元気&HealthのJunchanのblogにご訪問ありがとうございます。医療スタッフのメンタルパートナー かたよし純子です♪ 検査技師目線で簡単理解ができる健康情報を多くの人に届けたい。そんな目的で週3回発信しています。さて、いよいよ2018年に向かい、2017年もひとつきを切りました。冬場は、循環器疾患が多くなる季節です。病院勤務をしていると、心疾患の多くの患者さんが運ばれてきます。そんな患者さんの検査を担当させていただくのが、臨床検査技師/超音波検査士です。以前にも循環器疾患をまとめていますが、今回はもう少し詳しくまとめていきましょう。初回は、「心臓を知る」ためのいろいろ、プラスαで心電図検査をまとめていきます。

1. 停止は「死」に至る、心臓を知るための3ステップ   

1-1 身体の循環機能、心臓の役割と構造  

1-2 血液循環を知る  体液とは 

1-3 全身に酸素を供給している体循環と肺循環   

今日のプラスα

2.心電図検査でわかること 

3.さまざまな種類の心電図検査 

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はじめに、心臓とは?循環器とは?

心臓とは?

心臓とは血液循環の原動力となる器官のこと、血液循環系の中枢器官のこととあります。Wikipediaより引用


1. 停止は「死」に至る!心臓を知るための3ステップ 

あたりまえのことですが、心臓が停止したら、身体の機能は停止してしまいます。すなわち「死」を迎えることになります。

1-1 身体の循環機能、心臓の役割と構造 

心臓がその動きを止めることを「心停止」といいますが、心停止とは、身体の循環機能が停止した状態をいいます。

 

【心臓と循環器系とは】

循環器とは、循環機能を持つ、循環させる機能を持つ器官のことをいいます。

〔器官とは組織で構成されている〕

ヒトの身体は、60兆個とも37兆個だとも言われる多数の細胞が集まってひとつの組織(皮膚や筋肉など)を構成し、複数の組織が集まって器官を構成しています。器官とは、私たちヒト、多細胞生物の身体を構成する単位をいいます。「心臓」「肺」「肝臓」「胃」「腎臓」。。。など、形態的に周囲と区別され、身体全体としてひとまとまりの機能を担うもののことをいいます。器官が正しく機能するためには、組織を構成している1つ、1つの細胞が良い環境下であることが大切です。

ヒトの身体は、正しく器官が機能するために、常によりよい環境を保つために「循環」という機能が備わっています。

〔循環系とは〕

循環系とは、体液を決まった形で体内を循環させる器官、循環器のシステムのことです。

人の身体の体腔は、体液で満たされ、液体を通じて消化管からの栄養の供給、呼吸器系、排出系とのやりとりが行われています。器官のそれぞれの組織を正しく維持するために、常に満たされている体液をより良い状態に保つ必要があります。そのためには、常に体液を循環させ状態を保つことが必要とされます。そのためには体液を体内で規則正しく循環させることが必要となります。

この体液の循環を担う働きをしているのが心臓となります。体液となる血液が流れる血管と、血液を循環させる役割をする心臓をまとめて循環系といっています。

身体の中には、血液がながれる血管系と、リンパ液が流れるリンパ管とリンパ節からなるリンパ系があり、身体の末梢の毛細血管を構成しています。 ※一部、Wikipediaより引用

【心臓の構造】

心臓は、1日に約10万回の収縮と拡張を繰り返し、全身に血液を送り出しています。心臓は4つの部屋とその部屋と連なる血管から成り立ち、部屋や血管との間には「弁」があります。心臓を聴診する時には、この弁の開閉時に発する雑音の有無なども聞いています。弁の開閉不全や閉鎖不全が生じている場合は、雑音を生じることがあるからです。

〔心臓の4つの部屋に流れる血液〕

心臓の部屋の左側:左心系と右側:右心系と左右で分けて考えています。流れる血液の種類が異なるからです。

  • 左心系(左房・左室):全身に送られる血液、酸素や栄養素を多く含み、黒みを帯びている
  • 右心系(右房・右室):組織でガス交換された後の二酸化炭素を多く含む、鮮紅色

【刺激伝導系】

心臓の刺激が伝わる過程を刺激伝導系といいます。

上大静脈と右心房の境界付近にある洞房結節という部分から刺激が発生し、心臓は収縮します。洞房結節で発生した刺激は、右心房の壁を波状に伝わり、心房が収縮し、右心房の下方で心室中隔(右室と左室の間の壁)近くにある房室結節 伝えられます。房室結節を出た刺激伝導系は、ヒス束と呼ばれる部分を介して心室中隔に伝えられます。心室中隔にまで達したヒス束は、左脚と右脚に分岐し、左脚はさらに前枝と後枝に分岐する。左脚と右脚の先、分岐を繰り返す部分はプルキンエ繊維 と呼ばれ、心室心筋に刺激を伝導し収縮させます。

刺激伝導系

<刺激伝導系>

 

1-2 血液循環を知る  体液とは 

人の身体は、体重約60%の水分で、その水分を利用し、栄養素など必要な物質の移動を行っています。

【体液の大切な役割】

循環器系の大切な役割が、この体液を循環させることになります。心臓はこの体液を循環させるポンプの働きを担っています。組織の細胞には細胞内液として体重約40%の水分があり、その細胞の外側は、体重の15%の細胞外液に覆われています。血液中の水分(血漿)は体重の約15%です。

細胞内液と細胞外液、細胞外液と血管内の血漿との間で、それぞれ必要な物質のやり取りを、体液を介して行っています。

〔血液循環が停止すると〕
  • 5秒間の心停止  めまい、失神、ふらつきなど、何らかの症状を感じる
  • 6~7秒の心停止 意識消失

心臓はこの体液を動かし、体液の質、循環の量などを保ちながら血液を循環させ、全身の臓器へ酸素の供給や栄養素を届けています。この循環が停止すると、たちまち身体全体の臓器の影響が出てきます。身体の中でいちばんダメージ、影響を受けるのが「脳」です。血液循環が停止し、脳への酸素供給が途絶えると、6~7秒で意識消失し、脳神経細胞が正常に戻れるリミットは、4分とのことです。

これ以上の停止は、心拍が再開後も、脳細胞は酸素不足でのダメージを受け、脳障害(蘇生後脳症)を生じると言われ、約7割がこの蘇生後脳症で命を落とすといわれています。生きながらえても、脳に障害が残り、寝たきりの状態になることも少なくありません。

【心拍出量】

心拍出量とは 1分間に心臓から拍出される血液の量

〔安静時の心拍出量〕 4~7L(リットル)  約5~6L/分
  • 激しい運動時  ⇨ 4~6倍に増加
  • 妊娠中     ⇨ 40%  増加
  • ストレスや肥満 ⇨ 20~30% 増加
  • 睡眠      ⇨ 約10% 減少
〔体内の血液量〕

体重の8%  (例:60kgの場合、約5L)

安静時、1分間で身体の中を5Lの血液が1周しています。

 

1-3 全身に酸素を供給している体循環と肺循環

心臓から全身に送り出される血液のおもな分布は、肝臓 28%、腎臓 23%、脳 15%、冠動脈 4%ですが、冠動脈とは、心臓自身の血管です。

【血液循環の流れ】

心臓から送り出される血液循環の流れを見ていきましょう。体循環(大循環)と肺循環(小循環)があります。肺静脈から心臓の左心房に入ります。そして、左心房から左心室へ、左心室から大動脈を経て脳と全身の各臓器へ酸素や栄養を、心臓を収縮させることで全身に送り出しています。その後組織に酸素や栄養素を届けたのち、静脈から大静脈を通り、心臓の右心房に戻ります。この循環を体循環といいます。

心臓にもどった血液は、右心房、右心室から肺動脈を介して肺に送られガス交換されます。酸素を多く含みきれいなった血液は、心臓の左心房に戻ります。この循環を肺循環といいます。

この、ポンプ機能が滞ると全身の組織機能に影響があらわれます。生まれてから生涯、絶え間なくこの循環を繰り返してくれているのです。

Blood circulation

【体循環:大循環 左心系の血液循環】

心臓(左房⇨左室)⇒大動脈 ⇒動脈 ⇒毛細血管 ⇒静脈 ⇒大静脈 ⇒心臓(右房⇨右室)

心臓のポンプ機能によって体内を循環する血液は、全身の各器官や組織、細胞のすみずみに新鮮な酸素や栄養素を運びます。ガス交換されたあとの血液は、炭酸ガスや老廃物なども回収し、体外に排出するためや、新鮮な血液に戻すために右心房に戻ります

【肺循環: 小循環 右心系の血液循環】

心臓(右房⇨右室)⇒肺動脈 ⇒肺 ⇒肺静脈 ⇒心臓(左房⇨左室)

全身から戻ってきた炭酸ガスを多く含む静脈血は、心臓に戻され、心臓から肺へ送られます。肺では、炭酸ガスから酸素にガス交換され、再び酸素を多く含んだ動脈血となり、肺から左心房へ送られ、左室から全身に送り出されます。

〔ココポイント!〕

落ち着きたい時、リラックスしたいときよく深呼吸をするのではないでしょうか。深呼吸することで、新鮮な空気が肺に送られます。肺に空気が送られるとガス交換が促されます。そのため、血液はガス交換されているために、心臓へ送られるスピードは遅く、ゆっくりとなります。自律神経も副交感神経優位となります。

呼吸をうまく利用することで、自律神経バランスも整えることができます。

左室・左室血液循環

<心臓 左室・右室の血液の流れ>

 

2.心電図検査でわかること 

健康診断でも行なわれる心電図検査、誰でも受けたことがあるのではないでしょうか。小学校入学時にも検査されます。生理検査室=心電図室ともよく言われる、よく知られた検査なのではないでしょうか。

血液循環ということでここまで心臓のポンプ機能をお伝えしてきました。

人間の誕生、子宮の中で、精子と卵子が受精した時、生命の誕生したときから心臓は、鼓動をはじめ、生涯休むこと無く動き続けています。そう考えるとすごいと思いませんか?

過去のブログでもお伝えしていますが、循環器検査のなかの「心電図検査」今日のプラスαでまとめておきましょう。

【心電図は心臓の電気信号の見える化です】

心電図(英: Electrocardiogram, ECG、独: Elektrokardiogramm, EKG)は、略してECG、EKGともよく言われます。心臓の電気的な流れを波形にして記録紙やデジタル記録したものです。

最近では、カルテが電子化されていますので、記録紙からデジタル波形に移行されている施設が多くなっています。デジタル化されたことで、過去の波形と一瞬で比較することも可能となり、記録の劣化の防げるようになりました。

〔心電図とは?〕

人の身体、細胞は常に弱い電流が流れています。心臓のポンプとして、一定のリズムで収縮と拡張を繰り返しています。刺激伝導系のところで説明したように、心臓の動きは、洞房結節といわれる部分から電気的刺激が発生され、収縮が起こり、血液が押し出されます。この微細な電流を波形として記録したものが心電図です。

【心電図検査で分かること】

心筋(心臓の筋肉)の状態や不整脈(脈がバラバラ、不規則な状態)など心臓疾患の診断と治療に役立てられます。

〔どうやって検査するの?〕

基本は、仰向けにベッドに休んで記録します。

心電図の記録は、左右の手首、左右の足首にクリップ状の電極、胸部に6個の吸盤状の電極を装着して心臓の微弱な電気の流れを記録します。四肢6誘導、胸部6誘導の12誘導記録します。心臓の動きを見るための電気の流れを多方向から記録するためです。皮膚と電極間の電気を通りやすくするために少し冷たく、湿った感じがします。最近では、電極にペーストまたはジェリーパッドなどを用いる施設がほとんどです。特に胸部、これからの季節は、装着時にヒヤッとするかと思います。

記録中は、何も感じません。数分間で終了します。

〔心電図検査で分かることは?〕

心電図検査で分かることは、心拍のリズムが乱れる不整脈、狭心症や心筋梗塞といった虚血性心疾患、心肥大などがあります。また、心臓のまわりに液体が貯留している場合には、心筋からの電位が電極まで伝わりにくくなり心電図波形に影響があらわれます。その他、心機能以外の血中電解質の濃度異常なども分かる場合があります。

通常の安静時12誘導と言われる心電図検査は、ごく短い記録時間のため、労作時狭心症や不整脈など、安静時の記録ではわからない心臓疾患もあります。その場合は、他の種類の心電図検査もあります。

【心電図の波形が示すもの】

心電図の波形、医療系のTVドラマなどでよくモニターにも出てくるので、けっこう馴染みがあるのではないでしょうか。1回の収縮で心臓から送り出される血液量(1回拍出量)は、安静仰臥位で約70ml(正常値は60ml~130ml)といわれています。その1拍を振幅する波形に表したものが心電図です。この波形には、それぞれ名前がついています。 ※下記に波形を示しましたので、ご覧いただければと思います。

  • P波  心房の収縮
  • QRS波  心室の収縮
  • T波  心室の収縮(興奮の消失)
〔U 波〕

上記以外に、T波の後に、U波という波が出現することがありますが成因は不明です。心電図記録時に時折見られることがあります。陽性(上向き)でT波の高さの5~50%の範囲内ならば正常範囲とされています。T波より高いU波は、異常とされ低カリウム血症・QT延長症候群・ジギタリスなど、陰性U波も異常とされ、心筋虚血、心肥大、高血圧などでみられます。

正常心電図波形

<正常心電図波形>

【よくある不整脈】

心電図は、刺激伝導系を波形に表したものです。P波が、等間隔に出現している状態では、心臓は、リズミカルに拍動している状態となり、R-R間隔も一定となります。健康な人でも、呼吸により、P波の間隔がことなることや(呼吸性不整脈)、体調によって心臓の不規則な収縮(期外収縮)が起こると、R-R間隔がバラバラ(QRS波に乱れ)となり不整脈の状態になります。

期外収縮は、正常な洞房結節からの刺激のリズムがバラバラになる場合と、洞房結節以外から刺激が出る場合とがあります。洞房結節からの刺激だと、R-R間隔のリズムの変化のみで波形は変わりません。洞房結節以外からの刺激が出される期外収縮は、波形も変化した状態でみられます。

〔心房細動〕

洞房結節の刺激(P波)がなくなり、心房が震えている状態(心房が不規則に収縮している)となり、あちらこちらから異常な刺激が出されている状態が心房細動となります。P波が消失し、細かい揺れのような波形が生じて、R-R間隔がバラバラになります。異所性の刺激が生じる場所により、その部位によってもさまざまに波形は変化します。

〔刺激伝導障害〕

房室結節の刺激がヒス束よりも下部で一時的に途切れた状態を脚ブロックといいます。左心室内で起これば左脚ブロック、左脚ブロックは心不全が疑われます。右心室内で起これば右脚ブロックといいます。右脚ブロックは心臓に異常がなくても起こる場合があります。

これ以外にも非常に多くの心電図波形の異常はあります。刺激がうまくつながらない場合などですが、同じ心電図は、ないと言ってもよいほど異なります。刺激は、心筋の中を伝わっていきますので、心筋虚血などの障害があると、その障害の部分で、刺激伝達の遅延が生じ、その部分で心電図波形が変化(虚血を示す)をします。

〔R-R間隔、心拍のゆらぎ CVRR測定〕

自律神経のところでお伝えしましたが、正常な人は、R-R間隔にゆらぎがあることが、自律神経機能がバランスよく機能がしてくることになります。心臓は、同じリズム(間隔)で規則正しく拍動を繰り返していると思いがちですが、微妙に脈を打つ間隔が異なることがふつうなのです。

過去のブログでもお伝えしましたが、糖尿病の合併症検査として、自律神経障害の検査として行なわれる「CVRR」という心拍の変動係数を求める検査があります。心電図の心拍を示す、R-R間隔を見ていきます。R-R間隔とは、心電図のR波の間隔で、心拍(脈拍)を示します。

この脈のバラつきが「心拍のゆらぎ」自律神経の働きと関係しています。自律神経のバランスが崩れるとこのゆらぎも減少してしまいます。糖尿病合併症として末梢神経障害があり、この検査も指標の一つとなります。

【生理検査室の現場から】

心電図の変化は、このようにさまざまな心臓の異常を示してくれるのです。でも、ここで気をつけなければならないことは、100%心臓の異常を心電図が伝えてくれるわけではないということです。心電図が正常だから心臓に問題がないとは言い切れません。

事実、心筋梗塞を発症していても、記録のタイミングやその他の影響もあり、ほとんど波形に変化がみられない時間帯(波形の経時変化)がありますし、実際そのような場合も多くの心電図検査をしてきた中で経験しています。現れている胸部症状などを侮らない、受けとめることがまずいちばん大切です。

病院などで記録される心電図は、ほんの短い記録時間です。労作時、胸に違和感があった、急に脈が飛んだ、動悸を感じたなどの症状のときの心電図記録ができないこともあり、心電図検査時に拾えないこともよくあります。

気になる症状があった場合は、必ず受診して、他の検査を組み合わせて検査を受けることをおすすめします。健診時に何もなかったからと安心することなく、再度症状があった場合には、きちんと専門医に相談してください。心電図は、人の心と同じように非常に奥が深いです。

 

3.さまざまな種類の心電図検査 

安静時心電図12誘導(上記でご紹介)以外の心電図検査をまとめておきましょう。

【運動負荷心電図】

心臓に運動負荷をかけることで、不整脈、虚血性心疾患などのふるいわけ検査をおもな目的として実施します。マスター負荷心電図、トレッドミル負荷心電図、エルゴメーター負荷心電図などがあります。

〔運動負荷検査の目的〕
  • 狭心症などの虚血性疾患の有無
  • 不整脈の誘発
  • 虚血性心疾患治療後の評価(日常生活に戻る前の心電図変化の確認など)
  • 糖尿病の合併症(心機能評価)の有無

など、通常の心電図変化がない場合など、心臓に負荷を与えることで、潜在的な疾患の有無を確認する。マスター負荷以外は、心電図モニターにて波形および血圧を確認しながら負荷をかけます。

〔マスター負荷心電図〕

高さ9インチ(約23cm)の凸型のステップを昇り降りする、階段負荷をかけます。おもに労作時にともなう狭心症や不整脈の診断に有効です。

  • マスター負荷シングル 1分30秒
  • マスター負荷ダブル  3分

上記の決められた時間に決められた回数の階段昇降を往復します。階段昇降の回数は、年齢、性別、体重により求められます。回数により階段昇降の速さが決められます。心電計から「ピッ ピッ ピッ」とリズム音がでますので、その音に合わせて階段昇降を行います。

高めの階段(23cm)を片足ずつ、階段を昇り降りしますので、膝や足に不安がある場合は、予め主治医に相談することをお勧めします。

階段負荷前に安静時心電図を記録し、階段負荷後、すぐに仰臥位(仰向け)に休み心電図を記録します。心電図波形が、検査前と同じ波形(心拍数、波形の変化など)に戻るまで、負荷後の心電図は記録されます。

〔トレッドミル負荷心電図〕

下の図のようにベルトコンベア上を歩く負荷運動です。心電図と血圧確認しながら負荷をかけていきます。予め決められたプログラムがあり医師の指示により段階が決められます。ベルトのスピードと傾斜負荷がかけられます。初めはゆっくりとスタートしますが、負荷強度により、かなりのスピードまで負荷をかける場合もあります。その負荷強度は、波形変化(虚血変化、不整脈など)、目標心拍数(年齢より求める)や血圧を見ながら医師が判断します。

〔エルゴメーター負荷試験〕

トレッドミルの代わりにエルゴメーターでの運動負荷心電図、自転車こぎで心臓負荷をかけます。スポーツクラブで見かけたことがあるのではないでしょうか。トレッドミル同様に、心電図、血圧をモニタリングしながら運動負荷をかけていきます。

〔運動検査を受ける時の大切な注意〕

運動負荷検査は、心臓のポンプ機能に負荷を与える検査です。もちろん、検査は、医師が付き添った状態で行われます。何らかの症状があった場合は、すぐに対応できる環境下で検査は実施されます。少しでも不安がある場合は、遠慮せず、事前に主治医などに相談することが大切です。

  • 運動負荷検査は、足を使います。膝や足腰に不調や不安がある場合には、検査指示をされた時に主治医に必ずお申し出ください。(検査前にも担当技師・医師などからも必ず確認されると思います)
  • 検査中、胸痛や胸部不快感などの症状、体調の変化が出現した場合は、すぐに申し出てください。足や腰などのついても同様です。無理や我慢をして受ける検査ではありません。事故やケガにつながる場合もあります。

負荷心電図

<負荷心電図>

【ホルター心電図】

ホルター心電図とは、24時間記録する心電図です。ホルダーと勘違いされる方もいますが、24時間心電図記録法の発表者であるHolter博士の名前に由来しています。

胸部に電極をつけ、小型心電計を携帯して1日過ごすことになります。日常生活の中でどのような心電図波形が得られるか、言い換えると、1日の心臓の動きが見えてきます。

〔ホルター心電図で何がわかるの?〕

不整脈の出現、種類、心拍数の変化、虚血性変化などがよくわかります。また、心臓ペースメーカーの機能評価もできます。

心臓は、私たちの日常の活動に合わせてポンプ機能を司っています。運動時はより多くの酸素供給が求められるため、心拍出量を増やすために心拍数を増やします。夜、休んでいるときは、副交感神経優位になり心拍数も落ち着きます。そのような身体活動全体での心臓の動きが把握できます。

その他、胸部症状があったとき、その時の波形変化をみることができます。自覚症状が曖昧なときも心疾患がみつかることもあります。

〔心電図ついているから安静で?!〕

普段と同じように生活することが前提です。寝ていたら目的の検査にならなくなってしまいます。最近では、記録装置も小型軽量で胸にシールで止めることができ、電極も3枚貼るのみというタイプがあります。胸のみで電極と記録装置が収まるため、コードのストレスがなく、装着時のストレスも軽減され、シャワーもOKな防水タイプもあります。夏場の汗をかきやすい季節も検査のストレスが軽減されるようになってきました。

〔行動記録が必要です〕

心電図評価をするときに、変化があったときに何をしていたのか?ということを知るために行動記録をかいていただきます。そして、動悸、息切れ、胸痛などのおもに胸部症状があった場合にイベントボタンを押してもらうように説明があると思います。イベントボタンと同時にその時の症状を行動記録にも記載してください。気になったことは、行動記録に記載しておくと結果解析のときに参考になります。わからないときは、装着時に担当技師に確認することをお勧めします。

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心臓のポンプ機能でしたでしょうか。

私たちの心臓は、子宮の中からずっと生涯動き続けています。そう改めて考えるとすごいと思うよりも、生命の荘厳のようなものを感じます。

 

今日のまとめ 

  • 心臓の部屋は4つ、左心系から全身へ酸素供給、右心系に戻され、肺でリフレッシュ
  • 体液を循環させることそれが心臓の役割
  • 体循環と肺循環、2つの循環の中心が心臓

 

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