元気&HealthのJunchanのblogにご訪問ありがとうございます。医療スタッフのメンタルパートナー かたよし純子です♪ 今週のテーマは、CKD(慢性腎臓病)をお伝えしています。前回は、腎臓の構造やCKDの定義をお伝えいたしました。今日は、その2回目として、腎臓が持つ働き、血液のろ過機能、老廃物を排泄し、必要な成分を再吸収、水分調節、ホルモン産生です。CKDの理解を深めるために腎臓の働きの理解を深めて戴けたらと思います。そして、今日のプラスαは、腎機能の指標となるGFR(糸球体ろ過量)、クレアチニンクリランスと、塩分バランスを保つための電解質検査をお伝え致します。今日もぜひ最後までおつきあいください。

 

1. 何しているの?腎臓の働きを知るためのポイント3つ 

1-1 血液をクリーンに保つ、ろ過機能   

1-2 身体の中に水分、電解質バランス(イオンバランス)機能 

1-3 腎臓は、さまざまなホルモン産生をおこなう肝腎要の臓器です

今日のプラスα

2.腎機能に用いられる検査③ GFR クレアチニンクリランス

3.腎機能に用いられる検査④ 塩分バランスでの指標 電解質 

 

1. 何しているの?腎臓の働きを知るためのポイント3つ

腎臓には、大きくわけて「ろ過」「水分調節」「ホルモン産生」の3つのおもな働きがあります。

 

1-1 血液をクリーンに保つ、糸球体のろ過機能

腎臓は、前回説明したように1つの腎臓に約100万個、左右1対で200万個あるネフロンで、1分間に800~1,200mlもの血液が流入し、糸球体でろ過されています。

 

【ろ過機能、尿をつくるネフロンの働き】

原尿は、1日 約150L 作られるとされています。そしてそこから作られ排泄される実際の尿量は、1.5Lくらいです。その尿を作るのが、腎臓です。

〔糸球体のろ過機能〕

腎臓は、ネフロンの機能で尿の濃度、量を調節し、体内の電解質バランスなどを適正に保っています。この機能をホメオスタシスといいます。腎臓は血液を濾過して老廃物や塩分を尿として体の外へ追い出してくれます。

ネフロンは、前回説明したように、糸球体と尿細管とで構成されています。糸球体は、ボーマン嚢に包まれた構造している毛細血管のかたまりです。老廃物をろ過する働きを持つ大切な機能を持ちます。ネフロンにある糸球体は、毛細血管がかたまり状となり、血液をろ過して取り除いた老廃物を尿とともに体外に排泄しています。

糸球体で余分なものがろ過された血液が原尿となります。原尿は、尿細管を経て尿となり、尿中へは血液中の老廃物や不要物が余分な水分とともに排泄されます。腎臓の糸球体ろ過機能が低下すると、尿が出なくなり、体外に老廃物や毒素も排泄できなくなり尿毒症となります。

逆に、身体に必要なものは再吸収し、体内に留める働きをしています。

〔ボーマン嚢〕

ボーマン嚢は、糸球体を包み込むようにみられます。ボーマン嚢での血液ろ過は、タンパク質や赤血球などの大きな物質は透過させません。しかし、何らかの原因でフィルターの目が大きくなってしまうと通過してしまい尿中に排出されてしまいます。水、グルコース、塩類(Nacl)、アミノ酸、尿素のような小さな分子は自由に透過し、細胞や血小板、大きなタンパク質は透過できません。

(ボーマン嚢とは、イギリスの外科医の名前を由来としています)

〔尿細管 再吸収〕

尿細管の役割は、いわばリサイクル機能です。

尿細管には、糸球体からの毛細管が取り巻き、ボーマン嚢へ排出された原尿中のブドウ糖、水、無機塩類などのほとんど99%とグリセリンなどその他の物質を再吸収しています。

この尿細管の再吸収機能は、次にあげる水分調節機能、電解質バランス(イオンバランス)に関係します。

 

腎:ろ過機能 ネフロンの働き

<腎:ろ過機能 ネフロンの働き>

 

1-2 身体の中に水分、電解質バランス(イオンバランス)機能

電解質とは、イオンのことです。イオンと言う言葉のほうがわかりやすいかも知れませんね。

【電解質(イオン)は何をしているの?】

この電解質のバランスが崩れると人の身体、臓器は正常に動くことが出来なくなります。体液量の調節と、ミネラルを適正な状態に保つ働きをしています。

〔電解質とは?〕

では、電解質とは何なのでしょうか。電解質とは、水に溶かしたときに、電気を帯びる物質のことです。プラスやマイナスに帯電することで、体内では臓器を動かすという働きをしています。身体の中の体液には、この電解質が含まれ、細胞の浸透圧の調節や筋肉細胞、神経細胞の働きに重要な役割として関わっています。

電解質は、少なすぎても多すぎても身体機能に影響を及ぼします。常にミネラルを一定の状態に保つ必要があり、バランスが崩れると、細胞機能、臓器機能が低下し、生命の危機にさらされることもあり、緊急の対応が必要な状態となります。

 

【身体の中のおもな電解質】

ナトリウム(Na)、クロール(Cl)、カリウム(K)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)などがあり、以前これらは5大栄養素としてあげられるミネラルに属します。水に溶け、陽イオンと陰イオンとに分かれて、電気を帯びます。塩分となる塩化ナトリウムは体内に入ると、NaClですので、水に溶けると陽イオンのナトリウムイオン Na+、陰イオンのクロールイオン Cl- となります。

〔身体に大切な電解質となるミネラル〕

以前のブログでもミネラルのことをまとめましたが、(過去のブログ「身体の5%でもすごいミネラル」)人の身体は、血中に0.9%弱(生理食塩水濃度)が含まれます。その体液濃度に関わるのが多量ミネラルです。

多量ミネラル

<多量ミネラル>

この表にも記載しましたが、おもな生理機能、欠乏症もぜひご参照ください。

 

〔ナトリウム:Na+〕

身体の水分量および浸透圧の調節、神経の伝達、筋肉の収縮など

〔カリウムイオン:K+〕

神経の伝達、筋肉の収縮、心筋(心臓)の収縮など

〔マグネシウムイオン:Mg2+〕

筋肉の収縮、酵素の活性化、骨や歯の材料 など

〔カルシウムイオン:Ca2+〕

神経の伝達、筋肉の収縮、骨や歯の材料、血液凝固の関与

〔クロールイオン:Cl-〕

身体の水分量調節、浸透圧の調節、胃酸分泌 など

 

【体内のイオン環境、ミネラルを一定のバランスに保つ】

腎臓のネフロンにある尿細管は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、リンなどの重炭酸イオンなどのうち身体に必要なものを再吸収して取り込み、不要なものは尿中へと排泄しています。

尿細管の働きにより、体内の電解質バランスを一定に保ち、体内で産生された酸を尿中に排泄し、体液をpH 7.4の弱アルカリ性に保っています。

このように腎臓では絶えず血液がろ過されて一日に約150リットルもの原尿が作られていますが、尿細管で水分が再吸収されて1.5リットルほどの尿になります。

〔腎機能が低下すると〕

ここまでお伝えしたように腎機能が低下すると、当然、体内の電解質バランスが崩れ、体液量の調節もおぼつかなくなりさまざまな症状として影響が現れてきます。浮腫(むくみ)、めまい、疲労感などの不調として身体はサインを発します。

 

関連ブログ 健康寿命につながる栄養素 §5 身体の5%でもすごいミネラル

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【心電図検査から視る電解質異常】

生理検査アティテュード®からのメッセージ

心臓の動きを視る検査心電図、誰でも一度は受けたことがあるのではないでしょうか。不整脈はもちろんのこと、電解質バランスの異常も心電図上に現れることがあります。

電解質異常は、心臓にもダメージを与えます。心電図から、さまざまな異常波形パターンとしてメッセージを送ってくれます。心電図は、心筋の動き(電気の流れ)を「見える化」してくれています。いわば、心臓のからの叫び声とも受け取れます。

〔心電図から視る、心臓からのさまざまなメッセージ〕

カリウムは、体内に必要不可欠なミネラルのひとつでが、血中濃度が異常に上昇すると、高カリウム血症として、波形にも変化として記録されます。

多くの異常波形の中でも電解質異常の典型的な心電図波形として注意して私たち検査技師がみているものが、高カリウム血症で視られる「テント状T派(尖ったT派)」です。その他P波の消失、QRS幅延長などが、カリウム(K)濃度が5.0~6.0mEq/lで波形として確認されやすい心臓からのサインです。

高カリウム血症は、身体に重篤な影響を及ぼします。症状として多いのは、四肢の痺れ、不整脈、頻脈、筋力低下、吐き気など、そのまま放置すると致死性不整脈から心停止に至る可能性もあります。とくに7mEq/l以上になると致死的不整脈のリスクが上昇し死に至ります。

〔微妙な変化をキャッチして欲しい〕

心電図検査でわかることといえば、心筋梗塞などの虚血性心疾患をイメージしがちでしょうか。でもそれ以外でもさまざまな体液に関する情報も提供してくれています。体液バランスの崩れは、心臓の周囲に心嚢水や、胸水の貯留などでも出現し、心電図も当然伝わりにくくなり異常波形として変化します。

同じ人でも心電図の波形は常に微妙に変化を示しています。同じように見えても、リズムの変化(脈の不整)や、電圧の変化が視覚化されるのが「心電図」です。言い換えると心臓からのメッセージです。

人の心はどこにあるのか?と質問されると、胸を抑え「心=心臓」と答えることも、最近は、心臓は、単なるポンプとし、「脳」という方もいると思います。心臓はやはりハートマークで示されることも多く、私的には「ハート」のイメージであり、心臓の形状もハートに似ているのではないでしょうか。

〔若い技師さん、学生さんへのメッセージ〕

検査をする時には、ぜひ患者さんの目を見て声をかけてください。人の目には感情が現れます。目は唯一、言語化されないメッセージとして、人の心の中の感情が表現されている臓器です。そして、微妙な身体のサインを受けとめて、きちんと返してあげてください。一言、二言の中にもちゃんと気持ちを込めて会話を心がけてください。検査をさせていただくのは、患者さんではなく「人の心」です。

 

1-3 腎臓は、さまざまなホルモン産生をおこなう肝腎要の臓器です 

腎臓はホルモンの調節も行っています。腎機能が低下すると当然、ホルモバランスも崩れます。

血圧の調節、赤血球産生、ビタミンDなどに関与しています。

 

【血圧調節に関与するホルモン】

腎臓の糸球体でのろ過機能が円滑に行われるためには、血液の循環機能が保たれる必要があります。血圧の管理は、血管に大きく影響をしています。

〔血圧を上げるレニン〕

血圧を上げるホルモン「レニン」は、腎臓で産生されています。腎の糸球体近接細胞で産生される、タンパク分解酵素の1種です。レニンは、血液中のタンパク質と反応して生成されるアンジオテンシンⅡが血管を収縮させて血圧を上昇させます。

体内で血液の流れが悪くなると、当然臓器への栄養供給が不足しますので血圧を上昇させる必要が生じます。腎臓は、この情報に伴いレニンの分泌量を増減させて血圧を調整しています。

〔血圧を下げる促すホルモン〕

血管の拡張作用の関与し、血圧を下げる作用に関係するホルモンとして、プロスタグランジンを産生しています。血管を拡張させ、血圧降下させる働きをもちます。その他、子宮筋収縮や腸管収縮作用などもあります。

〔血管収縮作用〕

エンドセリンという血管に対して強力な収縮作用を持つ、タンパク性ホルモンがあります。血圧の上昇に重要な役割を持っているとされています。

 

【赤血球産生に関与するホルモン】

赤血球産生を促すエリスロポエチンも腎臓で作られるホルモンです。エリスロポエチンは、赤血球を増やす働きがあります。骨髄の造血幹細胞に作用し造血機能関与しています。腎機能が低下すると、エリスロポエチンの分泌も低下し腎性貧血となり、全身の酸素供給などに影響を及ぼします。

 

【活性化ビタミンDとしてカルシウムの吸収に作用する】

最近のメディアでも、ビタミンDがよく取り扱われますが、腎臓はこのビタミンDに関与しています。

ビタミンDは食品などに含まれていますが、そのままでは活用できません。

ビタミンDは体内に取り込まれると肝臓で蓄積され、腎臓で活性化ビタミンDとしてカルシウムの吸収を促進させる働きします。活性型ビタミンDは、腸管からのカルシウムの吸収を促進し高める働きをします。

腎機能が低下するとカルシウムの吸収が低下し、骨軟化症や骨粗しょう症などの原因となります。低カルシウム血症は、筋肉痛、しびれ感、全身痙攣発作などの症状の原因にもなります。

 

2.腎機能に用いられる検査③ GFR クレアチニンクリランス

糸球体ろ過量を示す「GFR」が、CKD:慢性腎臓病の病期の診断スケールとなることは、前回のブログでお伝えしました。今日のプラスαでは、この「GFR」と「クレアチニンクリランス」をまとめていきたいと思います。

【腎臓の機能を表す指標としてGFR】

GFR (Glomerular filtration rate)とは、糸球体ろ過量です。糸球体が1分間にどれくらいの血液をろ過して尿を作れるかという数値となります。健康な腎臓では、GFRは100ml/分/1.73㎡ くらいです。前回のブログのCKDの定義で示したように、

『タンパク尿などの異常がなくても、60mL/分/1.73m2未満が3ヶ月間持続』

していればCKDと診断されます。さらにこのGFRが低下するとCKDの重症度(病期)は進行します。

〔推定糸球体ろ過値:eGFRの計算方法〕

検査では、糸球体機能を示す数値は、糸球体濾過量を推定した推算GFR:eGFRが用いられます。健診などで測定した血清クレアチニン値と年齢、性別からeGFRを求めることができます。

[計測方法]
  • 男性  194 × 血清クレアチニン-1.094 × 年齢-0.287
  • 女性  eGFR(男性) × 0.739

eGFR計算サイト

 

CKDのステージ分類

<CKDステージ分類>

 

【クレアチニンクリランス】

もうひとつの腎機能の指標としてクレアチニン(Cr:Creatinine)から求められる、クレアチニンクリランスがあります。クレアチニンは、筋肉で作られる老廃物の一つで、そのほとんどが腎臓の糸球体から排泄されます。血中クレアチニンの増加が糸球体のろ過機能が低下している指標となりますが、クリランス値を計測することで糸球体のろ過機能を測定するための指標として計測されます。

〔クリランスクリランスから考案されたeGFR〕〕

腎臓から1分間に血液から排泄されるクレアチニン量で表されます。一定時間の尿中の排泄量を計測します。正確さのためには、1日の排泄量として計測されますので、24時間排泄した尿をためておく(蓄尿)必要があり、被検者の負担が生じます。

そのために考案されたのが、先程のeGFR:推算糸球体濾過値です。

 

3.腎機能に用いられる検査④ 塩分バランスの指標 電解質 

身体の体重の60%は水分で関連ブログ「身体に大切な水の代謝のおはなし」)できています。そして、その水分調節を行うために電解質のバランスを整えているのが腎臓です。

身体の水分、成人は体重の約55~60%を占めています。乳児では80%、幼児では70%、年齢とともに水分も失われ、高齢者では約50%となります。体内の水分のうち、約70%は細胞内、約30%は、組織や血液中となります。

水分は、体内を循環する血液も調整をしています。

〔体液のおもな役割〕
  • 運搬機能:酸素や栄養分を臓器に運搬し、老廃物は体外へ排出
  • 体温調節:汗として、皮膚での体温調節に関わる
  • 環境維持:新陳代謝がスムーズに行われるよう体液バランス一定に保つ

 

【生化学検査で測定されるミネラル】

〔ナトリウム Na〕 基準値 139~146mEq/dl

血中に0.9%弱(生理食塩水濃度)含まれています。

<ナトリウムの働き>

ナトリウム(Na)は、プラスイオンとして、身体の細胞の内側と外側の体液のバランスを保つために必要不可欠です。食塩、重炭酸塩、リン酸塩として体液中に存在し体内の浸透圧を調整しています。ナトリウムの多くは、細胞外液(細胞の外の体液)に含まれ、水分を保持し細胞外液や血液循環量をコントロールする働きを持ち、無くてはならないミネラルです。筋肉や神経の反応に大きくかかわり、筋肉、神経の興奮性を弱める働きもあります。

<ナトリウム過剰症:食塩摂取量>

食塩ナトリウムイオンと塩素(Cl)イオンが結合したものが、食塩(Nacl)です。人は、食品に含まれる塩分として摂取され、摂り過ぎの傾向があります厚生労働省の日本人の塩分摂取量の指標として(平成29年4月現在)1日に摂取目標量を、男性(12歳以上)8.0g/day、女性(10歳以上)では7.0g/day未満としています。

塩分の過剰摂取は、むくみや高血圧の原因になります。その結果、脳卒中、虚血性心疾患、腎臓病などの疾患原因となります。また、ナトリウム過剰は胃ガンの発生を高める可能性もあると言われています。

<ナトリウム欠乏症>

高熱作業者、その他発汗多量の者以外、不足を考える必要はありませが、多量の発汗や激しい下痢など、利尿剤投与による多量のナトリウム排泄により欠乏症を招きます。食欲不振、筋力の低下、倦怠、けいれん、精神不安をきたします。長期におよぶ欠乏の場合、胃酸は減少します。

〔カリウム K〕 基準値 3.7~4.8mEq/dl

成人の体内に約200g含まれ、リン酸塩やタンパク質などと結合した状態で細胞内にあります。

<カリウムの働き>

浸透圧の維持、水分調整を行い、心臓機能、筋肉機能、神経や筋肉の働きを正常に保つために欠かせないミネラルです。ナトリウムとのバランスが崩れると、心臓や消化器の機能低下、生殖機能の減退、発育不全などを招きます。細胞内の余分なナトリウムを排出し、ナトリウムと拮抗して血圧を下げます。

<カリウム過剰症>

先程の『生理検査アティテュード®からのメッセージ』でお伝えしたように、高カリウム血症は、心筋に影響し、特徴的な心電図波形(テント状T派)を示します。カリウムは、尿中に排泄されるため、通常は、過剰症になることはまれですが、腎機能低下した場合、尿の排泄が困難となり、高カリウム血症を発症します。

<カリウム欠乏症>

カリウムも多くの食品に含まれるために、通常の食事では、不足を心配することはありませんが、下痢や嘔吐など、利尿剤の長期服用などで排泄量が増え、不足することもあります。低カリウム血症は、脱力感、疲労感、食欲不振、高血圧などの症状が現れます。生鮮食品、自然食品が少ないと不足することもあります。

〔カルシウム Ca〕 基準値 8.7~10.1 mg/dl

体内に最も多く含まれるミネラルです。成人では、体重の1~2%を占め、カルシウムの99%は骨や歯などの硬組織に存在し、残りの約1%は、血液や筋肉、神経、酵素の中の細胞内にイオンの形で存在しています。

<カルシウムの働き>

カルシウムの働きに神経の感受性を沈静化する効果があります。ストレスの原因となる刺激に対して、抑制効果があります。イライラするのは、カルシウム不足ともよく言われる理由です。そして歯や骨をつくるもとになり骨格の形成、細胞機能の発現と維持に不可欠です。

骨に貯蔵されているカルシウムが血液中や細胞に不足すると骨から溶け、体の各組織に送られます。細胞内や血液中のカルシウムは、血液凝固や筋肉の収縮、神経情報伝達の興奮抑制など、筋肉の興奮性を抑制する筋肉・神経・心臓の機能が正常に働くためにもカルシウムが必要となります。上記のホルモン産生でまとめたように、カルシウムは、腸管からの活性化ビタミンDの働きで吸収されます。

<カルシウム過剰症>

高カルシウム血症が長期間続くと、軟組織にカルシウムが蓄積され、腎結石などの原因になります。

<カルシウム欠乏症>

カルシウムが不足すると骨の発達が悪くなります。骨粗そう症の原因、骨、歯が弱くなります。カルシウムの慢性的な不足は、肩こり、腰痛、イライラなどの神経過敏の状態を招きます。

カルシウム不足のときは、副甲状腺ホルモンなどの働きにより、骨からのカルシウムの放出を促進させ、血中のカルシウム濃度を保つ働きをしています。そのため血中濃度が減少すると、骨量が低下し、骨粗しょう症を招きます。骨粗しょう症は、高齢の女性に多いとされていますが、閉経後の女性ホルモン、エストロゲンの不足が骨量を低下を招きくことが原因です。

また、ビタミンDが不足するとカルシウムの作用が悪くなり欠乏症を起こしやすくなります。

〔リン P〕 基準値 2.8~4.6mg/dl

リンは、カルシウムに次いで体内に多く含まれるミネラルで、成人は、体重の約1%を占め、筋肉、脳、神経、肝臓、肺臓、その他すべての組織に含まれているミネラルです。

<リンの働き>

体内の含まれるリンのうち80~85%は、カルシウムやマグネシウムと結合し、骨や歯を形成しています。残りの15~20%は炭水化物やタンパク質、脂質の代謝に関与し細胞膜の構成成分としてあらゆる細胞に存在しています。

リンはカルシウムと結合してリン酸カルシウムになり骨や歯など硬組織をつくるほか、遺伝子や核酸の成分、リン脂質を構成しています。生体内のさまざまな働きのエネルギー源になるATPもリンがなくてはつくることができません。腎臓や心臓の働きに関与し、神経伝達、ビタミンB群のナイアシン吸収にも必要です。血液中のリン酸塩は、酸やアルカリを中和しています。

<リン過剰症>

リンの過剰摂取は、体内のカルシウム不足を招くので注意が必要です。リンとカルシウムは、血液中でバランスを保ちながら存在しています。リンの過剰摂取により血液中のリンの濃度が上昇すると、骨から血液中にカルシウムを放出させてしまい、低カルシウム血症となります。腎機能障害をもたらすことも知られています。

<リン欠乏症>

リンの不足は、骨軟化症や疲労感の原因となります。歯が弱くなる、骨折しやすくなるなどの症状が出現します。保存料として加工品、清涼飲料水に多く含まれ、不足は、ほとんど考えられないミネラルです。

 

腎機能検査・基準値

 <腎機能検査基準値>

それぞれのミネラルが含まれる食品は、過去のブログ『 身体の5%でもすごいミネラル』でまとめていますので、ぜひ合わせて御覧ください。

次回は、CKDのステージに応じた対応をまとめていきたいと思います。引き続きぜひお読みください。

 

今日のまとめ 

  • 糸球体の150L/dayのろ過機能は、5L/dayの尿を産生し、老廃物を尿とともに排泄している
  • 腎臓は人の体液を一定の濃度に保ち、ミネラルバランスを司っている
  • 腎臓は、レニン、プロスタグランジン、エリスロポエチン、活性化ビタミンDなどよく聞くホルモン産生に関与

 

関連サイト

 

<Pure Medical attitude のblog> 

「関連ブログ」

・健康寿命につながる栄養素 §5 身体の5%でもすごいミネラル

・夏の健康生活 §1 身体に大切な水の代謝のおはなし

 

今週のテーマblog

「CKDを知って欲しい」 2018.2.26~

・§1 腎臓の構造と慢性腎臓病(CKD)の定義

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・身近な疾患 生活習慣病 §2 循環器疾患のリスクを知る 2017.6.7

・循環器を知る §3 循環器疾患の原因と発症予防 2017.12.8  動脈硬化

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「糖尿病を知る」2017.2.19~

・§1  知って欲しい糖尿病の基礎 2018.2.19

・§2 症状を自覚する前に知って欲しい合併症 2018.2.21

・§3 病識高めて合併症も予防しよう 2018.2.23

 

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