元気&HealthのJunchanのblogにご訪問ありがとうございます。医療スタッフのメンタルパートナー かたよし純子です♪医療社会の中で臨床検査技師として接してきた、五感でとらえた長年の経験を加味しながら、お読みいただけますみなさまの健康習慣のための情報として戴けたらと思い、お伝えしていきます。今日は、「身近な疾患、がんを知る」というテーマで、今日は、がんを告知されたときのメンタルケアをまとめていきたいと思います。もし、かん告知を受けたらどのような気持ちになるでしょうか?告知を受けた方も少なくないと思います。患者本人のケアはもちろんのこと、その家族のケアも欠かすことができません。本人と家族のメンタルケアの意味を中心にお伝えいたします。

 

1.身近な疾患の3つの知らせにどう対応しますか? 

1-1 悪い知らせにどうなるのか?

1-2 「約4割」この数字どう受け止めますか?

1-3 「そのとき」家族のこころは…

今日のプラスα

2.ひとりひとり「こころ」は違います    

3.家族へがん告知、その瞬間は?     

 

1.身近な疾患の3つ知らせにどう対応しますか? 

2人に1人が、がんに罹患する時代です。告知もふつうに行われています。

1-1 悪い知らせにどうなるのか?

がんに対してどのようなイメージを持っていますか?やはり「がん」です、と医師から伝えられると「死」をイメージする人が大多数なのだと思います。

【がんのイメージをどうのように受け入れるか】

がんの告知をするか否かも賛否両論あるのかと思います。「治らない」「死に至る」、このような可能性があることから患者本人に告知するか否かも議論されることがあります。がんの病状にもよるかと思いますが、初期のがんといわれ、完治する確率が高いと説明されてもおそらく平常心ではいられないのではないでしょうか。さまざまな思いが頭の中の去来し、きっと頭の中をぐるぐると駆け巡るのかも知れません。

〔半分の人は、精神疾患を〕

がんのイメージ「がん=死」「死亡原因=第1位=がん」のイメージへの囚われから、もし死んでしまったら残された家族は、治療にどれほどのお金がかかるのだろうか、仕事のことができなくなったら生活費をどうしようか、などなど、さまざまなことを思い巡らし多様なストレスをうけることになる。そしてそのストレスから精神疾患を患う人も少なくない。約半分に精神疾患を患うともいわれています。

私は、幸いまだ、告知されたことはありません。死に瀕するような疾患や状況に陥ることもなく、今まで健康で生活することができています。

 

1-2 「約4割」この数字どう受け止めますか?

先日のシンポジウムでの中で、がん治療中の患者での精神医学的有病率は、適応障害32%、うつ病6%、器質性精神障害4%、アルコール関連3%、不安障害2%、合計47%の有病率です。この数字をどう思いますか。

 

がん治療中患者の精神医学的有病率

<がん治療中患者の精神医学的有病率>

 

【がんの経過と患者の心理変化】

がんは、告知される前から不安な状態を作り出すこともあり、告知の有無にかかわらずさまざまな問題に直面することにもなります。その、心理変化は、病気によりさまざまな状態をもたらします。

〔1. 告知前、がんを疑う〕

症状の自覚:否認の時期、ストレスを持つ

〔2. 精査〕

検査への不安、苦痛、結果までの不安な時期

〔3. 診断〕

がん告知(bad news)による強い衝撃、認めたくない否認の時期、絶望感・挫折感 通常2~3日このような状態が続く。その後 混乱、不安、恐怖、無力感、絶望感、不眠、食欲不振などの身体症状、集中力の低下が起こり、日常生活にも支障をきたすこともある。

→正常反応

通常は、1週間から10日ほどでこの状態は軽減し、がんを抱えての生活へと、新たな適応への努力が始まる。情報の整理、現実の問題に直面することが出来るようになる。

→適応障害・うつ病など

強い不安や、抑うつ状態が長引く

〔4. 初期治療〕

治療によるさまざまな変化への適応、機能障害、外見上の変化など自信の喪失、自尊心の低下、日常生活や社会的活動の制限、減少 疎外感、抑うつ的状態、不安、恐怖

〔5. 再発・転移〕

がん告知以上の衝撃、失望感、憤り、怒り、恐れなど身体症状の出現による気痛や障害、再発時の精神的動揺は、告知時以上のより大きなものであることが多い

〔6. 進行期〕

病状の進行とともに、さまざまな症状の出現は、日常生活に支障をきたすこともあります。患者の心理状態は、その日の体調に大きく作用し身体症状のコントロールが大切です。患者のケアを行う周囲への気兼ねや負い目など心理的苦痛も伴うこともあります。死を意識し、不確実なことへの対応を迫られ、消耗し、無気力、無感動、引きこもりとなることもある

〔7. 終末期〕

孤立させないこと、個別性を尊重するが重要となります

 

がん告知に対する心の反応とその対応

<がん告知に対する心の反応とその対応>

 

【抗がん剤よりも辛い】

がん患者の精神症状への対応理由は、がん患者のうち、うつ病を発症した99%の人が、抗がん剤よりも苦痛だったとの報告があります。さらに、意思決定障害、家族への精神的苦痛、入院期間の延長、自殺率の上昇などがあげられます。抗がん剤のほうが辛かったと言われたのは、だったの1%です。がん患者の精神症状の改善は治療に必須です。

うつ病の精神症状は、意思決定障害に左右されされることもあり、化学療法を受ける割合に影響しているとのことです。抑うつ症状がない場合は、90%の術後の化学療法受ける割合が、抑うつがある場合、化学療法を受ける割合が約半分にまで減少します。治療を止めたいと言われた場合は、うつ病の有無の確認が大切です。

 

【表情・しぐさに現れます】

辛い人を見つけるためには、

  • がん患者をみたら、つねにうつ病を疑う
  • 眠れない
  • 食欲がない、食べられない
  • テレビを見なくなる
  • 新聞を読まない
  • 検査データと活動性が合わない

当たり前のことができなくなる、日常生活に支障をきたすようになる、服装にかまわなくなる、化粧しなくなる、美容院に行かないなど気力が無くなるというような変化に現れます。

 

【精神障害の治療】

うつ病の治療は、主に薬物療法、認知行動療法などが行われます。患者さんの話を聴き、問題点を理解し、解決方法をともに考えることです。とにかく話を聴くこと、そして、出来ることをともに考えることです。

 

1-3 「そのとき」家族のこころは…

がんの告知は、本人にはここまでお伝えしたような心理状態の変化がありますが、家族にもその影響が少なくありません。

【家族のケアが必要なわけ】

患者の援助者であり、さまざまな心理社会的苦痛を抱えています。患者本人同様に、心のケアが大切です。不幸にもがんで亡くなった後の遺族のケアも大切なものになります。抑うつ症状は、3割の人にみられるというデータもあります。

  • 精神面 抑うつ:10~15%
  • 苦悩の程度  :患者≦家族
  • 社会支援   :患者≧家族
  • 身体面 不眠、心疾患、医療費増加
  • 社会面 失業、貯蓄減少(化学療法)
  • 実存面 患者と同様

このような、さまざまな状況にあります。

家族の役割は、通院時の付き添い、医師説明時の同席、治療内容への同意書、看病、お見舞いいただく方がたへの対応、医療費など日常生活にプラスして、さまざまな身体的な負担も加わります。告知時の衝撃は、患者以上だとも言われています。精神的なショックに加え、家族を失うのではないかという負担は非常に大きいとされています。家族の苦悩は過小評価されがちで、精神症状も見過ごされる傾向にあります。

 

【死別後のケア】

日常生活のストレスの中で、配偶者の死亡が最大とされています。がん患者の遺族は、一般の人よりもQOLが低いとされています。心血管疾患での死亡率の上昇や、精神疾患の罹患率も上昇し、死別後1年でのうつ病発症が15%にみられ、自殺率の上昇もみられます。

【遺族へのケア】

周囲からの不用意な言葉かけが負担になることもあります。有害援助と言われるものと、有用援助といわれるものがあります。

〔有害援助〕「動」的な援助
  • はげましのアドバイスをする
  • 回復を鼓舞することば
  • 陽気に振る舞う
  • 不遜な態度をとる
  • 過小評価する
  • 「私にはわかる」
〔有用援助〕「静」的な援助
  • 同じ境遇の人と接する
  • 感情を吐き出す機会を待つ
  • 誠実な関心を示す
  • ただ側にいる

簡単そうで、実は難しい…故人との関係性もあるかと思いますが、心の中はその人にしかわかりませんよね。だからこそ、側にいることが大切なのかも知れません。

 

2.ひとりひとり「こころ」は違います

人の想いはそれぞれです。それでも、そんななかでいくつかの共有できる感情を見いだすことができれば、多少なりとも心が落ち着く場所をみつけることが出来るのではないでしょうか。

【集団精神療法】

同じ疾患を持つ患者の集まりなども共感できる機会となり、自分の感情を出しやすくする事ができます。複数のがん患者を対象としたグループ療法もさまざま行なわれています。参加者相互の支援や共通する悩みも多く、共感でき、一体感を得ることが出来、情報交換の場ともなり得ます。

医療スタッフとともに、具体的な方法を知ることができる。

①気持ちを表出し、仲間意識を持つことができ話し合う機会を得る

②がんおよびがんの治療に関する情報を得る

③ストレス軽くするための具体的な方法を知り、体験できる

 

【心まで病むことはない】

がんに罹患したことにより、「心的外傷後成長(PTG)」ということもあります。心的外傷後成長とは、トラウマ経験をきっかけに人間として成長することをいいます。

①危機的な出来事や困難な経験の後

②精神的なもがき、闘いの結果生じる

③ポジティブな心理的変容の体験

と説明されます。

がんという生命の危機を脅かす脅威にさらされ、そこには苦悩やもがきが出現します。自己の生命の危機です。その危機的な状況は、自己の世界観の崩壊とも言えます。そのことに対し、家族、友人、医療者などさまざまな支えやサポートにより、危機的状況から抜け出ることで、人間的成長も期待できます。その成長は、「人生への感謝」という気持ちとして現れることもあります。

『身体は衰え、人生最後を迎えるときでも、最後までこころは保ちたい』

『人生最後の瞬間まで生きる意味がある』

こんなステキなことばを残された方もいます。自分がそのような最後を迎えることができるのかと心もとなくなります。

 

3.家族のがん告知、その瞬間は  

私自身は、がん告知されたことはありませんが、家族の立場では両親の告知を受けた経験はあります。

【両親へのがん告知経験】

私は3人兄弟の末っ子なのですが、病院関係者は私のみ、それなりに医療知識があるために、医師の説明はすべて私のみ。私からすべて、姉や兄に説明するという立場を行ってきました。

〔がんでは無かったが、ドキドキした〕

初めて父が肺がんの疑いだと言われたとき、もう20年くらい前だったとかと、かなり動揺した記憶があります。自分でも慌てるほど、ドキドキし、かなりパニックになったと記憶しています。そして、検査に付き添い、医師の説明を聞き、さらに兄弟へ私から説明する。今から思い起こすとかなりのストレス状態でした。今ほどネット環境がよくないので、本を調べたりとさまざまな手段を用いて、不安解消にしていました。幸い、肺がんではなく、肺炎との診断で、肺の影も消失しました。

〔かなりあっさり、さほどの不安も無く〕

母も大腸がんで手術をしています。大腸内視鏡検査終了後、あまりにもあっさりと担当医に告知されたことを覚えています。その場で、他の術前検査を予約していました。父のときほどの衝撃はありませんでしたが、不思議とその時は、怖さを感じなかったのです。大腸という部位のためかも知れません。

今から思い起こすと、もしかしたら、母の方が動揺していたのかも知れません。自分で腹部の違和感がると言い、便の鮮血検査を頼んだと言っていました。そして、大腸検査後すぐに告知されたのです。かなり驚いたのではと思うのですが、その時聞くと、「そうだと思った」と意外にもあっさりと言っていました。

母にしてみれば、私が働く病院で検査や手術を受けることが出来たということは、それなりに安心が得られることだったのだと思います。

〔インフォームド・コンセント〕

インフォームド・コンセントとは、

「医師の一連の行為の中で、考え得る複数の処置について医師がその義務として患者に十分に情報を与えた上で、それについて何を選ぶかを決定するシステム」とされています。

〔セカンド・オピニオン〕

セカンド・オピニオンとは、はじめの医師の診断の後に、別の医師にも意見を求めることをいいます。患者自身の自立を尊重し、自分自身の生命を見据え治療法などを自己決定していくことを目的としています。

 

人は、健康を害するとさまざまな妄想を頭のなかで繰り広げます。単なる風邪ですら、さまざまなことを思い巡らしていました。病気になると健康のありがたさが身にしみます。

 

今日のまとめ 

  • がん告知された人の4割は、精神疾患を患う
  • 抑うつ症状は日常の変化に気配りをする
  • がん患者家族の精神的な苦痛のほうが大きい、有用援助を心がけたい遺族ケア

 

「参考資料」

○がん克服シンポジウム(2018年1月13日)講演資料「がんと診断される前に知っておきたい知識と心構え」埼玉医科大 国際医療センター 精神腫瘍科 大西秀樹 教授

○放送大学 印刷教材 「心理臨床と身体の病」小林真理子 放送大学准教授

 

<Pure Medical attitude のblog>

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