元気&HealthのJunchanのblogにご訪問ありがとうございます。医療スタッフのメンタルパートナー かたよし純子です♪ 検査技師目線で簡単理解ができる健康情報を多くの人に届けたい。そんな目的で週3回発信しています。今週は、冬に気をつけたい感染症をまとめています。初回は、感染性胃腸炎、集団感染として上がられるノロウイルス、そして2回目は、インフルエンザウイルス、そして今日はノロウイルスとインフルエンザウイルスの予防方法をしっかりとまとめていきたいと思います。感染経路を知ることで予防法が見えてきます。汚染されたリネンの消毒方法もなどもまとめてみました。今日のプラスαは、固形石けんの落とし穴です。

 

1. ノロウイルスとインフルエンザ予防のポイント3つ

1-1 感染経路知って断つ! 

1-2 ノロウイルスの予防で気をつけること 

1-3 インフルエンザ予防の効果的な方法とは?どうするの?

今日のプラスα

2. 石けんとアルコール  

3.ウイルス感染症への治療とは?かぜに対する抗菌薬は必要ない

 

1. ノロウイルスとインフルエンザ予防のポイント3つ

1-1 感染経路を知って断つ!

感染経路とは?

病原体に感染した個体や、環境中に存在する病原体が、未感染の個体に対して新たに感染を起こす経路をいいます。病原体によっては複数の感染経路を介して感染を生じる場合があります。

集団感染や院内感染の予防などに対して、感染源を割り出すことはもちろんのこと、感染経路を絶たなければ終息させることはできません。     ※ウィキペディアより一部引用

ウイルス感染予防には、その感染経路を知ることが大切です。ここでしっかりとまとめておきたいと思います。

今週取り上げたノロウイルスとインフルエンザウイルスの感染経路は、おもに3つあります。接触感染、飛沫感染、空気感染です

【接触感染とは?】

接触感染とは、手を介しておもに感染します。皮膚や粘膜との直接的な接触、その他にドアノブや手すりなど患者周囲の物体の表面を介して、間接的な接触で病原体が付着しその結果、感染するもの。

医療現場でなどでは、MRSAなどの薬剤耐性菌の伝染の主要な経路となるために、医療従事者は、手や聴診器などの器具からの間接的な接触感染を招かないように細心の注意が必要となります。

〔接触感染を招くおもな病原体〕

ノロウイルス、ロタウイルス、インフルエンザウイルス、B型肝炎、C型肝炎、HIV、MRSA、AIDSなど

  • ノロウイルスは、汚染された食品や 便・吐しゃ物に接触した手を介して感染する。
  • インフルエンザウイルスは、ウイルスが付着した手で口や鼻に触れることにより感染する。
  • ロタウイルスは主に経口感染と接触感染、ご家庭では、汚染された水や食べ物を介して、あるいは汚染された物の表面(ドアノブ、手すりなど)を触った手などから口に入り感染する。

【飛沫感染とは?】

飛沫感染とは、ウイルスが含まれる感染者の咳やくしゃみが飛散することで起こります。飛沫(5~200μm)は、約2mの距離に飛び散るとされています。排泄された飛沫に含まれるウイルスが、鼻や口の粘膜に付着することで感染します。

〔飛沫感染を招くおもな病原体〕

かぜウイルス、インフルエンザ、百日咳、マイコプラズマ

【空気感染とは?】

空気感染は、飛沫核感染ともいます。

咳やくしゃみなどにより、飛散した飛沫水分が蒸発し、空気中で乾燥、さらに浮遊する微粒子に付着した病原体(飛沫核)を吸い込むことにより感染することをいいます。感染者や保菌者が遠く、距離があっても感染します。埃と一緒にウイルスを吸い込む場合でも感染します。

〔空気感染を招くおもな病原体〕

麻疹、水痘、結核、ノロウイルス、(インフルエンザ)

 

感染経路

<感染経路>

【ノロウイルスの感染経路】

ノロウイルスは、以下の3通りの経路が知られています。

ノロウイルスは、汚染された食品や 便・吐しゃ物に接触した手を介して感染する(接触感染)

吐しゃ物などからの飛沫を吸入して感染する(飛沫感染)

吐しゃ物や下痢便の処理が適切に行なわれなかったために残存したウイルスを含む小粒子が空気中に舞い上がり吸入して感染する空気感染により、人から人へ感染していきます。

〔食中毒としての経口感染〕
  • ノロウイルスに汚染された生カキや貝類の接種による感染。不十分な加熱処理が原因
  • 不十分な手洗いによる食品汚染からの感染。(感染者からの手の汚染)

【インフルエンザの感染は?】

感染者の咳やくしゃみなどに含まれるウイルスを吸い込むことによる「飛沫感染」がおもな感染経路ですが、ウイルスが付着した手で口や鼻に触れることによる「接触感染」もあります。

 

1-2 ノロウイルスの予防で気をつけること

ノロウイルスは、食中毒菌として二枚貝からの感染しられています。冬場のカキにあたった方も多いのではないでしょうか。そして、毎年11月頃~2月くらいの間に、乳幼児や高齢者を中心にノロウイルスによる急性胃腸炎が流行します。

【ノロウイルスによる感染性胃腸炎の蔓延防止法とは?】

家庭内や集団で生活している施設においてノロウイルスが発生した場合、感染を拡げないためにはどのようなことに気をつけたらよいのかをまとめていきましょう。

ノロウイルスは、前項でお伝えしたように、ヒトからヒトの接触感染、空気感染を予防する必要があります。

〔ノロウイルスの接触感染予防〕

ノロウイルスの流行期冬場(11~3月頃)の乳幼児や高齢者の下痢便や嘔吐物には、ノロウイルスが含まれていることもあります。ノロウイルスは、少量でも感染します。オムツなどの取扱には十分は注意が必要となります。

〔感染患者の糞便や嘔吐物を処理、接触感染に気をつけること〕

ノロウイルスの感染部位は小腸です。嘔吐の症状が強くみられるときには、小腸の内容物も逆流するために、強い吐き気とともに嘔吐物にも多量のウイルスが含まれます。糞便中にも同様に大量のウイルスが排泄されています。嘔吐物、糞便の処理には細心の注意が必要です。

床などに飛散した感染者の嘔吐物や糞便を処理するには、まず、処理するものの接触に細心の注意が必要です。使い捨てエプロン(ガウン)、マスク、手袋を着用し、汚物中のウイルスが飛散しないように糞便、嘔吐物をペーパータオルなどで静かに拭き取ります。拭き取った後は、0.1%次亜塩素酸で環境消毒をします。浸すように床を拭き取り、その後水拭きをします。オムツなどは、速やかに閉じて糞便などを包み込み廃棄します。オムツや拭き取ったペーパータオルなどは、ビニール袋に密閉し廃棄します。その後、十分な手洗いをすることは言うまでもありません。

〔環境汚染後の空気感染にも注意が必要です〕

12日経過しても汚染されたカーペットからの感染事例があるそうです。それほどノロウイルスの感染力は強いということになり、感染力のあるウイルスが残っている可能性があります。これらの汚染された感染源となる環境の処理は、必ずしっかりと行う必要があります。

〔乾燥に細心の注意〕

ノロウイルスは、乾燥することで容易に空中に飛散します。そして空気感染の原因となります。そのため、汚染された床などの嘔吐物や排便は速やかな処理と、その後の十分な換気が必要となります。空気の流れに注意しながら、窓を開けるなどの換気を十分に行うことが空気感染防止には重要です。

【ノロウイルスその他の注意事項】

ノロウイルスの感染者は、場所も問わずに突然嘔吐することがあります。リネン類に付着した嘔吐物の処理に困った方も多いのではないでしょうか。感染者の洗濯物の方法をまとめておきましょう。

〔汚染されたリネンの処理〕

リネンなどに付着した汚物中のウイルスが飛散しないように処理したのち、洗剤で洗います。その際は、水の飛沫を浴びたり、吸い込まないための注意が必要です。下洗い後のリネンの消毒として85℃、1分以上の熱水洗濯が適していますが、熱水洗濯ができない場合は、次亜塩素酸消毒が有効となります。十分なすすぎと高温乾燥機があればさらに効果的です。布団などすぐに洗濯が困難な場合は、スチームアイロンや、布団乾燥機を用いることも効果があります。

下洗いした場所の環境汚染も懸念されますので、使用後は、次亜塩素酸で清掃する必要があります。

次亜塩素酸は、家庭用の塩素系漂白剤で代用可能です。

〔感染者の食器はどうするの?〕

使用後、食後すぐに次亜塩素酸に十分に浸して消毒することが望まれます。食器などのの下洗いした場所や、嘔吐後にうがいをした洗面所などの場所も次亜塩素酸での消毒後、洗剤で清掃することが必要です。

〔感染者周囲の環境は?〕

ノロウイルスは、少数でも感染力が強いため、感染者が発生した場合、十分な環境消毒が必要となります。環境(ドアノブ、カーテン、リネン類、日用品など)は、接触感染の原因となります。感染者が、触ったと考えられる場所は、次亜塩素酸での清拭が勧められます。その際、次亜塩素酸は、金属腐食があるため薬剤の清拭も十分に行うことが必要となります。

汚物で汚してしまったもの、服やリネンを捨ててしまった方もいるのではないでしょうか。しっかりと処理をすれば大丈夫です。ちょっと大変ですが、感染を拡げないためには必要なことです。

 

1-3 インフルエンザ予防の効果的な方法とは?どうするの?

インフルエンザを予防する有効な方法としては、以下が挙げられます。

【ワクチンを効果的に用いよう】 

毎年流行期に入る前に摂取することが予防につながります。

インフルエンザワクチンには、感染を完全に予防する効果はありませんが、インフルエンザの発症を一定期間抑える効果が期待されます。そして、発症に際して重症化を予防する効果があります。

【咳エチケットで、飛沫感染対策】

インフルエンザの感染経路は、飛沫感染です。咳やくしゃみとともに、大量のウイルスが飛散します。この飛沫を浴びないようすることで、インフルエンザに感染リスクを大きくふせぐことが期待できます。

〔不顕性感染者からの感染〕

感染していても症状のない「不顕性感染者」からの飛沫もありえます。かぜの症状のみで、インフルエンザウイルスに感染していることに本人も周囲も気づかない場合もあります。

〔咳やくしゃみが出る時の注意事項〕

とくに感染者のマスクで飛沫感染対策を行うことが重要となります。

  • 日常から咳エチケットを心がけることがウイルス感染の拡大を防ぎます。
  • 咳やくしゃみを他の人に向けて発しない
  • 咳やくしゃみが出るときはできるだけマスクをする。
  • マスクがない時の、急な咳やくしゃみの際には、腕の内側などで口と鼻を覆う
  • 鼻汁、痰などが付着したティッシュはすぐにゴミ箱に捨てる
  • 手のひらで咳やくしゃみを予防したときは、すぐに手を洗うこと

【やはり予防には、手洗いは必須】

手には多くのウイルスや細菌が付着しています。

インフルエンザウイルスの物理的に除去には、流水と石鹸による手洗いは有効な方法です。インフルエンザに限らず、接触感染、飛沫感染などを感染経路とする感染症の基本対策となります。インフルエンザウイルスは、アルコールに耐性が無いためアルコール製剤による手指消毒も有効です。今週月曜日のブログをご参照ください。帰宅後の手洗いはやはり必須です。

(※ノロウイルスは、アルコール耐性があり効果はありません)

適度な湿度の保持

ウイルスは乾燥に強く、冬場は空気が乾燥しやすい時期です。乾燥は、気道の粘膜の防御機能が低下し感染症を起こしやすくなります。加湿器などを用いて室内の湿度を50~60%くらいに保つことも効果的です。インフルエンザ予防には効果的です。

【バランスの良い栄養と睡眠】

身体の免疫力を上げるためには、質の良い十分な睡眠と休養、バランスの良い栄養摂取を日常から心がけましょう。

【人混み、繁華街への外出を控える】

インフルエンザの流行期には、ハイリスクの高齢者、慢性疾患、基礎疾患のある方、妊婦、体調が悪い時は、人混みや繁華街への外出を控えるようにしましょう。また、外出する場合は、飛沫感染防止のため、マスクをしようすることをお勧めいたします。

 

2.石けんとアルコール

感染症予防には、石けんと流水での手洗いをとお伝えしましたが、石けんならば何でもよいわけではないのです。

【石けんの目的は汚れを落とすこと】

消毒効果のある石けんで手を洗わないと感染症予防に対する効果は得られません。よくある固形石けんは、手についた汚れを落とすことが目的で、ウイルスから守るためには効果がありません。固形石けんそのものが細菌感染しているそうです。石けんの培養をしたらかなりの細菌が生えてきたことが確認されたそうです。

【液体石けんの継ぎ足しNG】

固形はNGなので、液体のポンプ式のものがお勧めです。ここで注意したいのが、継ぎ足しです。ポンプ式のものが空になったら、詰め替え用も売られていますが、そのまま継ぎ足すことも雑菌を増やすことになります。詰め替え用を入れるときには、容器をよく洗い乾燥させてから新しいものを入れる必要があります。

【手指消毒にはアルコールが効果的】

インフルエンザウイルスには、アルコール消毒が有効です。ただし、ノロウイルス、ロタウイルスには、無効となりますので注意してください。

 

3.ウイルス感染症への治療とは?かぜに対する抗菌薬は必要ない

インフルエンザやロタウイルスには、予防注射がありますが、月曜日のブログでお伝えしたように、ノロウイルスの予防注射、効果のある抗ウイルス剤はありません。そして、ロタウイルスは、非常に強い感染力をもつウイルスですが、発症した場合の治療法は、対処療法となります。

【下痢や嘔吐による脱水症状】

体力のない乳幼児や高齢者は、下痢や嘔吐により脱水を起こしやすく、体力を消耗します。そのため、水分補給と栄養にも配慮が必要です。脱水症状が強い場合は、医療機関での補液が必要となりますので早めの対応が求まられます。

【かぜに対して抗菌薬の処方は効かない】

月曜日のブログで、ウイルスと細菌の違いのところでもお伝えしましたが、一般のかぜ症候群のおもな原因はウイルス感染です。抗生物質の作用は、細胞膜を破壊することで効果が得ることができます。ウイルス感染症には、抗生物質が無効なことは、ウイルス分子のは、細胞膜がありませんので構造的効果がないとされています。逆に細菌感染症に抗生物質は、細胞膜を破壊しますので効果が得られます。

ウイルスと細菌

<ウイルスと細菌>

【下痢止めは逆効果】

ノロウイルスの強い下痢に対して下痢止めは、逆の効果になってしまいます。下痢により体内のウイルスを排泄することが促されるからです。下痢止めがこの逆の作用になりますので、体内にウイルスを留めることになってしまい、回復を遅らせることになります。

今週に入ってからの寒波により、急激に消化管症状の患者さんを見受けます。インフルエンザの流行も懸念されます。ひとりひとりは注意することで、流行を最小にすることが出来るのではないでしょうか。

今年もそろそろカウントダウンです。Pure Medical attitudeのHealth blogは、来週は、まとめの週といたします。いっしょに1年間のまとめをしていきましょう!

 

今日のまとめ 

  • ウイルス感染経路は、接触感染、飛沫感染、空気感染、手洗いとうがいは必須策
  • ノロウイルスは少量感染でも発症可能、汚物処理にも注意が必要
  • インフルエンザは、咳エチケットで飛沫感染の予防と防止

 

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関連情報
  • 関連資料 横浜市立大学エクステンション医療講座「冬場の感染症」加藤英明 医師

(横浜市立大学学術院医学群 附属病院感染制御部 医学部血液免疫感染症内科)

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代表 かたよし純子 Junchan♪  ※自己紹介はこちらから

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