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今週は、年齢ごとに特有な心の病をまとめています。初回は、月曜日「小児期」の心の病をまとめました。今日はその2回目、青年期の心の病をまとめていきましょう。青年期とは、第二次性徴がはじまる10~13歳から20歳前後までの期間を示します。広い意味で捉えると、子どもが親から自立するまでの時期とも言えます。情緒的な面が実際の成長に合わずに未熟さが見られる点がこの時期の特徴となります。心と身体の成長が噛み合わず心身症にかかりやすい学齢期でもあります。この時期に特徴的な疾患をまとめていきましょう。

 

1.青年期に多い心の病を知る 

1-1 顔色真っ青!脳貧血は、自律神経から~起立性調節障害~

1-2 さまざまな社会ストレスからの逃避行動「ひきこもり」   

1-3 心も身体も痩せてしまう摂食障害     

 

青年期には、小児期には特に無かった疾患、自己臭気、偏頭痛、筋収縮性頭痛、頻尿、摂食障害、月経困難、無月経、自律神経失調症などが多く見られます。

主なものをまとめておきましょう

1-1 顔色真っ青!脳貧血は、自律神経から ~起立性調節障害~  

青年期やこれ以降にもっとも多く見られますのが、自律神経失調症のひとつです。起立性調節障害は、自律神経の切り替え、交感神経と副交感神経との切り替えが上手くいかずに起こります。以前循環器疾患のところで説明しました、血液循環が上手く行かない状態、心臓から下半身に押し出された血液が、上手く戻すことができなくなり、立つという動作に対して、身体機能がうまく反応しない状態、すなわち長く立ち続けると頭に血液が回らずに、脳貧血を引き起こす障害です。心電図、脈拍、血圧などの変化が現れます。

血管収縮、拡張という働きが上手く機能していない、自律神経の働きです。人の体は、夜睡眠中は、副交感神経が優位になり、朝起床とともに、交感神経が優位へと切り替わります。この機能が上手く行かずに、目覚めたのちも、副交感神経優位状態が続き、ぼーっとしているなど、様々な障害を引き起こします。寝起きが悪い、午前中、ぼーっとしている、めまい、立ちくらみ、脳貧血、腹痛、頭痛などを引き起こします。顔色が悪く、春先から、初夏にかけての時期に多く見られます。

体質を受け継いでいることもありますが、ストレスが原因になっていることも少なくありません。

【起立性調節障害の検査】

この、起立性調節障害のための検査、「ODテスト」は、小児科からの依頼で、確定診断のために心電図室によく来室される検査です。

起立負荷試験(ODテスト)といい、15分間起立したまま心電図と血圧を記録します。立位による心電図の波形変化の度合いや、血圧の低下などにより、起立性調節障害(OD)が有るか否かを判断する検査です。これ以外にOD特有の症状の項目があり、該当の有無をヒアリングして判断します。以下は、生理検査してで行うOD検査の方法です。

  1. はじめにベッドに仰向けに寝て、安静状態の心電図(12誘導)と血圧を記録します。
  2. 起き上がり、起立状態で、心電図と血圧を記録します。
  3. 起立直後、5分後、10分後、15分後の 心電図、血圧をそれぞれ記録します。

※施設によっては、安静時、直後、15分後のところもあります。

気分が悪くなり我慢できなくなったらその時点で記録し、検査を中止します。

 

1-2 さまざまな社会ストレスからの逃避行動「ひきこもり」

さまざまな要因により、社会に出ていけなくなり、自宅以外の場所に出ていけなくなる状態です。ひきこもることで外界から受けると思われるストレスを避け、仮の安定を得ている。その状態からも離脱できなくなってもいます。ひきこもりとは、その状態を示す用語で、診断名ではありません。

  1. 統合失調症、気分障害、強迫性障害、パニック障害などの精神疾患や軽度の知的障害、学習障害、広汎性発達障害などが背景にあり、二次的にひきこもりになっている人
  2. あきらかな精神疾患が背景になく、ひきこもりそのものが主な特徴で、一時的なひきこもり状態にある人

厚生労働省は、

2の状態を「社会的ひきこもり」として、

「内因性精神疾患以外で、6ヶ月以上にわたって自宅にひきこもり、学校や仕事などの社会的な活動に参加しない状態が持続しているもの」と定義されています。

この社会的ひきこもりは、さまざまな理由から社会参加への自信喪失となり、強い不安感、恐怖感を感じています。その行動の特徴を次にまとめます。

【ひきこもりの行動特徴】

  • 外傷体験、挫折体験がある
  • ほとんど外出しない
  • 対人恐怖がある
  • 不登校からはじまり、長期化している
  • 子ども返りのような行動がある
  • 親を召使いのように扱う
  • 親の対応を責め、親との接触を極力避ける
  • 昼夜逆転生活
  • 家庭内暴力

【ひきこもり状態への理解】

ひきこもり行動を知る上で、大切なのは「社会」「家族」「個人」この3つの関係性です。これらは、ひとつのシステムとして成立している必要性があり、バランス取りながら相互関係して日常生活の中で機能してなければなりません。社会的ひきこもりとは、「個人」も「家族」「社会」ともに、すべてにおいて悪循環が生じ、それぞれが閉鎖的で完全に機能不全に陥ってしまっていることが特徴となります。

初めにこの悪循環という状態を知り、理解する必要性があります。子どものひきこもり状態に焦り、焦燥感、不安感ら、怒鳴る、叱咤する、さまざまなアプローチを試みるのではないでしょうか。このような働きかけも本人には、プレッシャーやストレスにつながり、さらに状態を悪化させてしまいます。周囲は、この問題を誰にも、どこにも相談することが出来ずにさらに社会から孤立させてしまうとうい悪循環が生まれます。

【ひきこもりからの離脱方法】

ひきこもりは、本人の意思だけではなかなか離脱することが困難なために、親だけでは、長期化しやすいという特徴があります。親や家族が支援団体に相談するなどの社会、外部との接点を持ち、本人自身が、社会と何らかの接点を持つことが大切です。

 

1-3 心も身体も痩せてしまう摂食障害   

摂食障害は、青年期心身症の代表的な疾患のひとつです。極端な食事制限と、過度な食事摂取を繰り返すなど食事量のコントロールが失われている状態です。心身ともに深刻な影響を及ぼし、健康を害する疾患です。拒食症(神経性食欲不振症)過食症(神経性過食症)を合わせたものを摂食障害といいます。

  • 拒食症:著しい体重減少
  • 過食症:過食後の嘔吐、下剤の乱用

肥満に対する、歪んだ自己のボディ・イメージを持つという特徴があり、スリムな体型をもてはやすような背景、豊かな食文化などの社会的、文化的な背景も関係すると考えられます。体型が自己評価に大きく関与し、自己嫌悪に陥る、自己肯定感が低いなどがある。

二次性徴の年齢の特異的な身体変化により、自分自身の容姿にも関心が高まる時期です。自分自身のボディ・イメージが気になりはじめる年齢、周囲の目線が気になり、どんなふうに見られているのかが気になる年齢です。自身の進路の問題や、恋愛などの人間関係なども関係してきます。

【拒食症の身体の症状】

適切な食事がとれないことから、消化、代謝、自律神経にも機能障害、無月経、徐脈、低体温、筋力低下、筋肉量減少などさまざまな身体症状を引き起こします。

  • 顔・頸  唾液腺の腫れ
  • 頭    脳萎縮、貧血、めまい、失神、低身長(拒食)
  • 歯    虫歯・歯のエナメル質の侵食(過食)
  • 心臓   徐脈、不整脈、低カリウム血症などから心不全、突然死、低血圧
  • 肝臓   肝機能障害、疲れやすい
  • 膵臓   低血糖
  • 胃腸   胃腸障害(過食)
  • 腸    便秘
  • 手指先  冷え性、体温低下、吐きダコ(過食)
  • 足    むくみ、脱水症状、骨粗しょう症、筋力低下、歩行困難

【拒食症の心の症状】

情緒不安定、強迫行為、強迫症状、抑うつ感、イライラ、不眠、集中力低下、自己嫌悪、自己評価が低く、自己肯定感低い、アルコール・薬物依存症、不登校、ひきこもり、万引きなどの盗癖、病状が深刻化すると、リストカットなどの自傷行為、自殺

性格的に神経質、細かいことにこだわりを持つ、やや優等生タイプが陥りやすく、自殺行為にまでいたることがあるために心と身体と双方のケアが大切です。

【拒食症の改善方法】

〔心理療法〕
  • 指示的カウンセリング  自己肯定感を育成する
  • 集団精神療法      摂食障害に対する教育、自己肯定感をあげる
  • 認知行動療法      食に対する行動の改善
〔自助グループ〕

自助グループとは、安心、安全の場であり、自己表現の練習の場です

  • 定期ミーティングヘの参加
  • 自助グループ主権の催しへの参加
〔家族療法〕
  • 家族に対する教育
  • 家族のストレスの軽減、サポート
  • 個別カウンセリング、集団療法
〔薬物療法・その他〕

心身症に対する薬物、栄養バランスの低下に対しての栄養補給など

 

青年期 子どもから大人へ

<青年期>

 

2.青年期 その他の心の疾患

【スチューデント・アパシー】

大学生に特有の無気力状態をあらわすスチューデント・アパシーといわれるものがあります。もともとは努力家、成績も平均以上であった学生が急に学業への意欲がなくなる状態。大学の講義や試験に出席しなくなる反面、学業以外のアルバイトなどに精を出し、退学すること無く留年を繰り返す。

年齢相応の自己形成が見られず、自己形成過程において挫折感を味わっていることが多く、病気であるという自覚はない。無気力、無関心、無感動、将来や進路に希望もなく、不安障害のような焦りや不安はない。一般的に男子学生に多く、女子の摂食障害と比較されるようです。

【過換気症候群】 

過換気症候群とは、精神的な不安や極度の緊張などの強いストレスによって呼吸が過剰となり生じます。この過呼吸により、呼気(吐く息)からの二酸化炭素(CO2)の排出が過剰になり、体内の二酸化炭素濃度が減少して血液がアルカリ性に傾くため息苦しさを覚えます。呼吸性アルカローシスとなることで、四肢の痺れ、動悸、目眩等の症状が起こります。

過換気症候群は、無意識に延髄の反射によって呼吸を停止させ、血液中の二酸化炭素を増加させようとしますが、大脳皮質は呼吸ができなくなるのを異常と捉え、さらに呼吸させようとします。血管は、収縮してしまいますので、軽度の場合は手足の痺れ、重度の場合は筋肉が硬直してしまいます。それらが悪循環になって発作も重くなります。

原因には、身体的要因と、心理的要因があります。

  • 身体的要因 激しい運動、入浴、発熱、注射
  • 心理的要因 恐怖体験、ストレスなど
〔過換気症候群の症状〕
  • 息苦しさ
  • 速い呼吸(呼吸を深くすると胸部に圧迫を感じる)
  • 胸部絞扼感
  • 動悸
  • めまい
  • 手足や唇の痺れ(テタニー)冷感を感じる
  • 意識障害(まれに)失神
  • 死への恐怖感
〔簡単な対処法〕

呼吸の速さと深さを自分で意識的に調整すれば2~3分で自然に治まります。自分の周囲でこのような状態に出会った場合は、発作が起きている人を落ち着かせ、息を吐くことを意識させ、ゆっくりと(「吸う:吐く」が1:2になるくらいの割合)深呼吸をするように促すようにします。一呼吸に5秒くらいで息を吸い、息を吐く前に1~2秒くらい息を止めてから、ゆっくりと10秒くらいかけて少しずつゆっくりと息を吐くようなリズムでの呼吸を促します。

呼吸の管理をうながすことにより、二酸化炭素を増やしながらも、酸素を取り込んで、窒息しないように呼吸管理をすることが推奨されています。かつてはペーパーバッグ法といわれる、紙袋を用いて自己の呼気を再度吸い込む(二酸化炭素が含まれる)方法をとるように言われていたようですが、酸素不足になることがあり、リスクの方が大きいとの指摘が有るようです。

私も過換気になりそうになったことがあります。極度の不安感が、ストレスとなり、呼吸がだんだんと速くなってきます。その状態が続くと手足のしびれを感じ、冷たくなっていくような間隔を覚えます。そして呼吸をすることが苦しくなってくるのです。幸い自分自身で気づき、呼吸を改善させることで、平常にもどることができました。

 

3.エリクソンのライフサイクル論からみた心の成長  

オーストリアの精神科医フロイトの精神的発達論を基礎に、エリク・H・エリクソンは人生を8つの段階に分け、それぞれで解決すべき発達課題があるとして8つの段階に分けています。

  • Ⅰ. 乳児期
  • Ⅱ. 幼児期初期
  • Ⅲ. 幼児期(遊戯期)
  • Ⅳ. 学童期
  • Ⅴ. 青年期
  • Ⅵ. 前成年期
  • Ⅶ. 成人期
  • Ⅷ. 老年期

それぞれの発達段階において、発達するべき課題があり、葛藤があります。そしてしっかりと各段階で漸次、自我を十分に機能するものとして発達させることができたときに、それぞれの段階での葛藤が内的に支える力となり、下部構造が潜在力として、人が人としての生存を根源的に支える力として意識される、自分自身を勇気づけ、強さとして活かされるとされています。

それぞれの発達段階での課題もまとめておきましょう。(以下、放送大学授業より一部抜粋)

Ⅰ. 乳児期

「基本的信頼感の獲得」とされています。「与えられるものとしての私」という確信を中心とした構造です。この乳児期に母親からの継続的で一貫した世話を受けることで母親に対して信頼感を抱くことで、一時的な不在に対しても耐えることができるようになります。自己が受容されているという確信を持ち、自我の中に取り込むことを促進するといわれています。

II. 幼児期初期

エリクソンは、この時期を恥と疑惑に対して「自律性」を獲得する時期としています。たとえ避けることのできない恥や疑惑の体験に対しても意志力を持つこと、自己抑制と同様に自由な選択を試みようとする断固たる決心を確立する時期とされています。フロイトの言う肛門期にあたります。

III. 幼児期(遊戯期)

この時期は、自発性の獲得であり、その行動を支える活力は「目的性」だといわれます。こうありたいと想像するものとしての私に支えられているとされます。

IV. 学童期

学童期は、劣等感と葛藤しながらも学習するものとしての私という確信をもち「勤勉性」の獲得です。この時期の活力は「有能感」であるとされています。

V. 青年期

エリクソンは、この青年期の役割をいちばん大切な時期と捉えています。最大の課題を「自我同一性・エゴアイデンティティ」の獲得とし、この活力は、「忠誠心」としています。ここでいわれている「忠誠心とは、価値体系の避けられない矛盾にもかかわらず、自ら選んで約束したことに忠実であり続ける能力のこと」とされています。

私なりに解釈すると、自分の価値基準は、自分自身で決めるべきものだが、その価値基準を越えてでも自分が自分自身と約束したことに対してやり通す能力というように理解しています。

VI. 前成年期

人生でもっとも大切な愛を育成する時期、「親密性」とされています。相互のアイデンティティをともにすることの出来るパートナー同士の結束を強める時期であり、愛という活力のもとに成り立っています。

VII. 成人期

自己の分身としての我が子を育てる、後継者の育成に務める時期として「生殖性」と呼ばれ、この課題を支える活力は、「世話・ケア」とされています。他のものに対してもアイデンティティを共有できるように教えなければならない、成人は未成年者に対して自己の信念を責任を持って語らなければならない時期です。

Ⅷ. 老年期

人生最後の時期であり、失意を重ねようとも統合していくことが求められます。英知を活力とし、死そのもと直面しながらも、生に執着せずに関与することとされています。

 

このようにエリクソンのライフサイクル論は、人生のそれぞれの発達課題をあげていますが、この課題が漸次クリアにされれば何も問題はおきません。葛藤を繰り返し、さまざまなストレスが絡み合い人は心を病んでしまうのです。この、背景を少しでも理解しておくことも、心を考える中で大切なことではないでしょうか。

私自身が、この段階をクリアにしていけたかどうかは、いまだ課題です。振り返り、その時の自分に立ち戻り、敢えて答えを探すのもひとつの問題解決方法なのではないかと思います。実践心理学と言われるものや、戦略的アプローチと言われるミルトン・エリクソンを先に学び、フロイトから学び直し、改めて人の発達段階を考え直す大切さを痛感しています。お読みいただけた方に少しでも役に立つことがあれば幸いです。

 

エリクソンのライフサイクル

 

 

今日のまとめ

  • 青年期の発達課題を理解し、社会を通してのサポート作り
  • 心と身体、双方向での対処方法が大切
  • 過換気症候群のときは、吐く息を意識し、ゆっくりと深呼吸をすることを促す

 

今週のblog 

『年齢特有の心の病』

・§1 小児期、心の発達と人格形成        2017.7.3

 

『心の健康生活習慣』

・§1 心の健康構造を知りバランスを保つ    2017.6.26

・§2  ストレッサーに勝つ方法  呼吸の大切さ   2017.6.28

・§3  ストレッサーが招くさまざまな心の病      2017.6.30

『健康を考える』

・§1 自分の健康を意識していますか       2017.5.29

・§2 よく聞くけど生活習慣病とは        2017.5.31

・§3 毎日、健康生活を過ごすためのポイント  2017.6.2

 

<関連サイト>

・スチューデント・アパシー         Wikipedia

・過換気症候群               Wikipedia

・エリクソンのライフサイクル論       Wikipedia

 

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今日も最後までありがとうございました。

 

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