元気&HealthのJunchanのblogにご訪問ありがとうございます。医療スタッフのメンタルパートナー かたよし純子です♪検査技師目線で簡単理解ができる健康情報を多くの人に届けたい。そんな目的で週3回発信しています。サブテーマ「何を食べますか?」先週、今週と栄養素をまとめています。今週は、調子を整えるための栄養素です。最終回の今日は、6番目の栄養素といわれる「食物繊維」です。エネルギー源としての摂取よりも、食物繊維のもつ生理作用や機能が明らかにされる中で、注目が集まってきています。生活習慣病の予防にも大きく関与しています。
1. 食物繊維の大切さを知るための3ポイント
1-1 食物繊維、最近よく聞きませんか?
1-2 腸の動きを促進する不溶性食物繊維
1-3 ネバネバパワーの水溶性食物繊維
今日のプラスα
2.低GI値食品を効率的に
3.難消化性って何ですか? 難消化性デキストリン
1. 食物繊維の大切さを知るための3ポイント
食物繊維とは、現在共通の定義として受け入れているものとして、
『人の消化酵素によって消化されない、食物に含まれている難消化性成分の総称である。』
とされています。
1-1 食物繊維、最近よく聞きませんか?
「難消化性」とは、摂取されても消化されずに体外に排泄されてしまいます。以前は、役に立たないものとされ、栄養成分を持たない不要なものとされていました。現在は、食物繊維の有用性がわかってきて日本人の食事摂取基準で摂取する目標量が設定されています。しかし定義から明らかなように栄養素ではありません。以前、食物繊維は、「吸収されない、必要な栄養素まで排泄されてしまう」など、食物の余計なもの、カスというように考えられていました。さらに食物繊維が多く含まれていることで食感が損なわれるために、食物繊維を取り除くことに尽力してきました。
植物に含まれる食物繊維、セルロースやリグニン、ペクチンは、人の消化酵素で分解されません。また、動物に含まれるキチン、キトサンなども、人の消化酵素で分解されず、食物繊維に含まれます。
【食物繊維の分類】
不溶性食物繊維 水に溶けない
水溶性食物繊維 水に溶ける
この2種類に分類されます。
<食物繊維分類>
【食物繊維の働き】
食物繊維は、身体の中に摂取されてもほとんど消化吸収されないため、身体を構成する成分やエネルギー源にはなりません。しかし、私たちの身体に摂って無くてはならない大切な役割があります。
① 血中LDLのコレステロールの上昇抑制、コレステロールの排泄
体外へコレステロールを排泄する働きがあります。水溶性食物繊維、不溶性食物繊維を問わず、高LDLコレステロール血症の人には効果が期待されます。おもにLDLコレステロールの上昇を抑制し、動脈硬化を予防する効果があります。
水溶性食物繊維は、脂質の乳化を助ける胆汁酸を吸着し、排泄を増加させます。そのため、胆汁酸の材料となるコレステロールは、胆汁酸の排泄が増加することで胆汁酸をつくるためにコレステロールが消費され、結果コレステロールの値は減少させることができます。
② 血糖値の上昇を抑える
食物繊維は、ブドウ糖の吸収を穏やかにするために、食後の血糖上昇のピークを低下させる。特に穀物由来の不溶性食物繊維には、糖尿病の予防が期待できます
③ 腸内環境を整える、便秘改善
食物繊維は便量や排泄頻度を増加させ、腸の調子を整えてくれます。
不溶性食物繊維は、水分を吸着させ膨らむことで腸を刺激し、腸の蠕動運動を高める。
排便をコントロールすることで、便とともに排泄される有害物質の滞在時間を短縮し、発がん物質などの生成を抑制する。すなわち、がん予防につながる。
水溶性食物繊維は、腸内で水分を抱え込むことで、ゲル状になり余分となった有害物質を排泄します。さらに腸内細菌により発酵され、ビフィズス菌などの善玉菌といわれる有用菌を増殖させ、悪玉菌といわれるウェルシュ菌などの腐敗菌を減少させる働きを持ちます
④ 血圧上昇抑制
水溶性食物繊維は、吸着性があり、ナトリウムと結びついて便とともにいっしょに排泄されるため、血圧を下げる効果が期待されます。
⑤ その他の効果
不溶性食物繊維を多く含む食品は、硬くてよく噛まなければならない食品が多く、満腹感を得やすく食べ過ぎを防ぐことができます。また、よく噛むため、歯茎やあごが強くなります。さらに唾液の分泌が促進され、虫歯予防にも効果があります。
【食物繊維の効率摂取のために】
- 生で食べるより加熱して摂取することで柔らかく食べやすくなります。
- 主食に精製度の低い麦ごはんや玄米、全粒粉を使った食材を積極的に食べる
- 副菜に海藻類やいも類、豆製品、きのこ類などを使った食材を積極的に摂取する。
- 旬の果物を1日1回食べる
1日の摂取量は、人によって違いますので、現在の日本人の食事では、足りないといわれています。食物繊維が不足すると、排便がスムーズにいかず、便秘になりやすくなります。便秘は、大腸がんなどのリスクもあがります。摂取量が少ないと、心筋梗塞、脳卒中、糖尿病の発症率が高いなどの報告もあります。
逆に過剰摂取で、おなかがゆるくなることもあります。通常の食事では摂り過ぎを心配する必要はありませんが、健康食品などを利用する際は、注意が必要です。
1-2 腸の動きを促進する不溶性食物繊維
不溶性食物繊維とは、水に溶けず、ほとんど消化されない食物繊維です。腸を刺激して蠕動運動を促してくれる性質があります。便秘を解消し、有害物質を吸着して、食べ過ぎた余分な脂肪分を絡めとって排出するデトックスの働きがあるためダイエット効果も期待できます。体外に排泄する効果があります。食欲を抑える効果にも期待できます。
【不溶性食物繊維の効果】
食欲を抑える
不溶性食物繊維は、水分を含んで胃や腸で膨張するため、満腹感を得やすくなります。硬い食材が多いので、よく噛んで食べることが必要とされます。そのため、食べすぎを防ぎ、よく噛むことは、満腹中枢を刺激し、食欲を抑える効果が得られます。また顎の発育を促し、歯並びをよくします。
大腸がんの予防
不溶性食物繊維は、体内に蓄積される有害物質の重金属やダイオキシンなど、発がん性物質を吸着して体外に排泄してくれます。
便秘改善
不溶性食物繊維は、胃や腸で膨らむことにより、腸を刺激して蠕動運動を促すことで便通を促進します。
整腸効果
大腸内で発酵・分解され、善玉菌などビフィズス菌などが増え、腸内環境がよくなります。(水溶性食物繊維より発酵性は少ない。)
【不溶性食物繊維を多く含む食品】
不溶性食物繊維は、穀類、豆類、野菜類、きのこ類などに多く含まれます。
〔穀類〕
ライ麦粉、コーン、オートミール、玄米、ポップコーン、
〔野菜類〕
ゴボウ、菜の花、たけのこ、トウモロコシ、アボカド、春菊、カボチャ、モロヘイヤ、ほうれん草、大根
〔豆類〕
いんげん豆、ひよこ豆、えんどう豆、大豆、ささげ、あずき、納豆
〔いも類〕
さつまいも、こんにゃく、しらたき、フライドポテト
〔きのこ類〕
干しきくらげ、エノキ茸、干ししいたけ、しめじ、なめこ
その他、唐辛子などのいくつか例外があります。豆類以上に不溶性食物繊維がたくさん含まれている食べ物があるにはありますが、とうがらし、かんぴょう、切り干し大根など。乾燥して水分が抜けているため多めに計算されます。とうがらしは、多く摂取出来ないため、あまり意味がないようですが、とうがらしの主成分のカプサイシンは腸を刺激し、便秘解消に効果あります。
【不溶性食物繊維の過剰摂取】
多すぎると水を吸い過ぎてしまって逆効果になってしまう場合があります。
不溶性食物繊維は筋状でザラザラしている性質のため、便秘の時に大量に摂取すると更に便が詰まってしまうこともあります。逆に腸の蠕動運動が活発になりすぎることが原因で便秘(痙攣性便秘)になってしまうこともありますので注意が必要となります。
食べる量には気をつけて少しずつ調整しながら食べて、水分をしっかりとって、次にまとめる水溶性食物繊維も忘れないようにしてください。
1-3 ネバネバパワーの水溶性食物繊維
水溶性食物繊維とは水に溶ける性質を持った食物繊維です。フコイダンやペクチンなどいろいろな種類があり、ゲル状になりネバネバが多いのが特徴です。食欲を抑える、便秘の解消、血糖値の上昇を抑えるなどの効果があります。
【水溶性食物繊維の効果】
食欲を抑える
粘着性が高く、胃腸の内部をゆっくり移動するため、お腹が空きにくく、食べすぎを防ぎます。
血糖値の上昇を抑える
糖質を吸収し、高血糖予防するなどの効果
コレステロールの排泄
コレステロールを吸着し体外に排泄する働きがあります。コレステロールの上昇を抑え、高血圧、動脈硬化、癌などのリスクを低減します。ダイエットにもつながります。
便秘改善
ゲル状でネバネバといった性質から便が腸の中を移動しやすくなり排便を促します。保水性も高いため便の水分量を増やしやわらかくするため便通の改善に役立ってくれます。
便秘の時に摂取した方がいいのはこの水溶性食物繊維です。腸内細菌に分解されやすく、不溶性食物繊維に比べ、腸内の善玉菌を増やす効果も期待できます。腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を整え、便秘を改善する働きがあります。
〔水溶性食物繊維の特性〕
粘 性:ゆるやかにして、食後血糖値の急激な上昇を抑えます。
吸着性:胆汁酸やコレステロールを吸着し、体外に排泄します。
発酵性:大腸内で発酵、分解され、ビフィズス菌などの善玉菌を増やし、腸内環境を整えます
【水溶性食物繊維を多く含む食品】
通常摂取される食物繊維は、おもに植物性食品由来です。海藻類、果物類に多く含まれ、腸内でビフィズス菌などの善玉菌のエサとなり腸内環境を整える働きがあります。
本来不溶性食物繊維であるけど、水溶性食物繊維も豊富に含んでいる野菜・豆類も紹介します。
〔海藻類〕
寒天、ひじき、めかぶ、わかめ、もずく、昆布
〔果物類〕
キウイ、バナナ、りんご、レモン、かき、もも、いちご、干し柿 など
ドライフルーツなら手軽に水溶性食物繊維が補給できます。杏やプルーン・イチジクなど
〔野菜類〕
ゴボウ、アボカド、オクラ、モロヘイヤ、春菊 など
ゴボウは水溶性食物繊維の割合が高い根菜です。便秘解消には非常に効果的であると言えます。
〔豆類〕
納豆、きなこ
不溶性食物繊維が豊富な食材ですが、納豆、きなこは、水溶性食物繊維も豊富に含まれています。
穀物の大麦には水溶性食物繊維が多く含まれ、不溶性食物繊維が少ない点にも注目されます。大麦は便秘中には積極的に食べたい食材です。
【水溶性食物繊維の過剰摂取】
水溶性食物繊維は過剰摂取をすると下痢を引き起こし、健康食品などによる過剰摂取は、ビタミン、ミネラルなどの吸収を阻害し、必要な栄養素も排泄してしまうので注意が必要です。
【食物繊維を摂れば便秘が改善できる!?】
このようなイメージが、一般的に定着しているようです。実際に不溶性食物繊維も、水溶性食物繊維も便秘を解消する効果があります。しかし、どちらか一方だけ摂取しても、下痢や便秘がひどくなる可能性もあります。大事なのは、“バランス”です。
水溶性食物繊維:不溶性食物繊維=1:2 これが推奨されています。
2.低GI値食品を効率的に
低GI値がよいということを聞いたことありますか?
GI値とは、グリセミック指数(Glycemic Index)の略です。
炭水化物を摂取すると最終的にブドウ糖に分解され、血糖値が上昇しますが、その速度は食品により異なります。食品が体内で糖に変わり血糖値が上昇するスピードを計ったもので、ブドウ糖を100g摂取した時の血糖値上昇率を100として、その食品を摂取したときの血糖の上昇比を0から100の目盛りで示し、相対的に表したものです。このGI値が低ければ低いほど血糖値の上昇が遅くなり、インシュリンの分泌も抑えられるとされています。
GI値の特徴として、精白されていないものは、ブドウ糖の吸収を穏やかにする食物繊維が豊富に含まれているために低いとされています。
<食品GI値>
3.難消化性って何ですか?難消化性デキストリン
難消化性デキストリンという、難消化性のでんぷん分解物からつくられた水溶性食物繊維です。
簡単に水溶性食物繊維を補え、ダイエット効果が得られますとか、トクホ(特定保健用食品)に多く使われているためご存じの方も多いのではないでしょうか。
食物繊維は、毎日20gくらいは、摂取することが推奨されているようですが、多くの人はその数値以下との調べもあります。そんな人におすすめなのが、難消化性デキストリンだといわれています。Web検索をかけると、いろいろ出てきます。ダイエット効果はさほどきたいできないとか、その効果はいかがなものでしょうか。確かに、毎日継続して食物繊維を必要量食物から摂取するのは難しいかと思います。その不足分として難消化性デキストリンを用いるのは効果があるのかも知れません。
私自身が、サプリメントの類を一切用いません。そのため、この難消化性デキストリンとはいかがなものかと…
【難消化性デキストリンの効果】
難消化性デキストリンの効果と言われているものをまとめてみました。
- 食物繊維は、便秘を改善するといわれ、難消化性デキストリンも便秘改善に役立つことが判明している。
- 難消化性デキストリンは、食後の血糖上昇やインスリン分泌を穏やかにします。
- 難消化性デキストリンは、脂肪の吸収を遅延させ、食後の中性脂肪の上昇を抑制します。
- 難消化性デキストリンを食事とともに摂り続けることで、内臓脂肪が減少した。
- 難消化性デキストリンの継続摂取で、中性脂肪と総コレステロールが低下、高脂血症の改善が期待できる。
- 食物繊維は、大腸でミネラル吸収を促進することが明らかになり、難消化性デキストリンにもミネラル吸収促進効果が期待できる。
難消化性デキストリンには、このように食物繊維と同様の効果が期待されています。元来、食物成分のため、摂取をしても重篤な副作用を起こすということはないとされています。ただ、水溶性食物繊維のため、摂り過ぎると便が柔らかくなりすぎてしまい、下痢や腹痛などを起こす可能性があることもいわれています。サプリメントもよく考えて容量を守ることも大切です。
近頃、健康食品に関するさまざまなクレームなどが増えているとのニュースも聞きます。自分の健康のために何を口にするのか、サプリメントも含めて見直して見ることも大切なのではないでしょうか。
自分の身体は、自らの口から摂取されたものでつくられているということを、栄養素をまとめラ柄私自身が再認識し、五感の食育ということを考えています。
9月・10月 開講 Health workshop
9月に健康寿命延伸に向けて、生活習慣改善プログラミング
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今日のまとめ
- 食物繊維は、第6の栄養素ともいわれる不可欠な難消化性成分の総体です
- 水溶性食物繊維と不溶性食物繊維、ともに同じ効果でも、作用の仕方は異なります。
- 水溶性食物繊維:不溶性食物繊維の割合は、1:2 バランスよく摂取しましょう
<Pure Medical attitude 関連blog>
今週のblog
『健康寿命につながる栄養素』 2017.9.4~
- §1 活力源となる炭水化物 2017.9.4
- §2 細胞には必須!タンパク質 2017.9.6
- §3 新陳代謝には欠かせない 脂質 2017.9.8
- §4 元気のもと ビタミン 2017.911
- §5 身体の5%でもすごいミネラル 2017.9.13
『エネルギーと代謝』 2017.8.28~2017.9.1
- §1 身体の原動力 エネルギー発生とは? 2017.8.28
- §2 生理的欲求「食欲」とは? 2017.8.30
- §3 食物から栄養素取り込む消化と吸収 2017.9.1
『健康寿命延伸への運動』 2017.8.21~8.25
- §1 健康づくりの運動を知る 2017.8.21
- §2 効率の良いワークアウト 2017.8.23
- §3 自分に合った運動を知る 2017.8.25
『健康寿命を伸ばす』 2017.8.7~8.11
- §1自分の健康寿命を考える必要性 2017.8.7
- §2健康阻害因子を知る必要性 2017.8.9
- §3個人の健康と社会 2017.8.11
『身体がみえる臨床検査』 2017.7.17~8.4
- §1 健診結果を読む① 身体の数値 2017.7.17
- §2 健診結果を読む② 血液検査 2017.7.19
- §3 健診結果を読む③ 尿検査 2017.7.21
- §4 健康診断結果を読む④ 生理検査とは 2017.7.24
- §5手術の前におこなう検査 2017.7.31
- §6 糖尿病の合併症をみる検査 2017.8.2
- §7 感染症検査のウイルス肝炎の最新情報 2017.8.4
『健康を考える』 2017.5.29~6.2
- §1 自分の健康を意識していますか 2017.5.29
- §2 よく聞くけど生活習慣病とは 2017.5.31
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『身近な疾患 生活習慣病』 2017.6.5~6.9
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- §3 合併症がこわい糖尿病 2017.6.9
『将来に影響する生活習慣』 2017.6.12~6.16
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- §3 肥満が招く肝臓病、脂肪肝 2107.6.16
『夏の健康生活』 2107.6.19~6.23
- §1 身体に大切な水の代謝のおはなし 2017.6.19
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代表 かたよし純子 Junchan♪ ※自己紹介はこちらから
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