元気&HealthのJunchanのblogにご訪問ありがとうございます。医療スタッフのメンタルパートナー かたよし純子です♪ 先週に引き続きメンタル関連「心の健康」です。臨床検査技師として働きながら、2009年実践心理学NLPを学び、さらに学問として基礎心理学を知るために、通信制大学に入学、「石の上にも三年」基礎心理を学び3年です。今までの学びを基に、今週は、先日受講した公開講座の内容を加味し、分かりやすく私なりの解釈でまとめていきます。手軽に臨床心理学、理解へのアプローチとしてお読み戴けたら嬉しいです。興味の無い方には、心の問題は誰にでも起きることなのです。毎日笑顔で元気で過ごすため心理学に興味を持って戴けたら嬉しいです。

1. 臨床心理学理解のための初めの3ステップ

1-1 心理学と臨床心理学

1-2 臨床心理学的サポートに必要な理論とサポート力 

1-3 臨床心理学の4つの主要パラダイム

今日のプラスα 

2.パラダイムからつくられた心理療法

3.「臨床」その意味の再認識 

 

1.臨床心理学理解のための初めの3ステップ

心と行動の学問「心理学」は、科学的な手法によって研究されます。

1-1 臨床心理学とは? その定義と分類

心理学(psychology)は、哲学をルーツとして、科学的な手法により研究されます。ギリシア語のプシュケー「psukhe(心))とロゴス「logos(学)」とから、「psychology」とされ、心の学問という意味です。大きく基礎心理学と応用心理学とに分けられます。

【心理学の分類】

心理学は、基礎心理学と実践心理学と大きく2つに分けられます。

〔基礎心理学〕

基礎心理学とは、科学的な手法により、観察、実験、調査など手法を用いて、解明していくこと。

〔実践心理学/応用心理学〕

基礎心理学の知見を応用し、現実に生活の中で役立たせていくこと、問題の解決や改善することに寄与するために用いられます。

〔実験心理学〕

人間を対象とし、観察、実験によって知識の探求を推し進めようとする。

〔臨床心理学〕

基礎心理学を基にして、心理的に不適応となり、不調をとなっている人々への理解、援助を行うための理論的かつ実践的な方法

【臨床心理学の定義】

臨床とは、病床に臨み実地にて患者さんの診療にあたることをいいます。臨床心理学は、心理滝不適応な状態の患者さんのための実践的心理学といえると思います。

臨床心理学の定義は、

『科学、理論、実践を統合して、人間行動の適応調整と人格の成長を促進し、加えて不適応、障害、心の悩みの成因を研究し、問題を予測し、かつそれらの問題を軽減させ、解消させることを目指す学問』

と、教科書的には学びました。

先にまとめたように、心理的な不調に陥り、社会生活に適応できない状態の人々に対して、援助する方法を理論的に実践的に探求していく学問です。

臨床心理学は、3つの領域に分けられます。

〔異常心理学〕

異常心理学とは、行動の異常を扱う科学です。心の異常、心理学的な行動異常の原因やメカニズムを科学的に扱う心理学です。

〔心理アセスメント〕

アセスメントとは、査定や評価という意味です。症状の状態や個性、性格などのパーソナリティを測定し、評価する。要件として、「信頼性」と「妥当性」充たされていることが要件としてあげられます。

〔心理療法〕

実際に心理的な問題を抱えるに人々に働きかけ、心理的サポートを行い、不適応状態からの回復を促す。医療としての治療にあたります。

心理的メカニズムを正しく理解し、状態をきちんと評価し、適切な働きかけを行うことが大切です。

 

1-2 臨床心理学的サポートに必要な理論とサポート力

臨床心理学的サポートには、つまり、心理療法には明確な根拠が必要とされます。

【臨床心理学は、必要性から生まれた学問】

臨床心理学は、比較的歴史が浅く、まだ理論が作られている途上だとされています。臨床心理学は、実践の中から生まれてきて、発展してきたとされています。人が、日常生活の中で困窮する場面でどのようにサポートをしていったら良いのか。この思いから発生し発展してきたのです。自分自身、周囲の人々の幸福に生きるためにどうした良いのかという思念が理論化され、まとめられてきたのだと思います。

精神疾患に対する医療の現場から創始され、児童相談、敎育、さらにカウンセリングと言う意味合いで職業指導の現場などから生じてきたとされています。

臨床心理学の根拠とは、基礎心理学に基づく理論です。さまざまな場面での心の問題、課題にむきあうために、それぞれの場面の理論に基づき、心理療法が行われなければならないのです。

【心理療法を支える心理学的理論】

では、心理臨床の基礎理論とは何なのでしょうか。

授業では、心理臨床の基礎理論として、歴史から人の心のなりたち、精神分析のフロイト、ユング心理学、エリクソンのライフサイクル論など、さまざまな方向性から学び、やや頭の中が混乱状態。でも先日の公開講座でスッキリとすることができました。

パラダイムが心理療法の理論を作る

これがベースにあります。そして、このパラダイムを基にサポートする対象への理論を選択して、個々に即した方法で行われることが必須となります。

パラダイムとは、

アメリカの哲学者・科学者であるトーマス・クーンによって提唱された概念。科学史および科学哲学上の概念とされ、「枠組み」「方法論」「模範」「判例」という意味です。

〔パラダイムから理論~心理療法へのステップとは〕
  • パラダイムを基本とし、理論を導きます
  • 導かれた理論から、サポートの長期計画と短期計画を組み立てる
  • 計画(戦略)実行のための具体的な技法(心理療法)を決めます

この、ステップで心理療法は組み立てられていきます。この一連の流れは、一方向性ではなく、必要に応じて計画、また理論も修正されます。そのためサポートを行おうとするときには、あらゆる方法に対して熟知していることが望まれます。

心理療法の理論設定

<心理療法の理論設定>

 

1-3 臨床心理学の4つの主要パラダイム

基礎心理学として学んだ、臨床心理学の主なパラダイム・枠組みをまとめておきましょう。主なものとしては、「精神分析」「人間性心理学」「学習理論」「認知理論」この4つが挙げられています。

【① 精神分析:無意識という考え方】

先週のブログで取り上げた、オーストリアの精神科医ジークムント・フロイトによって創始された精神分析学です。「抑圧された心的なものを意識化する仕事」

基本的な仮説として、人の心理には、「無意識」という部分があり、人の行動は、この「無意識」によって左右されるという考えに基づいています。精神分析は、「エス―自我―超自我」の葛藤による心的構造論があります。苦痛を避けるために、意識から無意識下に抑圧された感情により生じる葛藤により心理的症状が現れるとしています。

【② 人間性心理学:ヒューマニスティック心理学】

人間性心理学は、カール・ロジャーズのクライエント中心療法に代表されます。人の自己概念(自分自身のものごとの見方、考え方)と実際の事実として起こっている体験のズレにより問題が発生しているという考え方。問題の選択や解決方法は、クライエントの自由で自主的な決定にすべて委ねられる、自己実現できるとされています。

【③ 学習理論】

学習理論の心理学上の学習の定義とは、

「学習とは、経験により比較的永続的な行動変化がもたらされること、それをもたらす操作、そして孫過程によって生じる比較的永続的な行動変容を指す」

とされています。

人の行動は、学習により決まり、心理的不適応となる状況は、誤った学習の結果だという理論です。おもに3つの主要理論があります。

  • 古典的条件付け

S-R理論は、刺激(stimulus)に結び付いて反応(response)が起こると考える理論

  • オペラント条件付け

報酬や賞罰に応じて、自発的に行動を行うように学習することです。

  • 観察学習

他者模倣、他者(モデル)の行動や態度、感情表現などを観察することで、そのモデルの行動型を学習する方法

【④ 認知理論】

認知理論は、五感の知覚から得られた情報が、それまでの学習に影響を受けて認知されると考える理論で、認知の偏りにより問題が起きるとされています。

【精神分析と人間性心理学との関係性:性善説と性悪説】

フロイトの「精神分析」は、性悪説に基づくとされ、カール・ロジャーズの「人間性心理学」は、性善説に基づくとされています。

〔性善説と性悪説とは〕
  • 性善説とは、孟子のことばに由来し、「人間の本性は基本的に善である」とする考え
  • 性悪説とは、孟子の性善説に反対して中国の思想家荀子(じゅんし)が唱えた。「人の性は悪なり、その善なるものは偽なり」から来ているとされています。
〔悪とは弱いという意味〕

この「性悪説」で重要なところは、「人の性は悪」とは、人間は様々な意味で弱い存在という程度の意味とのこと、弱い存在である人間は、犯罪や悪事に手を染めずに一生を終える、という事もありうるということです。人間の本性には、欲望が存在するが、学問を修め、公共善を学ぶ(後天的努力)ことが大切だとする考え方です。

何れにしてもものの見方の違いによるもとであり、アプローチの最終目的に対しては変わらないように私には思えます。

 

2.パラダイムからつくられた心理療法  

代表的な心理療法を簡単にまとめておきましょう。

【① 精神分析療法】

フロイトの精神分析理論、無意識とは、心の中の自分自身が気づいていない部分、この無意識部分の存在、過去の体験を重視して改善していく。日常生活の中で意識されている部分は、ごくわずか、よく氷山の一角として意識の深層には意識されていない「無意識」とされる膨大な部分がある。クライエントのこの無意識部分や、過去の体験が影響しているという考え。

無意識には、抑圧された感情(親との関係性などの人間関係)幼少期のいじめの体験などが大人になった今に影響しているという理論。

【② クライエント中心療法】

人間性心理学(ヒューマニスティック心理学)論として、パーソン・センタード・アプローチの理論としてロジャーズもクライエント中心療法が挙げられます。自己概念と今の状態に一致感が無く、問題となっている、自己の経験との不一致が心理に影響しているために生じている。人の心と行動の不一致感(ズレ)を重視する考え方。

カウンセラーの態度、肯定的な関心、自己一致をどのように実現するかが重視されます。

【③ 行動療法】

学習理論(行動理論)に基づく、行動療法は、誤学習や未経験により、問題が生じているとする考え方です。正しい学習に修正することで、変容することが出来るとする、行動変容技法の総称です。この考えを発展させたものが、認知行動療法です。

人の現れる異常行動は、その基盤に生理的側面が関与していることを重視する理論。生理的側面とは、学習されたときの条件づけの不足または欠如によるものとされ、行動療法では、不足している条件づけは補強し、過剰な条件づけは減少させるようにおこないます。

【④ 認知行動療法】

人は、成長とともに固定的な認知上の歪み(自動思考)が生じるとされ、その歪んだ思考方法や偏りを修正するという理論。成長過程でのスキーマと呼ばれるさまざまなものごとの捉え方に、焦点をあてていく。この認知を修正することで症状が改善されるとされる理論です。

【⑤ その他の心理療法】

〔家族療法〕

家族療法とは、個人と個人を取り巻く家族関係、家族全体を対象とする。家族とともに問題解決や家族自身の力で解決していく

〔コミュニティ心理学〕

所属する集団、環境の中での相互作用を重視して行う

〔ユング心理学:分析心理学〕

ユング心理学は、個人的な無意識のみならず個人を超え人類に共通しているとされる集合的無意識(普遍的無意識)の分析も含まれます。夢と元型という考えから、夢分析、イメージを用いる箱庭療法などがあげられます。

朝陽

 

3.「臨床」その意味の再認識 

私は、自己紹介で「臨床検査技師」ですと、よく名乗ります。つい忘れがちな「臨床」ということばなのですが、ちょっと「臨床」にこだわってみました。

【臨床の意味とは】

「臨床」は、「対人」という前提があります。私のライセンス「臨床検査技師」も臨床です。生理検査は、検査対象が患者さんとなりますので、臨床すなわち「対人」検査となりますのでまだ良いのですが、検査技師が忘れがちなこと、「臨床」の欠落です。臨床検査技師ではなく、検査技師となってしまうことです。臨床の意味、在り方を考え、姿勢を正すことを常とすることが求められるのだと私は思っています。

先にお伝えした、実践から、必要性から生じた臨床心理学、「臨床」は実践であらねばならないのです。私たち人間が、人間のために必要とされることが「臨床」なのです。臨床心理学は、人の健康な心のために、臨床検査学は、人の身体の状態を視覚化するための方法を学ぶものです。データーに気を奪われてしまったら、本末転倒です。

誰のために臨床検査があるのか?

誰のために臨床心理学があるのか?

そして、心理療法は、臨床心理学をもとに生まれてきたものです。そのことを踏まえた上で、心理療法も臨床検査も行うことがもっとも大切なのだと私の中で再認識いたします。

【ファーストステップは知ることから】

代表的な心理療法をあげましたが、行動療法や認知行動療法は、学習による認知修正でおこなうことができます。自分自身でもその方法をしれば修正することができます。この考え方は、最終日の臨床心理学とNLPとの関連性でまとめていく予定ですが、NLPは自分自身とのコミュニケーションが行えるようになります。

心理学の面白さが少しでもお伝えできれば嬉しいです。

また、次回水曜日にお目にかかりましょう!

 

今日のまとめ 

  • 臨床心理学は、人間の心の問題、課題に対して必然的に発生し発展し、まだ作られている途中
  • 心理療法は、一定の枠組みの中で、その時の状況に合った理論に基づき即した状態で行われることが大切です
  • 基本となるパラダイムの理論を理解し、認識して、クライエントの長期、短期計画のもとに行う

 

参考サイト

パラダイム ウィキペディア

参考資料

・放送大学 公開講演会「臨床心理学ではどのような援助を行うのか」橋本 和幸 了徳寺大学 准教授

・放送大学 印刷教材「心理臨床の基礎」 小野 けい子 放送大学教授

 

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