない場合もあります。逆に、子宮内死亡となってしまうこともあり、先天性風疹症候群を発症して生まれてくることもあります。その際の先天異常も複数の場合、1つの器官のみの場合との障害の状態も多種多様だとされます。

❍先天性風疹症候群 3大症候群とは

先天性風疹症候群の3大症状としてあげられるのが

先天性風疹症候群の3主徴

「先天性心疾患」「難聴」「白内障」

先天性心疾患と白内障は、妊娠初期3ヶ月以内の母体が風疹感染することによって発症するとされています。難聴は3ヶ月以降でもウイルス感染すると発症することがあり、この場合は高度難聴であることが多いとのことです。

その他の症状にも網膜症、肝脾腫、血小板減少、糖尿病、発育障害、精神発達遅滞、小眼球などさまざまな症状がみられることがあります。

●症状は、軽症・重症その度合いもさまざま

どの妊娠時期に感染するかにより、重症度、症状の種類もさまざまとなります。先天異常以外にも、新生児期に出現する症状として、低出生体重、血小板減少性紫斑病、溶血性貧血、黄疸、間質性肺炎、髄膜脳炎などが挙げられ、さらに進行性風疹全脳炎、糖尿病、精神運動発達遅滞などが見られることがある。

●先天性風疹症候群3大症状

※先天性心疾患と感音性難聴は下記にまとめています。

●その他の先天性風疹症候群の症状
  • 網膜症
  • 肝脾腫
  • 血小板減少
  • 糖尿病
  • 発育遅滞
  • 精神発達遅滞
  • 小眼球

など多くの症状がみられることがあります。

先天性風疹症候群

<先天性風疹症候群の症状>

❍先天性心疾患

●動脈管開存症

胎児期の血液の交通路とされる動脈管(大動脈と肺動脈をつないでいます)生まれた後も、開いたまま担っている状態をいいます。通常は自然に閉じることが多く、閉じなくてもほとんど影響はなく、そのままとされます。

●心室中隔欠損症心室中隔欠損

心臓は心房と心室に分けられ、心室は心室中隔によって、全身に血液を送り出す「左室」と肺に血液を送り出す「右室」とに分けられています。

その心室中隔に欠損・穴があいている状態が心室中隔欠損と言う状態です。

心室中隔欠損は、先天性心疾患の約6割を占めるといわれるくらい多い疾患です。穴が小さいものは自然閉鎖するものもあります。欠損の状態が大きく、欠損していることによって、心臓や肺など身体に負担がかかるような場合には穴を閉じるための手術対象となります。

❍感音性難聴とは  以前のブログからの抜粋です

感音性難聴
●難聴の分類:障害される部位によって分けられる
  • 伝音性難聴:伝音器 外耳、中耳に何らかの原因による難聴
  • 感音性難聴:感音器 内耳、聴神経に原因がある難聴
  • 混合性難聴:伝音器・感音器の両方の機能障害、高音と低音ともに聞こえ難くなる

先天性風疹症候群の場合、障害されるのは感音性難聴です。

●感音性難聴とは

器質性の病変による障害で、内耳または、内耳から聴覚中枢に至る部分の器質性疾患による障害

先天性風疹症候群 感音性難聴

<感音性難聴>

※関連ブログ「難聴の問題」大切な人の声、聞こえていますか?

 

1-3 先天性風疹症候群への対策

この先天性風疹症候群の発生を防ぐためには、妊婦が風疹ウイルスに対して感染防止を行うことが重要です。

●感染症法における取り扱い  (2012年7月更新)

先天性風疹症候群は全数報告対象(5類感染症)とされています。診断された場合、医師から7日以内に最寄り保健所にへの届け出義務があるとされている疾患です。

❍先天性風疹症候群の発生防止のために

感染リスクが高い人たちのことを感受性者といいますが、妊娠・出産年齢の女性とその周囲にいる感受性者を減少させることが課題となります。

風疹の感染拡大防止のためには、感受性者が多いとされる30~50 代の男性への対応が必須となります。

  • 妊婦への感染防止 *特に妊娠12週までが重要
  • 妊娠出産年齢の女性および周囲の感受性者の減少
  • 感染拡大防止対策として30~50歳代の男性の感受性者の減少

❍先天性風疹症候群への対策

感染防止に対して重要なことは、十分に高い抗体価を持つことです。

感受性者が高い抗体を持つこと!

風疹ワクチンの接種歴がわからない場合や文書による証明がない場合など、風疹に対しての感受性者となる場合には、風疹ワクチン接種による免疫をつけることが必要とされます。

●ワクチン接種後の抗体価の低下

妊娠可能年齢の女性で風疹抗体がない場合、風疹ワクチンの接種が必要となります。妊娠中のワクチン接種は避ける必要がありますので、妊娠する以前に抗体取得をしておく必要があります。そして、先天異常をもたらすリスクは、妊娠12週までが最も多いということもぜひ覚えておいてください。

しかし、もしワ クチン接種後に妊娠が判明した場合でも、過去の蓄積されたデータからみたところ、この場合での障害児の出生報告は1 例もなく、妊娠を中断する理由には値しないとあります。

❍先天性心疾患の診断

先天性風疹症候群の診断には症状、ウイルス遺伝子の検出、さらに臍帯血や血液からの風疹IgM 抗体の検出が確定診断として用いられます。IgM 抗体は胎盤通過性がありません。そのためIgM抗体は胎児が感染の結果産生したものとされますの、先天性風疹症候群 発症の有無にかかわらず胎内感染の証拠となります。

先天性風疹症候群は、出生後6ヶ月くらいまでは高頻度にウイルス遺伝子が検出できるとされています。白内障手術により摘出された水晶体、脳脊髄液、咽頭拭い液、末梢血、尿などでも診断されます。

●胎児の感染診断

胎児の感染の有無は、胎盤絨毛、臍帯血や羊水などの組織中に風疹ウイルス遺伝子の検出で診断されます。母親が発疹を生じた時の胎児への感染は約1/3とされ、先天性風疹症候群の発症はその感染胎児のさらに約1/3とされています。

※参考サイト「先天性風疹症候群」国立感染症研究所

❍先天性風疹症候群への対応

先天性風疹症候群の疾患そのものに対する治療法は無いとされています。

●先天性心疾患

軽度の心疾患の場合は、自然治癒することもあります。手術への適応性が可能となった時点でのその症状への対応とされます。

●白内障

手術可能の時点での対応、濁り部分の摘出することにより視力を回復させます。人工水晶体の使用の場合もあります。遠近調節にはいずれでも困難が伴う。

●難聴

現在では人工内耳が開発されて適応されつつある段階です。以前は聴覚障害児教育の対象となっていました。

 

2.風疹ウイルスの感染力は強い!

別名「三日はしか」といわれる風疹ですが、原因となる風疹ウイルスは非常に強い感染力を持つために注意が必要とされます。以前のブログの再編成です。

●三日はしかともいわれる風疹

日本では一般的に、三日はしかとしても知られています。 風疹( Rubella)は風疹ウイルスによるウイルス感染、急性熱性発疹性感染症です。はしかに似た症状で通常は3日ほどで軽快するためにそう言われています。風疹は、感染症法に基づく5類感染症に指定されていますので、届出の対象とされています。

風疹への免疫力がない集団での場合、1人の風疹罹患者から5~7人に移すとされ、大変強い感染力を持つことが示されているウイルス疾患です。感染力の指標である基本再生産数でみると、感染力は季節性インフルエンザウイルスが1.3 程度あるとされます。これと比べて風疹は、6~7 程度と数倍高いといわれています。

●対象年齢と終生免疫

子どもは、母親から貰った免疫があるため生後6か月頃までは、風疹にも罹りにくい疾患とされています。そのため、風疹に罹患するのは、通常3~10歳くらいの子どもに多くみられる疾患となります。風疹は、罹患することで、一生涯免疫を持つことが出来る、終生免疫とされ、1度風疹にかかると2度とかかることは無いと言われています。幼少期の罹患をまれに免れて青年期以降に罹患する人も見られます。

❍風疹ウイルスの感染経路

風疹ウイルスは、人から人への飛沫感染です。

●風疹ウイルスは飛沫感染・接触感染です

風疹ウイルスは飛沫感染とされ、人から人へ感染が伝播されることによる感染です。

風疹ウイルス:人⇨人

飛沫感染・接触感染

飛沫の飛距離 2m

飛沫感染とは先週のインフルエンザウイルスでも説明していますが、ウイルスが含まれる感染者の咳やくしゃみによる飛沫が飛散することで感染拡大していきます。

飛沫(5~200μm)は約 2m の距離に飛び散ると言われます。いかに電車などの公共交通機関での感染が起こりやすいかが想像できるのではないでしょうか。

感染者から排泄された飛沫に含まれるウイルスが、鼻や口の粘膜に付着することで感染します。さらに、ウイルスが付着した手で口や鼻に触れることによる接触感染でも当然、ウイルスは拡散されていきます。

●風疹発症したときは既に、周囲へ移していることもある

周囲へ感染させることができる期間は、発疹が出現する前後の1週間程度と言われています。言い換えると、発疹が確認されない、罹患したと認識されない状態ですでに、周囲に移しているということがあるということです。発症を自覚したときには、既に遅いということにもなります。

※関連ブログ 飛沫感染「予防を知ってシャットアウト!

❍風疹の症状とは

風疹ウイルスの感染後、約2~3週間(平均16~18日)の潜伏期間後に、特徴的な症状として、発熱、発疹、リンパ節腫脹(特に耳介後部、後頭部、頚部リンパ節)が出現します。はしか(麻疹)に似た症状とされ、およそ3日間の発熱、そのために、3日はしかと呼ばれ、特有な発疹、目の充血、軽い咳、後頚部(耳の後ろ)リンパ節腫脹などの症状がみられるます。

●不顕性感染も少なくない

風疹は、症状が出現しない不顕性感染も15%~30%ほど存在するといわれます。風疹の3主徴、発熱、発疹、リンパ節腫脹のいずれかを欠くこともあり、臨床診断は困難ともいわれています。似た症状を示す発熱発疹性疾患や薬疹との鑑別が必要とされ、臨床症状だけで風疹と診断することは困難だとされています。

このような理由から、感染した記憶が無くても、先天性風疹症候群の子どもが生まれてくることもあるのです。

●発疹前の症状にも注意が必要

発疹が出る前の1~5日間くらいに初期症状がみられます。この初期症状では、微熱、頭痛、倦怠感、鼻水、咳、痛みのないバラ色の口蓋斑点とされ、成人が罹患すると90%以上にリンパ節腫脹が見られます。

発疹は、顔、耳の後部から、赤く癒合性のない点状の紅斑(発疹)が全身に広がり、多くは、3~5日くらいで消失します。また、この発疹が20~25%の割合で見られない症例もあるとされます。

発疹の出る前後、約1週間は人に感染させる可能性がある

●他の疾患との鑑別

典型的な3症状である紅色斑丘疹、発熱、頸部リンパ節腫脹が出現しない場合、溶血性レンサ球菌の発疹、伝染性紅斑などとの鑑別を行う必要があるとされます。

●風疹は、子どもにとっては軽い症状

風疹そのものは決して悪性疾患ではありません。通常は子どもがよく発症するとしてみられた疾患です。子どもが風疹にかかっても、症状は比較的軽いとされますが、まれに2,000人~5,000人に1人くらいの割合で、脳炎、血小板減少性紫斑病などの合併症が発生することがあります。

妊娠初期の女性への感染が問題とされます。

発熱は約半数にみられる程度で、感染しても症状が出ない(不顕性感染)場合もあります。基本的に予後は良好ですが、まれに、関節炎や血小板減少性紫斑病、急性脳炎などの合併症を起こすことがあります。一度感染し治癒すると、大部分の人は終生免疫を獲得します。

小児では、約25~50%に、38~39℃前後の発熱が3日間程度続き、咽頭炎のみの症状や、不顕性感染とされ、無症候性感染の場合も多くみられます。

●風疹の合併症

ごくまれに肺炎、髄膜炎、脳炎、血小板減少性紫斑病などの合併症がみられます。

❍風疹にかかったら...

風疹は、学校伝染病に分類されています。

学校や幼稚園へ登校・登園させてはならないとされています。風疹は学校伝染病に指定されているため、届け出ることにより、出校停止扱いとなるために欠席にはなりません。発疹が現われて少なくとも5日後までの間、熱が下がっても、発疹がすっかり消えるまでは登校・登園できません。

風疹を発症してから他の人へ移すとされる感染期間は、発病の約7日前から、発症後約7日程度、その間は他者との接触を避けるようにしましょう。

●風疹の治療は対処療法のみ

風疹ウイルスに有効な投薬はありません。発熱、関節炎などの症状に対して投薬される解熱鎮痛剤くらいで、特異的な治療法はなく、症状を和らげる対症療法のみです。高熱による熱性けいれん(ひきつけ)を避けるために、解熱剤の投与がされ、通常は入院することはありません。

※関連ブログ「今 話題の健康情報、感染急増中「風疹」を知ろう

 

3.最後に「30~50歳代の男性」へ風疹抗体ありますか?!

風疹ワクチンは弱毒生ワクチンが実用化されたことで世界的に広く使用されています。

❍30~50歳代 男性が未接種となった背景

国内での風疹ワクチンの導入日本では、1977年8月~1995年3月までは中学生の女子のみが風疹ワクチン定期接種の対象とされていました。

1994年の予防接種法改正により、1995年4月から、風疹ワクチンの対象が生後12カ月以上〜90ヶ月未満の男女(標準は生後12カ月〜36カ月以下)に変更されました。

●中学生に対する予防接種、不徹底が今に影響している

さらにその時の経過措置として12歳以上〜16歳未満の中学生男女についても接種の対象とされています。

このような背景を持って、学校での集団接種から、保護者同伴での医療機関に受診して接種する、個別接種に変更となったために、幼児の接種率の高さに比較して中学生での接種率は激減しているとの結果です。

忙しい中学生が…学校を休んでまで予防接種に行くか?

医療機関で予防注射を受けるとなると、平日、日中です。何かと忙しい中学生が母親に連れられて予防注射に行くでしょうか?

わが子たちは世代が異なり風疹以外の予防接でしたが、ここで私の個人的な例をあげると、中学生の予防接種はいささか困難。自分の仕事の都合と学校の行事を詳細に検討、さらに医療機関では他の子どもとの感染を予防するために予防接種の曜日、時間が限定されていました。そんな状況での中学生の予防接種がいかに困難なのか…

30~50歳代の接種率の低下が現在の「風疹感染拡大」問題として浮かび上がっているのですが…

この低い接種率に対して、2001年11月7日~2003年9月30日までの期間に限定し、1979年4月2日~1987年10月1日生まれの男女はいつでも定期接種(経過措置分)として受けられる制度に変更になっていました。しかしながら、対象者には周知されずに接種率上昇には繋がらなかったという経緯があるとのことです。

❍そして現在の対応策

以下は 厚労省のHP のコピペです。

昭和47年4月2日~昭和54年4月1日生まれの男性へ、今年度(令和元年度)、お住まいの市区町村から、風しん抗体検査と予防接種のクーポン券をお届けしています。

※昭和37年4月2日~昭和47年4月1日生まれの男性には、来年度以降にお届けします。市区町村によっては今年度中に市区町村で受け取ることもできます。ご希望の方は、お住いの市区町村にお問い合わせください。

とあります。税金で行われています。いかに周知徹底することが大変なのか…

ワクチン接種されていない方、もしこれを読まれたらご検討ください。現代社会は必要な予防接種を受けて免疫が無いと海外では受け入れられない時代でもあります。

先週のブログでも取り上げましたが、2020年は世界中から多くの人を海外から迎えるということになります。オリンピック観戦での感染拡大もありえます。

世界でみると、小児の定期接種に風疹ワクチンが導入されていない国も多く見られるとのことですが、これらの国では、大規模な風疹の流行と先天性風疹症候群の多発が認められています。

❍さまざまな感染症への対応

ワクチン接種によって風疹の国内流行は押さえられると考えられます。今回取り上げた、先天性風疹症候群は、あきらかな母体感染としての症状がない場合、どこで感染したのか分からない症例も、ネット検索で情報として得ています。

そのような結果を得て、私が個人的の思うことは、先週まとめたインフルエンザノロウイルスも含めて、どのような感染症であっても、どこで貰うかは分からないということです。

無菌状態で生活することは困難です。細菌もウイルスも免疫力をあげるために必要な役割をしているからです。日常から自分の免疫力をあげることを意識することが最も大切なことです。

自分の健康は自分で守ることを意識することは必須

そして自分の家族・幼い子ども

お腹の中の赤ちゃんを守るのはあなた自身です

 

生理検査アティテュード®からのメッセージ

人間の起源は受精した時
胎盤は赤ちゃんの命綱

こんなことを今回「先天性風疹症候群」をまとめ直して再認識しています。

先日投稿したブログをまとめながら、こころの形成・人格形成は胎内から始まっている、感覚器官が造られた時から、人の記憶は、無意識の記憶として蓄積されているということを考えていました。

❍お母さんと赤ちゃんをつなぐへその緒(臍帯)

今回まとめた風疹ウイルスが胎児に影響をおよぼすのが、胎生期初期、妊娠初期とされる期間12週くらいまでです。この期間に風疹ウイルスは母体の血液中に入り込み、胎盤を介して胎児も感染します。以前のブログで胎盤のことも触れたことがありますが、胎児は母親の胎盤から栄養を得ています。胎盤は赤ちゃんの命綱です。

赤ちゃんはお母さんの胎内で、胎盤を通してお母さんの栄養素や免疫力を免疫もらっています。その役割をしているのが胎盤と赤ちゃんとをつなぐ臍帯です。臍帯の中を臍動脈と臍静脈が走行しています。風疹ウイルスが障害をおよぼす部位として、内皮障害があります。風疹ウイルスが妊娠初期に感染し、この血管障害をもたらすことが原因になるのです。栄養が行き届かない状態で細胞分裂し成長する過程で起こる栄養障害がどのような影響を与えるのか想像してみてください。身体の器官を作るための細胞、その細胞を作るための材料が足りなくなるのです。

※関連ブログ「生まれながら持つ免疫力

❍血管が正常でも栄養が足りないと…

胎盤機能、臍帯が正常でも赤ちゃんが取り込む栄養素はお母さんの食事です。摂取される栄養素が赤ちゃんの栄養素でもあります。何を食べるかによって赤ちゃんの組織・器官発達に大きく差が出るのはあきらかです。どんな身体の基盤を作ることが出来るのかということは、お母さんの食事です。他の誰にも出来ないことです。食べるもので身体の組成が変わることはいうまでもありません。

❍ストレスも大きく影響

お母さんのストレスも赤ちゃんに影響することはいうまでもありません。ストレスによって母体のホルモンバランスが悪くなると、赤ちゃんにも影響します。ホルモンバランスが悪化すると胎盤機能に影響します。

妊孕性(にんようせい)ということを最近よく聞くことがありますが、妊孕性とは「妊娠するための力」のことです。ホルモンバランスが悪く、ストレスがあっても精子が着床しにくく忍容性は低下します。

もし、子どもを欲しいと願うのならば、妊孕性、妊娠しやすい健康な身体を維持することをまず考えて欲しいと思っています。この数年間、健康管理士としても活動する中で日本人女性の妊孕性が低下している、そんな危機感を感じます。日本人の女性は痩せすぎです。スリムな身体が美徳とされているようですが、筋肉の無い不健康なスリム体型となっているのではないでしょうか。

妊孕性は女性ばかりではなく、男性にももちろん関係します。

最後に…

妊娠がわかってからでは遅い

通常妊娠に気づく時期までに風疹ウイルスの感染が関与していることが今回ご理解戴けたかと思います。

臍帯・へその緒は誕生までお母さんと赤ちゃんとの絆です。そして、臍帯の中を流れていた臍帯血は現在、白血病などの血液疾患への治療として役立てられています。役目を終えた臍帯血に、新たな役割として「命をつなぐ」ために役立たせることもできます。

そんなことも、合わせてこれから出産を考えている若い人たちに知ってもらうことも私の心からの願いです。

日本造血細胞移植学会「さい帯血を提供する」

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Pure Medical attitude

生理検査アティテュード®

Junko katayoshi

今日のまとめ

  • 先天性風疹症候群は妊婦が妊娠中に風疹ウイルスに感染することによって発症
  • 先天性風疹症候群に対する注意は妊娠3ヶ月までがもっとも高く、重症度も高い
  • 現在30~50歳代の男性が最も抗体を持たない感受性者が多く、早期の風疹ワクチン接種が望まれる

 

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Pure Medical attitude 

生理検査アティテュード®

代表 かたよし純子 Junchan♪  ※自己紹介はこちらから

臨床検査技師/超音波検査士/健康管理士一般指導員/健康管理能力検定1級/介護予防運動指導員/米国NLP協会認定NLPトレーナー/臨床心理学 基礎エキスパート取得

今日も最後までありがとうございました。

☆アンコモンセラピー「ワンコイン¥500」読書会☆

ヒプノセラピーにご興味ある方、ご参加お待ちしております!

毎月、大崎ゲートシティ スターバックスコーヒーで開催!詳細はイベントサイトより

米国の精神科医ミルトン・エリクソン博士は、発達障害だった?!

催眠療法の大家とされる、精神科医エリクソン博士は、変わった子どもと言われ、さまざまな感覚障害を持ち、読字障害、失読症ともいわれ、さらに色盲に音痴だとされています。そのエリクソン博士「ミルトン・エリクソンの戦略的手法」を紹介されているこの本の読書会です。心理療法にご興味ある方、2019年11月のヘッダーぜひ、ご参加お待ちしております。

次回は、11月15日(金)PM 19時~となります。

お申し込み・ご質問は、下記のイベントサイトまたはメッセージにてお申し込みください。