元気&HealthのJunchanのblogにご訪問ありがとうございます。医療スタッフのメンタルパートナー かたよし純子です♪ 今週は、大腸がテーマです。初回は、大腸の機能と過敏性腸症候群を中心にお伝えしました。2回目は、炎症性腸疾患です。安倍首相も罹患している 潰瘍性大腸炎、クローン病の2疾患があげられます。慢性的な腸疾患で、前回はストレスが原因とされた過敏性腸症候群でしたが、炎症性腸疾患との違いもみながら、炎症性腸疾患(IBD:inflammatory bowel disease)をまとめて行きたいと思います。罹患するとどうなるのか?潰瘍性大腸炎もストレスが関係しています。そして今日のプラスαは、便のチェックのお勧めです。

 

1.炎症性腸疾患(IBS)を理解するためのキーワード3つ

1-1 ストレスが原因?原因不明の炎症性腸疾患(IBD)とは?  

1-2 大腸にみられる潰瘍性大腸炎

1-3 全消化管に症状があるクローン病  

今日のプラスα

2.便排泄のしくみ 便の水分吸収と成分 

3.身体への気づかい、便をチェックしていますか?

 

1.炎症性腸疾患を理解するためのキーワード3つ

炎症性腸疾患(IBD:inflammatory bowel disease)とは、消化管に炎症をおこす慢性疾患の総称とされ、潰瘍性大腸炎(UC: Ulcerative colitis)、クローン病(CD: Crohn’s disease)の2疾患からなるとされます。今日は、この炎症性腸炎に代表される2疾患を中心にまとめていきたいと思います。  ※ウィキペディアより引用

1-1 ストレスが原因?原因不明の炎症性腸疾患(IBD)とは?

初めに、炎症性腸疾患の背景からまとめていきたいと思います。

【炎症性腸炎腸疾患:IBDとは自己免疫が関与する慢性疾患】

炎症性腸疾患には、潰瘍性大腸炎とクローン病とに分けられます。この2疾患は、自己免疫的な因子が関与しているとされてる慢性疾患です。あらゆる年代層で見られますが、好発年齢は、30歳以前に発症するとされています。男女差は無く、遺伝性の要因リスクがあるとされていますが、クローン病の方がより遺伝性因子のリスクが高いとされます。喫煙のリスクは、クローン病の発生や増悪に関与しているとされていますが、はっきりとして原因はあきらかとされていません。

〔炎症で守られている人の身体〕

人の身体に有害な状況が起きた場合、体内では恒常性を維持するために「防御反応」が起こります。炎症とは、この自然な、生体防御反応で発赤、腫れ、発熱などのより身体の恒常性を取り戻そうとする治癒回復に至るための生体反応です。この炎症反応は、人に取って、必要不可欠な反応となりますが、過剰にこの反応が起こることで自らの身体を傷つけてしまうことがあり、この炎症が腸管に起こる疾患が炎症性腸疾患となります。

〔特異的防御反応と非特異的防御反応とは?〕
  • 非特異的防御反応:異物侵入の初期に働き、細菌や薬剤など無差別に排除する防御反応
  • 特異的防御反応 :はっきりした原因(細菌や薬剤など)で起こるものを特異的炎症性腸疾患

非特異的防御反応は、好中球、マクロファージなどが関与し、特異的防御反応には、リンパ球がおもに関わります。  ※関連ブログ 生まれながら持つ免疫力

初期反応としての非特異的防御が、体内に侵入したウイルスや細菌などに対して、これらの異物をキャッチすると排除するために炎症反応としれ、腫れや痛み、発熱などの生体反応が起こります。今回は、非特異的防御反応として起きているとされる炎症性腸疾患の潰瘍性大腸炎とクローン病の2疾患をまとめていきたいと思います。

【潰瘍性大腸炎とクローン病の違い】

潰瘍性大腸炎とクローン病は、多くの共通点があり、判別が難しいとも言われています。2疾患の違いをまとめていきたいと思います。

〔炎症部位の違い〕
  • 潰瘍性大腸炎 直腸、S状結腸に必ず見られ大腸に限局、結腸罹患部位は左側、肛門周囲所見なし
  • クローン病  多くの症例で小腸での炎症、結腸は右側、S状結腸には見られない
〔肉眼的血尿の有無〕
  • 潰瘍性大腸炎 肉眼的な下血を常に認める
  • クローン病  肉眼的な下血はまれだが、大腸クローン病は例外が多い
〔瘻孔形成の有無〕
  • 潰瘍性大腸炎 なし
  • クローン病  瘻孔、腫瘤、膿瘍をよく見る
〔X線所見の違い〕
  • 潰瘍性大腸炎 直腸から上部に対称的、連続的に腸管壁に所見をみる
  • クローン病  腸壁に非対称性、区域性の複数の病変、正常な領域(skip area)がある
〔内視鏡所見の違い〕
  • 潰瘍性大腸炎 均一でびまん性の炎症
  • クローン病  非連続的な潰瘍を斑状に見る
〔顕微鏡所見の違い〕
  • 潰瘍性大腸炎 粘膜に限局(重症例は除外)
  • クローン病  炎症や裂溝が粘膜層を越えて拡大する

【炎症性腸疾患の症状】

潰瘍性大腸炎とクローン病では、上記のように発症部位が異なるために、その症状も異なります。長期の下痢による症状で体重減少、VB欠乏症の症状が現れる場合もあるようです。炎症性腸疾患は、関節や眼、口、皮膚など消化下以外の部位の炎症を招くこともあり、腸管の炎症部位でのがんのリスクが高くなるということがあるようです。

  • 潰瘍性大腸炎:腹部の痙攣痛、間欠的な血性の下痢、
  • クローン病 :慢性の下痢と腹痛

【炎症性腸疾患の診断基準】

炎症性腸疾患の診断には、他の炎症性疾患との鑑別のために他疾患の可能性を否定を行います。細菌感染症や、寄生虫などによる炎症の否定です。便検査や内視鏡の組織診にて細菌感染症、寄生虫感染、淋菌感染症、ヘルペスウイルス感染症、クラミジア感染症などの直腸感染症の有無、また、虚血性大腸炎、過敏性腸症候群なども鑑別対象となります。

炎症性腸疾患の根治的な治療は無く、炎症を緩和し症状を軽減する治療となるようです。日常のストレスマネジメントや刺激物の多い食事を控え、寛解を維持することが必要となるようです。

 

炎症性腸疾患 好発部位

<炎症性腸疾患 好発部位>

1-2 大腸にみられる潰瘍性大腸炎

炎症性腸疾患のひとつめ、潰瘍性大腸炎についてまとめていきましょう。

【潰瘍性大腸炎とは?】

大腸壁の構造は、以前胃のところでお伝えした胃壁の構造と同じように、超音波で見ると同じ5層構造となっています。内側から順に「粘膜」「粘膜下層」「固有筋層」「漿膜下層」「漿膜」の5つの層で構成されています。※下記イラストをご参照ください

潰瘍性大腸炎は、炎症性腸疾患の中で、原因がよく分からない、慢性疾患、非特異的炎症性腸疾患の1つとなります。大腸の最も表層にある粘膜とその下の粘膜下層に潰瘍やびらんなどの所見がみられる炎症性疾患です。通常炎症の深達度は、粘膜層~粘膜下層までの表層に限られます。

【潰瘍性大腸炎の症状とは?】

性差はなく、主な症状としては、便の異常の血便、粘液便、下痢など、さらに腹痛、発熱、貧血などが見られます。発症早期は、軽度の血便が見られますが下痢などの他の症状に乏しく、痔の出血と思いやすく注意が必要です。軽症の場合は必ずしも血便を伴うわけではありませんが、重症化した場合は血性の下痢などが現れます。その他にも発熱や食欲不振、貧血などを呈することも少なくありません。さまざまな合併症が発現することがあります。大腸に限局して見られ、炎症が広範囲の大腸にみられるようになると、血便以外に下痢、軟便、腹痛などの症状が、持続的、反復的にみられるようになります。

〔潰瘍性大腸炎の合併症〕

下痢がひどくなると1日に20回以上ということもあり、血性下痢を呈し、さらに症状が悪化すると全身の症状が見られるようになり、体重減少、貧血、発熱などの症状があらわれます。

【腸管合併症と腸管外合併症】

大腸に限局して現れるといわれる潰瘍性大腸炎ですが、合併症を併発することがあります。合併症の進行度合いで腸管合併症と腸管外合併症と呼ばれています。

〔腸管合併症〕

激しい炎症が長期間、腸管壁深部にまで進行していき、腸にもさまざまな合併症を併発することになります。大量出血や、腸管の狭窄、穿孔などをおこすことがあります。強い炎症のために腸管の蠕動運動が低下することで、ガスや毒素貯留し、大腸が膨張し、全身に発熱や頻脈などの全身症状が現れ、手術適応となることもあるようです。長期間経過した潰瘍性大腸炎では、がん発症のリスクが高いとされています。

〔腸管外合併症〕

腸管以外の全身に合併症が起こることもあります。関節、皮膚、眼などの症状や、アフタ性口内炎、肝胆道系障害、結節性紅斑などがみられることがあるとのことです。

〔潰瘍性大腸炎の慢性症状へ〕

潰瘍性大腸炎は、寛解と再燃をくり返しながら慢性化していきます。その症状が落ち着く時期を寛解、症状が再び出現することを再燃といいます。この状態を長期間経過し、10年以上経過し、全大腸型が慢性化するとがん発症のリスクが高くなることが知られています。

【潰瘍性大腸炎の診断方法】

潰瘍性大腸炎の診断は、大腸内視鏡検査、X線造影検査、病理組織検査などにて診断されます。内視鏡にて大腸の粘膜のびらんや潰瘍がみられることで疑われ、組織診で確定されるようです。

 

大腸の構造

<大腸の構造>

【潰瘍性大腸炎とストレスとの関連性】

原因がはっきりしない非特異的炎症反応とされる潰瘍性大腸炎は自己免疫機能が関与しているとされています。そしてその自己免疫には、ストレ スが関与し、潰瘍性大腸炎は、ストレス関連疾患の1つであるともいわれます。何らかのストレスが腸炎増悪の 誘因の1つとされています。

免疫システムに、ヘルパーT細胞が関与し、このヘルパーT細胞は、2種類に分類され、体内でこの2種類のヘルパーT細胞のバランスが崩れ自己免疫反応に異常が出るとされています。この状態が、潰瘍性大腸炎のような自己免疫が関与するとされている疾患群となります。

【ストレスが原因?潰瘍性大腸炎】

生理検査アティテュード®からのメッセージ

実は、私自身が「潰瘍性大腸炎」と、診断されていました。

〔時代の変化、レディースクリニックの必要性〕

もう、数年前、横浜の総合病院で勤務していた時のことです。しばらく前からの排便時の出血が気になり、女性専門の肛門診療科レディースクリニックに受診しました。スタッフはもちろんすべて女性です。すごく混んでいた記憶があります。予約もけっこう先で、当日もかなりの時間待った記憶があります。最近、女性専門のクリニックも増えましたよね。乳腺外科や泌尿器科も女性専門という外来が少なくありません。やはり男性医師よりも女性医師のほうが抵抗感が無いのは確かです。

〔下痢や腹痛への不安感〕

そこで言われたことは、痔があるけど、直腸が気になるから大腸内視鏡を受けましょうと言われて、結局通常の肛門科へ…下剤飲みました。2Lですか?それよりも辛いのは、前日の下剤。それでほとんど腸管は空っぽのように思いました。朝起きて、トイレから出られないくらいの辛さ「これで電車に乗って病院へ行けるのか…不安」

そう、下痢をしている人、前回のブログでお伝えした「過敏性腸症候群」の頻回な下痢のときの不安感、そんな気持ちがよく分かる当事者でないと言えない不安感、私には初めてそのとき体験した不安感でした。いかに過敏性腸症候群の腹痛や下痢症状が引きこもりの原因となるのか…その比では無いのかと思いますが、少し体験できた気分です。トイレの側から離れるのがすごく不安なんです。過活動膀胱の頻尿よりも強い不安感なのではないでしょうか。

〔ストレスと感じないストレスとは?!〕

潰瘍性大腸炎の原因として、ストレスもあげられます。

私も一応、組織診を行い、潰瘍性大腸炎と診断されました。しかし、すごく狭い範囲で投薬するほどの病変ではないとのことで、治療対象外としても大丈夫といわれました。自分の勤務する病院への診療情報提供書を持参、「あら、何かストレスあるのですか?」と、勤務先の消化器医に言われた記憶があります。症状が気になったら、薬出すからといわれ、その後1年後に今度は、勤務先の病院で女性医師担当日に大腸内視鏡検査を受けました。

まったくストレスと感じていない我が身を反芻、その頃は心理学も学んでいましたので、自己メンテナンスも意識していた毎日です。

『ストレスと感じないストレス』

これ、こわいです。退職して中間管理職を退き、いかに指示待ちが楽か…笑 在籍中いかに大きな荷物を背負っていたかを自覚したことを今でも思い出します。そして、自分に向かない仕事を、半分必要に迫られて、自分自身を奮い立たせて「出来るから大丈夫!」と思い込み行動すると…ストレスとして意識していなくても、意にそぐわない職域に対して、自分の身体は拒絶反応を起こしている。再び大腸からの出血がみられるようになったのです。そして、意にそぐわない仕事を手放すと、何と症状は次第に治まっていったのです。自分の自我(無意識)はかなりムリをしていたことを認識させられた事実でした。

〔感じ方は人それぞれ〕

性格も大きく作用しますが、あまりにストレスが無い仕事も、私のような性格には、それもストレスなのです(笑)そのことは、あとでよくわかったことなのですが、刺激は人を成長させてくれる。ストレスは刺激です。刺激がない生活を持続していると、小さな刺激やイベントに対して折れやすい心になってしまいます。折れない心を育てることが大切です。さまざまな日常のイベントは、その人の経験に繋がります。将来のリソースになります。しなやかな感性を育成してください。

自分に与えられた仕事がどうしても馴染めない時は、素直に上司に相談することも大切なときが私はあると思います。自分の状況を伝えるのもストレスかも知れません。でも、将来の自分のためでもありますよね。

 

潰瘍性大腸炎の3つのタイプ

<潰瘍性大腸炎の3タイプ>

 

1-3 全消化管に症状があるクローン病

潰瘍性大腸炎同様に特定疾患に指定されています。クローン病は、ニューヨークのクローン医師により初めて報告された疾患とされます。(当初、限局性回腸炎と診断)

【クローン病とは?】

炎症性腸疾患のもう一つがクローン病です。クローン病とは、非連続性の慢性肉芽腫性炎症を生じる、潰瘍性大腸炎と同様に原因不明の炎症性疾患とされています。口腔から肛門までの全消化管に潰瘍やびらんを形成し、発症するとされ、主に小腸や大腸などに炎症がみられます。クローン病では、縦方向に走る長い縦走潰瘍、潰瘍によって囲まれた粘膜が盛り上がり、敷石像といわれる丸い石を敷いたようにみえる状態となり、腸の粘膜に、口内炎のような浅い潰瘍(アフタ)不整形潰瘍が出現します。

10歳代後半から20歳代の若年層が発症年齢とされ、2:1の割合で男性に多く発症する傾向にあります。潰瘍性大腸炎が大腸にみられるのに対し、口腔から肛門まで消化管のあらゆる部位に炎症や潰瘍が起こります。

【クローン病の症状】

クローン病は、口から肛門に至るまで消化管の全域に炎症や潰瘍などの症状がみられます。 その中での 好発部位は、小腸と大腸で、腸の狭窄や瘻孔などの合併症をともなうこともあります。クローン病の症状は、初期症状として多く見られるのが下痢と腹痛で、その他、血便、発熱、肛門付近の痛みや腫れ、体重減少や肛門病変として、周囲の潰瘍、切れ痔などの症状もみられることがあります。その他、さまざまな合併症を啓発します。

重症化すると、腸閉塞や腸穿孔、それに伴う大出血で発症することもあるようです。手術適応例もあり、合併症として、痔ろう、貧血、低タンパク血症、硬直性脊髄炎、口内アフタ、結節性紅斑、壊疽性膿皮症、成長障害などもあるようです。

〔クローン病の予後〕

クローン病も潰瘍性大腸炎と同様に、再燃と寛解を繰り返し慢性化していきますが、適切な治療により症状を抑えることで、健常者と同様の日常生活を過ごすも可能です。

【クローン病の合併症】

クローン病の発症は、浅い粘膜から発症し、深部へと伸展していきます。腸管壁の深部にまで炎症が及ぶと、さまざまな合併症を引き起こします。クローン病の炎症も潰瘍性大腸炎同様にさまざまな合併症、腸管内合併症、腸管外合併症が起こることがあります。

〔腸管合併症〕

内腔が狭くなる狭窄や、潰瘍による穿孔、瘻孔(ろうこう:腸と腸や他の臓器とつながってしまう)、膿腫など、まれに大量出血、大腸がん、肛門がんなど

〔腸管外合併症〕

関節症状は30%くらいの人に、皮膚、眼の病変など、1~2%の人にみられます。その他、アフタ性口内炎、肝胆道系障害、結節性紅斑などがみられることがあります。

【クローン病の診断】

クローン病の診断は、潰瘍性大腸炎同様に、内視鏡検査やX線造影検査、病理組織検査などにて行います。

他の疾患との鑑別が重要となり、その中でも腸結核は、クローン病とよく似た症状のため鑑別が重要とされているようです。

クローン病

<クローン病>

2.便排泄のしくみ 便の水分吸収と成分

過去のブログ、消化と吸収のところでもまとめましたが、再掲しておきたいと思います。

【便の排泄と成分】

人は食物を口から摂取し、栄養素を体内に取り込みエネルギーに変え、組織や臓器を維持しています。そして、消化吸収された後の老廃物を便として体外に排泄しています。

〔便が作られるプロセス〕

便はどのように作られているのかを再度ここでまとめておきましょう。過去の関連ブログはこちらから

食物は、口腔ないで咀嚼され、消化酵素を含む唾液と混ぜ合わせられます。食塊は、食道から胃へ送られ胃でドロドロにまで消化され、十二指腸へ送られます。十二指腸から小腸へ、小腸で栄養素が吸収された未消化物は、初めはドロドロの流動状の状態で大腸へ送られます。上行結腸から横行結腸~下行結腸~S状結腸~直腸へ送られる過程で、流動状から半流動状へ、さらに粥状~半粥状~半固形状~固形状へと水分を少しずつ吸収されて最終的に固形となり直腸から排泄されます。

便の状態は、水分摂取量にも大きく影響しますが、大腸の蠕動運動も影響しています。蠕動運動が亢進していると、内容物が早く送られてしまい、軟便や下痢便になります。逆に蠕動運動が低下すると、内容物がなかなか送られず、便秘となりますが停滞時間が長くなり、水分吸収が進んで便が硬くなることも便秘を助長させることになります。※前回ブログの大腸機能をご参照ください

 

便の水分吸収

<便の水分吸収>

【便の成分】

便に含まれる成分は、おもに水分、食物の残りかす、大部分は消化吸収されなかった食物と、胆汁や大腸で排出される重金属など生体からの老廃物も含んでいます。そして、腸内細菌、ビリルビン、余分な栄養素(コレステロール、カルシウム、マグネシウム、鉄など)など小腸までで消化・吸収されなかった成分を含みます。

便の約1/3は細菌です。有害なものや、病原性のあるもの、致死性を持つウイルスや細菌、アメーバや寄生虫などが含まれています。しかし、腸にとっては、役に立っている細菌や無害なものも多くあります。タンパク質は、一部未消化のまま大腸に送られ、腸内細菌により分解されます。

胆汁には胆汁酸による脂肪分の乳化という作用もあり、老廃物の排出のみが機能というわけではありません。胆汁酸を構成しているコレステロールなどは再び腸管から吸収されています。再吸収されなかった残りが最終的に便として体外へ排泄されています。

〔便の色調〕

肝臓では、つねに胆汁が生成されていますが、胆汁には、水溶性が高くない排出物質が含まれています。作られた胆汁は、胆のうで貯蔵され、濃縮されて食事を摂取すると消化を助けるために、胆のうから十二指腸へ流れ出ます。ビリルビンは黄色い色素で、便の色はこのピリルビンの色素です。閉塞性黄疸など皮膚が黄染する肝障害の時は、胆汁が十二指腸に流れ出ないために、便に含まれないため、白っぽい便になります。

 

3.身体への気づかい、便をチェックしていますか?

便からたくさんの身体の情報が得られます。でも、どうして「おたより=便」なのでしょうか?調べましたがはっきりとした由来はわからないようです。なので、身体からメッセージ=おたより=お便り=便=排便 と私は思うのです。自分の身体の声なのではないでしょうか。

【毎日の排便たよりからみえる疾患】

腹痛を伴う血便として見られる疾患には、大腸憩室炎もあります。大腸の壁に憩室が作られ、その憩室部分が炎症を起こす疾患です。憩室とは、消化管の壁に小さい袋状のものが作られその部分に老廃物が堆積し炎症を起こす疾患です。出血を伴う場合もあります。よく、虫垂炎と症状やできる場所が近く、鑑別に超音波が用いられることは、以前のブログでもお伝えしたかと思います。

排便時に、血液が混在したら、病院で必ず検査を受けましょう。そのためには、やはり毎日の観察が大切です。

便も、身体の様子、健康状態を知るための大切なスケールとなります。身体からのお便りです。体外に排出される食物残渣、胃や腸の粘膜からの細胞も混入しています。さらには、腸内細菌も含まれます。便の色調、水分状態、異様な臭い、血液以外にも、白っぽい便や黒っぽい便などの場合もあります。

  • 血便(血液が混在した赤い便) 肛門近くの病変、粘液や臭気にも気をつけて見てください
  • 黒っぽい便  比較的上部消化管、胃や消化性潰瘍、ポリープなど
  • 白っぽい便  胆道障害で胆汁が流れていないときに灰白色となります

健康診断で行われる便潜血反応検査では、血が混じっているのかどうか定性法と呼ばれ、人の血液中に含まれるヘモグロビンを免疫学的にチェックする方法が用いられることが一般的です。陽性になった場合は、採取した便検体の中に、人の血液が混じっている疑いがあるということを示します。

通常は、口から入った食べ物が、食道、胃、十二指腸、小腸(空腸・回腸)、大腸(盲腸・上行結腸・横行結腸・下行結腸)、S状結腸、直腸を経て、肛門から便として排泄される課程で便に血が混じることはありません。現在の便潜血の検査では、主に、大腸以後の消化管で出血しているのかどうかをみることを目的としています。

大腸ポリープの場合、ポリープ表面の組織がもろく、便が通り過ぎるときに出血しやすいので、便潜血が陽性となります。しかし、痔でも便潜血陽性になります。健康診断などで採用されている便潜血検査は簡易方法です。健康診断で便潜血陽性の場合は、内視鏡など次の検査を受けることをお勧めします。

【便潜血が陽性になる主な原因】

先にお伝えしたように、潜血陽性は、人の血液に反応します。便に混在しているヘモグロビンですから、消化器系の出血、痔でももちろん陽性となります。

〔便潜血陽性になる疾患〕

大腸がん、食道がん、胃がん、大腸ポリープ、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、潰瘍性大腸炎、クローン病、白血病、紫斑病、痔

若い人の便潜血陽性は、血便が見られるような上記の疾患、潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患などがあげられます。これらの疾患の場合は、排便時に鮮明な出血としてみられることもありますが、便潜血陽性の反応で発見される例も少なくないそうです。

 

次回最終回は、「大腸がん」を予定しています。またぜひお読みください。

 

今日のまとめ 

  • 炎症性腸疾患は、原因不明の慢性の消化管炎症、潰瘍性大腸炎とクローン病となる
  • 潰瘍性大腸炎は、おもに大腸を好発部位ととする
  • クローン病は、大腸、小腸を好発部位とし消化管全体にみられることがある

 

・今日のおもな引用サイト  炎症性腸疾患 ウィキペディアより

 

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